人狼物語 三日月国


75 【身内】星仰ぎのギムナジウム【R18G】

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視点:


【人】 一人の少年 ルヴァ

>>0 金魚鉢

その光景が、それが撤去された後も、
網膜の裏に残り続けている。

それが持つ意味はきっと、見る人によって違っただろう。
それくらいその金魚鉢は鮮烈なものだったし、
同時に深い傷を各所に残したりもした。

自分が受け取った物の中で一番強い『意味』は、
……間違いなく『警告』だった。

ブラキウムが何事もなく赦され
自分が何事もなく赦される代償や歪は、
必ずどこかに出るという。
この金魚鉢のように、中で泳ぐものたちは
消して外に出ることはできないという。

そのオブジェの真意はどうであれ
友人の死を以て伝える、
最悪のメッセージのように思えた。
(16) 2021/06/04(Fri) 7:29:18

【人】 一人の少年 ルヴァ

――罰は回避された。
ブラキウムを庇い、自分も共に地獄に落ちると決めた決意は、
簡単に手ごたえをなくして霧のように消えていった。

だけれど、食堂で見たその赤に、死に。
心に確かに植え付けられたものがある。

本当に罰は回避されたんだろうか。
本当に罪から目を背けられるものだろうか。
例の部屋で自分はセキレイに、赤ずきんに別れを告げた、
それに、何か強い意味があるのだろうか。

そんな個人の決意や意識などお構いなしに、
自分の知らないところで何かが決まり、
そして決まった通りに未来が描かれていくのだとしたら
この安寧は、仮初のものだ。

何もかもが解決したと思っていたある朝に。
自分の元に封筒が届き、それを開いたときに
『再度、ブラキウム』と描かれてないなんて
誰も保証してはくれない。

そしてそれが保証されない以上。
きっと、その夢をこれから、何度も何度も繰り返し見るだろう。
(17) 2021/06/04(Fri) 7:34:02

【人】 一人の少年 ルヴァ

その明日が「今日」なのだとしたら。
せめてその一日をちゃんと泳ぎまわりたいと思う。
絶対に訪れる、君と似た形の終わりを迎えるまで、
それがすべて無為に変わることに怯えながら、
苦しくて苦しくて仕方ない気持ちや不安を押し隠しながら。

それでも仮面を被らない顔で、
向き合いたい人がいるんだ。

ちゃんと伝えたかったけれど、
それは、友人である君に、ちゃんと誇れるような、
そのためによく頑張ったね、って頭を撫でてもらえるような、
そんな本当の気持ちなんだ。

「……つらいな。
 でも、背負うよサルガス。俺はさ。
 ルヴァ団の、団長だから」

涙は、今度は零さなかった。
(18) 2021/06/04(Fri) 7:44:37