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【人】 叶わぬ想い 日下部 汐里[ 大浴場の方では、生徒達のはしゃいだ声が響く。 壁一枚隔てただけなのに、ここは別世界みたいで。 ぱしゃん、時折跳ねる水音だけをBGMにして。 私は、私達だけの小さな世界で 伸ばされた手を拠り所に。 何とか、そこに在ろうとしていた。 私はLGBTに関しては、 スマホで一生懸命検索したけど。 アセクシャルに対してはどうだったかな。 多分殆ど、知識はなかったように思う。 大半の人にとっては、 常識とは、自分に関係のある身近な事だから。 私や貴女のいる世界は、 そう考えればひどく狭くて孤独なもの。 ] (20) 2020/11/29(Sun) 12:34:21 |
【人】 叶わぬ想い 日下部 汐里[ やがて、絵理香ちゃんの話を聞き終えた後。 確信はないにせよ、 私の気持ちがバレてしまっていた事。>>19 動揺しなかったといえば嘘だけど。 貴女が話してくれたのに。 私が誤魔化すのは嫌だなって思ったから。 否定の言葉で塗り潰す事はせず。 ] …… 話してくれてありがとう。 私もね、アセクシャルの事は分からないし。 いろいろ調べてみてもね、本当に理解する事は きっと、難しいと思うんだ。 [ 想像以上に凪いだ気持ちで微笑んだ。 貴女が私を理解できないように。 私にも貴女が理解できない。 それは、きっと仕方のない事で。 私達は別の人間だから。 ] (21) 2020/11/29(Sun) 12:36:12 |
【人】 叶わぬ想い 日下部 汐里それでも私は、 そんな近藤絵理香ちゃんが大好きなんです。 [ こちらに向けられる双眸を、真っ直ぐに見つめ返す。 そんな私ができるのは、ただ伝えるだけ。 私の瞳に映る貴女が、 とても素敵な女の子だってこと。 ] (22) 2020/11/29(Sun) 12:37:16 |
【人】 叶わぬ想い 日下部 汐里[ それから、貴女の問いに答えるように。>>19 震える指先を握る手に、 ぎゅっと力を込めたのなら。 その手を彼女ごと、自身の胸元まで運んで。 ] ね、伝わるかな? 私。今すごいドキドキしているんだよ。 [ 貴女の知らない音を聞かせるように、 そっと肌に押し当ててから。 悪戯っぽく笑った。 ]** (23) 2020/11/29(Sun) 12:37:30 |
【見】 3-A 矢川 誠壱[ 近藤さんと別れて、雨宮と2人、 宿への道のりを歩いていくだろう。 心に渦巻いたなにかの名前を つけることも躊躇われるまま。] ───雨宮もキス、したんだ [ なんとなく、そちらは見られなくて 目線はまっすぐ進行方向に向けたまま零す。 肯定されても、濁されても、「ふーん」と 流すだけで、ただそれ以上は聞くことはせず。 確認作業だ。 彼女のために必要ならばそれで構わないと おもっていたし、今もそう思う。 だがそれは自分のことならば、の話で。 なぜだろう。この感情は今まで多分、 誰にも抱いたことのない、ような。] (@7) 2020/11/29(Sun) 13:12:09 |
【見】 3-A 矢川 誠壱なんか、恋愛の話ってあんまり してこなかったなーと思うんだけど …雨宮はさ、好きなやつとかいないの… まあ、いないから協力したんだよ、な [ 問いかけておきながら、自分で 勝手に解決するように落として、 ふー、と軽く息を吐いた。 なんでこんな気持ちになるんだ。 たしかに、特別な人だった。 大切な、人だった。それはまちがいないけど。 友人であろうと思っていた。──だがそれは? くしゃ、と後頭部を掻き、 短く唸って、また息を吐いた。]* (@8) 2020/11/29(Sun) 13:12:32 |
【人】 オリガミ部2年 近藤 絵理香[彼女の手に導かれて、私の掌が彼女の胸元に触れる。>>23 ふんわり柔らかな胸、滑らかな肌。 触り心地が良いな、と頭のどこかで考えていた。 私の事を大好きだと言ってくれる君。>>22 指先に微かに伝わる振動が、彼女の胸の内を伝えてくれる気がした。] ……ほんとだ、どきどき、してる。 私でどきどきしてくれてるんだね……。 [貴方は、私にとって大切な友達だ。 私の中ではきっと一番に近い位置にいて、だから隠し事はしないように、自分のことを伝えようと思えた。 離れてしまうならそれまで? それでも、きっと貴方なら寂しいと思うのだろう。] 理解しなくても、良いかな……? 私が、そう言うことは難しいんだって受け入れてくれたら、嬉しいくらい。 だって私にもわかんない。 人を尊敬する。魅力的だとも思う。 だけど、恋なのかと言われるとわからない。 でも、隣にいて、泣いたり笑ったりしていたいし、……。 (24) 2020/11/29(Sun) 13:36:28 |
【人】 オリガミ部2年 近藤 絵理香[ふと。 言葉に仕掛けた事に、一度唇を閉ざす。 お湯に濡れた手で彼女の頬に触れた。 そっと彼女頬を親指で撫でて、ちゃぷりと音を立てて、彼女に近づく。 逃げられなければ。 唇をそっと重ねて。 角度を変えて、押し付けて。 ぎゅう、と抱きしめてしまうんだろう。]** (25) 2020/11/29(Sun) 13:36:46 |
【人】 叶わぬ想い 日下部 汐里[ 私の胸に秘めたこの想い。 彼女に理解できないのは、 仕方のない事だと思う。 私だって、この気持ちを止められなかったんだから。 人間はそんなに器用な生き物ではない。 だからね、気持ち悪いって拒絶されないだけでも 私はとても嬉しくて。 明日から再び友達を続ける事もね。 今の私なら大丈夫だと。 そう、思っ …… ] (26) 2020/11/29(Sun) 15:57:49 |
【人】 叶わぬ想い 日下部 汐里?絵理香ちゃ、 ───ふぁっ [ 途切れた言葉に、不思議そうに顔を覗き込む。 そっと距離が近付けば、 重なる唇に、包まれる体温に目を白黒させて。 ふにゅっと、柔らかい感触。 唇に纏ったバニラの香りは、 顔を洗う時に流されてしまったと思うのに。 それ以上の甘さが、貴女の香りが。 吐息を通して私の中に溶けていく。 ] (27) 2020/11/29(Sun) 15:58:22 |
【人】 叶わぬ想い 日下部 汐里[ これ以上は駄目だよって頭は警告しているのに。 求める気持ちが止められなくて 剥ぎ取られた理性に押されるまま。 唇を少しだけ離せば、今度は私から。 再び緩く開いた口を重ねていく。 ] ───…… [ どれくらい、そんな時間を過ごしたか。 こくん、と喉を鳴らすのを合図に。 なけなしの理性を総動員すると。 ] え、えりかちゃん……? [ 慌てて身体を離した私は、 衝撃と混乱で全身を奮わせながら 潤んだ眼差しで貴女を見ていた。 ]** (28) 2020/11/29(Sun) 15:58:36 |
【人】 受験生 雨宮 健斗[差し出された手に>>@5一瞬の躊躇いの後、 ぐ、と力を込めて握って、立ち上がった。 ピアノ弾きの端くれの己から見ても悔しいくらい 大きくて、繊細な手だと思った。 そんなことを考えていたから、矢川の頬が ぴくりと動いた>>@5ことなど、気付く訳もなく。] あー、そうかも。 ちょっと部屋で寝るわ。 [近藤に答える矢川に、頷いて。 BBQまでには回復する、と近藤に笑ったけれど、 やっぱり立ち上がれば多少血の気が引いて、 提案通りに肩を借りることになった。 ふわりと浮いたのは、足元だけだったのか。 有り難くも複雑な気分で。 ] (29) 2020/11/29(Sun) 16:00:58 |
【人】 受験生 雨宮 健斗[ぼそぼそと紡がれる言葉が、普段より随分近い。 そーだな、と頷いて、 ] あー!ちげぇ、文化祭のあとだろ! 委員長にふられたやつ。 [とすぐに顔を顰めたけど。 ] ……居ないよ。 なんか、自分のことも女もよくわからん。 ライブで、きゃーきゃー言われてんのは 知ってるけど。 [矢川とは、反対側に顔を向けた。 空と紅葉した森は綺麗だなと息を吐く。 ] (32) 2020/11/29(Sun) 16:04:35 |
【人】 受験生 雨宮 健斗[ 女を抱いても、心が跳ねない。 ]**それは、いつからだったか、なんでなのか。 そんなこと、一番大事だと思ってる友人に、 とっとと相談すりゃいいのに、と思うのに、 出来ない日が続いていた。 (33) 2020/11/29(Sun) 16:06:12 |
【人】 オリガミ部2年 近藤 絵理香[戸惑の声が聞こえた。>>27 でも、逃げられなかった。 だから私は彼女の柔らかな唇に自分の唇を重ねる。 一度唇を離せば、ゆるく開からた唇が彼女のほうから重ねられて。>>28] ん……。 [肌と肌が触れ合う。 唇だけじゃなくて、胸も、腕も、膝頭ももしかしたら。 ちゃぷりとお湯が揺れる。 くち、と小さく唇の合間から音が立つ。 ゆるく開かれた唇から舌先を差し入れて、けれど彼女がすぐに逃げられるように抱きしめた腕の力は緩く。 唇を舐めて、彼女の舌先を探って触れ合わせた。 とくり、動く心臓の音。] (34) 2020/11/29(Sun) 16:25:42 |
【人】 オリガミ部2年 近藤 絵理香……隣で、泣いたり笑ったりしてたい。 それに、ちゅーだってしたい、かな。 ……これがね、うーん。恋愛感情はよく分からなくても、そう言うことはしたいって言う。 説明するにも難儀な感じなんだよね、私。 [まあそれが、自分がアセクシャルではないと判じた所以である。 潤む彼女の目。その目尻にそっと唇を寄せて。] そんな、私でも、大丈夫? ……あっ、もう嫌だしないでって言うなら勿論しないし、普通に?今まで通りの友人関係でも良いんだけどね。 [拒絶されないから、つい、と。 彼女から手を離して、取り繕うように笑った。]** (35) 2020/11/29(Sun) 16:26:01 |
【人】 学生 五反田 健吾[ あれから朝食を食べてバスで学校に帰って。見知った人達と別れたなら帰路についた。途中まで汐里と一緒だったのなら、近藤とご飯を食べに行くことを伝えただろう。 さて、その時の反応はどうだったか。彼女も共に食べに行くのか。 ……未来は約束したところで不透明。もしかしたら別れる時がすぐ側に迫っている、なんてこともあるかもしれない。 それでも人は明日を見て歩く、それが生きるってことだから。] ただいま。 [ 家の扉を開ければ、やっぱりそこは真っ暗>>0:197。ぱちりと電気を点せば、見える顔に目を細める。 あの頃から随分とこの人は痩せた。それを思えば、痛ましくて表情が歪みそうになる。 守りたいと思っていた、この人のことを。……でも、自分は縛られているわけにはいかない。] (36) 2020/11/29(Sun) 16:44:54 |
【人】 学生 五反田 健吾話があるんだ、……母さん。 [ この問題は自分のものでしかない。だから今まで誰にも相談しなかった。出来なかった。 けれど、それではいけないと思った。……本当はずっとどこかで思っていたのかもしれない。 問題自体は自分で片付けられるだろう。だから、全てが終わったら彼女に話すんだ。 自分のこと、家族のこと。 今まで話さなかったことを。*] (37) 2020/11/29(Sun) 16:45:08 |
【人】 【人】とっても可愛い 裏生徒会長 シオン[キャンプファイヤーの後は大浴場で暖まったのだったか、それともみんなでお菓子パーティやトランプに興じたのだったか。ロシアンルーレットのような激辛味を引き当てたのははてさて誰だっただろうか。 シオンはスマホの連絡先が追加された欄を見ながらにまにましていた。こんなに楽しいならもっと早くに参加すれば良かったなぁなんて思いながら、眠りについた。 途中誰かに話しかけられたような気もするし、夢だったような気もする。夢か現かなんだかいい気分だったことはうっすら覚えていた] * * (38) 2020/11/29(Sun) 16:56:38 |
【見】 3-A 矢川 誠壱[ また伸びたんじゃないの、 なんて言葉には何も答えないまま。 しばしの沈黙の後、2人だけの森の中、 自分勝手に自分の問いかけだけを投げた。 答えに「ふーん」なんてなんてことない 顔をして返したはずなのに、支えようと 肩に回した手に心なしか力がこもった。 ふられた。委員長に。そうだな。 知ってるよ、その話は。 だけど、そのあとは知らない。 ちら、と彼の方を見遣る。] …羨ましいとか思うの。 俺のこと。キャーキャー言われて。 [ 嫌な言い方をした、と口に出してから 気づいた。たぶん顔は意地悪く歪み、 眉尻が下がっていただろう。 それは少しばかり泣きそうにも見えたか。 ] (@9) 2020/11/29(Sun) 17:15:17 |
【見】 3-A 矢川 誠壱[ 女の子にいくらキャーキャー言われたって 甘ったるい声で「イチくん」と呼ばれたって 頬を染めてん「付き合ってくれませんか」と 言われたって、心が動かない。 特別な人を作りたいと思う。 誰かの特別になりたいと思う。 だけど、それはその子達じゃなくて。] ……ごめん、今のなし。 [ 伏せた瞳。 彼の心の中など知らぬまま、 不躾に言ってしまったことを反省して、 また顔を進行方向に戻した。 ついさっき、交わした口づけ。 口内をあんな風に熱で犯せば、 生理現象的に多少興奮はする。 立派な男子高校生、だし。] (@10) 2020/11/29(Sun) 17:16:40 |
【見】 3-A 矢川 誠壱[ だけどだからといってそれが 彼女への感情に結びつくかと言われたら否で。 でもそれは、己だけかもしれなくて。 彼は、わからないじゃないか。 貸していない方の腕を曲げ、 親指で唇をぐい、と口端から拭う。 己と同じような口づけを、雨宮も彼女に したのだろうか、と考えがよぎった。 ああ、うん、認めよう。 否定するつもりはない。] 知りたくなかった [ 風が吹いた。 その呟きは、聞こえたかどうか。] (@11) 2020/11/29(Sun) 17:16:59 |
【見】 3-A 矢川 誠壱[ 見たくはない。 だけど、見ていた方が、いっそ。 いや、見ていたらそれはそれで後悔しそう。 そんな考えがまた過ぎる。 ちら、と彼の方を視認して、 その唇に一瞬、視線を落として、 深く息を吐いた。] 彼女、欲しいとか思わねえの [ 聞きたいような、聞きたくないような、 いや、うん、わかってるけど。 そんな質問を続けて、投げて。]* (@12) 2020/11/29(Sun) 17:17:28 |
【人】 叶わぬ想い 日下部 汐里う…… 絵理香ちゃん、ずるい…… [ つい拗ねたような口調になる。 ここで私が嫌だって言えば。 言葉通り、 貴女は二度とこういった行為をしないだろう。 でも私は知ってしまった。 貴女の唇の甘さを。 ─── だったら、手放すのはもう不可能だ。 ] (39) 2020/11/29(Sun) 18:04:18 |
【人】 叶わぬ想い 日下部 汐里[ 最後にもう一度だけ顔を近づける。 それは、ちらりと覗く赤い舌を、 熱と共に絡めた先程に比べたら、 ずっとずっと、優しい行為。 自分の唇を、そっと貴女の唇に押し当てて。 柔らかく食めば、目を細めて。 照れくさそうな顔で微笑んだ。 ] 不束者ですが。 これからもよろしくね ─── (40) 2020/11/29(Sun) 18:04:46 |
【人】 叶わぬ想い 日下部 汐里[ 二泊三日の林間学校。 少しだけ形を変えた関係性を経て 最近の私は、悩んでいる。 と言うのもこの国の言語は、圧倒的に言葉が足りない。 例えば、幼馴染。 恋愛対象にはならない、けれどずっと側にいてほしい。 そんな存在を表すのに、 その単語は適切ではない気もするし。 焦がれた彼女との事もそう。 片方に恋愛感情がなくとも、口付けを交わし、 友人として隣で笑い合う。 それを示す関係は、やはり ─── ] (41) 2020/11/29(Sun) 18:05:29 |
【人】 叶わぬ想い 日下部 汐里セフレ、かなぁ。 やっぱり…… [ いや、肉体関係に関しては、 定かではないのだけど! 林間学校から少し後。 昼休みの、いつもの空き教室での一幕。 ] (42) 2020/11/29(Sun) 18:05:35 |
【人】 叶わぬ想い 日下部 汐里“ 難儀な恋愛しちゃってますねぇ ─── お互いに。 ” [ いつだったか、本業はベースらしいけど 私にとっては、お米の達人の先輩と。 たとえ社交辞令だったとしてもお構いなし。>>2:@45 場所はどこぞの河原だったか。 飯盒とお米を並べて おはぎ道へ付き合わせていた、その最中。 炊き上が迄の待ち時間。 彼の語る、林間学校の思い出話から つい自分に似た部分を拾い、察してしまった時の事を。 頭の片隅で思い出しながら。 ] (43) 2020/11/29(Sun) 18:05:52 |
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