人狼物語 三日月国


45 【R18】雲を泳ぐラッコ

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[欲しいのはYESの音だけど、待った、も受け入れましょう。
6年の間リフルのことを考えていられたのは私の話。
彼はそんな暇も無かったでしょうから、ハンデをあげる]


 好きな理由は訊かないでね。
 きっかけはあったけど、理由なんてないの。

 寂しいときに側に現れた人だよ。
 お見舞いしてるうちに仲良くなれた。
 そこから好きになっていったと思う。


[「何故オレに、こんなに構う?
その答えは考えても分からなかった。
お姉さまの代わりに甘えられる人が欲しかったのか、
誰かの役に立ちたいと思ったときに現れたからか。]


 始まりは分からないけど、好きになってたの。
 それってダメかな。

 私のこと、そういう風に見たこと無いなら
 これから見て欲しいって、おかしいかな。

 

[ああ、そういえば「酔っ払いの話は聞きません」と
突き返されたのだった
またお酒の席で言っちゃったな。
ワイングラスに行きかけた手を
水のグラスに引き戻して一口水を飲んだ]


 信じられないなら何度でも言ってあげますよ?


[ふふふって笑えばそれがきっかけで楽しくなってくる。
ねえ、気持ちが先で理由が後って変かな?
好きだから可愛く見えるの。
好きだから許してしまうの。
好きだから役に立ちたいし、
好きになって欲しいから、好きなんだって気が付いた。]

[少し空気が落ち着いた頃、かわいいお姫様が起きてきた。
うるさくしてごめんねと膝を折ったが、彼の方が早い
リフルにあやされて落ち着く様子から、
2人の信頼が透けて見えた。

あのくらい、あなたに信用される人になりたい。
……今からでも間に合いますか。
リフルのそばにいたいと望んでもいいですか。]


 ここに住むのは構いませんよ?
 私と鉢合わせるのは覚悟してもらいますが。


[客間に住まわせ続けるのは悩ましいから、
庭の反対側の離れに部屋がありますよと伝えた。
彼らには騎士の位があるのだから、
家を1つ渡しても良かったのだけれど、
お姫様の願いは叶ったのだろうか。
誰かさんが誰かさんに告白したせいで
時間がかかったかもしれない。]

[お見送りはしっかり受け取って、
私の部屋の前まで来てもらう。
ここで抱きついたら貞操の危機を感じてもらえるだろうか。
それくらい本気だと伝わるだろうか。
どうでもいいことを考えて笑った]


 おやすみなさい。
 また休日に

[ルミさまに街を案内する約束の休日に。
それまでに逢えたなら
それは素敵なこととして受け取りましょう。
そうでなくても、
リフルに教えてもらったおいしいクッキー屋さんから
街を巡れば楽しいことでしょう。

少し明日からが楽しみになって、
ドキドキしている心臓を上から抑えつけた**]


 好きっていうの、緊張する……

 

【人】 志隈

[故郷は此処より治安がいい。>>49
同じ価値観を持つことは出来ないだろう。
尤も兵になる前の記憶は大分曖昧ではあるが。]

この国に関わった事が無いから、
旅行者と言うのは間違ってない。

[甘く見えようが気にもせず。
それが何か関係あるかと無愛想なまま。]

動物扱いするなとも、許せないとも言った覚えはないがな。
あんたがわくわくしてる姿が、
気味悪さを覚えただけだ。

[人を人と思わない行為は珍しくないが、
表面的に優しく見えるものには眉を顰めた。
優しい訳でもなく、
ここに文句を付ける筋合いも無かったが、
不愉快に思うか?とはあんたが聞いたんだろと
そう口にして。]
(60) 2020/10/11(Sun) 9:32:50

【人】 志隈

[どうでもいいと言われれば、顰めた眉を元に戻した。
冷静にはなっていく、
怒るほどではないものでもある。
違和感は拭えないが。]

結果には影響のしない話だな。
理由に関しても、おかしいと思ってる訳じゃない。
あんたはそれでいい。

犬猫と同じに扱うのが気味悪いのは、俺の都合だ。

[価値観が違うのは当然のようにある。
数ヶ月前、合わずに衝突した覚えも。
今でさえ、同じ景色を見てるとは言い難いだろう。

子供は施す側の理由なんて気にしないものだ。
運が良かった、くらいに考えている。
人を人としての価値を認めたがるのは、
あの人や自分の価値が過るからか。
それすら思い出せず。
]

理由なく人助けに憧れる純粋なあんたが見れるかと思ったがな。
これもあんたらしいか。

[瞬間的に忘れていた夢だと言うことを思い出して、
言った所で思想が変わらないように出来てるかもしれないなとも。
説得をするとも、出来るとも思わない。]
(61) 2020/10/11(Sun) 9:32:57

【人】 志隈

[ふらつく姿に支えを伸ばさなかったのは、
目の前の若い存在は嫌うかと思ったからだ。>>54
寄りかかるなら避けまではしないが、
殴られた場合の抵抗準備だけはしていたが。]

───

[耳元で、甘く紡がれた女の名前に僅かに目を見開く。
明滅する世界に気を取られるのが一瞬遅れる程には動揺した。]
(62) 2020/10/11(Sun) 9:33:02

【人】 志隈

[近くに感じる匂いは毒のようだ。>>53
数ヶ月前感じたものとは違っても、
どうしてか、他の人間とは違うように思えてしまう。

朝日の差し込む世界で、
寝ぼけていると言うなら何時でもそのままにした。
何も思ってない事はよくわかっているなら、
意味はない。

──無いのは解ってる。
それでも触れるものに甘さがあれば余計に身を固くした。
開いた物は更に指がかかって開かれてるんだろう。
好ましいと感じて、
その姿を向けられたいと願って…
悪い冗談だと思う。


過去に愛した女性がいるのは何も思わない。
だが、そうやってあんまは愛せる人間だから、
何時か誰かを思い愛するのだろう。
それが堪らなく嫌なのだ。
幸せを願ってるくせに、手放したくない。
あの人が自分を忘れて結婚して幸福になった事は、
後悔もないし良かったと喜んでいるのに、
どうしてかあんたの幸せから跡形もなく消えるのは──
]
(63) 2020/10/11(Sun) 9:33:08

【人】 志隈

[どん、と突き飛ばすように動いた時には、
赤い世界が広がっていた。>>59

愛してたものを失う痛みはどれくらいのものなのだろう。
娘は生きていると聞いたから、腕の中の子は無事だろうか。

憎悪と怨恨の顔の方が頭が冷えていって、
息を吐く。
そうまで思うなら娘の側にいて欲しかったが、
難しい事だとは聞いた。

戦争をすれば、
勝者が敗者から略奪するのは珍しい事ではない。
この光景だって、そこまで苦しみは呼ばず。
苦しみを越えて前を向いて欲しいと願うのは酷いことだろうか。

声はかけずに彼が動くなら付いて行って、
そのままであるなら女と子供の顔をじっと見つめた。
代わりに与えられないものを与えようとするくらいには、
子供は大切らしかった。
何時か再会出来れば、あんたは笑うのだろうか。]*
(64) 2020/10/11(Sun) 9:33:41
[ルミが眠った部屋で彼女と二人、盃を交わす。
聞き出さずとも彼女が跡継ぎの話を語ってくれた。]


  ……いや聞いてねぇ……

  そうか、
  してないんだな……


[失礼な話だろうと思って深入りする気がなかったから首を振った。彼女は冗談だと笑う。グラスの音に紛れさせて、呟いた。
自分のせいかと思う僅かな気持ちは、旅の話で流した。
彼女もそんな話をする為に呼んだんじゃないと思ったし…
自分だってこれ迄の事を聞いてほしかったし……]

[距離をあけて手を重ねる。
右手の事を気にしないでほしいと思ったのも本心だし、
彼女を気に病ませたくなかったのに、
結局、己の考えの及ばないところで彼女を傷付ける。
だから彼女の思い出を踏み躙る事を平気で言えるんだ]


  ───、


[何でまたそんな事を言うんだ。
あのときの、と言われても思考が追い付かなくて。
頬に触れた口付けは挨拶の様でも、そうは思えなかった。
もっと苦くて、痛々しく胸迄刺し及ぶ]


  ………お嬢様の方がよっぽど
  色恋に富んでらっしゃる。


[彼女が本心なら彼女の気持ちは切なものだろう。けれどここ迄想ってもらえているとは、想定外だったから。
茶化すつもりはないが、
その情熱には呆れ迄覚えてしまうものだから、つい零す]

[好きな理由?
前もよくわからなかったんだから今更聞かないが、
きっかけがそれなら十分理解は出来る。
先ほどは呆れたものだが、この人は別におかしくない、と、頭の冷静な部分が判断する]


  ………


[「これから見て欲しい」にはすぐには頷けず、言葉を探す。
くだけて喋れる相手だけど、
大切で、守りたくて、特別な人だけれど、
卑しい気持ちでも愛しい気持ちでも触れる事すら躊躇う人を?そういう風に見る?
すぐに「はい」って言える方が、
今迄の気持ちが嘘だという話だろう……
こんな風に思う気持ちは初めてで、
この気持ちだって大切にして来たのに。

彼女の方が酒を飲んでいた事は忘れていた。
水の入ったグラスを傾ける彼女に僅かに眉を寄せる。
楽しそうに笑う彼女はどこか痛々しいのに、
「結構です」と彼女のグラスに水を足してやった]

[起きてしまったルミをあやしてから彼女のもとへ戻る。
それって、オレが再度お嬢様を振った場合でも言えんのか?と、もやもやと渦巻く腹は意地が悪い。お嬢様も大概すごい事言ってる気がするけど]


  構わなくはねぇだろ、
  雇ってる訳でもないのに……


[とは言うものの、家が渡されるというなら揺らぐだろう。子連れには願っても無い話だ。
とりあえず教会の厚意もあるから、翌日からは教会の用意してくれた部屋へ移ると伝えた]


  ……シャーリエ様、

  さみしい思いをさせたのはすみません。
  正直、忘れると思ってました。

  …ぁ………


[馬鹿正直に告げたが、隠す事は何もないだろうとも思う。
……ありがとう、と言おうとして、詰まる。
その言葉に何の意味があるのだろう。
考えれば考えるほどドツボにはまりそうで……

結局、「送ります」と呟いて、席を立っただろう]

[見送った先の部屋の前で、
彼女は寝る前の挨拶をしてくれた]


  おやすみ……
  良い夢を。


[そう言って扉が閉まる迄、頭を下げていた。
ルミの眠る部屋に戻って彼女の隣に潜り込めば、
動かない右手をきゅうと握られる。
義手は外して眠るものだから、頭を撫でてやれないのが残念だ]

― 休日 ―

[当日は黒のシンプルな祭服で、ルミを連れて現れる。
シークレットブーツも履かない。
六年前と似た格好を避けた結果の服装だ。
彼女の屋敷迄迎えにあがって、
ルミの前だけれど、はっきりと尋ねる事にした。
多分己は小難しい顔をしていた。
言っていいものかとか、この言葉で正しいのかとか、ずっと悩んだけれど、やはり不安は拭えぬもので]


  ……あの日の続き、
  じゃなくてもいいか?
  オレもそんなつもりはなかったんだが……

  あんたとデートがしたいんじゃない。

  でも、一緒に行きたい。
  ただ、一緒に居たかったんだ。

  ……それじゃ、駄目か?


[これが、あの提案の答えになっているかはわからない。でも彼女を大切に思う気持ちを偽りたくはなかったから…言霊に込めた。**]

[言葉が足りないから、なんどでもすれ違う
何度繰り返してもすれ違うんだろう。
彼が私をどう思ってるかも聞かずに、
私のわがままに振り回した。
6年間、甘酸っぱさを煮詰めて
焦がしてしまった恋は終わりにする。


またゼロから始めよう。
同じ街に居るのだから、
すれ違うことだって
捕まえることだって叶うのだから]

[教会の用意した部屋がある、とは
牧師にと頼まれてやってきた彼には当たり前の待遇。
考えなかった自分もおかしかった]

 あら、ほんとう?
 必要になったらいってくださいね。

 働かないのに、とは考えないでください。
 私が領民から税を頂いているのは
 領民の為に使うからです。
 貴族のつとめというものです。


[意地の悪い質問をぶつけられたとしても
素知らぬ顔で返す自信はある。
あなたがどこかで苦労している間、
恋と仕事を分けるために、
ぶ厚い仮面を重ねてきたんだから]

[自分の部屋に戻るまでの時間くらいは稼げる]

[だから「忘れると思ってた」なんていわれても、
目を伏せて笑うだけで終わらせた。

本当は断られるのが怖くて仕方ない。
穏やかで薄い、中庭の住人を続ける方が楽だっただろう。
でも、それじゃないって蹴ったのは私なんだ。
戻れなくても仕方がないけど、怖いよ。
 リフル 助けて]

―― 休日の屋敷前 ――
[民族衣装をまとって、髪は三つ編みして垂らして
訪問者の前に立つ。
表から出ようとすると近衛兵がおまけについて来るので、
いつかと同じ裏口で待ち合わせた。

教会で見る牧師さんのなかでも飾り気のない祭服は、
以前、髪をまとめてリボンで結っていたリフルと印象が違う。
ヒールを履いた私が身長を追い越したか、
お姫様に合わせて歩く歩幅のせいか。
ずいぶん大人しくなったように見える。
モノクルと祭服で知的にすら見えて。
以前の彼が知的でなかったというわけではなく……うん


彼の左側の特等席にルミさまが見えたので、
小さく手を振った。
ドレスじゃないけど私だとわかってもらえるかしら]

[お出かけの前に怖い顔した
……それでも前よりは柔らかい表情のリフルから答えを聞いた]

 ……。

 悪い子……。振ってくれもしないんだ。
 でも許したのは私だものね。

 今日は一緒にいてね?


[顔を伏せればルミさまと目があった。
にこりと微笑みかけて、しゃがんで彼の視線から逃げた]

 
 ……さ、行きましょう。
 今日はルミさまと街を回るんですよね。
 お供に選んでいただき光栄です、ルミさま。

 クッキーはなにがお好きかしら。
 この季節なら私はジンジャークッキーが好きです。
 少しスパイスが入っているけど、温まりますよ。

[ミルクと食べるのがおいしいです、と彼女に笑って、
そのままの笑顔でルミさまの反対側のリフルの隣に並んだ。

 ほら、リフルは場所知ってるでしょう?
 大きくなったけど看板はそのままだから間違わないよ

[義手の方をつついて
クッキー屋までのエスコートは丸投げした。
その後は私が引き受けますからいいでしょう?

ガラスの髪飾りのお店なんて、リフル知らないでしょう。
収穫祭が近いから民族衣装を飾っているお店も出ている。
リボンと小さなグロスでお化粧して、ディアンドルを着たら
妖精みたいで可愛らしいに違いない。
ちょっと張り切って、ルミさまをおもてなししよう。
リフルが止めるかは彼の教育方針に寄るんだろう。
後から彼女が贅沢になったとか怒られても、
私そんなの聞いてないもん]

[その日はルミさまがいるから
日が沈む前に別れるのだろう。
すこしぼうっと夕焼けを見ていた]

  また来たいね

[本音のなかに本音を隠した。
リフルとルミさまと、穏やかな時間が楽しい。
六年前と違って、平和にすごせた時間が嬉しい。

お姫様の邪魔をしないように、義手の手に触れた。
秋の空気で冷たい、リフルの手]

 触るのいや?
 少しだけ、こうしててもいいかな……。

[手を繋ぐことも指を絡ませることもせず、
手の甲同士を合わせて、冷やされた息を吐いた。

「また来たい」とは言ったけど次はあるのだろうか。
赤く染まる雲ばかりを見て、リフルの顔は見れなかった。
空でくるくる回るラッコが3人を見下ろしていたけど、
そんな不思議に気が付きもしなかった**]

[彼女の屋敷へ招かれた夜、
彼女は貴族らしくこちらの処遇を述べる。
もてるもののなんとか……だったか。
こういうのはきっと考えたって理解できないと思っていたけれど、教会で働いて、弱き者たちに手を差し伸べて来た今なら少しわかる。多分、持っているものの量が桁違いだろうから、己が理解しているのは一部なのだろうけれど。

彼女が仮面を被った事はわかったけれど……
それを観察する事すら出来ずに、
各々の夢の中へ歩いて行ったのだった]

[そんな記憶もまだ新しい休日。
屋敷の裏口へ赴けば、
そこには少女の様なお嬢様が立っていた。
六年前のあの日より可愛らしい格好だったから、
若返った様な印象だった。

けれどルミは「あー!」とすぐに気付いて手を振った。
彼女のすぐ傍迄行って、変わらない気持ちを吐露すれば、
お互いに苦い思いをした]


  ……お嬢様のお心の広さに感謝します。


  もちろん。


[おどけた様な、それでいて真に謝意を含む声色で頭を下げた後、ぱっと顔を上げて頷いたけれど、逆に彼女はルミの方へしゃがんで微笑み合っていた。
逃げられたというのに、悪い気がしなかった。
この光景が………、]



 「ルミはチョコのが好き!
  ちちはチョコ少ないチョコのクッキーが
  好きって言う」


[にこにこしながらルミはクッキーの話に花を咲かせる。
お嬢様の話にもきちんと耳と傾け、
ジンジャー?あったまる??と首を傾げたり、
ミルクと食べるとおいしい?と目を輝かせたりする様は、
気のせいか、己と居る時よりはつらつとしている様な……]


  あぁ、はいはい。


[彼女につつかれ、彼女を真似したルミにつつかれ、
こそばゆい様な気持ちでクッキー屋へ歩き出す。
自分はよほど締まらない顔をしていたのか、
少しばかり変化があるだろう街並みに目を遣ったりしていたら、通行人がじっと己の顔を見ている。
気恥ずかしくなって、目線を彼女やルミへ向ける。
話していればマシだろうと、
向こうの筋にあった店の話を振ったり、
彼女からガラスの髪飾りの店の話を聞いたりした]

[クッキー屋に着けば
三人で好きなクッキーを選んで袋に詰めてもらう。
ルミが試食のマーブルのクッキーをおいしいおいしいとほっぺたが落ちる様な仕草で絶賛すれば、二枚おまけしてくれたりした。
あれ、二枚って多分ルミとお嬢様の分だよな、と、少し仲間外れにされた様な気分も、悪くなかった。

民族衣装を扱う店に寄れば、
彼女自らルミをコーディネートしてくれた。
ルミには贅沢はさせてやれなかったから、こういうのも良いか、何より可愛いし、と思って微笑ましく見ていたが、服飾諸々の値札を見て首を振った。
ルミは満足そうに鏡の前で踊っている。
ルミの後ろで、ちょっとお嬢様!と小声で抗議したが、素知らぬ顔をされた。更に、]


 「このまえのドレスも着たいなー」


[と、お嬢様をじーっと見て呟く始末。
お嬢様みたいなドレスは子供用でもすんごい高いんだぞと宥めるが、「でもかわいいでしょ?これも!」と小首を傾げてくる]


  ………あぁ、
  可愛いよ。

  ありがとう、おじょうさ……おっと
  ………、


[ルミを可愛くドレスアップしてくれてありがとう、とお嬢様を振り向いて、そう呼んではいけないと口を噤む。
何だっけ、変装用につけた名前。……あぁ、確か…
思い出すのに時間を要して、既に改めて呼ぶ空気ではなくなっていた。
誤魔化す様にふっと笑って、行きましょうかと店を出るだろう]

[楽しい時間はあっという間で、
既に街を照らす光が色を変えていた。
世界にとろりと滲む様なオレンジの世界を、
彼女とルミは見ていた。
オレはそんな二人をこっそりと盗み見ながら、
彼女の「また来たい」に、はいともいいえとも返さなかった。
それでも、拒む様な空気は纏っていなかっただろう]


  いやじゃないですよ。


[ルミが無邪気にぎゅーっと握っている方の右手と違い、
彼女の触れる左手は、本当にただ触れているだけ。
いやな筈がない。
即答したけれど……
したのち、急にあの肌寒さを思い出した。
自分は、何を考えているんだろうか。
……手の甲を裏返そうと、して、]


  ………

 「ちちー、メグさぁん、お空見てー」


[ルミが空を指差した。そこには不思議な光景が浮かんでいたのだけれど、それよりルミが口にした名前にぎょっとした]



  あ、ええと……


[お嬢様も空ではなく、ルミを見ていただろうか。
どう言い訳をしたものか……目を泳がせたのち……

ルミにシャーリエの話をしていた事を話す。
発音が難しかったらしく、短い「メグ」の名前でルミに紹介していたら、そちらで覚えてしまったらしい。
バツが悪そうにぽりぽりと頬を掻いてから、
お嬢様の仮面の下に呼び掛けた]


  なぁ。
  オレも、メグって呼んでもいいか?

  敬してるお嬢様の名前でなくて、
  メグって呼んで……

  それなら少し、
  違う気持ちも持てるかもしれない……


[かもしれないのたとえ話で彼女を期待させて、
また傷付ける可能性だってなくはない。でも、

ルミに優しくしてくれる彼女を見て、今日彼女と話して、彼女と並んで……彼女を守れた時とは違った幸せを感じたんだ。
己の代わりに寝る時にルミの頭を撫でてくれる人が居ればいいと思った。
それはつまり、ルミの母親で、自分の伴侶なんだけれども……]

[小さな確信と小さな衝動を経て、
恋と呼ぶには程遠い気持ちが芽吹いたかもしれない。
程遠いから、彼女から握られたら手を逃がしてしまうが、
この場所からはもう逃げない]


  ……また、来ましょうね。


[ふっと柔らかく笑んだ瞳には、
赤く染まる銀髪の女性だけが映った。

彼女を屋敷へ送り届ける時は、
彼女を真ん中に迎えた三人だっただろう。
今はルミだけが彼女と手を繋いでいるけれど、

いつか、
三人で手を繋いで仲良く歩く日も、来るのかもしれない。**]