100 【身内RP】待宵館で月を待つ2【R18G】
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「ヒャッハァアア〜〜〜〜ッッ!!!
さァて、ショータイムだァッッ!!
」
「
ギャハハハハハハハ!!!!!
やってやった!! やってやったぜ!!!!
やっぱりこの瞬間が、人生で一番サイコーだ!」
「いいか探偵気取り。
このオレがどうやってアイツを殺してやったか教えてやる。
とりあえず死体は無い。
殺したら焼却炉にでも突っ込んでやるつもりだったが……。
マジで煙みたいに消えちまった!」
悍ましい経緯が、ごく愉快そうに語られる。
「まずオレの人格に代わり、
中庭でノンキに枝の剪定してたアイツを物陰に連れ込んで
抱き着くみてえに一刺ししてやったんだ。
アイツの何が起こったか分からない顔ったらない!」
「凶器はゲイザーに戻る前にオレの部屋に隠した。
返り血は噴水で落とした。あァー……多少濁ったかもしれんが、
この飾りがされてるんならそんな分かんねえだろ。知らんけど」
「それになにより。
この屋敷の召使ひとり消えたって。
だ〜れも気づかねえだろうさ!!
ヒャハハハハハ!! かわいそうなクロノ!!」
| 「お酒、おいし〜!」 探偵がハロウィンパーティの開催宣言をしている頃。広間で浮かれ切った声をあげる男がいた。 声も態度もふにゃふにゃのくにゃくにゃ。端的に言えば既に出来上がっていた。 「は〜、あ〜、寒い。寒いんだよ!ちょっと前から寒くってさあ!嫌なこともあったし、僕がいったい何をしたって言うんだ本当に!あ〜〜〜それでも今日もお酒おいし〜!」 (3) 2021/10/17(Sun) 22:20:10 |
| 雑にアルコールを呷っては喉を焼いている。自棄酒をしていたらしかった。 熱燗を飲みながら適当に下女を捕まえては上機嫌に話しかけていたものの。あまり見ない格好の者と会話をしたあたりで男は酒を飲む手を止めた。
「はあ?ハロウィン?ああ……あの探偵が?ふぅ〜〜〜ん。 あの探偵は気に食わないけど、可愛い子が仮装するのはいいな!今の僕はとっても気分がいい!お菓子だって配ってやってもいいしな、見に行くか!」
ふふん。ご機嫌に鼻を鳴らし、男は広間を後にするのだった。 (4) 2021/10/17(Sun) 22:20:27 |
これは男が自棄酒をする前のこと。
『……おい、ゲイザー。お前ポルターガイスト現象については何か話を聞いているか?一人でいる時、何かに見られていると感じたら気をつけろ。いいな?』
唐突に、貴方にそんな連絡を入れるだろう。
| 「んん?あぁ〜クロノ?庭師の?僕が知るわけないだろ、『晩酌』にも呼んだことないし」
くにゃくにゃに出来上がったままハロウィンパーティ会場へ向かう途中、顔見知りの下女に声をかけられる。
「誰も見かけたことがないのなら、W消されたW。それしかないだろ?噂にかこつけてさぁ。 誰かと揉めた、落ち度があった、誰かが魔が差した……人を消したい理由なんていくらでもある。今更驚くことじゃあないだろ、そんなに気になるなら忘れられなくなるまで今夜僕と『飲む』?」
冗談だよ、と地に足つかない酔った声のまま言って男は中庭へと向かっていった。 (5) 2021/10/17(Sun) 22:38:15 |
「ほほう、噂は本当だったのか。其処を確かめられたのはかなり大きいねェ。
リーパー君が楽しそうで僕ァ嬉しいよ。消える前に顔を見れたのなら何よりだ」
キエはリーパーが求める苦悶の表情を見る前に死体が消える事を案じていた。しかし杞憂だったようだ。
「仔細を有難う、お陰で楽ができそうだよ。凶器に関しては君に管理を任せようかな。
…嗚呼そうだとも、
。屋敷の仕事を手伝う見えない誰かもいるようだし誰も困らないだろうよ」
「へっ? ポルターガイスト……、最近館を賑わわせている、
あのへんてこなやつですよね。
わっ、わかりました……、けど、どうして急に?」
「ウワッ、なんだよその”オレが顔を見れたこと”を
心底喜ぶようなキショい声色……。
つーかあのポルターガイストって何なんだァ?
ミズガネからも忠告されたしよォ……。
この屋敷、マジで何人バケモン居んだよ。
まっ、オレもバケモンの自覚はあるがなァ〜〜〜〜
ヒャハハハ!!!」
「そう。あのへんてこなやつ。
人が失踪する出来事とは恐らく別物だとは思う。人がいなくなるのは前からあったが、あんなのは無かった」
どうしてと問われると…。
「
………………………………襲われた。……俺が
」
「は、はわわ……」
はわわになった。
「襲われたって、無事……ではありますよね。
な、何を見たんですかっ……?」
「無事……かどうかは、分からない。
襲われてから『ずっと寒い』。一番寒かった時は凍死するんじゃないかって程に」
はわわな貴方の声を聞きながらばつが悪そうに帽子を被り直す。
「『何も見えなかった』。『何も聞こえなかった』。
確かに何かいるのに、確かに視線を感じるのに、確かに何か喋っている気がするのに、『気がするだけ』なんだ。
それから、抱きしめられたかのように苦しくなって動けなくなるし、何か寒いものが体の中に注がれて、それで……。…………」
何か思い出したのか、一度言葉が途切れた。
「……もし、何かあったなら。癪だがあの探偵に声をかけるといい。事件の解決を依頼した。被害に遭わないのが一番だろうが、一応な」
「な、なんですかっ、それ。まるでおばけ……。
でもそれって大変、ですよね。下手すると、死んじゃう……。
あ、あたし……その……。
今日はホットワインを、持ってきます……!」
『晩酌』について意識したのか、声が上ずった。
「って、ミズガネさんとキエさんって仲良かったんですか?
なんだかいつも喧嘩していたような……」
これは言葉足らずの台詞だ。
正しくは『彼の手腕を信頼しているのか』、である。
「全くさ、僕も化け物には立ち向かいたくないなァ。だって其れは勇者の責務であって探偵の責務じゃないもの。
ポルターガイストの件については僕で調べを進めておくから、君も何かあったら知らせておくれ」
気色悪いと言われた事を気にもしない。
キエを“化け物”側に数える人間は既にいるのだが、キエにその自覚はこれっぽっちも無かった。
「…さて、次の狙いはどうするんだい?
僕ァ長生きだからねェ、定命の君の意向を優先したいんだ。嗚呼、真逆全員殺す気ではないだろうね? 流石に1人位は僕に寄越しておくれよ」
「死ぬかどうかも分からないしな。
貴方の声が上ずったことに気付いていないのか、少し弱々しい返事が投げられた。改めて未知数の襲撃の恐ろしさを噛み締めているらしい。
あんな食えない奴と仲良く出来るわけないだろうが。一応探偵であることに期待して事件の依頼を頼んだ、それだけだ。それに情報は一箇所に集まっている方が整理しやすいだろう、だから何かあったらお前もあいつに声をかける事を検討しろ。
仲がいいわけじゃないからな!」
言葉足らずによる事故、起きてしまった。
念押しをしまくりつつ、貴方に忠告するだろう。
/*
依頼を頼んだって頭痛が痛いみたいな感じになったわね…。依頼をしたって脳内で置き換えてくれると嬉しいわ。
「定命……それはバケモンの台詞だろうが!!
ひょっとして、そのポルターガイストとやらも
オマエの所業じゃねェだろうな……」
この殺人鬼、とにかく口が悪い。
鳴き声のようなものである。
「ハッ、白々しい。そんで?
次の襲撃……もオレがヤッていいのか?
良いなら──ミズガネ! アイツだ。
あのグズノロマ女め、
アイツとろくでもねェ契約結びやがった!
抱かれるだと? 男となんて絶対ゴメンだぜ!!
オレは女のハラワタかっぴらくのが好きなんだ!」
その程度の理由だったが、
この殺人鬼にとってはそれで十分だった。
「あっ、いえ。あ、あたしなんかでもお役に立てたら……。
ひ、ひぃい〜〜〜〜〜!! ごめんなさーーい!!」
あなたのワンブレスキエトークを
一身に受けながら、漫才ひとつ。
ともあれあなたの忠告を胸に、
ゲイザーは業務に励むのだった。
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