カストルは、やっぱり怯えた顔をやめることはできないでいる。

けど気にしているのは、シトゥラのほうだった。
「……シトゥラ、大丈夫？」
みんなを見回して、一番大丈夫じゃなさそうに見えるから。

「あ、ああ……！シトゥラ……！」
どうしよう、と周りを見る。アラートも耳に入る。

「……えっと……待って！シャト、聞こえる？ちょっと待ってくれないかな……？」

「……テンガンに任せて、いいのかな」
でも、自分には連れ戻せそうにない。
あんなふうに逃げ出すことを、強要はできない。

「……逃げちゃったら、こんな風になるんだ」
だから、先に処刑室へとついていく。

>>17
「……いる！」
ぎゅ、と飛びついた。やはり今日も震えている。

「バーナード……」
ぐ、と引く力に一瞬抵抗して、やめる。つい抵抗してしまっただけだ。

そして慌てて近くの、小さなナイフを取ろうとして、
「痛っ」
指先に小さな傷を作ってから、今度は気をつけて取った。

「……つ、ぎ？やろうか……」

頷いて、すぐ近くでそれを見た。
首の傷よりも小さく見えるけれど、すごく痛いに違いない。こんなに小さな指の傷ですら痛むのに。

「ヌンキ……ごめん、」
見下ろしたヌンキの手に、生ぬるい涙が落ちるのが見える。自分のうるさい呼吸音が聞こえる。
バーナードのつけた傷とは違う場所に、似たように押し当てて、血の流れる様を見て、そこでようやく気づく。
……血は、とくに苦手みたいだ。

バーナードの手を強く引いて、下がった。ナイフは手に持ったまま。

ナイフは、すぐに手を離した。視線はヌンキの方を向いて。

「みて……見てる、よ。ヌンキが、頑張ってるところ。
ちゃんとここから見てる、から！」
ヌンキにも聞こえているだろう。聞こえるように言ったから。

カストルは机にべろべろに広がった。液体。

「……ムルイジわよ！」

ここ1000年でもっともレベルの低いモノマネであった。

ムルイジはそこまで言ってないし、ムルイジのモノマネレベルもなかなかに低いなと思った。

「ゆるすのわ……サンドパン^food持ってきてくれたらね……」

ムルイジのことなんだと思ってるのか？

「でっかいドーナッツ！！！……食べ切れるかな……？」

でっかいやつだったしドーナツではない。焼き菓子。

「じゃあテレベルムに半分あげる」
真っ二つにしたクグロフの大きいほうをあげる。別に優しさではなく、多いから。

>>67

半分でもデカかったのでさらに半分にしたドーナツじゃない焼き菓子をスァッーーーー！！！

「ていうかバナナ食べたくない？」
なんでだろう。

>>71　代表バナナ




「……あれ、なんだっけ……？」
超絶楽しいバナナードのうたを忘れてしまった。

そうだよ！