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【見】 3-A 矢川 誠壱 ───林間学校の帰り なんか……ごめん……近藤さん…… [ それは色々あった林間学校も なんだかんだで無事終わりを迎え、 帰りのバスへ乗り込もうというときだったか。 声をかけてくれた後輩と、 しばし話したあと、差し出された紙袋。 「なにこれ?」と尋ねると中身は リップクリームだという。 なんでまた、とぱちくり目を瞬かせれば 「かさついていたので」 とはっきり言われれば固まりもするものだ。 言葉に詰まって、視線が下がって、 冒頭のセリフが落とされたのである。 なんだか居た堪れない気持ちもありつつ いろいろやってしまったことも 思い起こされつつ、顔を両手で覆えば、 短く「うぅ、」と唸った。] (@74) 2020/12/01(Tue) 15:12:44 |
【見】 3-A 矢川 誠壱[ いや、うん、あっけらかんとしてて とてもいいと思う。 あんなこと、頼まれたからとはいえ してしまったあとだったから、 むしろ気遣いさえ示してくれる彼女に 悪気は全くないのはわかっているし 感謝して受け取るべきなのだけれど。 居た堪れない気持ちは察して欲しい。 傷ついてはいない。 断じて傷ついてはいない。 技能に自信はなかったとは言え、 なけなしのプライドがべきべきに へし折れたとかそんなこと思ってない。] あ りがとう…もらっとくよ… [ どうにか顔を上げて受け取れば、 ぺこりと頭を下げた。 それからしばらくの間、リップクリームを きちんと塗るようになる。 バンドメンバーに「なんで急に美に目覚めた?」 と聞かれたけれど答えることはなかった。 絶対に。]** (@75) 2020/12/01(Tue) 15:13:19 |
【見】 3-A 矢川 誠壱[ そんな顔って、どんな顔だよ。 俺は普通にしてるはずだ。 ちゃんと、友達の顔をして、 特別になれなくたって、 友達でいられるならいいって。 この感情に名前をつけられないのは どうしてか、なんて考えたくない。 笑ってるだろ、ちゃんと。 差し出した手を取られたら、 自分の中で引いた線をもう一度なぞって。 カッとなって、なんにもうまく 整理できないままここにきてしまったから。 ちゃんと、見直そうって、 もういっかい、向き合おうって思ってた。 もう一度繰り返された「サイアク」に ずく、と疼くように痛んだ胸をおさえて。 口角を引き上げて、謝ろうって、 そう、思ったのに。] (@76) 2020/12/01(Tue) 17:02:57 |
【見】 3-A 矢川 誠壱───え、? [ 唇に触れた、何か。 それはもちろん自分の指じゃない。 だって、いま、雨宮の体が、 すぐ近くにあって。 言われた言葉が右耳から左耳、 抜けて、理解が遅れる。 キス、した、うん、いま、 なんで、と問うよりも早く、 ぽそ、と落とされた言葉は、 静かな廊下の中に響くことはなく。 きっと、自分にだけ聞こえる声。 そっと、降りてきた。] (@77) 2020/12/01(Tue) 17:03:16 |
【見】 3-A 矢川 誠壱[ ぎゅ、と心臓が掴まれたように痛い。 ぐわ、と押し寄せる何かが腹奥から、 脊椎を通って、迫り上がる。 顔がぶわぁ、と紅潮するのがわかった。] ま、って 雨宮、 もっかい言って。 [ 握った手が震える。 声も少し、震えてしまった。 彼がもう一度言ってくれるのならば、 W好きWが聞こえたその瞬間、 背を折り、下から掬い上げるようにして その唇を塞いでしまおう。] (@78) 2020/12/01(Tue) 17:03:43 |
【人】 受験生 雨宮 健斗…馬鹿じゃねぇの。 言えるか何回も。 [つい、と顔を背けて。 けど、とぽつり付け足す。 ] …友達で、男だし。 積み上げたの、壊れるのが 怖いんだよ俺。 理由がわかんないまま あんま寝られなかったり 食えなかったりしてて。 手は死んでるし、ピアノは弾けないし。 ───だけどさっき、わかって。 (163) 2020/12/01(Tue) 18:22:12 |
【人】 受験生 雨宮 健斗[しょうがないから繰り返してやったのに、 最後まで言えなかった。 長い身体を折るようにした矢川が、 俯いたままの唇を掬い上げて塞いだりするから。 ──聞こえた言葉に、ふ、と息が漏れて。 笑ったはずなのに視界が滲んだ。 ]* (165) 2020/12/01(Tue) 18:23:28 |
【人】 叶わぬ想い 日下部 汐里うん、そうだね。 そういう話はしていないと思うよ。 なら、私達はどういう関係なのかなぁって。 [ 友達? 多分一番それが正解に違いんだろうね。 そんな会話の合間にも、 彼女がこちらのお願いを聞いてくれたなら。 微かな衣擦れと共に。 絵里香ちゃんの肌が露わになる。 普段なら扇状的な光景。 思わず邪な事を考えてしまうけれど。 今は薄らと腫れた痕への怒りが勝った。 ] (166) 2020/12/01(Tue) 19:45:54 |
【人】 叶わぬ想い 日下部 汐里ネックレス綺麗だね。 絵里香ちゃんアクセサリーつけてたっけ。 [ 尋ねながらも、視線は彼女の胸元へ。 身体が跳ねるのが伝われば、 ちょっぴり嬉しくなってしまって。 当初の予定より念入りに、口付けを落として行く。 ] 本当? ふふ、嬉しいな。 [ 私じゃなかったら。>>142 単純な私はその言葉に顔を上げると、 えへへと緩く微笑んだ後。 今度は首を傾げて、 招かれるまま、彼女の胸元へ移動する。 ] (167) 2020/12/01(Tue) 19:46:21 |
【人】 叶わぬ想い 日下部 汐里…… 絵里香ちゃんはね いつだって私が欲しいものをくれるね。 [ それから、胸元に目を落とすと、 少し眩しそうな目で、貴女を見る。 目もとっても綺麗だね。>>0:27 それは言葉だったり、物だったり。 形は様々だけれど。 ] 私も、そうなれたら、いいなぁ。 [ 彼女との関係。>>132>>-315 それを表す言葉を、私はまだ持たないけれど。 望むのなら、 形 互いの欠けた部分を補い、重なり合うものだといい。 ] (168) 2020/12/01(Tue) 19:46:34 |
【人】 叶わぬ想い 日下部 汐里ネックレスありがとう。 大切にするね。 [ 蕩けるような顔で微笑めば どちらのか定かではないバニラの香りの中、 貴女と私のネックレスが、煌めいた。 ]** (169) 2020/12/01(Tue) 19:46:38 |
【人】 オリガミ部2年 近藤 絵理香……どういう関係が良いのかな? わたしは、特別な友達なのかなと思ってた。 [きっと。恋人とか、そういう関係として名前がつくのが良いのかな、と思う。 一般的に、友達同士はキスしない。 キス友、セフレ、そんな関係だってあるけれど、そういうことだけを求めてる関係じゃ無い。 なら、恋をしているのか? そう言われると困ってしまう。 これは恋なのか? 大好き、それだけでは足りないの? そう自問しても答えは出ない。 けれど、それなら自分にできることをしようと思う。 彼女はどんな関係を求めているのか聞いたり。 彼女にしたいことを、私がするのだ。] (170) 2020/12/01(Tue) 20:26:47 |
【人】 オリガミ部2年 近藤 絵理香そうかな。 でも。ネックレスも汐里ちゃんと一緒に着けたくて調べたんだよ。 わたし、汐里ちゃんとずっと仲良しでいたいんだもん。 [いつだって欲しいものをくれる?>>168 わたしは思ったことを言って、やりたい事をしているだけだ。 それが彼女にとってそうだというのなら、きっと私たちは相性が良いのだと思う。 だって、彼女といるとわたしも楽しい。 とても嬉しい気持ちになるし、離れるのはきっと今までで一番寂しくなる。 だから、親の転勤について行かなくて良いように、この町で仕事を探して行こうと思ってるくらいには。 そんな事を思い、考えを巡らせる。 ちくん、と胸が痛んだ気がして、パチリと目を瞬かせた。 別れる日のことなんて、考えたく無いなあって。] ネックレス、大事にするのは嬉しいけど。 [彼女の手をそっと取る。 そして、わたしの胸の膨らみにそっと添えた。 下着越しの膨らみから、とくん、とくん、命の音は伝わったかな?] (171) 2020/12/01(Tue) 20:27:11 |
【見】 3-A 矢川 誠壱[ 好きな人だと認めてしまえば、 あとは早かった。 すとん。と心に落ちた気持ちは、 しっかり恋という枠に嵌まった。 名付けるのがきっと怖かった。 だから、誤魔化していたのかもしれない。 雨宮が言ってくれたからこそ、 ちゃんと、向き合えた、なんて カッコ悪くて言わないけど。 あれから、バーベキューに参加するのは できなかったけれど、キャンプファイヤーには こっそり隅の方で参加していただろう。 ゆらゆら燃える火を見つめていた。] (@80) 2020/12/01(Tue) 20:38:11 |
【見】 3-A 矢川 誠壱[ いつから、だとか なんで、だとか きっかけ、だとか そんなものは覚えていなくて。 ただなんとなく。ただひたすらに。 特別な人だったからだと思う。 ただの友達の枠組みに入りたくない、 そんな気持ちはずっとあったのに、 それを恋だと決めつけるのは嫌だった。 もっとずっと深い気持ちだと思ってた。 だけど、蓋を開けてみればそこにあるのは どす黒い独占欲にまみれた靄で。 苦くて、痛くて、知りたくなかったと、 こんなもの、晒したくなかったと思ったのに。 それでも、掬い上げてくれたから。] (@81) 2020/12/01(Tue) 20:38:23 |
【見】 3-A 矢川 誠壱────おはよ、 [ 朝。 アラームの音に微睡から少しずつ、 すこしずつ、意識がはっきりしていく中。 まず目に入るのがW恋人Wである幸せは、 こんなにも甘やかで、温かいのかと 頬がだらしなく緩んだ。 認めて、自覚すればあとはあっという間。 好きだなあ、と仕草ひとつ、 表情一つを見るたびに思うのだ。] 今何時? [ そう尋ねてあくびを一つ。 ふ、と目線を遣って、ちょいちょい、と 手招きをすれば少しこちらに 顔を寄せてくれるだろうか。 寄せてくれないならば、仕方ない。 ぐい、と布団から乗り出して、キスを一つ。] (@82) 2020/12/01(Tue) 20:39:01 |
【見】 3-A 矢川 誠壱[ 悪戯した子供みたいな笑みを浮かべ、 目を逸らして、伸びをする。 さあ、林間学校も終わりだ。] 掃除して、朝飯食って、帰るんだっけ? [ 日程を確認して、またひとつ、 あくびを噛み殺した。]* (@83) 2020/12/01(Tue) 20:39:25 |
【人】 叶わぬ想い 日下部 汐里それって …… [ 答える代わりに、そっと手を離し、 一度扉の方へ近寄れば。 カチャン、鍵のかかる音が、 放課後の無人の教室内に響いた。 ─── とくん。 外から聞こえる生徒達が部活動する声。 不思議と遠くに聞こえたなら。 窓から差込める夕陽だけが理由ではない色。 ほんのり頬に乗せながら、私は貴女を見詰めて。 ─── とくん、とくん。 ] (172) 2020/12/01(Tue) 21:08:19 |
【人】 叶わぬ想い 日下部 汐里[ 再び私の手を、貴女の膨らみに。 貴女の手を、私の膨らみに添えて。 顔を見合わせて。 そのまま、どちらともなく唇を合わせれば。 とくん、とくん、とくん。 二つの鼓動は溶けて、混ざり合い。 ] (173) 2020/12/01(Tue) 21:08:25 |
【人】 【人】とっても可愛い 裏生徒会長 シオン[好きな人になんとなく好きな人がいるのだと気付いていたのはいつからだっただろうか。君があの子を見る時、私が君に対して向けているような顔をしているような気がしたから……。 私の勘違いかな?そんなことはないって笑いながら言ってくれるかもしれない。けど実際に言葉にして言われたら、それが逃れようのない事実として襲い掛かってくるようでーーーーーーだから私は問いかける事が出来なかった。] 大丈夫………例え今はそういう対象でなくとも いつか、きっと……きっと…… [お風呂場のあたりで騒ぎがあったと聞いた時。予感は確信に変わった。あなたはきっと私が困った時にも助けてくれるだろうけど、私の為にもあんなに怒ってくれるだろうか、なんて ああ、本当に塩らしくて、いじらしくて…] もっと早く会いたかったなぁ… [出会いの早さが全てではないと思う。積み上げて来た関係が、想いが、交わしてきた言葉があると思う。ただその時間が平等に与ええられてない事がなんだかとても悔しくて悲しくて、ちょっとだけ涙を流したりしたかもしれない]* * (174) 2020/12/01(Tue) 21:44:53 |
【人】 受験生 雨宮 健斗[久しぶりに、腹が減ったな、と感じた。 けれど残念ながらというか当たり前というか、 バーベキューは終わっていて。 どこからか知らないけれど、己が倒れた、 と言う情報はある程度伝わっていたようで、 何人かには気遣う言葉をかけられただろう。 その都度、さんきゅ、大丈夫、と返しながら、 赤羽にバレたらまずいな、と苦笑いして。 ] (175) 2020/12/01(Tue) 21:52:44 |
【人】 【人】とっても可愛い 裏生徒会長 シオン[少しだけ涙を流した後、ふと気づく こんなにも誰かのことを考えて、胸が苦しくなっているのに それと同じくらいにどこか満たされていたことに ああ、そっか 私、きちんと伝えられたから…… 友達が欲しかった。ずっとずっとほしくて仕方がなかった。クラスのみんなが楽しそうにしてたから、病弱だったシオンにとっては憧れがあった。誰かと一緒に、お菓子パーティをしたり、トランプをしたり、宇宙猫の話しをしたり、恋バナしてみたり…… そんな風に考えて、悲しい気持ちも無くなったわけではないし それも私の一部ではあるのだけど 同じくらいの温かい気持ちと、素敵な時間の思い出を胸に抱いて] まだ私は諦めてないから、ーーーー先輩が本気を出したらどうなるか 覚悟していたまえよ? [なんて、ちょっとだけ強がったセリフを私自身に言い聞かせてみた]* * (177) 2020/12/01(Tue) 22:03:23 |
【人】 受験生 雨宮 健斗[I love you を月が綺麗ですねとでも しておきなさい、と言った文豪の気持ちは、 わかるはずもないのに、 おっさんやっぱやるな、なんて 頷けるような気がした。 我君ヲ愛ス、なんて。 そんな言葉で括れないものが、 世の中には嫌と言うほど溢れてる。 深淵でもがきもせずただ沈んでいた己に、 伸ばされた手があったこと。 人より少し大きな手に掬い上げられながら、 暗闇から光が見えたような気がしていた。 ───あれは、きっと今日みたいな綺麗な月。 ] (178) 2020/12/01(Tue) 22:49:28 |
【人】 受験生 雨宮 健斗[さて。 なんやかんやで向かい合ってしまえば、 この同室というのはなかなかどうして 困ったもので。 ───なんて思っていたけれど、 窓の外に今度こそ本当に張り付いた 軍曹(体長約20センチ)と目が合ってしまって、 それどころじゃなくなって、布団を頭から被って、 …いつのまにか、眠っていた。 こんなに、ゆっくり眠ったのは、 随分と久しぶりだった。 ] (179) 2020/12/01(Tue) 22:51:37 |
【人】 受験生 雨宮 健斗[目が覚めたら、ベッドから足がはみ出して 狭そうに寝ている男がいて。 昨日の朝を思い出して、苦笑混じりのため息を 吐きながら、アラームを鳴らし続けた。 ───そりゃまぁ見事に起きないもんで。 しまいには上に飛び乗って起こしてやろうか、 と一瞬過ぎったけれど、以前言葉を交わした バンドメンバーの話を思い出して踏み止まる。 代わりにそっ、と前髪に手を差し入れて。 近くで見る唇は、やっぱりカサついていて、 親指で撫でた。 ちょっと悩んで、またままごとのような、 かすめるだけのキスをひとつ、落とそうか。 ] (180) 2020/12/01(Tue) 22:54:30 |
【人】 受験生 雨宮 健斗[遅刻魔の意識がようやくはっきりしたころには すっかり日が登る。 遅すぎる今、何時、には、 しかめ面で起床時刻ぎりぎりアウトだよ、 と返す。 慌てる様子もなく欠伸をする様子に呆れて、 文句を言おうとしたらつられて欠伸が出た。 手招きをしているその頬は緩んでいて、 ドキリとしたことを恥じて隠すように ふいと顔を背けたら、布団から身を乗り出して、 ───キスが降る。 ] 朝から何やってんだ。 [と睨んだ顔はきっと、 赤かったと思う。 ] (181) 2020/12/01(Tue) 22:56:36 |
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