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【墓】 点燈用 トムラビ「いいのですヨ、アトリ」 物陰から姿を現す、暗褐色のグレイ。 手には鎖のついた棘ランタン。 「そこのバンドッグもリュイも強いのでス。 敵なんか一瞬でス、一瞬。バシーッとやりますヨ。 それでも不安なラ、私もついていきましょウ。 ……いいですよネ?まさカ、この期に及んデ、 女型ハ、非力だし危なイ、なんて言い出したラ、 一層のボスと同じ目に遭わせますヨ」 鎖を引きずる音。微笑み。有無を言わさぬ気配。 ……正直、件のグレイとは馴染みが薄いのだが。 だからと言って、手を伸ばさない理由もない。 灯は誰の道にも燈されるべきだ。それに…… 危険な場所に友が行く、それに勝る同行理由など、ない。 (+0) 2023/12/08(Fri) 17:19:00 |
【墓】 点燈用 トムラビ「マ、ちょっと危ない遠足のようなものでス。 それくらいの気持チ……では流石にあぶないカ。 一応、準備は欠かさないようにしましょうネ」 お薬、ハンカチ、回復用おやツ、持ちましたカ? 愛玩用にそんな確認をしながら、 自身は鎖を腕に巻きつけ、棘ランタンを片手で持つ。 もう片手には幾らかの宝石の原石。 それを服の内にしまい、準備はOK。 「私はいつでモ。道中の灯はおまかせヲ」 (+1) 2023/12/08(Fri) 20:47:20 |
【墓】 点燈用 トムラビ#ハノイの塔 言って、前に出る。鎖を引いて、ランタンを手に。 遮二無二暴れるエネミーの群れの中心に、それを投げつけた。 「貴方達ハ、きっと私でしタ。だかラ、ごめんなさイ。 それと――お疲れ様。もウ、寝る時間ですヨ」 ランタンが着弾した瞬間、それは大規模な爆発のように。 全てを焼き尽くす火を噴いた。それは特に人型のエネミーを、 徹底的に、そして一瞬で、焼き焦がしていった。 後には黒い焦げ跡と、崩れていく炭と、舞う灰だけ。 「おやすみなさイ、さようなラ。 貴方達の苦しミ、終わった事を祈りまス」 静かに引いた鎖の先で、ランタンの灯が揺れていた。 幽かなその灯りは、弔火のようだった。 「……さア、道、空きましたネ。行きましょウ」 (+4) 2023/12/09(Sat) 18:36:09 |
【墓】 点燈用 トムラビ#ハノイの塔 「―― 歩き続けまス 、道なき道を 」弱者は、落ち着いた声でそう呟く。 答えの答えは求めていない、答えを求めているのは 今前に立っている者だろうから。あくまで、返答として。 「出来ない事モ、諦めた事モ、沢山ありますシ、ありましタ。 道を踏み外した事モ、一度や二度ではありませン。 それでも私ハ、生きテ、いるのでス。 道がないなラ、道のない所に踏み出せばいイ。 踏み外したなラ、這いあがればいイ。 ……ましテ、ここでの友がいるのなラ、 這いあがる時に手ぐらい貸してくれるかもしれませン」 目を瞑り、ここに来てから助けてくれた友たちを思い出す。 あなたに声をかける愛玩用に微笑みかける。 「私モ、そうありたイ。踏み出す暗闇ニ、灯を燈したイ。 一人で無理だと言うのなラ――友に頼るまデ、でス。 そうして友が困った時ハ、私が友を助けまス。 ……多分、そうやっテ、新たな道は……出来るのですヨ」 そう、静かに呟いた。 (+5) 2023/12/09(Sat) 23:19:13 |
【墓】 点燈用 トムラビ#ハノイの塔 「あそこまでがっちり組み合っているト、 打てるものも撃てるものもありませんねエ……」 甲高いホイッスルの音。 放たれたデータの刃に渦のように鎖を巻き付け、 背負って投げる要領でその向きを逸らす。 微かに背中が削れたが、怪我の範疇でもない。 前衛と後衛 と相手 この身体は改造されて尚不便な事ばかりだ。 「男の子って皆あんな感じなんでしょうカ。 ……理解できない半分、羨ましい半分でス」 半ばぼやくように、愛玩用の持ってきた薬を借り受ける。 刃から解いた鎖でそれを巻くと、 そのまま、遥か高空へ向けて鎖を振って、強く引く。 頭上で破裂した薬品の雨は、 掲げられた灯の光と共に回復を撒き散らしただろう。 (+7) 2023/12/10(Sun) 20:59:08 |
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