【人】 将来の夢はパン屋の小学生 来世の 小泉義哉―― とある夏の日、どこかにあるパン屋にて ―― [ とある街の駅前にある、自宅に併設されたパン屋にて、 少年は夏休みの間、お店でお手伝いすることになった。 お手伝いを頑張ったら、お父さんとお母さんが 次のお休みに美術館に連れて行ってくれるのだ。 少年の生まれるより前になる、 十数年前に地震で倒壊したその場所に、>>n0 少年は一度も訪れたことはない。 けれど、写真で建物を見ると、 なぜか胸が締め付けられるような思いになって、 少年は「行きたい行きたい!」と駄々をこねた。 その結果、両親による 「働かざる者、我儘言うべからず」の方針のもと、 こうしてパン屋で少年は作業をすることとなる] (364) 2022/09/19(Mon) 19:22:08 |
【人】 将来の夢はパン屋の小学生 来世の 小泉義哉[ お手伝いといっても、 小学生の少年にできることは限られた。 開店前や空いている時間に店の前の掃除をしたり、 夕方の割引きセールとなったパンを いくつかにまとめて袋詰めをしたり、 閉店後の後片付けを手伝ったり。 それでも、パン屋にいればいつもパンの匂いが漂い、 その匂いが大好きだった少年は、 ずっとお店にいたかった。 まあ、忙しい時間になれば邪魔になるから、 やれることが終われば、とっとと退散したのだが] (365) 2022/09/19(Mon) 19:22:27 |
【人】 将来の夢はパン屋の小学生 来世の 小泉義哉[ パン屋のお手伝い以外は、少年は夏休みの宿題をしたり 友達と遊んだりして過ごした。 客商売に向いてそうな性格の両親のもとで育った少年は、 それはそれは大らかでしっかり者の性格になったもので。 友達もなかなかに多く、 話題に乗れないくらいで離れる友人もいなかった。>>1:44 お父さんとお母さんからは、 泥だらけになって帰ってきたり、 部屋を散らかしたままにしたりしていると、 たまに叱られることはあるけれど、 友達と喧嘩すれば、両親は慰めてくれて、 友達と仲直りすれば、自分のことのように喜んでくれて、 小さなことでも何かお手伝いをすると褒めてくれて、 そういったことがある度にぎゅっと抱きしめてくれた。 少しだけ気恥ずかしい思いはあったけれど、 両親から向けられる一つ一つの愛情表現が、 少年にはやはり嬉しいものだった] (366) 2022/09/19(Mon) 19:22:48 |
【人】 将来の夢はパン屋の小学生 来世の 小泉義哉[ そんなこんなで過ごす長い夏の日。 もし少年がお店にいて、 見知ったお客様が来店したなら、 「いらっしゃいませ!」と楽しそうな笑顔で 元気よく挨拶することもあるだろう] (367) 2022/09/19(Mon) 19:23:14 |
【人】 4年生 小泉義哉[ 記憶喪失だった時のことにも触れた手紙には、>>393 夢の中でも謝ってもらったのに律儀だなと思いながら。 彼女の心が少しでも楽になったのなら、 自分の生きた時間も無駄ではなかったのだなと思う。 この手紙で工藤もパンを作っているのを知ったときは、 すでにお供えが来ていただろうか。 いずれにせよ、美味いといただいていたのは 変わらないが。>>258 きっと朝霞と工藤は仲良くなったのだろうと、 文面からも分かるから、そのことも嬉しい。 天国から姿形を見守ることは難しく、 現世に還るときに見つけられたら、にはなりそうだが、 転生するまでは、ずっとこの場所から、 みんなの幸せを祈ることは続けようと思う] (436) 2022/09/19(Mon) 23:55:42 |
【人】 4年生 小泉義哉[ もしかしたら、 その他にも手紙は届いていたかもしれないが、 いずれにせよ―― みんな、ありがとうな。と心の中で呟きながら、 目を閉じて、届いた手紙を胸に抱える。 みんなと出会えて本当によかった。 次にもしまた会うことが叶うのなら、 みんなのことをもっと大切に思えるような 人間として出会い、 自分が死ぬことに決して満足しないような そんな人間でありたいと義哉は願う]** (438) 2022/09/19(Mon) 23:56:11 |
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