人狼物語 三日月国


43 【完全RP】音の鳴る瞬間の相手は【R15】

情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:人

全て表示


【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ …それは自身だけじゃなく、
  仲間達もそうだったようだ。
  全員、その場に立ち尽くしていた。


  急かすように手招きする裏方スタッフの姿が
  視界に入る。
  「はやく前に来い」ということらしい。


  重い足を無理やり動かしてそちらへ行き、
  宮廷楽長から
  賞状と景品を受け取った。 >>83>>84 ]
(124) 2020/09/29(Tue) 1:05:30
鋼鉄の六弦奏者 エリクソンは、メモを貼った。
(a7) 2020/09/29(Tue) 1:12:13

鋼鉄の六弦奏者 エリクソンは、メモを貼った。
(a8) 2020/09/29(Tue) 1:30:33

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

─回想・表彰前 王立劇場ロビー内─



[ 表彰式が行われる、2時間ほど前のこと。>>106
  
  昨夜、交わした公約通り。
  メイレン・シュレグマーの演奏を
  見に行くことになった。
    

  6人揃って、王立劇場のロビーに入る。
  本日も変わらず装いは黒一色で、
  そこそこ目立つ格好だったが、
  ロビー内は様々な人間がおり
  さほど浮くこともなかった。


  場内に入れば、ちょうど
  かの奏者が客席に向かって
  カーテシ―を披露している所だった。>>96

  顔を上げた彼女も此方に気づく。
  そして…
  ふ、と不敵な微笑を浮かべた…ように見えた。 ]
(163) 2020/09/29(Tue) 15:43:06

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ すぅ…っと染みこむような滑らかさで
  演奏は始まった。>>97

  小鳥の囀りのような、
  それでいて広大な河をたゆたう船のような、
  ピアニッシモの、高音部の応酬が
  繰り広げられる。

  
    今はまだ日が昇ったばかりの時間帯。
    初っ端からテンポの速い演奏を
    持ってくるよりも、
    こちらの方が、観客の心と
    歩調を合わせられるだろう。


  導入としてこれ以上ない選曲だ。
  そして…。


    
──のちに自分の世界に引き摺りこむ伏線か?



  なぜだか、そんな予感がした。 ]
(164) 2020/09/29(Tue) 15:44:47

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 一曲目が終わる。


  次に来るのは…先ほどと変わらぬ曲調?>>98

  しかし…穏やかに始まった演奏は
  加速度的にクレッシェンドし、
  低音部も加わり一気に厚みを見せ。

  ───そして。



  
唐突に鋭い低音のスタッカートが始まった。


]  
(165) 2020/09/29(Tue) 15:44:55

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 観客みな息を呑む。

  それもそのはず。
  その音像は、さきほど優雅にカーテシーを
  していた時のシュレグマーとも、
  一曲目を弾いていた時のシュレグマーとも
  別人のような音。


  …挑発的で、蠱惑的な光が踊る音。



    ───だが、俺はシュレグマーの
     こんな一面を知っている。
     忘れもしない、昨夜のあの瞬間。 


   あの時浮かべた彼女の表情が>>30
   ありありと心に思い浮かんだ。   ]

   
(166) 2020/09/29(Tue) 15:46:14

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 最初は呆気にとられていた観客達だったが、
  段々と、彼女の演奏に場が温められ
  いつしか手拍子を打ち、
  楽しげに体を揺らしはじめた。


  演奏は最後まで勢いが衰えることなく、
  最高潮の盛り上がりとともに、
  曲が終わった。        ]


   
(167) 2020/09/29(Tue) 15:46:27

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ そして、勢いは消えぬまま、
  そのまま三曲目に引き継がれる。>>99

  一波乱を予期させるようなグルーヴ感。
  ときに不穏さを感じさせるフレーズ。
  段々と刺激を増していくメロディ。

  
    ───二曲目、三曲目の流れで
      気づいたことがある。

      もしかしてこれは
      昨日の俺らの曲展開を意識して──?

]  
(168) 2020/09/29(Tue) 15:47:14

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 三曲目が終わり、次は一転、
  しんみりとした静かな曲。

  左右の手で別々に奏でられるメロディが、
  電子六弦の掛け合いを想起させた。


  観客達もリズムを取るのをやめ、
  すっかり彼女の音に聴き入っている。


  もはや観客達は、シュレグマーの掌の上。
  彼女が紡ぐ音に合わせて
  彼らは高揚し、
  そうかと思えばしみじみとした気分に変わる。 ]

   
(169) 2020/09/29(Tue) 15:47:25

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン


[ まるで演奏会の最後を飾るように、
  余韻を残した音で、曲が終わる。
  観客達も拍手一つせず、その余韻を味わう。

  場内に満ちかけた、静寂。>>101>>102
  しかし。


    ───これで終わるとは思えない。


  ロビー中央に置かれた平台。>>93
  まばらな席。開けた空間。 

  …ひと思いに楽器をかき鳴らすのに絶好の環境。


    ───シュレグマーが仕掛けてくるのは
だ。

]  
(170) 2020/09/29(Tue) 15:48:35

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン


      [ 次の瞬間。]
   

 
(171) 2020/09/29(Tue) 15:49:09

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

   

[ 
彼女の指から放たれた
稲妻
が、会場を直撃した。

   
(172) 2020/09/29(Tue) 15:49:18

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 嵐の前兆を感じさせる、
  さざ波のような導入部。
  それが消えた刹那、"それ"は始まる。


  鍵盤を駆け巡る怒濤の速弾き。
  その下に重なる、重層的な和音。

  一部の観客が驚いた表情をするのをよそに>>103
  彼女の音は平台を揺らし、
  会場を揺らし、
  聴く者の心を…エリクソンの心を揺さぶった。 ]
   

 
(173) 2020/09/29(Tue) 15:49:36

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン


[  しかし気づけなかった。
   まさかこれが、『即興』だったとは。 >>105


   即興だからといって
   ミスもなければ粗もない。


     
     ───当然のことだ。
     6人組が生まれるよりも前から彼女は
     平台奏者として生きている。
     彼女がエリクソンの即興を見破ることはあれど、
     その逆はまだ、難しかった。



   この曲は、すでに熟練された
   技を持つ者の手によって
   昇華された、一つの完成品のようだった。 ]
   
(174) 2020/09/29(Tue) 15:50:23

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[  しかし一つ、分かったことがある。


   これは彼女が自分達に向けた"メッセージ"。
   自分らの昨夜の曲展開を踏襲したものだと。


   シュレグマーは、
   彼が一方的に叩きつけた挑戦状に
   ただ悠長に構えていたワケじゃない。

 
   選んだ手段は違えど、
   同じ音楽の求道者として自分らに
   驚き、楽しみ、そして刺激をもらったと、
   彼女の紡ぐ音は物語っていた。>>104    ]

  
   

 
(175) 2020/09/29(Tue) 15:50:59

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[  演奏を終えた彼女はカーテシーののち、
   こちらをちらりと一瞥し、そして。

   昨日と同じように、微笑んだ。


   観客の一部のみから沸き起こる拍手。>>106
   彼女らしからぬ楽曲も多かったのだろうか
   一部の人々はあっけにとられたような、
   不思議そうな様子で彼女を眺めていた。 

  
   ───まるでどこかで見た光景じゃないか。
   >>2:256


   ふと笑いが漏れ、
   そして6人全員
   メイレン・シュレグマーに盛大な拍手を送った。
]*  
(176) 2020/09/29(Tue) 15:51:26

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

―表彰式・宮廷 舞踏用大ホール―



[ 4位という結果に茫然となりながらも
  鉛のような体を無理やり動かし、
  機械仕掛けのように賞状を受け取った。>>124


  メイレン・シュレグマーの顔を直視できず、>>146
  審査員席から目をそらしてしまう。
  順位決定までの紆余曲折や、彼女の抱えたジレンマを
  知る由もなく。>>146>>147>>148



  ……午前中の王立劇場ロビーの演奏会で感じた、
  
『これは彼女が俺達に向けた演奏だ』

  という確信は?>>185


  ……終演後のカーテシーの後、くすりと笑った彼女の
  『昨日のあなた達とおんなじね』>>186
  とでも言いたげな目は? ]


    ……すべては俺の妄想だったのだろうか?    

  
(222) 2020/09/29(Tue) 22:21:57

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 受賞者発表はまだ続く。
  賞状を持って元いた場所に戻り、>>149
  とりあえず最後までは帰らずにいようかと
  うわの空で司会のアナウンスを聞いていた。


  言葉を失う司会者にも、ざわつく会場にも
  もはや関心がなく。>>150
  床の一点を見つめながら
  一人、敗北を噛み締めていた。


  ───その時。 ]
  
(223) 2020/09/29(Tue) 22:22:39

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン


[ 名を、呼ばれた。 ]

  
(224) 2020/09/29(Tue) 22:22:53

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[  ───審査員特別賞。

  そんなものがあるなど、知らなかった。
  審査員全員の総意でなくとも、一人のプロを
  惹きつけられた事実に、
  わずかばかりの救いを感じていると、 ]


    『続きまして、平台奏者であり
     メニュレー男爵令嬢
     メイレン・シュレグマー様の
     審査員特別賞は────』


    
(─────えっ!?)




[ ふたたび告げられるのは、
  自分らのグループ名。>>152>>153
  
(225) 2020/09/29(Tue) 22:23:44

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ その後、自分らのグループはさらに2度呼ばれ、
  計4つの審査員特別賞に選出された。>>154
  中には宮廷楽長の賞も含まれており。>>155

  コンペ開始以来初めての前代未聞の事態だそうだ。


     
そこで初めて、総合順位選出に何らかの
     紆余曲折があったのではと想像が飛ぶ。
     が、自身は3位のテノール歌手も
     2位の雅楽奏者も、自分の目で実力の程を
     知る機会はない。
     真相を推し量ることもできないと、
     その想像を胸の内にしまった。



  いまだ状況が呑み込めないままに、
  再度、前方に移動する。
  自分たちに向けられた拍手は
  動揺に満ちていて、しかし何やら
  恍惚とした音に聞こえた。    ]
  
(226) 2020/09/29(Tue) 22:25:45

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 会場前方にて、各審査員による
  褒賞の説明を受けたのち。>>156


  メイレン・シュレグマーと初めて面と向き合い、
  授与を受けながら、
  直接掛けられる言葉に。>>157


  本番の興奮と、彼女とのやり取りが思い出され
  先程とは全く逆の理由で >>222
  目の前の顔を直視できない。


  目を数度しばたいて、つと顔を上げ。
  満面の笑みのメイレン・シュレグマーから
  賞状を拝受した。   ]
  
(227) 2020/09/29(Tue) 22:34:27

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン



[  受け取った賞状は、他のどれよりも
   熱をもって、手の中で震える。         


   昨夜の気概はどこへやら、
   不覚にも揺れ霞む瞳に
   彼女は、気づいただろうか。  ]*
  
(228) 2020/09/29(Tue) 22:35:33

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

─表彰式後・夜 宿最上階─



[ 長い一日が終わり、
  宿に戻ってようやく一息つく。


  4つの審査員賞に加え、技術賞も受賞した彼らは
  合計6賞を総舐めにしたとして
  今日一日で人々の話題に上ったようだった。
  むろん賛否は多く、結果を良しとしない者たちも
  少なからずいたようだが。
  

  受け取った賞状・ピンバッジの類を整理し、
  各審査員からの褒賞を確認すべく
  メイレン・シュレグマーからの封書を開封する。]
  
(233) 2020/09/30(Wed) 0:13:22

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ ───そこには、手紙が同封されていた。>>-205


  聞くに、審査員特別賞の規定では
  各審査員が用意した3つの褒賞から、
  1つを選んで受け取ることができる
  というものがある。>>156


  手紙にはその詳細についてと、
  ……そして、メイレン・シュレグマー本人からの
  6人組への賛辞の言葉が並べられていた。 ]
  
(234) 2020/09/30(Wed) 0:15:20

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 彼女は3つの褒賞において
  俺らの音楽が広く普及するための道を
  模索してくれているようだった。>>-207

  また手紙の中には、
  俺らの音楽が一部の者から反感を買っていること、
  それでも彼女は俺たちを応援しているということ
  そして良き好敵手として認めている、という
  ことも記されていた。>>-206


  
   
好敵手など。とんでもない。

    ロビーの演奏が終わった後、観客の噂で聞いた。
    彼女の即興が、あの中に2曲あったと。
    >>98>>105

    彼女は俺の即興を見破ったが、
    俺は全く分からなかったのだから。>>174

    俺はまだ彼女に到底至らぬ存在。
    それは、彼女の演奏を目の当たりにした
    時から感じていた事だった。]
  
  
(235) 2020/09/30(Wed) 0:17:44

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 最後は、彼女が音楽界に寄せる思いの丈を
  窺わせる言葉で、
  手紙は締めくくられていた。>>-208
      

  そのあとに、とても彼女らしい一言を……
 
『次は直接仕合いたい』
という言葉
  を添えて。>>-209    ]
  
(236) 2020/09/30(Wed) 0:18:05

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

―回想―

 
―表彰式・宮廷 舞踏用大ホール―



   『……あら、どうしたの。
    あなた達でも緊張することあるのね?』


[  周囲に聞こえない位の小声で、そう囁かれる。
   精一杯押さえ込んだ感情は、
   彼女の前では無意味だったようだ。>>253


   そして、また一つ、掛けられる言葉。
   4つの審査員特別賞。
   これは彼女たち審査員の、
   自分らの演奏に対する答えだと。>>254   ]
(262) 2020/09/30(Wed) 11:36:25

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン


    ───また明日、演奏会で会いましょう。



[ そう告げられ、>>255
  『勝負』はまだ終わってないことを思い出した。


  水膜で滲む視界を
  再度目瞬いて振り払う。


  そして、
  「もとよりそのつもりだ」とでも言うように
  今度は正面からメイレン・シュレグマーの顔を捉え
  口角を結んで微笑ってみせた。  ]*
  
(263) 2020/09/30(Wed) 11:44:06

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

―表彰式翌日―

  
―コンセールカリヨン滞在最終日―



[ 手紙はすぐにメイレン・シュレグマーの元に
  届けられたようだった。


  ただの褒賞に関する報告と、感謝の言葉を述べた
  だけの手紙に、彼女はいつもの彼女らしく
  驚き、そして愉快そうに、
  手紙を読んでくれたようだった。>>271  ]
(310) 2020/09/30(Wed) 19:02:18

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ リジィ第三王子の一件については>>273
  あまりピンと来なかったらしく。


  リジィがシュレグマーの研究室から音盤を
  借りた(返してないようだが)ことは、
  リジィにとっては忘れもしない出来事だったが、
  彼女にとってはささやかな日常のワンシーン
  だったのかも知れない。


  しかしそんな些細な日常風景が、数奇にも
  今回の一連の出会いに繋がったと思うと
  なかなかに感慨深いものがあった。 



   しかしまさか、彼女が彼の名を見て、
   彼自身が初めて彼女の名を聞いたときと
   全く同じ言葉を漏らすとは。>>276>>10

   ここまで偶然が重なると恐ろしいものだ。
   彼が手紙で触れた"運命"も過言ではないのか。
   >>-262                
]
(311) 2020/09/30(Wed) 19:06:36