【人】 “観測者” 処暑『 立春 』 “ 雪の寒さを身に浴びながらも、小さな春のはじまりを確かに見つけられるひと ” 『 雨水 』 “ これまで積もった雪を溶かし、春を迎える強さのあるひと ” 『 菜虫化蝶 』 “ 春の暖かさの中で、美しい蝶となるために一歩を踏み出せるひと ” 『 春分 』 “ 春の陽光のように、皆を穏やかに見守ってくれるひと ” 『 雀始巣 』 “ 陽光に照らされて、空へと飛び立つ、始まりの美しさのあるひと ” (309) 2022/01/30(Sun) 23:27:49 |
【人】 “観測者” 処暑『 立夏 』 “ 新緑の爽やかさを身に纏う、優しい眩しさを持つひと ” 『 小満 』 “ 成長の恵みを与える陽の煌きのような、皆に愛を振りまくひと ” 『 麦秋至 』 “ 麦畑を吹く風のように、遠くから知らない景色を運んでくれるひと ” 『 芒種 』 “ 梅雨の陰のある空気と、息苦しさと、そして愛を訴え掛けるひと ” 『 夏至 』 “ 雨空の向こうに、眩しいぐらいに君臨する陽を秘めるひと ” 『 小暑 』 “ 熱い想いと遊び心で、皆を開けた世界へ誘えるひと ” 『 蓮始華 』 “ 蓮の花のように、可憐で美しくそこにある華やかなひと ” (310) 2022/01/30(Sun) 23:28:12 |
【人】 “観測者” 処暑『 立秋 』 “ 夏の陽の明るさと、秋の夜の寂しさを併せ持つひと ” 『 白露 』 “ 涼しくなる朝にも前を向き、朝露の美しさを見つけられるひと ” 『 霜降 』 “ 眠りに向かう人々を見送り、自身は夜の中で哀しみを背負うひと ” (311) 2022/01/30(Sun) 23:28:33 |
【人】 “観測者” 処暑『 小雪 』 “ 凛とする冬の始まりに、しっかり立ちながら、皆を導くひと ” 『 大雪 』 “ 降り続く雪に大切なものを失くして、それでも生きていこうとするひと ” 『 冬至 』 “ 夜闇に全てを覆い隠して、人を救おうと笑う人 ” 『 大寒 』 “ 終わりの哀しさを感じさせつつも、そこに確かに春への小さな光があるひと ” (312) 2022/01/30(Sun) 23:28:54 |
(n0) 2022/01/30(Sun) 23:29:09 |
【人】 灯守り 小満灯守りの号なんて、本人が良ければいつだって受け渡せるものなんだし、小雪なら受け入れてくれそうだけど――そういう話じゃ、ないんだよな。 [わかるよ、と長く彼女を見てきたゆえの同意をぽつとこぼし。] 麦秋至はね、私と対等であってほしいと思って置いている蛍なんだ。 [そうして、唐突に話を変える。] (315) 2022/01/30(Sun) 23:42:36 |
【人】 灯守り 小満蚕起桑食は、昔から小満域を見ている誠実で真面目な家だ。 だから、総じて『仕事』のことをよく任せる。 紅花栄は、私の先代やその前の頃から小満の側仕えだ。 身辺のことはもちろん、来客なんかも任せる立場としてる。 麦秋至は、仕事の補佐でも、身辺の補佐でもない。 私の供ではなく『友』でいてほしいと思っている席だ。 だから空位でも仕事は回るし、君の席が空いていたんだよ。 [語る口調は穏やかで、しかし随分と真面目ないろになってしまった。 今までこんなことを語ったことがあったろうか。 誰にも、そう誰にもなかったように思う。] (316) 2022/01/30(Sun) 23:42:52 |
【人】 灯守り 小満だからね、その時が来たら、いいよ。 そりゃあ、友が遠地に越すのは悲しいけども。 友の門出を祝えないほど、狭量な男じゃないつもりさ。 ゆっくりやり方を探せばいいし、見つけたなら迷わず行きなさい。 気を遣ったりは考えなくていい。 友の幸福は私の願いだよ。 [にこり、今度こそうまく笑った。] (317) 2022/01/30(Sun) 23:43:31 |
【人】 灯守りの四 春分無理はしないわよぅ。 私が無理をしたら、困ったことになってしまうから。 でも、そうね。 心配なら、これからもずっと見張ってくれているといいわ。 [ よろしくね、と眉間のあたりを軽く指でつつきましょうか。 曇りが取り除けますように、と祈りを込めて。] お言葉に甘えて、今日はゆっくり体を休めましょう。 すぅちゃんも明日は遅くまで寝ていても大丈夫だからね。 [ こんな相変わらずの日々がこれからも続いてゆくのです ひさかたのひかりのどけきはるのひに**] (319) 2022/01/30(Sun) 23:44:46 |
【人】 灯守り 立春[大寒さんから灯宮の鍵を引き継ぐ 立春の日が刻々と近付く中、私は 麦さんが置いてくださったつぶこしアンケートを ぬいぐるみベッドに埋もれながら見つめていた。 最初に書かれた麦さんは、つぶあん。>>3:0 この隅っこのはローザちゃんの字だ。つぶあん。>>4:34 和菓子の説明をさせていただいたとき、 処暑さんが少しの間を置いて 御手に取られたのもつぶあんだった。>>3:114 こしあん好きは居ないものだろうか、と思えば 『こしあん!』と元気な字が躍っている。 これは葵ちゃんの字だ。>>128 立秋さんは『皆違って皆いい』と、>>3:46 大雪さんも『ぜんぶおいしいです』と答えてくださった。>>185 小雪さんと冬至さんは、桜餅と大福を召し上がられて 小雪さんはこしあんを選ばれ>>3:69 対する冬至さんはつぶあんがお好きなのかな?と 思われるような発言をされていた気がする。>>4:0 雀さんも、つぶあんがお好きだと>>3:120 お話させていただいた時にうかがった。] (320) 2022/01/30(Sun) 23:49:32 |
【人】 灯守り 立春[こうして見ると圧倒的に粒あんの方が人気な気がする。 白あんや芋あんといった第三勢力が好きな方や>>3:48 そもそもあんこを召し上がられない方もいるかもしれない。 三種類のどれが特に人気、というのはなかったように思う。 春らしさが見た目から感じられる桜餅も すこし物珍しいだろう椿餅も、 黒豆の食感が楽しい定番の大福も ありがたいことにそれぞれにご好評だった。 と、あらば。 ううむ。首を捻ってしまう。 つぶかこしかを選ばれる方の多い中で 丁寧な『おまかせ』の一単語が輝いている。>>4:9 大福ならつぶあん、あんまんならこしあんと>>124 こだわりを見せられた小蝶さんのお答えは 小満さんに通じるものがあるかもしれない。 さて、どうしよう。 いい加減決めないと、 材料の調達の問題もある。 必要最低限の材料は既に押さえてあるけれど 処暑さんに打診して、念の為追加のもち米を送って頂いて…… つぶあんこしあん両方を用意するのがやっぱり一番かな? ううん、そうするとしてもなにか物足りない。] (321) 2022/01/30(Sun) 23:49:36 |
【人】 灯守り 立春[何か妙案はないだろうかと 亡き師匠の遺品の手記を紐解いていたとき、 その一文は偶然にも目に飛び込んできた。 ──これだ。 そうと決めてからは、早かった。] (322) 2022/01/30(Sun) 23:49:39 |
【人】 灯守り 立春[普段は大人数分の煮物を作るときに使うような 大きな二つのお鍋を用意して、 片方につぶあん、片方にこしあん。 それよりひと回り小さなお鍋三つに、それぞれ 白あん、芋あん、桜あん。 甘い香り漂うお鍋たちの隣に 手のひらサイズの大量のパンケーキと トッピング用の苺や栗と生クリームを添えて、 『お好きなあんを挟んでお楽しみください』スタイルの どら焼きを用意してみたのだ。 これならあんこの種類も量も個々人の好みで選べるし、 小さな子たちは特に喜んでくれるだろうし、 たくさんの人に楽しんでもらえる気がする。 それとはまた別に、師匠直伝の和菓子トリオも 気持ちつぶあんを多めに用意して。 パーティーでの反省を踏まえて抹茶や緑茶も準備して、 さて立春域に暮らす皆々様や お祭りに遊びに来てくださった皆様からの 評判はどうだっただろう。 遂に迎えたお祭り当日は 必至に考えたスピーチ文を読むところから始まり、 数々の祭事や催しを経て瞬く間に過ぎていった。] (323) 2022/01/30(Sun) 23:49:43 |
【人】 灯守り 立春[大寒さんから前日に受け取った鍵を挿し入れ、 ふたりの頼もしい蛍さんとともに 灯宮の中へと足を踏み入れる。 一年前に来た時と何も変わっていない。 厳かな空気の流れる薄暗い空間も、 揺らめきながら移ろうように色を変えてゆく灯りも。 ここは、魂の還るところ。 そして、魂の生まれ出ずるところ。 ひとつ、またひとつとカンテラへ還る灯りを見届けて 導の灯りから両手でそうっと灯りを掬い取る。 いつか見送ったあのひとは、もう 新たな生を受けて旅立ったろうか。 それともまだ、この手のひらの中に居るだろうか。] ────…… 行ってらっしゃい! [どうか幸せな一生を送れますように。 良縁に恵まれて、困難にも打ち勝てますように。 小さな祈りを込めて灯りを解き放てば、 無数の煌めく 花びら は風に流されて冬至域の方へと旅立って行った。] (324) 2022/01/30(Sun) 23:49:46 |
【人】 灯守り 芒種[ 帰り際、大袈裟に別れを惜しむ妹を抱きしめる。 いつ突然そうなるか、わからない能力を継いだこの子に 今生の別れでもあるまいに、なんて気安くは言えない。 何度わたしが「また遊びに来る」を繰り返しても 「帰らないで」ではなく「行かないで」と泣きついた 小さな頃と何にも変わらない寂しげで 不安いっぱいの双眸を覗き込んで、 頬を撫でて、こみ上げる愛おしさのまま 昔と変わらぬ所作で、前髪の上から そっと額に唇を押し当てた。 眠るのを嫌がる幼い子供に、彼女の両親を真似て 何度も繰り返した、寂しさを吹き消すおまじない。 ] しばらくは忙しいでしょうけれど 手が空く季節になったら、またいつでも遊びに、…… [ 何度も繰り返した「また遊びに来る」の言葉は この子が先代立春に弟子入りして 「また遊びに来て」に変化した。 この子の帰る場所はもう、芒種域ではないから。 理解している。今更言い澱む言葉でもない。 なのに もう何度も繰り返してきた言葉が 喉に痞えて出てこない。 ] (330) 2022/01/30(Sun) 23:59:12 |
【人】 灯守り 芒種[ やられた。頭を抱えたくなる衝動と 不自然に途切れた言葉に心配性の妹を 心配させてしまうのとを 掛けた天秤は一瞬で後者に傾いた。 犯人はどうせこの場にはいないのだから お仕置きをするのもどうせ帰ってからだ。 なら今すべきことは、 この場をどうにか取り繕う事だけ。 ] (332) 2022/01/30(Sun) 23:59:36 |
【人】 灯守り 芒種[ 飼い猫はちょっとした能力を持っていた。 どんな能力なのか問いただしたことはないので 正確な能力も、いますぐ解除する術もわからない。 関心を向けなかったツケだ。 今かろうじてわかっていることは、猫の能力が 『ほんの一言の指定した言葉をしばらくの間封じる』 だとか、そんな感じの能力であるということだけ。 そういえば出がけになにかぐずっていた 「その気もないくせに無闇矢鱈にひとを誘うな」と 社交辞令で紡ぎかねない「遊びに来て」を封じたようだ。 社交辞令で紡ぐのなら「遊びに いらして 」を使うけれどそのへんの些細な違いは理解していないのかもしれない。 「遊びに いらして 」なら言えるのか?茉莉にいうの?そんな他人行儀に? 「来て」がだめなら「来る」で 何かしら言い換えれば……? どうすべきか悩んでいる間にも沈黙は過ぎて、 なんだかなにもかも面倒になってきた。 いいか、もう、言ってしまっても。 べつになにも間違ってはいないのだから。 ] (333) 2022/01/30(Sun) 23:59:51 |
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