181 忘却の前奏曲、消失の1ページ
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| (47) 2022/10/27(Thu) 0:09:32 |
| [ 歌わなきゃ、って思って焦ってるせいなのかな。 歌詞もメロディも確かに覚えてるのに 歌おうとしたら声が出なくて。 ] (48) 2022/10/27(Thu) 0:09:58 |
[ 当たり前だよ。
だってあれは私が
W太陽じゃない時にW歌ってたんだもん。
そう、教えてくれる人は今、
いない。
]
| ごめんね、歌ってた歌、 君が聞いたら何か思い出すかなって そう思ったんだけど…… ド忘れ、しちゃったのかも。 [ 一瞬、歌えないことに動揺して 顔にも出してしまったけれど すぐに困ったように笑って、謝った。 ] (49) 2022/10/27(Thu) 0:11:18 |
| えっと…… しばらくは入院することになるのかな。 着替えとか、きっと必要だよね。 私、君の家知ってるから…… 私でよければ必要な物、持ってくるよ。 私じゃない方がいいなら…… その時は先生に聞いてみるね。 [ 話題をそらすようにそんなことを言って。 入院しないとしても、必要な物 多分此処にはないはずだから、 どっちにしろ誰かが 持ってこないといけないと思うし。 君の両親は頼れないってわかってるから。 たぶん君はこの提案、断れないんじゃないかな。
断られたら、勝手に家には入れないから 素直に他の大人に頼るつもりではいたけれど。 ] (50) 2022/10/27(Thu) 0:11:53 |
|
[ 今ここに両親が居ないことが 悲しいことだなんて思わない。
自分が闇の奥深くに落とされて 手を差し伸べない親なんているだろうか? 考えたらたとえボクにだって答えが分かる。
ボクには、はじめから親なんて居ないんだ、と。]
(51) 2022/10/27(Thu) 4:08:09 |
| え?あ、う、うん…大丈夫だよ。 [ そんなわけがない。誰だって分かるのに。 >>36 反射的についそう答えてしまうのは ボクが彼女という人を知らなすぎるせいだ。 信用はしてる。でも信頼は……。
ボクの記憶が戻らないと困るのは どうやら彼女も同じみたいだったけど。 >>37 太陽が枯れ、死んでいく姿に >>38 ボクはひどく冷静な頭で、言葉を被せた。] (52) 2022/10/27(Thu) 4:08:54 |
| (53) 2022/10/27(Thu) 4:09:35 |
| [ 家族だった人達を信頼出来ずに 蔑み続けた結果、自己嫌悪に苛まれる。 奇しくも記憶を無くす前と同じ道を辿って 同じ台詞を吐いていたことにボクは気づけずに。 でも言葉を被せたボクの傍らで キミはボク以上に怒り、哀しんでいたから。 >>39 ボクは思わず目を丸くしてしまうんだ。] (54) 2022/10/27(Thu) 4:10:06 |
[ それが同情じゃないことくらいわかるよ。
彼女が本当に優しい子なんだってことも
その感情が決して安くないことも。
ボクには、伝わってる。]
| *** [ ボクは以前彼女のことを名前で呼んでいたらしい。 しかも呼び捨てで。なんと仲睦まじいのだろう。 自分のこととは到底思えない。 疑うわけじゃないけど まだ彼女を完全に信頼出来るわけじゃないから。 彼女の言うことを信じたくても、まだ踏み込めない。 ] うん……ごめんね。 [ 気を遣わせてしまったことにも すぐに彼女の期待に応えられないことにも。 どこか無理をしているようにも感じる その笑顔にボクは心が痛くなってしまった。 >>41] (55) 2022/10/27(Thu) 4:12:44 |
[ 彼女の言葉を信じるのなら
彼女がそう言いたくなる気持ちだってわかるんだ。
分かってるのに。理解出来ているのに。
そんな想いが、怖くて仕方がない。
お前には過ぎた宝物だと
心の奥に潜むボクが否定する。
]
| [ 途端、ボクの自己嫌悪を食い止めるように 彼女の口から事の顛末を語られる。 交通事故があった時のこと。 >>43 彼女の言うことが本当のことなら ボクも…こんなボクでも、誰かを守れたんだって。 少しだけ、安心することが出来たから。 ボクは謝る彼女に向かって、小さく微笑み。] (56) 2022/10/27(Thu) 4:16:27 |
| (57) 2022/10/27(Thu) 4:16:47 |
| [ 記憶を無くす前の自分の言いそうなことを 彼女へと告げる。 きっとボクなら、そう言うはずだ。 でも彼女は未だ崩れてしまいそうな 不安定に揺蕩う笑顔のまま。 >>44 秘めた決意だけで、突き動かされていた。 とはいえそれも全てボクの感想でしかない。 何を決意し、何を望んでいるのか。 >>45 今のボクには推し量ることしかできない。] (58) 2022/10/27(Thu) 4:17:28 |
[ ボクは彼女が太陽だなんて知らない。
知らないからこそボクは彼女に太陽は求めずに
それでいて彼女を役割から解放することが出来ず。
今のボクは、何かをしようとして
何も出来ずに戸惑う彼女を
心配そうに見つめることしかできないままで。]
|
ごめん、ボクが言っても説得力、ないよね。
[ 口をついて出てしまって数秒。 ボクは困ったように笑う彼女に、頭を下げた。]
(59) 2022/10/27(Thu) 4:20:31 |
| [ 謝罪を終えて頭を上げると 彼女から今後のことの話をされた。 話題を逸らしたかったなんて そんな意図にも気づかないまま。 ボクはと言えば思わず唸ってしまう。 何から何まで彼女に手伝わせるわけにはいかないのに 先生の話からして、ボクに頼れる大人はいない。 しかも当のボク本人はこのザマだったんだから、 たとえ信頼しきれなくても、頼るしかなかった。] (60) 2022/10/27(Thu) 4:36:23 |
| なにもそこまでしなくても… [ けど分かっていながらそう答えてしまうのは ボクにとっては彼女は身内ではなかったから。 特別な人以外には当然の遠慮があった。 >>50 いくら彼女がボクに負い目を感じていても たとえ心優しい子だったとしても つけ込むような真似はしちゃいけない。] (61) 2022/10/27(Thu) 4:36:55 |
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[ でもそれ自体がボクの思い違いで 彼女のことを誤解し、見くびった証拠だと ボクはすぐに思い知ることになったんだ。] (62) 2022/10/27(Thu) 4:37:41 |
[ 信頼出来る確証がない以上
あとは信じるか、信じないか。
そして信じたいか、信じたくないか。
決めるのはボクだから。]
| [ 君の言葉が頭から離れない。 ずっと、ずっとそう思ってたのかな。 本来頼れるはずの人を頼れない。 それが悲しい事だって、私は知っている。 誰も来ない授業参観とか 運動会の親子競技。あとはそう…… 自分で作ったから中身を知っているお弁当とか。
半端に知ってるから許せないんだ。 ] (63) 2022/10/27(Thu) 13:47:57 |
[ 同情なんて安い感情じゃないよ。
きっと、君を馬鹿にしてた人には一生分からない。
そしてそれを私ならわかる、って。
君には言えないことも思ってるんだ。 ]
| *** [ 君に守られたんだよ、って伝えた私は覚悟してた。 君のせいで怪我をしたんだ、って言われたとしても 私はそれを受け入れるつもりでいたのに。 ] (64) 2022/10/27(Thu) 13:49:06 |
| (65) 2022/10/27(Thu) 13:49:36 |
| ……優しいね、君は。 君のおかげで私はなんの怪我もしてないよ。 (見える怪我は、何も。) (66) 2022/10/27(Thu) 13:50:05 |
| [ 元はと言えば全部私のせいなんだ。 私が夜ご飯一緒に、なんて言わなければ 夜道を歩くこともなくて 私を送り届ける必要もなくて 君は、怪我をしなかったし 記憶だってなくさずに済んだんだ。
ずっと、そんな思いを抱えたまま。 ] (67) 2022/10/27(Thu) 13:51:20 |
[ 太陽から解放してくれたのが君だった。
太陽を求めないでいてくれたのも。
だから、君がいなくなってしまうと
私は太陽に戻ってしまうんだ。
今の私は、太陽でいようと思って
それを望んているのに。
それが自分の首を絞めている。 ]
| [ 私よりずっと不安なのは君なんだ。 だから、君の前で不安な顔しちゃいけない 君の前では笑っていなきゃ、って。 無理するの、慣れてるから それでよかったのに。 ] (68) 2022/10/27(Thu) 13:52:21 |
| [ 休んでもいいんだ、って言ってくれた時の君と 今、無理しなくていいよって言ってくれた君が 重なって、言葉に詰まってしまうんだよ。 君の言葉だ、って安心して。 弱いところ、全部見せてしまいたくなる。 ] (69) 2022/10/27(Thu) 13:53:00 |