人狼物語 三日月国


181 忘却の前奏曲、消失の1ページ

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【人】 惜別ハツナ


***



[ 君を振り回してる自覚はあった。
  でも、嫌って言われないから嫌じゃないんだと。
  都合のいいようにとらえていたんだよ。


  私といることが幸せだって。
  そう感じてくれてると思いたかったし、
  私は君といる時間が幸せだった。


  幼い頃には、こんな感覚当たり前だったのに。
  いつしか私の手から離れた幸せの時間。   ]


  
(182) 2022/10/25(Tue) 16:45:23

【人】 惜別ハツナ



[ そう、小学校一年生くらいまでは
  仕事で多忙のお父さんはともかく、
  お母さんは家にいるのが当たり前だった。
  
当たり前、だったのに。


  友人の連帯保証人になったせいで、
  借金を返さなければならなくて。
  そのために身を粉にして働いてるのが
  今の私の両親の現状。

  私が顔も知らない人のために
  私が受け取るはずだった温かい時間は、壊れた。 ]


  
(183) 2022/10/25(Tue) 16:46:01

【人】 惜別ハツナ



[ 
私の家、普通じゃないから。

  人恋しいって思うのはきっと仕方ないでしょ?
  泊まってもいい?って両親に聞いてみたって
  お友達と仲良くしてね、ってそれだけ。

  
恋人の家に、とは言ってないけど

  
言ったとして止められたのかすら怪しい。 ]



   
しないよ。放任主義、ってやつなのかな。


   
……私にかまってる時間、ないんだよ。



[ 直球の質問には、そう返して。 ]

  
(184) 2022/10/25(Tue) 16:47:08

【人】 惜別ハツナ



   君だって、…………ううん。
   
なんでも、ない。



[ 普通から離れているのは君だってそう。
  でも、私はそれを聞くのをためらってしまう。

  だって、もし、聞いたことで
  この時間が終わってしまうのなら、……。

  私は聞かなければよかったって思ってしまうから。
  聞かないのは君のためじゃない。
私のため。


              
わがままだな、私は。 ]


 
(185) 2022/10/25(Tue) 16:48:06

【人】 朝日元親



[ 夜道を二人で歩くのは今となってはもう日課だ。
  またいつものようにボクはキミを送る。

  夜に女の子一人で帰らせるわけにはいかないから。
  最もな理由をつけて、一番は名残惜しさだけど。



   ねぇ、ハツナ。


[ フクロウの鳴き声が聞こえる夜道。
  車通りの多い道をキミが車道側にならないように
  キミとの間に僕が立って。

  いつか言われたキミの心の悲鳴に>>184
  向き合おうという思いで、言葉を紡ぐ。]


(186) 2022/10/25(Tue) 22:05:44

【人】 朝日元親



      ボクは、キミの傍にいるよ。


(187) 2022/10/25(Tue) 22:06:38

【人】 朝日元親



[ いままで言えなかった決意が
  募る思いに合わせてキミへと渡る。

  いつもボクを好きだと言ってくれたのに
  ボクも同じ気持ちを持っているのに
  ボクはキミに、好きだと全然言えていない。

  そんな自分が嫌で
  ボクは自分を変えようとも思って。
  ようやくここへたどり着いたんだ。]


(188) 2022/10/25(Tue) 22:07:42

【人】 朝日元親



      ボクは、ハツナが──────。



(189) 2022/10/25(Tue) 22:09:16

【人】 朝日元親



[ すると突然遠くの道から知らない人の悲鳴と
  タイヤがアスファルトに勢いよく擦れる音が響いた。
  ボクの決意も、言葉も、全て掻き消すように。]



(190) 2022/10/25(Tue) 22:14:44

【人】 朝日元親



[ 後ろへ振り向けば、ふらふらと車線すら守らない
  乗用車が道路の中で獰猛に暴れながら
  こちらへとやってくる。

  止まることを知らない乗用車が
  ボクらの立っていた歩道へ、突っ込んできていた。]


(191) 2022/10/25(Tue) 22:15:35

【人】 朝日元親



[ でも、その矛先にいたのは

               ボクではなくて。]



(192) 2022/10/25(Tue) 22:16:30

【人】 朝日元親



     [ 考える前に、身体が動いていた。]


(193) 2022/10/25(Tue) 22:17:20

【人】 朝日元親



[ ボクはキミを突き飛ばした。
  もしかしたら怪我をさせてしまうかもしれないのに。

  ボクはやっぱりダメなやつだから
  こんな形でしかキミを守ることが出来なかったんだ。]


(194) 2022/10/25(Tue) 22:18:16
村の設定が変更されました。

【人】 惜別ハツナ



[ ひとりぼっちの二人が寄り添う晩御飯の時間も
  そこから帰るのも、私達の日課になった。

  夜とはいえ別に一人でも大丈夫、って
  言ったことはあったけど
  私だって離れがたいから。
  強く断ることはしなかったんだ。 ]

  
(195) 2022/10/25(Tue) 23:34:02

【人】 惜別ハツナ



[ 静かな夜道。
  街灯と月明かりが、私達を照らしていた。
  昼よりずっと心地いい夜の時間。

  守るように車道側に立ってくれる
  君に優しさに甘えきって、
  その立ち位置が当たり前になってた。 ]


   どうしたの?


[ どこかいつもと違う気配を感じて
  私はほんの少し首をかしげて
  君の言葉の続きを待てば。 ]

  
(196) 2022/10/25(Tue) 23:35:36

【人】 惜別ハツナ




   
[ 欲しかった言葉が聞こえたんだ。 ]



  
(197) 2022/10/25(Tue) 23:36:06

【人】 惜別ハツナ



[ 嬉しかった。
  ほんとうに、嬉しい。


  
だって私……ずっとさびしかったから。


  君がずっといてくれるのなら
  私、きっとどんなことだって耐えられる。

  それくらいに、君との時間が大切で。
  何よりも君が大切だったから。   ]


  
(198) 2022/10/25(Tue) 23:36:52

【人】 惜別ハツナ



[  君の言葉を全部聞いてから
   私も同じ思いを返そうと思っていたのに。 
 
   続く言葉をすべて聞く前に>>189
   無粋な音が、私達の邪魔をする。>>190 ]


  
(199) 2022/10/25(Tue) 23:37:59

【人】 惜別ハツナ



[ つられて振り返れば、
  そこに見えたのは車。
  運転している人は酔っ払ってるのか
  その運転は明らかに普通じゃない。

  こっちへ、向かってきてる……?>>191 ]


  
(200) 2022/10/25(Tue) 23:38:37

【人】 惜別ハツナ



[ 迫ってくる白いライト。

       
ふ、と思考が止まって私は動けない。 ]


  
(201) 2022/10/25(Tue) 23:39:24

【人】 惜別ハツナ



[ 君の行動の意味を理解したのは
  鈍い衝突音が響き渡った後。  ]


  
(202) 2022/10/25(Tue) 23:40:08

【人】 惜別ハツナ



   
あ、……
う、
そ……



[ 目の前に広がる光景に
  私は理解が追い付かない。

          
ううん、理解したくない。 ]


 
(203) 2022/10/25(Tue) 23:41:26

【人】 惜別ハツナ



[ でも、倒れてる君を見た誰かが
  悲鳴を上げたから。
  急に思考がクリアになって
  私はポケットに入れていたスマホで
  慌てて救急車を呼んだ。 ]


  
(204) 2022/10/25(Tue) 23:42:00

【人】 惜別ハツナ



[ 私は君に付き添う事になったけど。
  この時後悔することになるんだ。

  君の家族のことを
  ちゃんと聞いておかなかったことに。 ]


  
(205) 2022/10/25(Tue) 23:43:40

【人】 惜別ハツナ



[ 私と君が運ばれた後に残された、
  突き飛ばされた衝撃で落とした鞄。
  色とりどりのペンに、
  水玉模様のシャーペン。
  陽だまりみたいな色のペンケース。
  鞄に入ってたものが
  ばらばらに地面に散らばっていた。 ]


  
(206) 2022/10/25(Tue) 23:44:36

【人】 惜別ハツナ



[ その中には、君との思い出をつづった交換日記も。
  開いたページには、こんなことが書いてあるんだ。]


  
(207) 2022/10/25(Tue) 23:45:04

【置】 惜別ハツナ



   
次のデート、いつにしようか?



[ 二人の関係が当たり前に消えないって。
  そう思っているからこその、文面。


     
まさか、消えてしまうとも知らずに。 ]


  
(L3) 2022/10/25(Tue) 23:46:14
公開: 2022/10/26(Wed) 0:00:00

【人】 惜別ハツナ




   
綴られた物語が、消えてしまうとも知らずに。



  
(208) 2022/10/25(Tue) 23:46:47