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【墓】 高野 景斗[ 受け入れる側の負担や日々の努力について 察するに余りあるとはいえ、どれほど現実的に 伝えてくれていただろう。 言ってくれなければわからないからと 聞くことは少なからずあったとは思う。 事後の処理を手伝うこともあれば、 知識云々ではなく、セーフセックスを 強く意識したし、指先、特に人差し指と中指の爪は 常日頃から整えるようにしていた――とて。 覚えのない快楽を、紡ぎ合う日々の中 より負担が嵩むのはどうしたって、受け入れる方。 ――現にこうして、自分には必要のない所作をひとり こなしている。 それに興奮してしまう相手で申し訳ないとは、少し。 ] (+0) 2023/03/29(Wed) 1:16:51 |
【墓】 高野 景斗 朝晩とかね、 ああでも、ここなら朝も気にせず お風呂入れるな [ 初めて二人ででかけた日に、 温泉にも行けたら良いとは言っていたけど まとまった休みを合わせるのは、難儀するから。 旅行に出かけるのは今日が初めて。 湯当たりしないで、と添えられた言葉には そうだね、と頷いて。 だいぶ抜けているとはいえ、アルコールを 摂取した後の風呂、に油断は禁物。 泉質によっては湯当たりしやすい等々も十分 考えられるので。 ] (+1) 2023/03/29(Wed) 1:17:10 |
【墓】 高野 景斗 いいね、この辺は来たことないから 新しいもの、いくつも見つかりそう。 [ ぬくい湯の中では、重みはそうそう感じまいから。 同意を得られれば嬉しそうに笑い、 湯の中で片膝を立てる、とその拍子に ぱちゃり、水面が跳ねた。 そのうち、挨拶すらも換算しなくなるが、 まず最初に数えるのを、意識的にではなく 気づいたらやめていたのが、約束、だった。 口にする度、罪悪感を蓄えることがなくなって。 叶えるために、ほんの少しの無理もするが、 それを無理だとも思わなくなって、 叶うことしか、言わないと言えばそれもそう ではあるのだが。叶える努力を労力に思わなく なったから。 ] (+2) 2023/03/29(Wed) 1:17:39 |
【墓】 高野 景斗[ また一つ、約束を結んだからには、 近い未来、ここにもまた来ることになる。 ――といってもまだ、夜と呼ぶほど 深い時間ではないから、まだまだ ここでなければ、という項目は増えるだろう。 ] ……痛い? [ 問うても、そこから手を離すことはなく。 伺うように、顔をあげると、 問う意味は、なかったのかもしれないと 苦笑いを一つ。 名前が呼ばれ、手が重なって。 そうではない、と分かってしまったから。 ] (+3) 2023/03/29(Wed) 1:17:58 |
【墓】 高野 景斗 ん、 なぁに [ 酒気を強めに含んだ時に呼ばれたのと 同じように反応を返し、重なる手に指を絡ませて。 擽ったそうに竦められた首筋にも、 優しいだけのそれを贈って。 ] 優しくするって、言ったからね [ これもまた、数える程にも満たない、 約束の一つ。 重ねられた手を湯から上げて、 自分もまた肩を湯から出して、 戯れるように、慈しむように、 すっかり湯の香に包まれた指先、に唇を。 唇で触れてもわかるくらい、温まっていても 体の奥にまたゆっくり、火をつけるように。 指先、指の付け根、掌、手の甲、手首と辿り 一度体をお湯からざばりと、あげて、 風呂の縁、岩の上に腰を落ち着けたのは このままだと、のぼせかねないなと思ったので。* ] (+4) 2023/03/29(Wed) 1:18:19 |
【墓】 瑞野 那岐[彼を受け入れると決めたこと。 それは、努力という言葉で表すのは少し違った。 男が求められる側になることに対して、 いざなってみれば、抵抗はなかったけれど。 自身が"そういう側"になることは、 今まで考えていなかったのは確かで、知識の浅さや、 経験の無さを、どう補おうかと思ったことはあるけれど。 異性同士でも同性同士でも。 愛を伝え合うことに変わりはないと思ったら、 以外とすんなり受け入れることが出来たから。 寧ろ、受け入れる側より。 俺で勃つのか、ということの方が気にかかったけれど。 初めて夜を迎えた日に、彼のものを見た時。 それは、杞憂に変わった。 受け入れる身体には、まだ、なってはいなかったけれど。] (+5) 2023/03/29(Wed) 2:26:38 |
【墓】 瑞野 那岐[彼の方は彼の方で、細やかな意識を、 俺に向けていたことは、時折、気づいていた。 爪切りを使わずに爪研ぎを使うようになったこととか。 今日みたいによっぽどの余裕がない日以外には、 ゆっくりと時間を掛けて、身体を解してくれる。 これ以上ないぐらい、愛されているな、と。 感じて、照れてしまうぐらいには。少し。 自覚は、あるのだけれど。 それを言葉にするには俺にはまだ出来ない。 だから理性の皮を被って、普段どおりに接して。 何てことはない会話に笑うふりをして。 波打つ心を抑えたりする時も、時々。] ああ、朝風呂もいいですね。 夜と違って、また空気が美味いだろうな。 [アルコールの代わりに、頬を染めるのはお湯の熱さ。 出すものを出したこともあって。 少しすっきりとした頭で、髪から滴る水気を払う。] (+6) 2023/03/29(Wed) 2:28:31 |
【墓】 瑞野 那岐[彼が訪れたことがあるのなら、彼に任せて。 彼が訪れたことがないなら、二人で一緒に。 俺が知っている場所なら、俺が先に立って。 二人で過ごす場所を増やせていければいい。 写真に収められないぐらいの場所と思い出を作って。 どこに居ても彼を思い出せるぐらい一緒に。 約束を交わさなくても、自然と傍にあれるように。 この時、二人で暮らすことを考えるのは、 まだ随分と先の話だったけれど。 旅行かばんの中には、彼からもらった うさぎの形をした合鍵は、今日も一緒に連れてきている。 彼が感じた後悔を、喜びで埋められるぐらい。 時間を費やして、増やして。共に、過ごしていけたら。] (+7) 2023/03/29(Wed) 2:29:01 |
【墓】 瑞野 那岐[少し先の未来は、そんな時間を共有する証。 街から離れ、山間に建つこの宿は。 周囲の明かりが少なく数多の星と、月が空に浮かぶ。 衝立で仕切られている露天風呂のスペースの隣から、 声は聞こえない。隣が居ないのか。 それとも、今入っていないだけなのか。 風呂場ですらないのか、確認することは出来ないけれど。 湯船の中でもしっかりと感覚を与える掌に、 目を伏せれば、前髪に水滴が溜まる。] ……痛くは、ないです。 [掌の形が分かる程、痕は残っているけれど。 そこに痛みは全くと言っていいほど感じなくて。 寧ろ、それよりも。] (+8) 2023/03/29(Wed) 2:29:19 |
【墓】 瑞野 那岐[重ねた手に、少しだけ力を込める。 俯いたままの前髪から、ぽたりと水滴が落ちて。 湯船に、一滴、波紋が落ちて。] 景斗さんのものに、 ……なれたみたいで、いい。 [はにかむように、微笑んで。 彼の掌の上から、愛しむように脇の痕をなぞる。 愛おしい痕。 彼に付けられるものは何一つ嫌じゃなかった。 身体中に付けられるキスマークも。 身体の奥に残される仄かな熱も、 彼が引き抜いた時に僅かに感じる空白も、全て。 彼が其処に居たと実感できるから。] (+9) 2023/03/29(Wed) 2:29:45 |
【墓】 瑞野 那岐[――ただ、今は。 そんな邪な考えは一切なかった。はず、なんだけど。 名前を口にしたのは、腹に当てられた手が 思いの外大きくて、温かくて。 首を竦めたら追いかけるみたいに、唇が。 薄い肌に吸い付くから、ン、とまた声が溢れる。 優しくはされている。確かに。 殻に覆われた卵を扱うみたいに、優しく。 手を持ち上げられて、指先に落ちるキス。 それが、指先では収まらずに、 付け根を辿り、上がっていくみたいに。 掌と、手の甲に滑って、手首まで。] ……っ、 ……けいと、さんッ…… [戯れのはず。たったそれだけなのに。 手首に落とされた唇に、ぴくん、と反応してしまう。] (+10) 2023/03/29(Wed) 2:30:03 |
【墓】 瑞野 那岐[そんな浅ましい自分を、彼のせいにするみたいに。 焦ったように名前を呼んで。 は、と少し湯で火照っただけじゃない熱を零して。 少し、距離を取るように。 彼が湯船から身体を上げたことに、心なしホッとした。 のも、つかの間。 風呂から上がったせいで余計見えるようになった、 彼の裸体は、もう見慣れたはずなのに。 湯に浸かったせいで、いつもより色づいた瑕が 妙に目に毒に思えて、思わず視線を逸らしてしまう。 手は、まだ彼に取られたまま。] ……それ以上、されたら……、 また、……シたく、なる、から、 [取られたままの手をきゅ、と丸く丸めて。 顔を背けた分、耳朶が赤いのが伝わってしまう。 先に火を付けたのは、あなたのほう。 だから、どうか。笑わないでほしい。**] (+11) 2023/03/29(Wed) 2:30:54 |
【墓】 高野 景斗[ 苦しさを快楽に変えていく日々も、 痛みより快楽が上回るように丁寧に愛する日々も。 君のためでもあったけど、 自分のためだと知ったら、どんな顔をするだろう。 はじまりはたしかに、快楽を拾えるように なんていう気遣いからだったけど。 性欲が湧き出て止まらないことすら それを制御することすら、楽しいと思ってしまった 自分であるから。 ゆっくりと時間を掛けて、体がひらいて くれるのを待つことも、 しつこいくらい弄り倒して蕩かすことも、 楽しくて、しょうがなかった。 ] (+12) 2023/03/29(Wed) 14:24:02 |
【墓】 高野 景斗 朝食の前に起きれたら 入ろうか。きっと景色も随分変わってる [ 朝は弱い彼を揺り起こす事になるだろうけど 星空の代わりに、抜けるような青空を 山から降りてくる、新緑の香りを、 独り占めするのは惜しいから。 ひとりだった頃から、それほど多くの 時間は経っていないのに。 どんな小さな事でも、ふたりで。 が楽しくてしょうがなくて、 一人だった事など忘れてしまうくらい。 ] (+13) 2023/03/29(Wed) 14:24:39 |
【墓】 高野 景斗 そう、 [ 痛くはないと君が言う。 前髪からぽたりと、水滴が落ちて、そのあと 溢れてきた言葉に、なぞるように 動く手に、水面がさわぐ。 ] その感覚、ちょっと羨ましいかも 俺もほしいな、君のものって印 [ 熱い湯に浸かっているから 以外の理由で心臓もさわいだ。 独占欲の印だとか、浮気防止だとか 人は如何にもな理由付をしたがるものだけど 美しい白に、その赤が似合うから 愛おしいから、気づいた時には、 もう、いくつも散っているそれ。 今夜に至っては、抗えない欲の塊を 押し付けたために、色付いてしまったもの。 ] (+14) 2023/03/29(Wed) 14:24:56 |
【墓】 高野 景斗[ 抑えられないからではなく、 煽られたからではなく。 ――また、罪滅ぼしでもなく。 ] ……うん? [ 優しく したい。 優しく愛したいから贈ったもの、に ぴくんと反応を示して、焦るように 名前を呼ぶから、素知らぬふりして、 指の間に舌を這わせて。 夜風に晒されても、冷えると思わないくらい ぬくまった体から視線が逸らされて。 聞こえた言葉に、小さく相槌を打ち ] (+15) 2023/03/29(Wed) 14:25:15 |
【墓】 高野 景斗 願ったり叶ったり、かな [ 零すと、丸まった手を彼の目線の先へ引く。 前ちょっと詰めて、と。 狙い通り、君の背と、岩肌の間 人一人分の隙間ができれば、 するりと自分の体でその隙間を埋めて。 脚の間に、君の体を挟み、 片手だけじゃなく両手とも、両手で捕まえて 細い首に、リップ音を響かせると ] 逃げちゃう? [ 肩に顎を乗せて、赤い耳朶、 君の弱いとこ、の近くで楽しげに問いかけた。* ] (+16) 2023/03/29(Wed) 14:25:35 |
【墓】 瑞野 那岐[早朝の誘いにはふたつ返事で頷いた。 せっかくの部屋付きの露天風呂を、 一度だけで済ませるには勿体ない。 夜の食事が豪勢だったからきっと朝食も期待できる。 旅館の朝に出てくる海苔が美味しいのは、 どこの旅館も共通している。 ほかほかの白米に乗せて、しなっていくのを想像したり。 かけ流しの湯から溢れ出てくる湯を見つめたり。 そうして見上げた夜空は、澄んでいてとても美しい。] (+17) 2023/03/29(Wed) 17:38:38 |
【墓】 瑞野 那岐[印が欲しい。 その言葉に言葉に詰まって、水面に視線を落とした。 彼からは確かに見えないかもしれない。 脇腹ほどはっきりはしてないけれど。 そちらこそ痛みがしそうなものなのに。] ……印なら、ついてます。 背中に。 ……俺の、爪の痕。 [頬を染めながら、チラと彼の方へと視線を投げて。 トン、と空いた手で自身の背中を指すように示す。 もしかして知ってて言わせてるのだろうか? それとも、爪の痕以外にも 残して欲しいものがあるのだろうか?] (+18) 2023/03/29(Wed) 17:39:10 |
【墓】 瑞野 那岐[ぱしゃん、とまた湯を散らして腕を下ろす。 片手は彼と重なり合ったまま、どちらとも離そうとはせずに。] それとも、きすまーく? [そう具体的に痕の話を挙げてみる。 そういえば、俺からはつけたことがないかもしれない。 彼が、"視られる"仕事だからというのが水面下にある。 付けられる分には一向に構わないのだけど。 元々独占欲も所有欲なども持ち合わせない質だったから、 人に痕すら残したことはないから、余計に。 付けて欲しい、と言われたら。 それはそれで、少し、心臓が跳ねそうな。] (+19) 2023/03/29(Wed) 17:39:29 |
【墓】 瑞野 那岐[湯船の中で、ドッドッと心臓の脈が聞こえそうな程。 熱くなってきているような気がする。 反応を伺うみたいにこちらを見上げながら、 持ち上げられた手に舌を這わされて、 指の合間の柔らかい部分をなぞられる。 ぞく、とまた微かに身を震わせて、指を折り曲げ。 前に、と促されたら言われるままに尻で移動して。 空いたスペースに彼が身を滑り込ませる。 まるで後ろから抱き込まれるみたいな状態になって、 こちらから見えるのは、彼の足と前に回された手だけ。 ただ、後ろからいつもよりも近くに体温を感じる。 捕まえられた両手が彼によって捉えられ。 少し、自由を奪われる。 温泉で赤らんだ背筋もきっと彼の眼に晒されていて。 首筋に、唇を落とされて。] …… ンっ、 [期待に震えるみたいに、顎を逸らしてしまう。] (+20) 2023/03/29(Wed) 17:39:48 |
【墓】 瑞野 那岐[天を仰ぐみたいに上向けば、目に映るのは外の景色。 視界を遮るのは、木造で出来ている衝立のみ。 背徳感と羞恥で、心臓が騒ぐ。 ワルイコトをするみたいに 少し悪戯の音が乗った声音で、誘われて。] ……逃げ、ない [ふる、と小さく首を振って。 囚われた手を彼の掌に重ねて、指を絡め。 恋人だけの繋ぎ方をして、彼の胸元に背を凭せ掛けた。*] (+21) 2023/03/29(Wed) 17:40:15 |
【墓】 高野 景斗[ チェックアウトの時刻は遅めの11時。 朝食もそれほど早い時刻には、しなかったはず。 並んで、ゆっくり眠ることも、 ぽやぽやとした朝を過ごすことも、 この上ない贅沢のひとつ、だから。 それだけは何が当たり前になってもきっと 変わることがないだろう。 先に起き出して、あどけない寝顔を 眺めることも、いつまでも宝物みたいに、 抱えていたいと思うから。 ] (+22) 2023/03/29(Wed) 18:34:50 |
【墓】 高野 景斗 ………あぁ うん、 そうか、……そうだね…… [ 言葉に詰まってた彼に、 心から不思議そうな表情をしたのは 許して欲しい。 ――自分が相手に付けたもの、 に関しては意識が働いていたとしても 自分も、付けられている側 とは 思っていなかったものだから。 ついてます、と言われれば 妙に納得したように頷いたから 察してしまわれたかもしれないが ] 言われてみればそうだなって 気づいちゃって、 [ 照れるように、小さく笑う。 ] (+23) 2023/03/29(Wed) 18:35:14 |
【墓】 高野 景斗 それは興味あるね、とても。 [ 話題は夜を思わせるものでも、 まだこの時は、さほどそれを匂わせるような 触れ方はしていなかった、かな。 ] 付けられたことないから [ 仕事柄、気をつけろとは再三言われていたのは 過去の話。 一度だって付けられたことはないのだが それでも口酸っぱく、言われていたのを 思い出して笑う。 現在もそしてこれからも、売り物にする つもりは毛頭ないので、気にしたことは なかったけれど、 そういう相手だという意識があったのかもしれない。 一度だって刻もうとしなかったのは。 ――単純に興味がないだけである可能性も 否めないけど。 ] (+24) 2023/03/29(Wed) 18:35:44 |
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