人狼物語 三日月国


43 【完全RP】音の鳴る瞬間の相手は【R15】

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視点:人

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【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 彼女は今、どうしているだろう。


  つねに笑みを顔に貼り付けているが、
  自分が少し口調を強めただけで、
  一瞬、萎縮したように小さな体を震わせた彼女。

  教会の話をすると、
  神への信心を繰り返し口にした彼女。>>0:19
  逃げるように。諭すように。


    ……まるで、
"誰か"
に対して言い聞かせるような
  声色で…。 ]
(162) 2020/09/22(Tue) 17:35:57

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

――"誰に"対して?

   
 ――
彼女自身のように、聞こえた。 
(163) 2020/09/22(Tue) 17:36:40

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

――なぜ分かったかって?

   
 ――
俺自身が、そうだったから。
(164) 2020/09/22(Tue) 17:36:54

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 彼女の賛美歌を聴いて、神への信心を聞いて、
  明るく小綺麗に見えたこの国に来てすらも、
  自分を追いかける
抑圧の影

  見た気がした。>>0:15>>0:92 ]


   ――俺も、教会育ちだからな。


[ あぁ、どこの国だって一緒じゃあないか。
  ある種の諦観とともに、そう思った。

  だが、身に纏わり付くしがらみを打ち破ることは、
  難しくはあれど、不可能じゃない。]
 

――本当に難しいのは、その先だ。

[ 自分を省みて、誰にも聞こえない声で、
  そう独り言つ。
  だが、これは今の彼女とは何ら関係ない話。]
(165) 2020/09/22(Tue) 17:39:16

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ だから自分はあのとき、]



――
『音楽祭で会おう』




[ せめてそれだけ伝えたくて、
  その言葉だけ絞り出して、
  彼女の背中に投げかけたのだ。>>0:93 ]
(166) 2020/09/22(Tue) 17:39:43

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ その時の彼女が何を思ったかは、
  もう知る由もない。


  …彼女は振り返らなかった。

  聞こえなかったんだ。
  そう思うことにした。

  彼女は本当は聞こえてて、
  でも振り返えられなかったとは>>0:97
  知らないままに、

  あれはただ一時の、偶然の邂逅で、
  歌に揺さぶられた感情も、
  彼女に投げかけた言葉も全部
  ただの自分の勝手な思い過ごしだったのだ…と、

  それでも心に残る黒い澱を
  見ないように振り払って…。


  彼は歩を進めようとする。]
(167) 2020/09/22(Tue) 17:40:30

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ そこに…一陣の風が吹く。
  細めた目は、しかし次の瞬間、
  大きく見開かれることになる。

  引き寄せられるように、逆の方角に足が向く。
  熱狂と歓声の渦の中に、
  凜と立つその姿を見るために……。]
(168) 2020/09/22(Tue) 17:42:14

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 一陣の風に乗って…。
  コンペ会場からこの橋まで…。
  本来なら届くはずもない距離を超え…。]


――『エヴィ、と言います。』



[ 決して忘れられない、
  あの声が聞こえたから。>>151]*
(169) 2020/09/22(Tue) 17:43:50
鋼鉄の六弦奏者 エリクソンは、メモを貼った。
(a26) 2020/09/22(Tue) 17:52:18

鋼鉄の六弦奏者 エリクソンは、メモを貼った。
(a27) 2020/09/22(Tue) 17:53:55

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

―コンペ会場―



[ 雑踏をかき分けて、
  大庭園内の中心・特設舞台に近づいてゆく。


  現在の演目は何だろうか…
  ここからではよく見えないが、
  少なくとも、
  あの娘はまだ登壇していないようだった。


  コンペ会場は、朝方に来たときよりも、
  さらに多くの観客で、雑然と賑わっていた。


  さらに、朝来たときは見つけられなかったが、
  一般観衆のひしめく場所とは
  一線を画したところに、
  特等スペースのようなものが設けられている。 ]
(185) 2020/09/22(Tue) 22:44:05

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ こちらは一般観衆達とは全く違う待遇のようで、
  1人1人にデスクをあてがわれていて、
  身に付けている物から察するに、
  席次が上の者から順に、出場者から見て左から右へと、
  横並びに並んでいるようだった。>>1:108


あれが…審査員か。


[ 遠くない未来に対峙する相手達。
  彼らがどのような審美眼を持つのか…。
  自分らの演奏を認めるのか、
  それとも一閃のもとに斬り捨てるのか。

  こんな遠目からでは、
  想像すらすることもかなわなかった。]
(187) 2020/09/22(Tue) 22:45:59

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ すぐ後方には、一見して王族と分かるような
  装いをした人間達が、舞台を鑑賞している。>>38


  掛けている肘掛け椅子も、下に敷いたクロスも、
  調度品みな煌びやかで、
  そして、なかなかにエキゾチックだ。
  (そう思うのも、遠い異国から来た
  エリクソンだけなのかもしれないが。)


  あの中にリジィという王子が居るのだ。
  
  遠く海を渡った向こうの、一国の王子が、
  自分達が目指していた音楽祭に、
  ちょうど同じ時期に招待をくれた。]


 ――なんて僥倖に恵まれているのだろうか。
(189) 2020/09/22(Tue) 22:46:54

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン


[ しばらく思いを馳せていると、
  唐突に肩をたたかれた。

  四弦担当のディミトリエが、
  不機嫌そうな顔で立っている。 ]


  『エリク。こんなとこで何してるんだい。
  楽器のリペアほっぽってさ。』


[ 呆れた、というように息をついて、]


  『機材トラブルが発生したって本部に伝えたら、
   出順、明日に延期してくれるみたいだよ。』
(190) 2020/09/22(Tue) 22:47:30

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 聞くに、
  コンペでは急なスケジュールの変更などは
  ざらにあるらしく、>>46>47
  特に問題なく話を通すことが出来たらしい。


  現在、他の審査員や出演者の都合と調整中らしく
  また、二日目は会場が室内になることとの兼ね合いもあり、
  明確な返事はまだだそうだ。 ]


  『今は僕らも練習終わって息抜き中だから、
   君も夕飯の終わる時間にまた来いよ。』


[ ディミトリエは去って行った。
  久しぶりに祖国に帰り、
  知己との旧交を温めたりするのかもしれない。


  彼の背中を見送りながら、
  服装こそ自分と同じ全身黒のアシンメトリー
  なのに、彼が着ると、
  持ち前の上品さが損なわれないのは何故だろう。

  などとぼんやり考えていた。 ]*
(191) 2020/09/22(Tue) 22:48:07
鋼鉄の六弦奏者 エリクソンは、メモを貼った。
(a33) 2020/09/22(Tue) 22:53:02

鋼鉄の六弦奏者 エリクソンは、メモを貼った。
(a34) 2020/09/22(Tue) 23:00:01

鋼鉄の六弦奏者 エリクソンは、メモを貼った。
(a35) 2020/09/23(Wed) 2:09:15

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

―コンペ会場・観客エリア前方―



[ 運良く人の流れに乗り、
  観客エリア最前列、
  舞台全体を見渡せる位置まで出ることができた。

  初めて聞くこの軽快なアンサンブルの正体は
  何だろうと首を捻っていたが、

  舞台上の2人の人間が演奏しているのは、
  ベル部分が湾曲した金色の楽器と、
  蛇腹を押したり引いたりしながら弾く
  鍵盤楽器。>>197

  どちらもエリクソンにとって初めてのもので、
  呆気にとられて聴き入ってしまった。 ]
(239) 2020/09/23(Wed) 13:12:02

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ みな演奏中は静かに耳を傾けているが、
  演目が終わるや否や、会場全体が慌ただしくなる。


  観客エリアはもちろん、
  審査員エリアの周辺でも
  それは例外ではなく。
  腕章をつけた多くのスタッフが、
  観客に呼びかけたり、事務連絡を叫んだりと、
  忙しそうに立ち回り始めた。


『ご報告申し上げます!
  1日目出場予定の挑戦者から……』>>196
『報告です!次の挑戦者が倒れ……』>>199


  一連の報告の中に、おそらく、
  自分らの出順延期要請も
  含まれているのだろう。
  
  この雰囲気なら、特に問題なく
  てきぱきと要請を受け付けてくれそうだ。]
(240) 2020/09/23(Wed) 13:12:19

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 舞台が屋内になるということで多少の
  調整は必要だが、

  会場側で変更が必要な箇所については、
  今回の遠征で渉外役を
  買ってくれているディミトリエが、
  事細かに話を通してくれているだろう。


  …例えば、カーテンを用いて会場全体を
  暗くするなど。>>196

  また、出順を夜に設定するなど。>>196
(241) 2020/09/23(Wed) 13:14:23

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ それに、自国から連れてきた多くの
  スタッフ達――
  照明や全体の構成をプランニングする
  舞台技術者や、
  
  最高の音像を作るための、機器の配置を指揮する
  専属の舞台機構調整技能士、


  楽器を立てかけるスタンド等の小道具担当者、
  衣装・メイク担当者、
  他諸々。

  総勢50人余りの裏方陣とも
  綿密に打ち合わせをしている事だろう。]
(242) 2020/09/23(Wed) 13:14:55

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 既に夕刻になりつつある時間帯。
  コンペの1日目ももう終わってしまうか…
  と思ったとき。

  今か今かと待っていたあの姿が
  ついに面前に現れた。


  左手首にブレスレットを巻いた彼女は>152
  昨日見た、貼り付いたような笑顔とも、
  一時だけ思い詰めるかのように瞳を閉じた時の
  顔つき>>0:59とも違っていて。

  何か一つ、大きな殻を破ったような、軽やかな
  表情をしているように…
  彼の目には映った。>>204
  
  
  
  気づけば辺りは、今まさに
  赤く燃える夕日に包まれようとしていた。>>232

  茜色に彩られた、非現実的な空間。
  それを背景にして、神から賜りし声をもつ娘は、
  

  ――歌う。>>207>>208
(243) 2020/09/23(Wed) 13:16:30

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ その歌声は、
  昨日の橋の上で奏でられたそれより、
  より感動を持って、
  そして清々しく晴れやかなものに聞こえた。


  賛美歌を引き金に、条件反射のような
  フラッシュバック>>0:92が起きそうになるのを
  ギリギリで踏みとどまり、彼女の姿を見上げる。

  そのような暗い回想を誘うものは…
  …もう彼女の歌にはなかった。 ]
(244) 2020/09/23(Wed) 13:16:42

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ ――彼女が歌い終える。

  今までは演目が終わるやいなや
  人々が動き出していたが、
  今は誰一人としてそれをせず。


  一時の静寂ののち、>>233



────『最っっっ高だわ!!』



  審査員席から放たれた一言を皮切りとして。>>234

  割れんばかりの、
  拍手。驚嘆。讃辞の声。
  それらが怒濤のように吹き上がり、
  会場を揺らした。]
(245) 2020/09/23(Wed) 13:17:04

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 今この瞬間、彼女は
  コンペの優勝者の座を争うライバルと
  化したわけだが、
  そんなことは全く頭に入らなかった。
  
  いまや自身も、彼女のオーディエンスの一人。

  気づけば自分も最前列で手を叩き、
  舞台に向かって拳を振り上げながら、
  驚嘆の声を上げていた。]*
(246) 2020/09/23(Wed) 13:18:25
鋼鉄の六弦奏者 エリクソンは、メモを貼った。
(a42) 2020/09/23(Wed) 13:26:10

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

―回想・小さな楽器工房で―



[ 人でごった返すコンペ会場で、
  仲間のディミトリエから出順延期の
  知らせを受ける>>190、その1時間ほど前――]



――『部品見つからないと思った?
  この国も捨てたもんじゃないでしょ。』


  そう言った彼女は得意げに、
  初めて、自分に笑みを見せてくれた。

  改めて店内を見渡す。
  弦楽器専門の工房かと思いきや、
  トランペットなどの金管楽器の修理をする
  ローラーや、

  またリペアのみならず楽器製作も
  行っているのか、木材を削り出す道具や、
  塗料なども取りそろえてあって>>0:22

  なかなか手広く店を営んでいる様子が
  見て取れた。]
(274) 2020/09/23(Wed) 19:50:48

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 10枚の紙幣を固辞する彼女>>172に、]


  …ならば、お釣りは宿で貰おうか。


[ などと、貰う気は毛頭ないままに
  その場を躱しつつ。

  エリクソンは楽器工房を後にする。]
(275) 2020/09/23(Wed) 19:52:39

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 彼女がリジィ第三王子との、たった一瞬の
  出会い>>182をきっかけに、留学先で電子六弦の
  部品を仕入れていた>>183とは…


  ――危機に瀕したこの場においても、リジィの存在が
  自分に道標を与えてくれていたなどとは、
  つゆ知らず。 ]
(276) 2020/09/23(Wed) 19:53:43

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

―現在・コンペ会場最前列―



そろそろ楽器屋の彼女が、
完成したバネを届けに来る頃だろう…。


[ 未だ止むことを知らない、
  拍手と歓声の渦の中心で>>271
  一人、約束を思い出す。
  次に自分のすべきこととともに。熱を持って。


  間もなく彼は会場を後にし、宿に向かうだろう]*
(277) 2020/09/23(Wed) 19:59:11
鋼鉄の六弦奏者 エリクソンは、メモを貼った。
(a50) 2020/09/23(Wed) 20:03:11

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

―コンペ会場―
  
―視線を感じる―



[ 不思議な興奮に満ちた会場。
   ――とある審査員が自ら名乗りを上げ、舞台の娘と
  共演を果たしたことは、一部の人々に
  かなりの衝撃を与えたようだ>>237――


  未だその熱は冷めぬままに、
  会場を後にする聴衆達。
  なにやら浮ついたような、恍惚としたような
  そんな空気は、彼すらも包み込む。
 

  観客エリアの最前列を離れ、
  審査員席の横を通り、
  その後方の王族の席を抜け、


  ……そこで、
  ひやりとした視線を、感じた。]
(299) 2020/09/23(Wed) 22:45:27

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ ひたと立ち止まり、視線の正体を探す。
  会場内は、見渡す限りの笑顔。笑顔。笑顔。


   ここじゃない――。
  王族席に視線を移す。


  王族の中に一人、音盤とおぼしき物を持った
  目立つ風貌の若者
   ――前髪を伸ばし、後ろ毛をすぐにそれとは
   分からないように逆立てていて、
   はっきり言って王族らしからぬ髪型だ――
  がいたが、その者はこちらに気づかない様子。
  
  
  その、対岸の王族席に、>>38
  正体はいた。


  長い距離を超え、間を行き交う人々に
  阻まれようとも、
  ただ一点、ただ自分一人だけを射貫くように、
  ジットリと湿り気を帯びた視線を
  動かさない、双眸が。 ]
(300) 2020/09/23(Wed) 22:46:52

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 第二王子レイズ――彼はその名を知らない。


  しかしその男こそが弟たる第三王子リジィから
  『雑音』との罵声とともに
  6人組の音盤を奪って捨て、>>0:102

  また今回の招聘でも、
  その人望から失敗に終わったとはいえ
  裏でリジィの願望を挫くべく画策していた
  帳本人で。


  男はちらりと、対岸にいる目立つ髪の若者の
  様子を窺うように一瞥すると、
  こちらに歩を進めてきた。 ]
(301) 2020/09/23(Wed) 22:47:40

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 切るような視線が、
  いつか見た目の前にそそり立つような
  針葉樹の枯れ木を想起させる。
  

  出演が決まった時にマスコミに書かれた。
  メンバー達はくだらないと笑い飛ばした
  ゴシップ記事の下品な色彩が目にチラつく。 

  
――お前のやってきた事を俺は知ってるぞと
  己を見透かし、嗤うそんな目を、

  ―――覚えている。
 ]
(302) 2020/09/23(Wed) 22:51:19

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ …脳内で何かが警鐘を報せた。

  逃げるように視線を外し、場を離れようとする。


  しかし辺りは恍惚とした人間達がひしめき合い
  思うように進めない。

  男はずんずんと近づき、
  しかしすんでのところで視線を外し、
  
   ――横切った…?

  しかし、奴はすれ違いざまに
  小さな、小さな声で言葉を残し、
  去って行ったのだ。]



   
――『貴様のような下賤な人間が
     高尚たるこの一族を穢すな。』




 [ ……と。]*
(303) 2020/09/23(Wed) 22:52:47
鋼鉄の六弦奏者 エリクソンは、メモを貼った。
(a52) 2020/09/23(Wed) 23:18:25