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【人】 朝日元親[ 学校はどういう場所か、ボクは知らない。 けどあの連絡帳を見てしまうと どうしても学校に行きたいなんて そんな感情は湧いて来そうにない。 ボクのことが学校に広まっているとは 知りもしなかったけれど。 本能的に、行ってはいけない気がしたんだ。] (96) 2022/10/28(Fri) 22:46:33 |
【人】 朝日元親[ そんなボクが学校のことに触れるのは 彼女がボクに逢いに来てくれた時だけだ。 けれど板書が綺麗なノートも、プリントも もらう度にボクは苦い顔をして言う。] いつもありがとう でももう、ノートもプリントも無くて大丈夫。 貴女のことも思い出せないのに そんな事に、労力は割きたくないんだ。 [ ボクのためと思ってくれているのは嬉しいし それが迷惑だなんて思っていないけど。 ボクには、強い負い目があったから。] (97) 2022/10/28(Fri) 22:47:19 |
【人】 朝日元親[ 話題をボクが本当に必要な方へ逸らす。 きっとボクを誰よりも知っているのは 他でもない彼女のはずだから。 彼女から聞けばなにか思い出せるだろうかと そんな期待を胸に、ボクは尋ねてみたんだ。]* (99) 2022/10/28(Fri) 22:47:56 |
【人】 惜別ハツナ*** [ 私がついた時、君は眠っていた。 そうだよね、疲れちゃう、よね。 自身の身体だってもう疲れた、って 悲鳴を上げてるのには目をそらして 私は君の頭をそっとなでる。 記憶が戻る日、来るのかな。 私が事故に遭えばよかったのに。 そんな思いが、ぐるぐる、頭に巡っていく。 そうしたら……君が怪我しなくて済んだのに。 ] (100) 2022/10/29(Sat) 1:03:01 |
【人】 惜別ハツナ[ 君が起きるまで、待ってよう。 そう思ってたんだけど、 気づいたら私は ベッドの横の椅子に座ったまま、 眠ってしまってたんだ。 だからそう、君が涙を流してしまっても きっと、気付けない。 ] あ、食べたんだね。 美味しかった? [ 私が起きたとき、 君がもう一度寝てたりしないなら そうやって聞いてみたけれど。 私は、ふたりぼっちの遠足で 一緒にチョコボール食べたんだよ、とは この時は、言わないんだ。 ]** (101) 2022/10/29(Sat) 1:04:36 |
【人】 惜別ハツナ*** [ 私が君のもとに毎日行ってることは クラスメイトならみんな知ってた。 それを良く思わない人たちが いつしか私への忠告をやめて ひそひそ、何かをしだしたことに 私は気づく余裕もなくて。 先生だって知っていたから、 遠回しに学校に来るようにとか そんな伝言も頼まれたりはしたけれど 学校にいけないから入院してるんじゃないですか? とか言って、先生を困らせたりもした。 先生には先生の事情があるから 仕方ないのも、わかってるんだけどね。 ] (102) 2022/10/29(Sat) 1:05:39 |
【人】 惜別ハツナ[ 行けない分届けてるから、文句ないでしょう? って先生を言いくるめてたから 無くても大丈夫、って言われても 簡単にやめるわけにもいかなかった。 今要らなくても、後でいるかもしれないし。 ] 私がやりたくてやってるから。 それにね、今じゃなくても あとで必要になった時にないと困るでしょ? [ そう言って、勉強しなくてもいいから 受け取って欲しいな、って。 私からは学校に行こうとかそんな話しなかった。 ただ、勉強面で困っちゃいけないから ノートとかを渡しているだけで ……行きたくないなら無理することないよ。 ] (103) 2022/10/29(Sat) 1:06:30 |
【人】 惜別ハツナ[ 話題がノートの話から移って、 私は困ったように眉下げて、言葉を濁す。 君のことを誰より知ってるのは確かに私だね。 でも、今聞かれてるのは学校での君。 知ってるよ、 知ってるから言いたくない。 ] (105) 2022/10/29(Sat) 1:07:52 |
【人】 惜別ハツナ[ そう言って、鞄から取り出したのは いつも持ち歩いて、渡すのを迷っていた 交換日記。 最後の1ページは破り取ったけど それ以外のページは今でも、読める。 日記をぱらぱらとめくって、 書いてない真っ白なページを開くと、 私は、君の質問に文字で応えるために ベッドの横にある机を借りて 答えを綴り始めるんだ。 ] (107) 2022/10/29(Sat) 1:12:26 |
【置】 惜別ハツナ口では言いにくいことも 文字なら……って。 この交換日記は そんな風に私が提案して始めたんだよ。 気が向いたら、このページ以外も 読んでみて欲しいな。 (L2) 2022/10/29(Sat) 1:12:55 公開: 2022/10/29(Sat) 1:15:00 |
【置】 惜別ハツナ[ この言葉通りに 君がもし他のページも読んでくれたなら そこには、私の弱音だって 書いてあったかもしれないね。 ] お父さんもお母さんもほとんど家にいない。 料理は好きで上手くなったわけじゃない。 上手くなるしか、なかったんだ。 だから、心配してくれるの、君だけだよ。 君と一緒にご飯食べられるの、嬉しいな。 ずっとひとりで食べてたんだもん。 (L3) 2022/10/29(Sat) 1:14:05 公開: 2022/10/29(Sat) 1:15:00 |
【置】 惜別ハツナ[ 勿論、弱音だけじゃなくて。 君への感謝や好意だって、たくさん。 ] 大好きだよ、元親くん。 ずっと、ずっと傍にいるよ。 悩み事とかあったら、何だって聞くから いつでも、言ってね? (L4) 2022/10/29(Sat) 1:16:39 公開: 2022/10/29(Sat) 1:20:00 |
【置】 惜別ハツナ私以外の周りからは……。 あんまり、よく思われてなかったみたい。 みんなが君に押し付けてたイメージは 暗いとか、そんな感じ、かな。 全然違うのに、酷いよね。 これ以上知りたいって言われると… むずかしい、かな。 私が君に思うことと 私以外の人が君に思うことは違い過ぎるから。 (L6) 2022/10/29(Sat) 1:18:00 公開: 2022/10/29(Sat) 1:20:00 |
【人】 惜別ハツナ[ 君が知りたいであろうことを綴ると 私は持っていた付箋をそのページに貼って ノートを閉じて君に渡した。 付箋のページに 君が知りたいことを書いたよ、って言いながらね。 そして、今日はそろそろ帰らないと、って その場を後にするんだ。 ほら、誰かに見られながらだと 読みづらいかもしれないし。 ]** (108) 2022/10/29(Sat) 1:19:06 |
【人】 惜別ハツナ[ 君の質問に言葉を濁してしまったの、 君にとっては良くなかったのかな。 私は言いたくなかったんだ。 君の悪口とか、勝手なイメージとか……。 ハツナには相応しくないって 言われてたこととかね。 君の記憶は戻って欲しいけれど それは忘れていて欲しい、なんて。 ] (109) 2022/10/29(Sat) 23:23:21 |
【人】 惜別ハツナ[ クラスの中には君のことを良く思わない人たちが いるって、私は散々言われてきたから知ってる。 私がいない所でも君が直接言われてたことは 聞きそびれてしまったけれど、それでも。 君のことを嫌いな人が クラスに居るんだってことは知っていた。 知ってたけど、私には関係ないって、 そう思ってたんだよ。 君のことを真に知ってるのは私だけでいいから。 ] (110) 2022/10/29(Sat) 23:24:10 |
【人】 惜別ハツナ「朝日くん、怪我しちゃったんでしょ? 怪我が早く治るように、って みんなで心を込めて 千羽鶴を折ったんだ。 ハツナちゃん、いつもお見舞いに行ってるし 渡してきてくれないかな? ね、お願い。 ハツナちゃんにしか頼めないんだ。」 (111) 2022/10/29(Sat) 23:24:35 |
【人】 惜別ハツナ[ そんなことを言われて、 紙袋に入った千羽鶴を クラスメイトに押し付けられたとき、 私は微かな違和感を覚えてしまったんだ。 そうやって声をかけてきたの、 君のことを嫌いだって思ってる人だったから。 でも、半ば押し付けられたそれを 私は断ることも出来ず。 ここ最近、ずっとうまく眠れてないから 昼間は眠くて仕方ない。 それが断れなかった原因かも。 ] (112) 2022/10/29(Sat) 23:25:40 |
【人】 惜別ハツナ[ 「このまま学校には来るな」 目に映った文字に、目の前が真っ赤になった。 これを、私に、渡させるつもりだったなんて。 怒りに任せて、何羽か鶴をもぎとって 乱暴に開いていった。 鶴のお腹には君への悪口が それぞれ違う悪口が、書き連ねられていた。 息が、苦しくなっていく。 ] (116) 2022/10/29(Sat) 23:29:53 |
【人】 惜別ハツナ[ これは君に見せちゃいけない。 絶対に、見せちゃだめだ。 はやく、捨てないと………。 ] [ 捨てなきゃ、いけないのに。 ひらり、嘲笑うように 千代紙が手から離れた。 ] (117) 2022/10/29(Sat) 23:30:40 |
【人】 惜別ハツナ[ 焦りと怒りと…… 見られたらどうしようって不安からか それとも、他のなにかのせいなのか。 上手く息が出来なくなっていく。 息を吸っても吸っても苦しい。 ] (118) 2022/10/29(Sat) 23:31:20 |
【人】 惜別ハツナ[ 勿論、ここは病院だから。 すぐにしかるべき手当はしてもらえたけれど。 君にはどこまで知られてしまったんだろう。 ]* (120) 2022/10/29(Sat) 23:32:15 |