人狼物語 三日月国


74 五月うさぎのカーテンコール

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[欲に濡れて低くなる声が好き。
掠れながら求めてくれる響きが、好き。
でも丁寧すぎる指先は、彼の熱を知ってしまった体には
ちょっとだけもどかしくて。

  ッ……… 
れんじ?


[離れていく手に、はしたなかったかと不安になり。
下がりそうになった眉は、
彼が手に取ったものを見てすぐに引っ込んで。
その荒々しい仕草に頬が火照った。

覆い被さる彼を見上げれば、呆れたよう落ちた呟き。
いつもと違う余裕のない表情に、胸の奥がきゅんと鳴って。

合わさる額に、目を細めながら両手で彼の頬を包み
首を伸ばしてかすめるように、キスをした。
吐息が絡む距離で、ふふ、としあわせそうに笑いながら。]


  ん───…… 
は、ぁ


[囁きと共に、ゆっくりと彼の熱を受け入れていく。
入ってくるときは、まだ少し苦しいけど
少しすればそれも痺れるような疼きに変わって。]

  
……ふ、ぅ…… 奥まで、はいった…?


[脚の付け根に彼の肌があたるのを感じて
根元まで飲みこめたのを確認すれば、
改めて一つになれた多幸感に長い息を吐き。
体の力がふっと抜けた。]

[ちょうど、その時。]

  ぁ、

[不意に持ち上げられた足に、
僅かに繋がる角度が変わって驚き、彼を締めつけてしまう。
思わず腰が揺れ、奥が擦れてビクっと跳ねた。]

  
ぃ、じわる……、 ッ


[過敏になっている体中の神経が、
彼にふれられる度にざわめいて、奥から蜜が溢れだし。
彼がふれた場所からぞわぞわと痺れるような熱が広がって
物欲しげに小さく喉が鳴ってしまう。]

[じわじわと内側に籠っていく熱が、目尻に溜まり。
溢れて零れ落ちそうになる瞳で、彼を見上げ。]


  
蓮司、……好き。



[やさしくなくてもいいから、乱暴でもいいから。
もっと欲しくて、彼に欲しがってほしくて
おずおずと太腿を彼に腰にすりつけた。*]

[切れそうになる理性を、幸せそうな笑みが繋いで。
腹の奥から身体が締め付けられる。
普段は呼ばない呼び方で、彼女が俺を呼ぶ。
足を抱えたまま、彼女の下腹をそっとなぞって。]


全部入った。


[俺の形を覚えて、馴染めばいい。
下腹を優しく押しながら、身を乗り出して口付ける。]

[身近で見詰めた嵐の瞳は潤んで。
ああ。俺は彼女が好きだと思い知る。
意地悪と言うには、少し余裕の足りない顔で笑って。]


俺も好き。嵐。痛かったら教えて。


[そうして足と腰を微かに持ち上げると、嵐を求めた。
彼女の中は熱く畝って。
最初こそ彼女の性感を導くようにゆるやかに。
けれど次第に荒々しく。
肌に汗が浮かんで、呼気が荒くなる。
彼女の胸に腕を伸ばして、頂きに触れながらキスをする。
俺と同じように乱れれば良い。]

[恥ずかしがり屋の恋人。
今までは優しく、大切に抱いてきたけど……
俺の夢を見てくれる人。口付けで濡れてくれる人。
彼女のもっと乱れる姿が見たい。
もっと俺を求めて欲しい。俺ももっと……
理性なんて飛ぶくらい、彼女を求めたい。]





[腰を打ち付けて名前を呼ぶ。
その綺麗な肢体を抱き寄せて、抱き締める。]





[深い海の中。そこにしか空気が無いかのように、唇を求めて。
何時しか理性も溶けだして、俺は嵐に溺れていった。*]

酔ったら〜〜……?
あんま、人といるときは酔いたくないんだけどねえ。

[言うか。言うまいか。迷うはぐらかし。
 軽く頭を掻いて、でも麦には言っておいたほうがいいか、と腹をくくる。]

こう、だんだん気が緩んでくるっていうか。
ほろ酔いくらいだったら、ふわっふわ笑ってるくらいだけど、だんだんなんか構いたくなってきて……

[それ、と麦が座っている後ろにあるクッションを指差す。
 指してから、まだ残る理性が顔を少し染めた。
 酔っているわけじゃない。
 酔っているわけじゃないから言いづらい。]

……ひとりで飲んでるときは、それと喋ってる。
なんも答えてくんないけど。

[ちなみにメリィという名前がついている。当然勝手につけた。
 麦がメリィを渡してくれるなら、両腕に抱き込んでクッションを撫でているところも見せたろう。
 最近ネットで見かける、撫でるとしっぽを振る猫クッションが実は切実に欲しい。]

パパド? いいねえ。
食感軽いもの好きよ。

[ナンやチャパティでなくパパドが出る辺り、好みを見透かされてるのか偶然か。
 パイが好きだとかいうあたりから、口当たりの軽いものを想定されたんだとしたら――ちょっと恥ずかしい。考えすぎであってほしい。
 らっきょう漬け、言わずもがな。甘酢で酒を飲むのはあまり得意でなくて、箸休めの感覚だが。]

冷凍のだけどね。
ちょっと流水解凍しときゃ食えるでしょ。

[瓶詰めのブラックオリーブは冷蔵庫。
 ああ玉ねぎがないのが残念だ。買っておけばよかった。
 ついでにケッパーもない。ケッパーの瓶詰めはひとりで買ってスモークサーモンだけで処理しきれる量じゃない。
 シンクに深めのバットを置いて、スモークサーモンをパックごと流水に当てる。
 とりあえずはオリーブと白ワインだけ、持って戻ろう。]

醤油の深みも赤と合うよな。あんまり焦がさなきゃ白とも合う。

[言いつつ、いそいそボトルを開ける。
 さっきまで赤かったグラスはチェイサーを注いでくるりと一回し、飲み干して洗う。
 注いだ液色はシャンパンゴールド。]

そういや、麦ってなんで白金が好きなの。

[色から連想したのは、彼の店でのトレードカラー。
 彼は色よりその存在感で、人の記憶に残っていそうだが*]

ああ、…ぁー……
それは、そうデスね、人といる時は。


[気が緩んだらどうなるんだろう。
ふわっふわ。だんだん構いたくなって。想像して、ワイングラスの縁を見つめる。

今日は酔ってくれますかって、聞いたら、直接的な意味になってしまう。]

それ…?


[どれ。と振り向いた。後ろにあるクッション。
これ?]


このクッションとですか?


[持ち上げて、ジンさんに見せる。
そうしたら抱いて撫でてるところをデモしてくれた。
目をまん丸にする。]


……
    ……ン
lovely!!!



[ああ!と両手で顔を覆った。萌え、とはカクノゴトキモノ。]


俺……生まれ変わったらクッションになりたい……

[赤のボトルから後を継いで、注がれる白ワイン、杏みたいな果実味の香り。
エビのアヒージョのエビを突いてひっくり返した。]


……え。


[瞬く。
ジンさんの顔を見て、ワイングラスのシャンパンゴールドへ視線を落とし。その色を見た。]

トレードカラーのことだって知らなくて。
ただ好きな色って聞かれたから……


[白ワインのグラスの、腰のあたりを緩く撫でる。]


その。ジンさんのイメージ?
白くて、でも白よりあったかい。生成りやクリーム色よりはもっと煌めいていて。
──綺麗です。ホワイト・ゴールド。

俺のイメージカラーだったら、何色なんでしょう、ね。
よくわからない。
コーギーのお尻の色?


[つまり小麦の色だ。
注いでもらったばかりのワインを一気に半分くらいまで飲む。
んあ、美味しい*]

[シャワーは二人で交互に浴びて。
途中、呻くような声が聞こえたけれど、それが自らの声が引き起こしたものだとは気づかずに小首を傾けながら。
先に出ていく彼を見送って、後処理をした。

息を詰めて指を秘部に入れて、奥へと指を動かせば。
彼が残した跡がとろりと時間を掛けて落ちてくる。
夜に繋がる宣言を思い出したら、また自分で自分の指をきゅうと締め付けてしまって、はしたなさに赤面した。

こんなに愛されてるのにまだ足りないなんて思うなんて、どうかしている。]

[彼に遅れること少し。
新しい下着(さすがに二度目は恥ずかしいから、色は普通の淡いピンクを選んでいる)を身に着けて、その上にキャミソールを着る。

濡れた髪をタオルで拭きながら部屋に戻れば、浴衣姿の基依さんが見えて、普段とは見慣れない姿にどきっとした。]

 わ、格好いい……

[格子柄の黒のシックな色が彼によく似合っている。
彼の腰元に添えられた蝶がゆらゆらと揺れていた。]


[それから自分もと浴衣を羽織って。
短大時代に習った着方をなんとか思い出して身頃を重ね、帯が短いから彼と同じように蝶結びで纏めて、くるりと背中に回す。
男性用と違ってちょっと縦幅がある分、それっぽく見えるだろう。

まだ湿り気の残る髪は軽く結わえてアップにすればすっきりとした。

着付けが終わったら、彼の前で小さくターンを決めて。]

 どうです?
 変じゃないですか?

[見せびらかすようにして、はしゃいでしまう。*]

……人といる時にこうなんの、嫌じゃん。
ま、人がいたらクッションは抱かないけど……

[じゃあ何を抱くかって? 皆まで言うな。
 だから酔いたくないんだって。]

その反応は余計恥ずかしいわ……

[もす、と隠すようにクッションに顔を埋める。
 顔を突き合わせて飲んでいたはずが、お互いが顔を隠す時間が数秒生まれた。]

俺より先に死なないでちょうだい。

[生まれ変わりを願うのに、話を切りあげてメリィを押し付けよう。
 はー、顔が熱い。チェイサーを一息に飲み干した。]

[ひっくり返ったエビがあかあかと彩りを見せる。
 その見た目と香りだけで飲めるなと白ワインを傾けた。
 爽やかなキレと後から追ってくる甘い香り。
 赤よりはいくらか軽く感じるが、飲み口のせいだろうか。]

……え。

[瞬きに瞬きを返して、返事もオウム返し。
 それから語られる、イメージカラー。]

あ、あー……そういう……

[おっとこいつも素面で聞くのはなかなかハードルが高い。
 ワイングラスを傾けて、アルコールに助けを求めた。
 ホワイトゴールド。そうかあ、とどこか現実味のないまま受け止めつつ。]

麦のは……白、かな。俺のイメージだけど。
なんにも染まってない感じ。
何でも受け入れるみたいだけど、でも純粋なままでいる、っていうか。

すごく綺麗。

[さて、そろそろサーモンの様子を見に行こうか。
 照れ隠し半分おもむろに立ち上がって、シンクの方へ*]

[クッション抱かないなら何を抱きますか。
その時その場に──まで考えかけて思考を手放した。皆まで言うもんか。]


じゃあ取り憑く生き霊でいいデス?


[押し付けられたクッションを抱き締めた。
そのままぐりぐり力一杯に額を押し付ける。嫉妬。]

うむむ、っ


[綺麗って言ったのは自分なのに、同じ単語を返されるとクリティカルヒット。
びえ、とクッションに絞め技をかけた。]


発酵させて後は焼くだけのパン種の色?
くるみをいっぱい混ぜ込んで、ウォルナットブレッドにしたり


[グラスの残り半分も飲んでしまった。

関係ないこと言い募って羞恥心に手で風を送る。
シンクへ歩いていくジンさんに、鶴のひよこみたいに後ろをついて行こうとして]

  ぉ


[踏み出した足の予測着地地点と、実際につま先が乗った床がずれる。
ふわんと心許ない、でもなんだか楽しい感じ。
あ、これ、酔っ払いのあれのやつだ、へえこういう。これが凄くなると千鳥足?になるのか。]


溶けました?食べられます?
爺ちゃんとこでは、ルイベって言って凍ったままでもいっちゃうんですけど。


[横に並んで立って、シンクの縁に手をかけて。
体の1/4くらいの幅がジンさんの肩に触れる。
犬が飼い主の隣に座ってなんとなく毛を引っ付けてくるやつみたいに。]

[脱衣所から紫亜が出て来た気配がする。
けれど、着て早々に盛り上がってしまったから、彼女の方も替えは荷物のところまで戻らないとない訳で。
そういった余白の部分は見ないのがマナーかと背を向けたまま]


 着替えたら教えて。
 ちゃんとこっち向いとくから。


[無視ではなく、待っているのだと伝えてスマホに目を落とした。
後ろで聞こえた呟きに火照る頬をぺちぺちと叩く。
「可愛い」はふざけてノる癖に、「格好いい」が恥ずかしいあたり、いかに自分がどちらのキャラで通っているかがわかるというものだ。]

[そのまますりすりしたくなってしまう。
少し指先がぬくい。おなかも。]


……スモークサーモン、アヒージョの具にしたら、
焼き鮭になっちゃいますかね?

そうだ、ジャガイモか卵があったらマヨサラダにして、
それをパイに載せても美味しいと思います。アンチョビとかと。


[ちょっと借りていいですか。小鍋に水を張って、茹で卵の準備*]

[スマホを見ていても、耳は衣擦れをしっかり拾っていて、期待は高まるばかり。
着替え終わったのを教えられて、振り返った。

濃い紫に白い大輪の華が咲いている。
ところどころには黄色も入っていて、華のような、夜空に咲く花火のような柄だと思った。
腰の中心には白い帯が入って全体の印象を引き締めている。

くるりと回るはしゃいだ姿を見て、思わず目元が綻んだ。]


 すげー綺麗……。


[ゆるく纏められた髪の下、晒された白いうなじを見ていると、先程吸うのを我慢して良かったなと思う。
彼女はいつも「可愛い」けれど、浴衣姿を見て最初に思ったのは、「綺麗」という言葉だった。

卯田は普段人の容姿についてコメントを求められたら「似合ってる」という単語を使う。
本人が好きで選んだものならば全然似合わないことはないだろうし、「似合う」という評価には自分の主観の色は強く出ないから。
恋人以外には変に期待させずに済むし、恋人には欲目だと思われずに済む。

だが思った瞬間に言葉にしてしまう程、紫亜の浴衣姿は「綺麗」だった。]

 




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