246 幾星霜のメモワール
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視点:人 狼 墓 恋 少 霊 九 全 管
──これは、あなたが見た夢だったかもしれない。
──水晶玉を通して見た景色だったかもしれない。
──白昼夢のようなまぼろしだったかもしれない。
あなたはこの夢の光景を、音を、どのような手段で知っていても構わない。
これは、誰かに焦点を当てた夢。
ずっとずっと、この世界の外を見続けた誰かを見ている夢。
/*
主に一人称視点で描写予定です。
描写外のことは、曖昧になっているものとして
お受け取りください。例えば思考している時の声だとか。
過去のものも遡ってご覧になっていただいて構いません。
何かあればご連絡くださいませ。
この窓が見えているあなた様方の良きようにしていただければ幸いです。
| 掲示板の前には既に人が集まっている。 光を宿し、授けられた者たちを知る為、あるいは知り合いの様子を見るため。 民衆でごった返す人波をかき分けながら、じっと張り出された掲示板を一読した。 そこに張り出されている名前に目を細める。
「今日は随分と景気が良い……? のでしょうか。 おめでたいことですけど、ありがたみが減らないでしょうか」 (4) 2024/02/05(Mon) 22:44:30 |
よくわからないが告白をされた。
何を言っているかわからないかもしれないが、
俺もよくわかっていない。
彼女は俺と同じく鑑定スキル持ちだから、
俺が死にかねないというのは隠せないと思っていた。
そこまではいい。
本当になんだかよくわからないが告白をされた。
祭りの間だけでも、恋人として付き合ってほしいと。
即答で断った。
我ながらカスもカスだと思うが、俺は元の世界に帰る気でずっといる。
今回の聖女様の御神託だって、渡りに船だ。
この為に俺はここまで生きてきたんだ。
彼女が今に告白をしたのは、
俺が死んでしまうかもしれないから…と言っていたが。
…何か、それ以外の焦りも見えた。
俺のことが好きだったとして、
今まで秘めていたものを伝えるという選択肢を、
軽率な判断をしない彼女が取るには不十分に思える。
死の呪いを受けてはいるが、
あなたのおかげで進行はしないようになっている。
そう伝えて、十分とは言わないが、
不安を抑えきれないほどに安心を与えられなかったとも思わない。
…とは言え乙女心のエキスパートというわけでもないから、
一概に言い切れないことも確かなんだが。
兎角、己の勘を信じるのなら、彼女には時間がない。
理由は、聞かなかったので知らないが。
知らないが、もしかしたら俺と同じなのかもしれないな。
そんなことをほんの少しだけ考えて、そうじゃなければいいと思った。
帰ってまだ思いが変わらないなら、
断る口実を考えつくのに苦労するものだから。
久し振りに彼に会った。
5年程ぶりだろうか、本当に全然見なかった。
冒険者界隈以外には、どうやらいたらしいが。
教会で見かけて、目が合ってすぐに去られて、少し傷付いた。
ずっと放っておいたのは自分の方なのにな。
その感傷はすぐに解消された。
特に自分が原因ではないことが知れたから。
しかし随分重いことを聞かされてしまった。
よくある話と言えばそうだが、身につまされる思いだ。
大事な人がいなくなってしまった、
その後の世界のことなんて俺も考えたくない。
考えたくないから、俺は誰かのそれになりたくない。
少なくとも、この世界では。
兎角彼はとんでもない悪党に使われているわけでなく、
復讐心を燃やしていて裏の世界に生きるようになったわけでもなく、
ただ単に空っぽになってくすぶっているだけで素直によかったと思えた。
いや、良くはないんだが。
良くはないんだが、よかった。
死ぬ気が別にないなら、いくらでも、どうにでもなるだろう。
それで、軽い提案をした。
それそのものが解決策になるわけではないが、
引き上げてくれるような誰かのいる場所に
戻ることの切っ掛けになればと思って。
言った通り俺は、背中は任せられても隣に一生いる仲ではない。
無責任な立場だから、自己満足がいくくらいの
何かしらはしていこう、そう思う。
荷物は軽い方がいいから。
| (a4) 2024/02/07(Wed) 17:10:01 |
彼とは多分似た者同士なんだろうな。
第三印象はそんな感じだった。
心配ごとや不安なことは、こういう理由から平気だと言ってやって。
おどけた態度に本心を混ぜて、拾われなければそれでいい。
そういうムーブをずっとしている。
このオモテ面、楽だよな。
本気のことも本気じゃないように見せやすいから。
それに、自分のことだって騙せる。
俺が素の俺のままでこの世界を生きていたら、
多分、あまりもたなかったと思っている。
こう言ったんだから、人がいる所では言った通り見えるようにするべきだ。
それでなんとか立って歩けた場面も、少なからずあるから。
彼が気にしていないと言ったところの
大体は本当に気にしていなさそうだったが、
あそこは気にしていただろうと思う。
誰かに必要とされたい。生きる理由になってほしい。
素直に求めるのも重いもんな。
わかるよ、ああいう言い方になるの。
半分冗談だって予防線を張って、自分の気も楽にしておくんだ。
いつかに誰かに願いを叶えてもらえればいいと思う。
そう思いはしても、自分はやっぱり叶えてやれないから。
気持ちはわかるよってだけ勝手に投げて、
あとはバカな話をしていたんだ。
道で彼女を見かけて、丁度いいと思った。
大したものじゃないよって、なんでもないように贈り物をして、
なんでもないようにそのままついでの買い物をして、
それで終わりにするつもりだった。
やっぱり気付くよな。いや、気付いていないか?
商品に対して真摯に振る舞っているだけで、深い意味はない。はず。
そう思いはしても動揺は明らかに出てしまって。
それで、半分逃げるように去ってしまった。
放っておいてくれるといいな。多分そうしてくれるよな。
そこまで仲良くないからな、俺がみんなにそうしてきたからな。
そんなことを改めて思って、微妙な気分になっていた。
こんなかまってちゃん染みた気分なんて、
持たないで来られていたのにな。
──視界のことがバレた。
俺が失敗したこともあるが、流石の賢人具合と言うか。
元々思いはしていたが、よく気が付く人だ。
なんだかずっと、自分を心配する母親に叱られているみたいだった。
この世界の母はああだったから、
こういうやさしさに触れたのは本当にしばらくぶりで。
失敗に情けなくて恥ずかしくなる気持ちと同時に、
泣きそうな気分にもなった。
それは、バレていないだろうか。
どうだろうな、分かった上でとぼけてもくれそうだ。
とぼけると言うかなんと言うか。
「あなたがそういうことにしたいのなら、
そういうことにしてあげましょう」
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