人狼物語 三日月国


188 【身内P村】箱庭世界とリバースデイ【R18RP村】

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視点:


XII『吊された男』 ユグは、メモを貼った。
(a5) 2022/12/20(Tue) 1:09:10

[ 月には友がありました。
 友とは互い大事に思い合い成り立つものに
 ほかなりません。

 世話を焼く、焼かれる間柄であったとしても
 月もまた、友を大事に思っていました。

 行動で示すことは得意ではありませんでしたが
 その分、ことあるごとに言葉で、
 また、不器用ながらに贈り物などをし、
 己の気持ちを、伝えていたつもりでおりました。

 友の持つ贈り物、ちからが、
 いつしか友そのものを塗り替えてしまうと予見
 していたとしても

 月は教皇の、友であろうとしていたでしょう。

 時折思い詰めた表情を見せることがあろうとも
 苛烈な一面を見せることがあろうとも。 ]

 煮えきりませんね
 はっきりおっしゃいなさいな。

[ ある時、語り合いのなか決意に満ちた表情で
 あなたは語ってくれようとしたのに、どこか
 煮えきらないまま。取り出そうとした仕草を
 見せるも、結局は出てくることはありませんでした。 ]
 
 ――違えてはいけないと誰が言ったのですか?

 もういちど言うわ
 はっきりおっしゃいなさいな。

 貴方の願いなのでしょう
 友たるわたくしが、無下にしないと
 わかっていて、言うのであれば

 覚悟を持って、おっしゃいなさい。


 貴方とならば、刺し違える覚悟だって
 わたくしには持ち合わせがありましてよ。

[ だって、貴方がそう育ててくれたのでしょう。
 まるで、朝露に濡れる薔薇がきれいだったのよ、
 とでも言うように、さらりとそう口にした。 ]

[ 花の世話をしたいの。
 ああでも、わたくしときたら、
 枯らすばかりで、ねえどうしたらいいかしら。

 髪の毛が汚れてしまったの。
 切ってしまおうとおもって。
 え?切らずとも洗えばいいの?
 じゃあ、お願いしてもいいかしら。

 あなたと、わたくし。
 あげればきりがないほど。

 これまで話してきたじゃないの。
 思い合ってきたじゃないの。

 何を今更迷うことがあって?

 月は呑気に微笑んでいました。 ]

[ 貴方の葛藤も、ささいな変化も、
 教皇たる貴方をかたちづくるものなれば

 受け入れ、たっとび、
 貴方を愛した。

 箱庭に住まう他の者同様

 ――いいえ、やはり貴方はいくらか特別に。 ]

[ ――だけど、ごめんなさいね。

 わたくしは貴方を残し、死んでしまった。


 死にゆく中で、貴方の言葉が
 うかんでうかんで、

 浮かばれなかった。 ]

【人】 XII『吊された男』 ユグ

――先生と――

寄り道だとか言って、そのまま行かない気でしょう。

[>>3:425そうではないのかもしれないが、それでも傍を離れがたくて、結局着いて歩いた。

 呆れられるのは慣れてるなんてもし聞けば、もっと気をつけてくださいだとか、わかってるのにどうして繰り返すんですかとか、ちくちくと小言めいた話をして引きずってでもアリアのところに連れて行ったろうから、封印されたのは正解だ。

 とは言え、まっすぐ彼女の部屋や薬草園に向かわないのには小言が顔を覗かせかけたけれど。
 幸いにして、他の話をしていた分口から滑って出てくることはなかった。
 
 
――うまく誤魔化された? そうは思いたくない良心。
]
(34) 2022/12/20(Tue) 2:12:35

【人】 XII『吊された男』 ユグ

何のために……ですか。
もう、簡単には箱庭を滅ぼさないため――? ううん、

[>>3:426それなら、みんなそうであってもおかしくはない。
 証持ち皆が死なない身体を持っていれば、かつての諍いのようなことを繰り返しはしないはずだ。
 無論、証持ちは丈夫な体を持ってはいるけれど――『世界』が死亡を噂されていたとおり、死なないわけではない。

 顎に手を当て、悩んで、そして。]
(35) 2022/12/20(Tue) 2:12:59

【人】 XII『吊された男』 ユグ

ご意思については、わかりかねますが。
それでも僕は、先生が生きていてくれるのは、嬉しいです。

[拗ねている、なんていうものだから、つい口元が緩んで。
 声まで笑ってしまわなければいい、と思いながら、喜びを伝えた。]
(36) 2022/12/20(Tue) 2:13:16

【人】 XII『吊された男』 ユグ

……難しいのは、分かります。
正直、どうすればいいのか検討もつきません。

僕は、生まれた瞬間から、いらない子でした。
それだけ、村の人達の信仰は篤くて……証持ちに対しての風当たりも、強かった。
殺せないから、殺さないだけ。それが、ひしひしと伝わってきていた。

そんな人達の意識を変えるのは、簡単には、行かないと思います。
それでも。
(37) 2022/12/20(Tue) 2:13:35

【人】 XII『吊された男』 ユグ

やらずに諦めは、したくないです。
世界が残ることに決まってからの話ですが、残った人たちに、話をしてみたいと思います。

[夢物語だと、無理だと、笑う人もいるかもしれない。
 事実僕の生きているうちにも、無理かもしれない。
 それでも。いつか。
 そう思う。

 見守っている>>3:427、などと言われたら、照れ隠しに『協力してくださいよ』なんて言うけど。
 勝った>>3:429、なんてまた、そんな言い方。]
(38) 2022/12/20(Tue) 2:13:53
 
 ねぇ教皇、貴方はわたくしに何をねがい
 なにを託したかったの

 ……私を、どうか

 止めて欲しい?
 ごめんなさいね、それはできそうにないわ

 諌めて欲しい?
 ごめんなさいね、それもできそうにないの

 ころしてほしい?
 ……もっと早く、そう言ってくれれば
 きっと叶えて差し上げられたのに



[ 薄れゆく意識、泥水に沈むように、
 身動きが取れなくなっていく手足。

 それでも最後まで、わたくしは貴方に
 届かないと知って、手を伸ばしたわ。

 すこしだけ、うらめしそうにね。 ]

【人】 XII『吊された男』 ユグ

[けれど、現実に。
 ユグの心は、固執した幻想かみさまから解き放たれた。

 それそのものは、神の傍若無人な振る舞いによって、かもしれないが。
 意識改革をして新しい世界へとまで思うようになったのは、それを見たいといった>>3:223『死神』先生の影響があったことも、また事実。]
(39) 2022/12/20(Tue) 2:14:22

 

 
[ だって。 ]


 

[ 私を、どうか

 ではなく、私と、どうか

 と――そう言ってほしかったもの。


 その未練が、うらめしさが、

 月に色濃く残ってしまったのでしょうね。* ]

【人】 XII『吊された男』 ユグ

カルクドラから?

[1週間前は茶会に同席をさせようとしたって、あんなに避ける雰囲気だったのに。
 過去の言い争いの様子までは知らない範囲だけれど、果たし状>>3:434、という表現は正しいのかもしれない。]

……お邪魔ですか?

[新たな世界を。諦めない。口ではそういうくせ、どうしていいかわからない。
 そんな大きな決断を前に弱る心が、師に甘えたがってこんな風に付き従ってしまっているが。
 因縁ある相手からの呼び出しとなれば、引き下がるくらいの理性はある。

 ――……それでも傍にいることを止められなかったのは、不安に揺れる思いが魂から伝わっていたのかも、しれない。
*]
(40) 2022/12/20(Tue) 2:15:24


[『ボクたち箱庭の子ら』は結局のところ、みんなひとりでしかなかった]


 
 



[生まれたばかりの頃は、そんなこと思いもしなかったよ。
ボクたち箱庭の子ら』は生まれた順番こそ違えど、
(そう、一番最後に生まれたのは『世界』だったね
どこまでも幸せに暮らしていくものだと思ってた。

だけどそうじゃなかった。
神様が生み出した『ボクたち箱庭の子ら』は、一度争い始めたら、
ひとつにまとまることなく次々に死んでいく、
そういう存在でしかなかった]

 



[守りたい子がいた。
一緒に死んだ子たちに焦がれたこともあった。
歯車が狂っていく音を聞いた。
いつしか『審判ボク』は狂った考えに取りつかれるようになった。
神様が望んでいるのは本当は、ひとりでも生きられる存在なんだと。

だから『月』を殺した。
もともとどこか気に食わないという感情を抱いていたうえに、
明らかにひとりでも生きられないように、『審判ボク』の目には見えていたから。
『教皇』と一緒でない時を狙って、『月』を落っことしたのだ。
咎を追及する者達の前で、ちゃんと言ってやった。こうするのが『月』のためだったのだ、と]

 



[その後はというと、
人の良さをかなぐり捨てた『教皇』と色々あったような気もするし、
あとは……そう、神様が全部悪いのだと恨みをぶつけもした。
審判ボク』の考えていた神様の望みなんて、確証のない当て推量だったのにね。


結論から言えば『審判ボク』はひとりぼっちで死んだ。


魂の奥底に眠る記憶は時折悪い夢となって悪さをする。
命尽きる間際に見えた記憶の中には以外にも色んな子がいたし、
みんなといるのは嫌いじゃなかったことを忘れかけて、
ひとりで死んだ記憶に囚われたままの魂は同じことを願い続けるだけだ]

 



  “次はちゃんと、
ひとりでも大丈夫になる
んだよ” **

 

【人】 XII『吊された男』 ユグ

[道中シンに会った>>3:470のは、さてその”果たし状”の前か後か。
 もう刻限も近くなってしまったし、僕の心もまとまりつつあったけれど、それでも話をしたいと思っていた人だったから、今どう考えているかについては聞きたかった。

 『判断が出来ない』>>3:471と言われれば、回答はどうするのだろう、そのまま言うのだろうかと思いはするものの、それ自体には触れることなく。]

――ありがとう、ございます。
いえ、公正だと思いますよ。僕より、ずっと。

[世界に対して思い出がないから切り捨ててしまおう、という判断を下したユグより、ずっと。
 ユグにとっては、世界はどうなってもよいものだった。
 洋館ここに、箱庭に来るためだけに生きた世界に、思い入れはない。]
(41) 2022/12/20(Tue) 3:27:00

【人】 XII『吊された男』 ユグ

[シンも、外の世界に思い入れはないんだろう。
 けれど、それがないからと言って、あっさり捨ててしまわない。
 天秤がフェアでないなら測れない、と判断するのは、ユグにとってはとても冷静な意見に見えた。

 そしてそれは、少しだけ、羨ましかった。
 耐え抜いて生き抜いた外界は、ユグの中で思い入れがないのプラマイゼロではなくて、無意識にいらないものマイナスの枠に入れてしまっていたのかもしれない、と感じたから。
 本当に『知らない』でいるのはきっと、ユグには出来なかった。
]
(42) 2022/12/20(Tue) 3:28:19

【人】 XII『吊された男』 ユグ

……もうひとつだけ、いいですか。


シンは、この洋館が好きですか。幸せ――でしたか?


[考えが変わっていることもあるだろうと、『ですか』と進行形にはしなかった。
 答えがどうあれ、回答を得られたならまた、ありがとうございますと頭を下げ――]
(43) 2022/12/20(Tue) 3:29:05

【人】 XII『吊された男』 ユグ

そういえば。
先生の部屋にリンゴが置いてあったのですが、誰からの差し入れか、ご存じですか。

[張本人>>3:469だと知っていたわけではない。
 知っていたら、シンですか、と聞いたろう。
 ふと問いかけたのは、それこそ、長くこの洋館にいるから、そういうことをしそうなのが誰か、見当がつくんじゃないかと思っただけだ*]
(44) 2022/12/20(Tue) 3:29:24

【人】 XII『吊された男』 ユグ

[さて、ところでカルクドラの元への訪問の前に、アリアのところを一度も経由しないようなら、ユグは大変に苦言を呈するし、やっぱりそのまま行かない気じゃないですか、などと言って先生の手を引くが。

 それでもカルクドラからの呼び出しの方に向かうなら、せめて端末経由でアリアに一報入れるくらいは勧めるだろう。
 魂の因縁同士話つけるときを邪魔したくはないが、どちらも大切だ**]
(45) 2022/12/20(Tue) 3:59:18
XII『吊された男』 ユグは、メモを貼った。
(a17) 2022/12/20(Tue) 4:11:25

XII『吊された男』 ユグは、メモを貼った。
(a18) 2022/12/20(Tue) 4:11:58


[── 穏やかな安寧の地、
 ここに居たらきっと永遠にそう過ごせるんだろう。
 別にそれも悪くはない。

 『神様』の事も、『箱庭』の事も、
 嫌いじゃなかったし、好きだった。

 あの楽しい日々が、大好きだった。]
 


[愛すべき『恋人』がいて、
 個性的なメンバーがいて、
 気に入らないヤツもそりゃいたけれど。

 『恋人』は愛しいし、
 『愚者』も可愛いし、
 『神様』も優しいし、

 皆のやり取りも楽しいし。


 だけど気付いてしまったんだ。
 水面下にあるそれらの存在に。

 別に誰が誰の事をどう思ってる、とか。
 きちんと知っていたわけじゃない。
 でも小さな衝突や残ったままの僅かな蟠り。

 綺麗な景色の中にある見えない澱み。]
 


[ ねえ、それをつついたらどうなる? ]
 


[どきどきした。わくわくした。
 些細な悪戯を思いついた時のような、
 塗りたての塗料に傷をつけるような、
 新雪に最初に足跡を残すような、
 未知へと踏み出す最初の一歩のような、
 果物をつついて腐らせるような、
 蛇の群れにねずみを投げ込むような、

 リンゴを、そこに一つだけ置くような、


 そんな気持ちで、


 溢れだす好奇心、背徳の誘惑、
 全然どうなるか解らなくって、
 きっと楽しい事になると思って、
 取り返しのつかない事をしたくって、

 そんな時、一つの疑問も思い浮かんでしまって、
 あの時、自分はそれに抗えなかった。]
 


「方法はいろいろ考えたんだよ。
 俺もさあ、
 一番効果的な方法をやりたいだろ?」

「誰がいいかなあとか、
 どうするのがいいかなあ?とか?
 本当にできるのかなあ?ともさ。
 きちんと考えたんだよ、えらいと思わない?」
 


「だってこれで、
 『箱庭』の『完璧』が終わったんだ、
 もう22人揃う事はないからね。

 これを知ったら皆どんな顔をするだろう。
 これを見たら、『神様』はどう思うだろう?」
 


「なあ仕方がなかったんだよ。
 だって楽しそうだったんだ。

 見ろよ、もう『愚者』は動かない。
 安らかな顔だよ、羨ましいな。

 なあ、ほら、 すごいと思わないか?!
 『俺たち』って、
死ねる・・・んだ!



「『お前ら』も、
 『誰か』を殺すことができるんだよ!」
 


[『神様』の事も、『箱庭』の事も、
 嫌いじゃなかったし、好きだった。

 あの楽しい日々が、大好きだった。


 大好きだった、だけど、]
 


[大好きで、大好きで、大好きで、
        …きっと、大嫌いだった。]
 


[俺の行動が切欠で、箱庭が壊れていく。
 それが楽しくて仕方がなくて、
 誰の死だって面白がった。
 『恋人』の死に方は確かに
 ちょっと残念だったけど、それだけ。

 なあ神様!面白いだろう?
 "俺の事を嫌いになった?"


 何をしても揺らがないその様子が
 何をしても愛しいというその瞳が

 俺は、俺は、俺は……]
 


[それはきっと、自分がやった事を
 親に褒めてほしい気持ちや、
 親に叱ってほしい気持ちに似ていて、

 俺が思う楽しい事への共感が欲しくて、
 もし違うならばそれを教えてほしくて、

 だったら"要らない"って言ってほしかった。

 けれど神は制止する事はあったのに
 崩壊していく様子を悲しんでいたのに
 俺を咎める事はせず、戒めることもせず

 そのまま。]
 

 
 
  私の力は、平穏に導くための道程を用意するもの。

  仰々しいですが、実際は破壊のための力です。
  命だって刈り取ることが出来る。

  ……まるで、私の方が『死神』のようではありませんか。



  時に思うのです。
  『教皇』である私と 『死神』である貴方。

  私達は本来持つべき力を
  神が取り違えられたのでは、と。

  私こそが、本来の貴方であったのでは無いか、と。


[ タンザナイトが埋め込まれた聖杖を
 『死神』の首元にぴたりと当て、口元を歪ませ嗤う。

  ・
  
 
 ・

 ぼろり
  ・


 
聖者の仮面の欠片が、音も立てずに堕ちていく。
]

 


 
  私は、貴方のことが羨ましかった。
  私より余程清らかで、慈悲深く、汚れ無き存在の貴方が。


  ……いつの頃からか
  
妬ましく思えていました。

   

  今この瞬間の、言葉だってそうですよ。
  己の身が危険な状況であれど
  案じているのは、貴方の命ではなく
  …………私の事なのですから。

  貴方の云う通り、私はこの程度の者でしかないのですよ。

 

 
[ 神が私に与えた “贈り物” は
   間違っていなかったのでしょう。



           
 間違えたのは道を踏み外した、私の方。
 ]

 

 
[ かつて死神が師のように慕った“慈愛の聖者”の仮面は
 狂気を孕んだ声と共に崩れ落ちました。
 死神はどのような表情をしていたでしょうか。
 どのような表情でも、態度が変わる訳ではありませんが。 

 やがて『死神』の首筋に向けたままの杖先から
 顔色一つ変えず、爆発を発生させました。

 しかし、僅か数秒後に知ってしまいます。
 この爆発だけでは、終わりが訪れないことを。


 『死神』の再生の力の賜物でしょうか。
 それとも、肉体のみならず
 魂まで消滅させたかったのでしょうか。

 『教皇』はそれはもう念入りに
 ぴくりとも動かなくなるまで
 幾度となく攻撃を続け、殺害しました。

 その時の形相といえば
 悪鬼羅刹の類のそれと言えたでしょう。

 後世、なかなか『死神』の証を持つ者が
 生まれ落ちなかったのは、通説の
「22人揃わないようにと考えた人に殺された」他に
 この悲しい出来事の影響もあるのでは、と
 唱える説もあります。*]

 


[ 『節制』は、箱庭を愛していました。
 世界を生み出した神様を愛していました。
 自分と同じように箱庭に生み出された子らを、
 それぞれに大切に想っていました。

 相反する性質を持つ者たちの集う箱庭では
 諍いが度々起こりました。
 彼らが諍いで互いを傷付けすぎてしまうことのないよう、
 一たび争いごとが起きたなら駆け付け
 仲介役を進んで買っていました。

 神様が『節制』へ贈った贈り物は「架け橋
 相反する二つの性質の間に立ち、
 それらを結び付けることの出来る贈り物でした。
 
 特別安らげるのは、親友である『隠者』の傍。
 『隠者』は思慮深く、慎重で、思い遣りに満ち
 誰よりも『節制』の性質を理解してくれます。
 『節制』もまた『隠者』を誰よりも大切に想っていました。

 晴れた空の下、よく二人だけのお茶会を開きました。
 湖畔で涼やかな水音を聴きながら
 アイリスの花を眺めるのがいっとう好きでした。]

 


[『節制』は規律を重んじ、節度を弁え
 慈愛を尽くすためならば自己犠牲をも厭いません。
 東に呼ぶ声あれば飛び、西に呼ぶ声あれば駆け
 求められれば求められるがままに献身し、
 皆の幸せを心から願っていました。
 
 最初はきっと興味本位で始められたのでしょう
 『運命の輪』の手による幸運と不運の流転。
 やがてどちらをも楽しむようになってしまった
 『運命の輪』のことを、その勝気な奔放さを
 『節制』はどうしても理解できません。
 
 初めこそ純粋に心配をしていましたが、
 徐々に苛立ちを覚えるようになってしまいました。

 『節制』が戒律し、己を戒めていましめて
 とても出来ずにいるようなことをも
 無邪気に成し遂げてしまうから。
 羨望の色を孕んだ、醜く身勝手な苛立ちでした。

 『節制』は自分が『運命の輪』を嗜められる気がしません。
 『正義』に任せて、距離を置くことにしました。]

 


[ わたしは神様を愛しているのに
 神様の創りたもうた子に苛立つなんて!

 『節制』は自分の中に生まれた矛盾に苦しみました。
 こんな自分は『隠者』にだけは知られたくない。
 ひとり苦しむうちに、ぽきり、と何かが折れました。

 どんなに仲介役を続けても
 ただその場では丸く収まるというだけ。
 争いの火種がそれぞれの個性に在る限り
 諍いが完全に絶えることはありません。

 ……つかれたな。
 ふとそう思いました。

 仲人役を務めることが虚しくなってきましたし
 自分の存在は箱庭に必要がないような気もしてきました。]

 


[ やがて思いました。

 わたしが間に立とうと、立つまいと
 さして結果は変わらないのではないか?
 
 愛する神様からの贈り物を使いこなせない己に
 『節制』は、失望しました。
 必要がないのなら、わたしが生み出された理由は何だ。

 「わたしは、神様から愛されていないのではないか?」

 奇しくも『運命の輪』と真逆の発想に至りました。]

 


[ 神様を、箱庭を愛するがゆえに積み重ねてきた
 丁寧な暮らしが荒れるようになりました。
 箱庭の何処かで諍いが起こっても
 知らぬ存ぜぬを貫きました。

 昼夜は逆転し、好きなだけ酒を煽り、殻に閉じこもり
 美しかった紅い翼はぼさぼさになってしまいました。

 そんな情けない自分を誰にも見られたくなくて
 『隠者』には特別見られたくなくて
 もしも『隠者』が自分の元を訪ねてきてくれても
 ひとりにしてほしい、と拒んでしまいました。

 そんなある日のことでした。
 『悪魔』が、『愚者』を殺しました。

 どんなに諍いが続いても殺し合いに発展することはないと
 『節制』は心の何処かで油断していました。
 だからこそ見て見ぬふりをしていました。

 ──取り返しのつかないことが起きてしまった。

 わたしが間に入ったとて
 止められはしなかったかもしれない。

 だが、『愚者』の死は防げたのではないか? ]

 




  [  わたしの、せいだ  ]



 


[ 自責の念に駆られた『節制』は我に返りました。
 神様が愛した、穏やかな箱庭を取り戻すために。

 混乱に陥った箱庭を鎮めようと
 『節制』は、再び諍いを仲介し始めました。
 そのうちに誰かが刃を持ち出しました。]


   ──いけません

   わたしたちがわたしたち同士で
   傷付け合ってはなりません……!!


[『節制』は仲立ちを試みながら
 どうにかして刃を奪い取ろうとしました。

 力任せに奪い取ろうとしたその弾みで
 『節制』の身体は場外へと投げ出され、



             掌の中の刃は──── ]**
 
 



  行かないで――……

  

 
[               ひとりきりの恋人たちアダムとイブ
             胸の証はとある楽園の模倣。
   蛇の奸計で林檎を口にし追放された者たちの烙印。
          その意に破綻をも内包するそれは、
          夢を見なければ狂わなければ生きられない程に、
            最初から完璧ではなかった証。 ]
 

 
[  知っていた。識っていた。
  完璧な両性具有に完璧な二人でひとつ
  それでも足りないのです。
  足りないと思ってしまうのです。

  或る日神に問いました。
  「どうしてわたしたちを完璧に作ってくれなかったの」

  造物主我らが父は答えます。
       「そのままの完璧でないおまえを愛している」と ]
  

 
[  『恋人』が何をしたとて何を思うとて、
  永遠の不完全に絶望し身を投げたとて、
  正気の果てに箱庭の全てと心中したとて、
  何をしても愛しいのだとその瞳は告げるのでしょう。 ]
 

 

  ──── ああ、反吐が出る。
  自分で作った可哀想な人形を愛でるその目が煩わしい。
  わたしたちが欲しいはそれじゃない。
 
 

 
[  『悪魔』の愛は禁断の果実でした。
  そこにあり、魅力的で、どうしても欲しいと思うのに、
  手を伸ばせばその愛は終わってしまうのです。

  わたしたち、ふたりでひとつの完璧な存在。
  だのにこの身の外に抱いた愛に気付いた時、
  『恋人』の『完璧』は永遠に失われてしまう。

  だから見ないようにしました。
  『完璧』であるならば、『悪魔』は愛してくれる。
  
何故、と思えば問うたことはありませんでした。
  向かい合うことを避けていたようにも思います。

  心で想うことだけは、この心だけは自由だ、などと、
  そんな都合のよい夢を揺蕩っていたかったのです。  ]
 

 
[  だから、箱庭の黄昏を招いたのが『悪魔かれ』だとしても
  それは構いませんでした。

  愛とは許しで、愛とは受容で、
  愛とは存在ありのままを肯定するものだと信じていたからです。

  彼がどれだけ血に染まろうと罪に塗れようと、
  望むものを得る道なら何がどうなろうと構わない。
  わたしたちの終わりですら──
  きっと完璧なまま終わらせてくれると信じたから、
  どうでもいいと思えたのです。

  彼が真に求めるものが何であったかさえ、
  知ろうとしないままに。   ]
 

 
[  けれど、狂気のままの精神は擦り切れる寸前でした。
  生まれた時から『完璧』ではないと知りながら、
  それでも『完璧』を偽り生き続けるのは地獄でした。

  だから、それ『隠者』の薬は確かに救いだったのです  ]
 

 

[  そして、              
]
 
 



   ── ねえ、『悪魔』いとしいひと
   こんな最期を少しくらいは惜しんでくれるかな?
   
   わたしたちも少し残念だ。
   最期だなんて言わず、
   最初に殺してもらえばよかったかな、なんて。

   ああ、でも。
   きみに浮かぶ失望の色を見ることがなくてよかった。
   きみの愛を失う前に、死ねてよかった。
 
 

 
[  そうして瞼を下ろします。
  そこには音もなくただ優しく広がる夜がありました。

  『恋人』はその不本意な死にも関わらず、
  眠るように穏やかな顔をしていました。  ]
 

 

[  そうして『完璧』を守り通して死んだのです
  それこそが『悪魔』への、彼/彼女『恋人』の愛の体現なのでした  ]

 

 
 
   
きみのことを『愛して』いたよ

 
 



    わたしはやはり、
          神様に愛されはしない
 




[ けれど神様、それでもわたしは
   この世界の生きとし生けるものすべてを
              あいしているのです

 あなたのことも、

         
──あいしていたのです
  ]



 

[『正義』と『力』は
 殺し合いの末、相討ちとなった。

 一進一退の攻防
 互いに満身創痍、そうして果ての、最期。

 『力』の最期の一撃は、
 『正義』の心臓を、静かに鋭く貫いた。
 『正義』は『力』に抱きしめられた、
 その事に気づいてはいたが、
 それを振り払うことができなかった。
 否……したくなかった。

 『正義』の唇が戦慄いて、
 何かを吐き出そうとした……が、
 その何かは形にならず、代わりに鮮血が溢れる。

 『正義』の手から、愛剣が滑り落ち、
 からんと軽い音を立てた。
 けれど『正義』が剣から手を話した時には、
 やっぱり既に“ 手遅れ ”だったのだ。

 『正義』は息絶えた………

         『力』を道連れにして。]

 

[  『ありがとう』


              止めてくれて



   『ごめん』

     
              道連れにして  


         ────鮮血が覆い隠した言葉たち]


 




 
[ だって、『太陽』の死は、事故だったのだから。 ]




 

XII『吊された男』 ユグは、メモを貼った。
(a35) 2022/12/20(Tue) 23:25:42



[『嫉妬してるとハッキリ言うなんて、キミもやるじゃないか。
 別に悔しくはないよ』


     そんな声が聞こえた、気がした*]


  

【人】 XII『吊された男』 ユグ

――花畑へ――

……こんばんわ、カルクドラ。

[>>55そう控えめに声をかければ、驚きが返ってきた。
 その反応は正しい。ひとり『死神』を呼びつけて、まさかふたりで来るとは思わないだろう。
 それもいつだかユグがここに来たばかりのときのように、ぴったりと後ろに付き添って。
 改めて自分の甘えが気恥ずかしくなってきて、視線を下げる。

 カフェオレについては、丁重に断った。先生から分けられようとしても>>151、同じく。
 強く勧められれば、受け取ってしまうけれど。
 ユグは勝手についてきただけだ。
 構わないで、気にしないでと言うように縮こまっている。]
(154) 2022/12/21(Wed) 1:05:04

【人】 XII『吊された男』 ユグ

[無論、カルクドラと言い合いになるだとか、刃傷沙汰>>56になるだとか、そういったことを心配して来たわけではない。
 流れで。思わず。つい。
 言葉にするならそんな単語がふさわしかった。

 それ故に、『一度ゆっくり話がしたい』といった切り口からはじまるカルクドラの語り>>57を聞くほど、じわじわと居た堪れなくなっていく。]
(155) 2022/12/21(Wed) 1:05:37

【人】 XII『吊された男』 ユグ

[それでも。
 『僕は僕』『神話時代の人じゃない』などといった言葉が出るたびに、今更ながら、そうなのだと改めて思う。
 そんなことにも気づけないような、四年間を過ごしていた。
 
七年過ごすよりは、短いけれど。


 わかっていたつもりで、わかっていなかった。
 言葉の上では違う人間なのだからと言いながら、『証持ち』の、『箱庭』の人間として、扱おうとしていた。
 こんなことにもならないと、理解できなかったのだ。

 それに改めて、気付かされる。]
(156) 2022/12/21(Wed) 1:06:47

【人】 XII『吊された男』 ユグ

[ただ、やはり邂逅の瞬間の話>>58や、今の思いを聞こう>>59というような場面になれば。]

……あの。
ホリックゼリーでも、お持ちしましょうか。

[こんな場に刺激的な商品名を上げたのは、ほかでもない。
 カルクドラが先生との茶席に推していたからだ>>1:42
 売店には代金さえ置いておけばいいだろう、などと考えつつ、席を立とうとしたら>>153。]
(157) 2022/12/21(Wed) 1:07:14

【人】 XII『吊された男』 ユグ

……え。あ、の。ええと。

[唐突に話を振られたので、戸惑ってしまった。
 あまりこのタイミングで答えに窮するのはよろしくない気はするものの、すぐに出なかったものは仕方ない。]
(158) 2022/12/21(Wed) 1:13:27

【人】 XII『吊された男』 ユグ

――僕は、そうですね。
あまり、昔のカルクドラを知らないのですが。

それでも、あなたと言葉を交わすのは好きでした。
本をお借りして、知識に触れるのも。
神学のお話を聞くのも。

それが、カルクドラの努力や、改善の試みによって得られたものであるなら、僕は。
とても――嬉しく、思います。

[カルクドラも、もうひとりの僕の師のように思っていた。
 だからこそ、先生との対立は心苦しかったのだけれど。
 今ここでその蟠りが少しでも解けるようなら、充分だ*]
(159) 2022/12/21(Wed) 1:13:35

[ 愛したものを理不尽に叩き壊された。
 それが他でもない彼女自身の手であったから、
 もはや責めることさえもできなかった。

 仮にそうはならなかったとして、遠からず
 『正義』や『教皇』の手が下っていたのかもしれない。
 けれど、けれどそれでも、
 誤りも罪も罰も背負ってでも
 きみが生きてさえいてくれれば僕はそれでよかったのだと

        
―― 狂おしいほどの恋を水底に沈めて


 考えて考えて、行き着いた思考の果てで、
 彼女が選択した永遠の闇に救いを求めた。

 もうすべて壊れればいいと思った。
 
もう止まれない僕を誰かに止めて救ってほしかった。
]
 

【人】 XII『吊された男』 ユグ

――翌朝――

[再び玄関ホールに集められる。その足取りは、やや重い。
 もちろん、想定内ではあった。
 昨日集めた意見を受けて、"どうするか"が伝えられるのだろう。

 それでも、はじめと意見を違えたことや。
 最終的にどちらに振れるかわからない現状に、不安は募る。

 とはいえ、行きたくないなどと駄々をこねるつもりもなく。
 白のローブを羽織り、きゅ、と軽く引き寄せる。
 
まるで、自分自身を抱きしめるかのように。
]
(175) 2022/12/21(Wed) 2:57:05

【人】 XII『吊された男』 ユグ

[>>2かみさまあのひとはそこに立っていた。
 けれど、ひどく、ひどく冷めたかおをしていて。
 
 それだけで、ずきん、と胸の奥が締め付けられるようだった。]
(176) 2022/12/21(Wed) 2:57:53

【人】 XII『吊された男』 ユグ



“ 世界を滅ぼすのはやめにしよう ”


[欲しい言葉を、聞いたはずなのに。
 そうあってほしかったはずなのに。
 胃を裏側から返されるような不快感と恐怖が全身を駆け巡る。]
(177) 2022/12/21(Wed) 2:59:02

【人】 XII『吊された男』 ユグ

“ ……だが、もう、いい ”

[ずきん]     


“ この醜い世界で生きるといい ”

[ずきん]     


“ わたしを否定するお前たちなどいらない ”

[ずきん]     


“ ……お前たちは、 ”

[ずきん]     


“ わたしの愛する子らでなかったということだ ”

[ずきん]     
(178) 2022/12/21(Wed) 3:00:01

【人】 XII『吊された男』 ユグ

[他ならぬ。
 他ならぬ自分が。
 神の寵愛を裏切ったこと。
 彼の人の表情を曇らせていること。
 慕い続けた神から見捨てられること。
 信じていた愛をあっさりと否定されたこと。

 ひとつひとつが、心臓に
のように突き刺さる。]
(179) 2022/12/21(Wed) 3:00:37

【人】 XII『吊された男』 ユグ

(――……あなたと共に)

(いたくないわけでは、ないのです)


[意識の奥では、そう叫び声を上げるものの。
 もう届かないのだろうという予感があった。
 表面を滑るだけの虚しい言葉を音にするだけの心を持てず。
 追い縋りたいような感情は、乱れた呼吸にかき消される。]
(180) 2022/12/21(Wed) 3:00:59

【人】 XII『吊された男』 ユグ

――っ、  
ぅ、


[たまらず、口元を両の手で覆う。

 ああ、いまが朝一番でよかった
 朝食を済ませていたら、きっとここで全部吐き戻していた


 崩れ落ちる『世界』の身体も、視界に入ってはいるが。]
(181) 2022/12/21(Wed) 3:01:28

【人】 XII『吊された男』 ユグ

[
  手を貸さなければ
         こんなことしている場合じゃない
     どうにかしなくては
 突き放される覚悟もなかったのか
        これが自身の選択だ
               望みどおりじゃないのか
]
(182) 2022/12/21(Wed) 3:02:12

【人】 XII『吊された男』 ユグ



は、っ   げほッ、 か、ひゅ ッ


[思考が巡れば巡るほど、息がうまく吸えない。
 アリアの冷静な言葉>>27と、笑うゼロの声>>49が、やけに遠く聞こえる気がした*]
(183) 2022/12/21(Wed) 3:02:32
XII『吊された男』 ユグは、メモを貼った。
(a41) 2022/12/21(Wed) 4:08:23



[ わたしは教皇にたずねました。
  愛とはなにかを。

  教皇はこたえてくれました。
  いとしいとおもうこころ。

  いとしいとはなんでしょう。
  わかりません。

  けれど ]

 





  この花はうつくしいとかんじます
  けんめいに 生きるさまが

  朽ちるさいごのすがたまで うつくしい


  これが 『 いとしい 』 なのでしょうか



 






[ わたしがいのれば
  この花もまたうつくしくさきほこる
  かがやくすがたにもどれるかもしれません。

  けれど わたしは
  もうおわりをつげようとする そのままを
  その 在り方に こころをよせました。 ]

 




[ わたしにはわかりません。

  じゅんすいとは、やさしいとは
  どんなもののことを いうのでしょう

  
 

  わからない――


  ――どうしてか ときおり
  あなたが くるしげなのかも
  わたしには わかりませんでした。



  あのとき まで  *]





[  吊るされた男はいつもわらっています。

  となりにすわっているわたしに
  ときおりもうしわけなさそうに、わらいます。


  ――わかりません。
  どこかいたいのですか。
  くるしいのですか。


  たくさんかんがえるあなたは、
  やはりわらっていました。


  わたしはあなたのそばに はなをそえます。
  『 いとしい 』を知ったから。


  いつのまにか吊るされた男のまわりは
  ひつぎのなかのように
  いとしいでいっぱいに なりました。


  おせわをやく、ただしいのでしょうか。
  ――わかりません。 ]




 
[ ――わかりません。
  わたしはどうしたら おだやかなやすらぎを
  あなたにも わけることができますか? ]





[ それから。
  愚者がころされました。

  ひとつのこうきしんによって。

  なにもわからなかったわたしのこころに
  かなしみがたくさんあふれました。

  かなしくて、かなしくて。
  ずっとなきつづけて。
  
  
  吊るされた男はわらっていました。 


  くるしそうなこえをきいて
  わたしはようやく かおをあげます。


  わらっています。
  くるしそうに。


  いつのまにか吊るされた男のまわりに
  たくさんあったはずの
  花はかれていました。 ]




  
[ ――いけない。
  わたしは、花をさがしにいこうとしました。

  ちかごろのあなたは
  とてもおもいつめているように みえました。


  だから、すこしでも、 ]
  
 


  え?
  

[ 吊るされた男が つぶやくことばを
  りかいするまえに

  そのくびもとからは あかいちが
  あふれだしました。  ]




[  それでも
   それでも あなたは わらっていました。 ]




[ どうして どうして どうして


  わたしの いのりは とどかないのですか
  きのうまで 癒えたはずの きずぐちから
  ちをとめることは できないのですか 


  ――わかっています。
  わたしはあなたに、ちからを つかっていないから。

  いま、きずをとめることはかなうでしょう。
  けれど きずがすべていえるまで
  あなたはずっとくるしむことに なります。


  わたしはそれをかなしいとおもいました。
  もう、……もう、いい。
  いやです。よくはありません。

  あいはんするふたつのおもいをかかえながら
  わたしは あなたのあたまを なでるのでしょう。  ]





 わたしはまだ そばにいたかったです。


 



[ わたしはわらいかたをしりません。
  かなしいしか しりません。

  だからあなたのまねごとをして
  つくったえがおは
  とてもふしぜんです。

  でもはじめて あなたのために
  つくったえがおです。
  

  かなしくて、くるしいとき
  わらうのでしよう?
  だれもかなしませたくないから
  わらうのでしょう? ]




どうか やすらかに。



 



[ 吊られた男のからだから
  あたたかなたいおんがなくなるまで。

  おわりのおとずれる、そのときまで
  死神は ずっと 
  あたまを なでつづけていました。


  ちにぬれても、
  うごかなくなっても、


  その、さいごまで。
  ほほえみは 吊るされた男を
  みおろしつづけました。


  そのねむりが せめて おだやかであるように 



  ―――さいごまで *]


 
[ ――――

 箱庭崩壊の折、『魔術師』は『箱庭の神』を頼った>2:/12。

 けれど何もしてくれなかった神に、
 『魔術師』は怒りを覚え、失望し、
 そして――見限った。
 
 箱庭崩壊にあたって、神に対し一切の期待をしなくなった。]
 

 
[『月』とは多くを語らい、共に過ごす時間も多く
 私にとって大切な存在でした。

 花壇の薔薇が枯れたと聞けば
 共に育てよう、と申し出て手伝いました。

 あなたの美しい髪を切るのはとんでもない、と私が洗い
 また、逆に私の髪も洗い、梳いていただきましたね。
 
 贈り物も多くいただきました。
 それでは私もお礼に、と負けず多くの品を贈りました。

 特にハックマナイト入りの銀色の櫛は
 あなたに似合うだけでは無く
 私が持つタンザナイト入りの銀の聖杖と
 お揃いのように見えるので、特段お気に入りでした。

 『死神』や『吊るされた男』らとの会話が
 “心癒される”一時とすれば
 『月』との会話は“心安らぐ”一時でした。]
 

 
[ しかし、私は愛を『与える』ことに慣れていても
 『与えられる』ことには慣れていなかったのです。


  私は勿論、あなたのことを愛していました。
  故に、あなたには最後まで
  真実と願いを伝えられずにいたのです。


  
  そのか細く美しい手が、血に塗れて欲しく無かった。
  優しいあなたに、一生心に残る傷を与えたく無かった。
  愛するあなたに、幸せでいて欲しかった。
  悲しい思いをして欲しく無かった。

 


 私には、覚悟が足りなかったのです。
 今は争っていても、いつかは皆が理解し合い
 争いも収束すると思っていました。


 
 この心に這い寄る暗澹たる存在を自覚しながら
 目を反らし続けていたのです。
]
 


 
   …………。


[ 一度思わせぶりをしておきながら
 言い淀むのは、確かに私の責任です。

 そして悟ったのです。
 あなたは私の悩みに、変化に。
 既に気付いていたのでしょう。 

 それでも私を思い、私の為に尽くしてくれる
 あなたの命を散らしたくない。]
 

 
 
   ……もし、私に何かがあった時は
   必ず私の分まで生きて下さい。
  
   私の分まで、幸せになって下さい。
 

 
[ あなたに託そうとした
私を殺すための短剣も

 結局渡せずじまいのまま。

 向けた笑顔も、明らかに無理な作り笑いだと
 恐らく即座に気付けたことでしょう。]
 
 






[ この時が、最後の語らいとなったのです。


  ────


  突然ではありましたが
  いつか、この時が来る覚悟は存在していました。]

 

 
[ 友情とは、二つの肉体に宿る一つの魂のこと。


 物静かで優しく、時に厳しい態度を示しながらも
 私を支え、道を示すあなたは、紛れも無く私の半身でした。

 魂の半分を喪ったこの時
 私自身も同時に死んでいたのでしょう。
 残ったのは、ただの壊れた人形でしか無かったのです。


 ……でも。


 もしあの時、あなたに短剣を託し
 想いを伝えることが出来ていたとしても
 あなたを死なせる考えも
 共に逝く考えもありませんでした。

 あなたには私の分まで生きて欲しかった。
 私の想いを抱いて、私の中で共に。
 生きていれば、必ず良いことがあるから、と。

 しかし、あなたは私よりも先に散ってしまった。
 今となっては、全てがifの妄想。

 あの時共に逝けたならば、私が完全に壊れる前に
 あなたに救われていたのかもしれませんね。]

 

 
 
[ ……この段階で、既に

   私は選択を誤っていたようです。]

 
 

 
[ 余談。

 経典に記されている『教皇』は
 “デセスパール”という名でも知られています。

 この名がどの時代から使われ始めたかは不明ですが
 語源としては、遠き国の言葉で
  
“絶望”
  が変化したものとされています。

 他に名を持たない者が多い中
 彼は何を思い、この名を使い始めたのでしょう?*]

 

【人】 XII『吊された男』 ユグ

――回答の前――

[明朗なありがとう>>209、の返答。
 言われて悪い気はせず、シンの人柄を感じる。
 
本人の自己評価がどうかは、わからないが。


 変わったか>>210と聞かれれば、僅か考えたあと。。]

変わった……と、思います。
少なくとも、今朝とは意見を変えようと思っています。

[シンは聞いていたろうか、迷いない宣言を。
 それを覆すのは、今なお怖いけれど。]

僕自身の本心は、実のところあまり変わらない、のですが。
僕の望みを叶える――皆と幸せに過ごしたい、のなら、僕の意見を通すだけではだめなのだと思っている、ところです。
そもそも、僕の考えはきっと、幸福から少し遠かった。

[幸せであれと願いながら、押し付けているだけだった。]
(223) 2022/12/21(Wed) 21:39:57

【人】 XII『吊された男』 ユグ

僕にとっては、かみさまの仰る『いつか22人で幸せに過ごす』ことが、いちばんの喜びのつもりでした。
だから、そうしようと言われてそのまま頷いてしまった。

無関心だったのだと、思います。世界に対して。
でも、そうでない人もいる。
それを蔑ろにした幸せなんてないのだと、皆の話を聞いて考えています。

[神に対して、あまりに盲目だったのだ。
 ひとりが不要と言ったものを簡単に切り捨ててしまえるような天秤を、公正とは呼べない。]
(224) 2022/12/21(Wed) 21:40:28

【人】 XII『吊された男』 ユグ

よかった。
僕も、幸せです。今が。
だから、これが壊れるような選択はしないつもりです。

[>>211過去形にした理由は語らない。
 シンが今も幸福だと思っているなら、それで充分だから。
 もしも直接聞かれたならば、気が変わっていたら申し訳ないからと、簡単に答えたろう。

 聞き返されれば>>212、自然に笑って幸福と答えた。]
(225) 2022/12/21(Wed) 21:40:45

【人】 XII『吊された男』 ユグ

そう、ですか。
……アリア……シトラ……他にも、聞いてみますね。
ありがとうございます。

[>>213誰だろう、と言われれば、素直に受け止めて悩みだす。
 もう、シンの可能性は横に置いてしまった。
 上がった名前は7つ>>214。アリアには先生が倒れてしまったのを報告したから、もしも心配して見に来たとあれば――有り得る。
 その場合、眠り込んでまるきり応対できなかったのが申し訳なさをまた募らせるが……いや、それについては誰であっても同じだ。申し訳ない。

 
隣の先生は、謎掛け>>215に気づくのだろうか?
*]
(226) 2022/12/21(Wed) 21:41:51
XII『吊された男』 ユグは、メモを貼った。
(a50) 2022/12/21(Wed) 22:02:16


[ わたしの瞳が最期に映したのは
 ずっと大切に想っていたあのひとだった。

 何もかもが遠ざかる景色の中で
 あのひとの青と緑だけが鮮明だった。]



  ( 泣かないで

      どうか かなしまないで


        わたしは あなたといられて よかった



        あなたのそばに いられて よかった  )


  




      あいしてるありがとう 

  


[『悪魔』が『恋人』を愛していた理由は、
 完璧な彼/彼女が健気で美しかったから。
 不完全ゆえの完璧さを孕む様は魅力的で、
 蠱惑的で、いっそ無理やり自分のものにすることも
 考えなかった訳ではない。

 けれど、
 考えてもそれは絶対にしなかっただろう。
 『恋人』は今のままが一番"自分好み"であったからだ。

 彼/彼女がその地獄をおくっていたのもその一因だろう
 その ぎりぎりで、壊れそうで、儚く、
 それでも完璧であろうとする姿が
 『悪魔』は何よりも好きだった。
 愛していた。

 勿論その心内の全てを知っていたわけではないが
 『悪魔』は『恋人』が自分に靡かないだろう所も、
 好ましいと思う箇所だ。

 壊れたら取り返しのないものを
 つついて遊ぶ。

 それは『愚者』を殺した時の感情に似ていた。]
 


[似ていたけれど、
 決定的に違うものはあっただろう。]
 


[どうせなら自分の手でその完璧を壊したかったけれど。
 今までやこの混乱の中で『恋人』の精神が壊れてしまっていたのなら。
 それは自分が壊したのも同じこと。

 それに…… どうやら彼/彼女は
 死ぬまで"それ"を貫いてくれたようだった

 だから直接殺した相手について大きく恨む事はない。
 それでも少し羨ましいという気持ちがあったのは本当だけど。

 それ故に、
 『恋人』が最初に殺してほしいともし言ったとしても、
 『悪魔』はそれをすぐに行う事はなかっただろう。

 けれど、

 ほどよく 適度に 丁寧に 壊して 壊れたら
 その時には ── …… ]
 

 




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