人狼物語 三日月国


87 【身内】時数えの田舎村【R18G】

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視点:人


【人】 学生 涼風

 遡ること数時間前。
 実家に着いた少年は、和室の真ん中にその身を投げ出していた。い草の青々とした香りの上を、すらりと伸びた手足が我が物顔で乗っかっている。

「…………」

 赤本を取り上げられた。折角服と服の間に隠して持ち込んだのに、祖母もまた父方の親族たちと連絡を取り合っていたのだろう、自分が勉強しようとする姿を見て笑顔で手を伸ばしてきた。実は、もう一冊持ってきていることは内緒だ。

「……………………………………………………………………………………暇だ………………………………………………」

 そう、暇だった。都会に引っ越して暫くしてから、ずっと勉強するだけの毎日だった。勉強以外、何をしたら良いのか分からない。
 ころりと寝返りを打つ。日に焼けていない真白の肌に畳の目がくっついているのがなんだか面白くて数えていたが、その数が十もしないうちに飽きてやめた。

 縁側から聞こえる蝉の唄。肺に流れてくる畳の匂い。肌にまとわりつく熱気。今となっては田舎暮らしよりも長くなってしまった都会での生活から離れたのだと、あらゆる感覚がじわじわと事実を伝えてくる。そして。

「…………遊ぶか。それしかない」

少年はがばりと身を起こした。そうと決めたら早かった。
(131) 2021/08/10(Tue) 12:06:16
涼風は、家を飛び出した。その途中、物置が目に映る。
(a49) 2021/08/10(Tue) 12:07:37

涼風は、何かを見つけた。白いトートバッグに詰め込んで、持ち出して再出発。
(a50) 2021/08/10(Tue) 12:08:26

学生 涼風は、メモを貼った。
(a51) 2021/08/10(Tue) 12:09:15

【人】 学生 涼風

 気だるい暑さもなんのその。蝉達の声をBGMに、少年は夏の空の下を歩く。
 きょろりと辺りを見回して、目的のものを見つける。広場か公園か、その辺りの──水道だ。

「……♪」

 海色の髪が上下に跳ねては軽やかに踊る。言葉にしなくてもその機嫌の良さが分かるだろう。
 持ってきていたトートバッグを水道の近くに置いた。かちゃかちゃと何やら複数の物がぶつかり合う音が鞄の中で弾けて消える。

 そのまましゃがみ込み、少年は何やら作業を始めた。気分はもう、10年前に戻りつつある。
(134) 2021/08/10(Tue) 12:22:23

【人】 学生 涼風

>>154 百千鳥

「うん?ああ……その声はモモかい?元気な様子は変わらずだね」

 あろうことか少年は返事をしたにもかかわらず、体を丸めて手元に視線を落としたままだ。

「何をしているのかって?これはね……」

 ひょっこり覗き込んだのならきっとちらりと貴方の視界に姿を現すことだろう。
 すらりと伸びた長い手指が絡まる蛍光グリーンのチープなボディ。
 蛇口から溢れる水を浴びたのか、その小さな体は輝く雫を纏っている。

 その正体は……。

【→】
(195) 2021/08/10(Tue) 21:51:53

【人】 学生 涼風

>>154 百千鳥

「……再会の挨拶を用意していたんだモモ!そらッ! 」


 ようく狙って、いち、にの、バン!
 それは駄菓子屋でたまに見かけるプラスティックの水鉄砲。

 陶器製の人形のような顔立ちの、けれど人形では決して持つことのできない生き生きとした笑顔を花咲かせ、10年ぶりに再開した弟分に水鉄砲を向けて引き金を引いた。
 叫んでから仕掛けるまでほんの少し猶予があった。避けようと思えば避けられるし、万が一当たっても少年が手にしていたのは霧吹きタイプだ。顔がちょっと湿る程度で済むだろう。
(196) 2021/08/10(Tue) 21:52:25