人狼物語 三日月国


181 忘却の前奏曲、消失の1ページ

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視点:人


一日目

村人:1名、人狼:1名、童子龍:2名

【人】 名坂愛子

  

[ 陽だまりにいる人には
  太陽の気持ちは推し量れない。 ]

  
(0) 2022/10/26(Wed) 0:00:00

【人】 朝日元親




  [ 目を開けると、白い天井に虫が湧いていた。]



(1) 2022/10/26(Wed) 15:08:12

【人】 朝日元親



[ 柄石膏ボードとカーテンレールが包む部屋に
  消毒液が充満して、頭が痛くなる。

            ボクの、知らない臭いだ。



   ………………。


[ ボクが起きたことに気づいた看護婦さんが
  慌てて先生を呼びに行く声が聞こえる。

  けど肝心のボクは、まだ身体が動かせなくて。]


(2) 2022/10/26(Wed) 15:09:10

【人】 朝日元親




  どうして、ボクは病院で寝てるんだろう。



(3) 2022/10/26(Wed) 15:09:43

【人】 朝日元親




      どうして、ボクはここにいるんだろう。



(4) 2022/10/26(Wed) 15:11:00

【人】 朝日元親




    どうして、ボクの傍には

          誰もいないんだろう。



(5) 2022/10/26(Wed) 15:11:22

【人】 朝日元親



[ ボクは手を伸ばした
  誰もいない空へ、手を伸ばした。

         誰も居ない事実に、目を背けて。]**


(6) 2022/10/26(Wed) 15:14:33

【人】 惜別ハツナ



[ 私はあの後、君と一緒に病院に行った。
  私も突き飛ばされた時に軽く怪我したから
  それを診てもらって。

  一度君から離れたんだけど、
  君の目が覚めるまで私は家に帰らなかった。
  親には大事な人が病院にいるから、って
  連絡だけは入れた。
  流石に迎えに来るって言われたけれど。 ]

  
(7) 2022/10/26(Wed) 17:02:44

【人】 惜別ハツナ



   
こんな時だけW親っぽいWこと言わないで。



[ って言ったら何も言えなくなったみたいで。
  それ以上は言われなかった。 ]


  
(8) 2022/10/26(Wed) 17:03:12

【人】 惜別ハツナ



[ 君が目覚めるまで、私はずっと病院にいた。
  ずっと、待ってた。

  
もし君に何かあったら、って思ったら

  
病院を離れるなんてしたくなかったし

  
君が目を覚ましたら真っ先に君の隣にいたくて。 ]


 
(9) 2022/10/26(Wed) 17:04:18

【人】 惜別ハツナ



[ 先生を呼びに行った看護婦さんと
  入れ違いで私は君の病室に入って。
  
  ベリー系の甘い匂いの制汗剤が
  なんとなく場違いな気がして、
  一瞬だけ足を止めるけど。
  君のことが心配だからまたすぐ歩き出して。 ]


   
元親くん……?



[ 君の横に行って、声をかけるんだ。 ]

 
(10) 2022/10/26(Wed) 17:05:39

【人】 惜別ハツナ



[ 天に手をのばしている君をみていると
  どうしようもなく不安になるのはなんでだろう。 ]


  
(11) 2022/10/26(Wed) 17:07:12

【人】 惜別ハツナ



[ でも、まずは君の怪我とか……
  それが一番心配だから。 ]


   ね、その……。
   身体、痛いところとか、ある?


[ 君の手を握って、聞いてみるんだ。 ]**

  
(12) 2022/10/26(Wed) 17:10:28

【人】 朝日元親



[ 本来いるべきなのが親というもの。
  たとえボクがどんな存在だったとしても
  いて当然なのが親のはずだったのに。

  キミの当然を崩壊させるきっかけを作ったボクは
  あまりに罪深い存在なんだろう。>>7>>8
  でも今のボクには、それを詫びることも出来ない。]



(13) 2022/10/26(Wed) 17:38:02

【人】 朝日元親



[ 伸ばした手を掴んだ人は
  甘く優しい香りがする人だった。>>10>>12

  独りかもしれないという恐怖心が
  少しだけだけど薄らいだ気さえする。
  きっと、彼女がボクと同じだから。>>11



(14) 2022/10/26(Wed) 17:40:23

【人】 朝日元親



[ 彼女が何者なのか。
  どれだけ記憶を辿っても、答えが見つからない。
  元親くんって誰の事だろう?>>10

  どうして彼女はここにいるのだろう?
  何も分からないボクはキョトンとした様子で。]



(15) 2022/10/26(Wed) 17:43:55

【人】 朝日元親



  えっと、とりあえず…大丈夫です。

  なんか身体はまだ痛いけど
  まだ耐えられるくらいのものだから。


(16) 2022/10/26(Wed) 17:44:13

【人】 朝日元親



   ところで…

     はじめまして、ですよね。
     貴女のお名前を、聞いてもいいですか?


(17) 2022/10/26(Wed) 17:44:41

【人】 朝日元親



[ ボクがキミにそう尋ねた時だ。

  先生がボクの所へやってきて
  ボクの身に起きたことを説明してくれた。]*


(18) 2022/10/26(Wed) 17:45:21

【人】 惜別ハツナ



[ 私の両親が私に強く言えないのは
  決して君のせいじゃない。


  
元から壊れてたんだよ。

  それがよく見えるようになったきっかけは
  確かに君だったのかもしれないけれど
  君は何にもしていないよ。 ]


 
(19) 2022/10/26(Wed) 18:42:15

【人】 惜別ハツナ



[ 私は君が無事かどうかで頭がいっぱいで。
  自分の親のことなんて構ってる場合じゃないって
  そう思ってしまったから。

  ……君の親がいない、って事実に
  すぐには気づけなかったんだ。


  普通なら真っ先に来るはずの
  二人がいないってことに。  ]

 
(20) 2022/10/26(Wed) 18:43:49

【人】 惜別ハツナ



[ 君のよそよそしい言葉づかいに
  私は戸惑ってしまう。

  どうして、そんな顔してるんだろう。
  
まるで……私の事を知らないみたいな。 ]



   
…………はじめまして、じゃないよ?



[ だから、君に名前を尋ねられて
  私は頭が真っ白になっちゃったんだ。

  どうして?
  
どうして、ハツナ、って呼んでくれないの? ]


 
(21) 2022/10/26(Wed) 18:46:07

【人】 惜別ハツナ



[ なんて言ったらいつもの君に戻るのかも
  わからないまま、名前を言おうとしたら、
  先生がやってきて、説明してくれた。>>18

  私、ここでようやく気付くんだ。
  君のご両親は、何処なんだろう、って。
  先生と一緒に来るのかと思ったのに。


  先生はそんな私をよそに教えてくれた。
  身体の怪我の方は、ちゃんと治るみたい。
  でも問題は別にあって……。 ]

 
(22) 2022/10/26(Wed) 18:47:05

【人】 惜別ハツナ




[ 頭を強く打ったせいで記憶をなくしている。 ]



  
(23) 2022/10/26(Wed) 18:47:38

【人】 惜別ハツナ



[ それを聞いた時、
  私はさっきの朝日くんの反応に
  納得せざるを得なくなるんだ。

  嘘だ、って言いたいよ。
  言いたいけど、君が私の名前を知らないはずない。


  さっきの君は冗談言ってるような顔じゃなかった。
  だから、それが事実だって、
  受け入れざるを得なくて。 ]


 
(24) 2022/10/26(Wed) 18:48:33

【人】 惜別ハツナ




   元親くん……え、っと……。
   私の名前、わからない、んだよね。

   惜別ハツナ、だよ。
   
君にはハツナ、って呼ばれてた。



 
(25) 2022/10/26(Wed) 18:49:14

【人】 惜別ハツナ



[ そう言って、君の手をぎゅっと握る。
  信じてほしい、でもいきなりそう言われても
  君はすぐに理解できないのかもしれない、

  拒絶されるかもしれないと思うと、怖くて。
  それを誤魔化したかった。


  こわい、怖いよ。
  いま私、泣きそうなんだ。
  でも君の前でだけは、泣くわけにはいかない。
  泣いたら、優しい君はきっと自分を責めてしまう。]


  
(26) 2022/10/26(Wed) 18:50:49

【人】 惜別ハツナ


  
   ……何も、覚えてないの?
   たとえばそう……
   私が屋上で歌を歌ってた時とか。



[ もしかしたらなにか、
  記憶の欠片が残ってるかもしれない
  そう思って、聞いてみるんだけど。
  
覚えて、ないのかな。  ]*


 
(27) 2022/10/26(Wed) 18:51:16

【人】 朝日元親



[ ボクが彼女の名前を聞いた途端に
  空気が凍りついたような気がした。>>21

  ボクの言っていることがおかしいと。
  信じられないと、そう言いたげな顔で
  ボクの記憶を否定する。]


   ……え?



[ でも明らかにボクへの意地悪じゃない。
  本当に、心から信じられないって顔だ。

  すると決して噛み合わない鎖が
  先生が繋げてくれた。>>22>>23

(28) 2022/10/26(Wed) 19:38:20

【人】 朝日元親



[ 
ボクの記憶が無い。

  今度はボクが信じられないという顔を浮かべた。
  でも、さっきの噛み合わない会話の説明をつけるには
  あまりにも納得がいってしまう事実で。


       ボクは思わず頭を抑えてしまった。
       だって頭が、痛くて仕方がなかったんだ。


(29) 2022/10/26(Wed) 19:39:10

【人】 朝日元親



  (……うそ、だ。そんなわけ……。)


(30) 2022/10/26(Wed) 19:40:03

【人】 朝日元親



[ 何も知らないまま産み落とされた赤子のように
  右も左も分からないという恐怖心に
  頭がクラクラと悲鳴をあげてしまう。

  それでも落ち着いていられたのは
  ボクと同じくらい真剣な表情で
  この事態を受け止めている人がいたから。>>24


   あの…先生…

   ボクの記憶って…
   それに、ボクの父さんと母さんは…


[ ボクの質問に先生が首を横に振る。
  ボクの記憶が戻る確証はなく、
  地道に治療を続けていくしかないらしい。

          そして真にボクの心を抉ったのは
          両親がここにいない理由だった。


  
(31) 2022/10/26(Wed) 19:41:23

【人】 朝日元親



[ 先生がボクと彼女の前で口を開く。
  彼女の前で言っていいのかと躊躇う先生に
  構いませんと言い切ったからだ。


  ボクの父さんも母さんも>>0:106
  違う場所でそれぞれ家庭を築いている。

  中学生の頃までは親戚のお婆さんが
  親の代わりになってくれていたけど、

  そのお婆さんもボクが高校に上がる頃には
  既に施設に入ってしまっていて。

  今は元両親から養育費だけが>>0:107
  毎月振り込まれている。


  それがボク、朝日元親の現状なんだと。
  緊急連絡先に登録された母さんの携帯に繋げて
  先生が全て母さんに確認してくれたらしい。]



(32) 2022/10/26(Wed) 19:43:17

【人】 朝日元親



[ ボクがこんな目に遭っているのに
  それらしい人が誰も来ない理由が分かる。


      でも、涙は見せなかった。
      見せるほど、悲しくも感じなかったから。]**



(33) 2022/10/26(Wed) 19:45:00

【人】 朝日元親


***

[ 心の整理がつかないことを察してなのか。
  先生が病室から出ると、彼女と二人きりになって。
  すると、彼女がさっきのボクの質問に答えてくれる。]


   ハツナ、さん…?


[ 確かめるように名前を呼んでみて。>>25
  必死に記憶の中を探ってみても、心当たりがない。
  ハツナさん、と名前を呼んだのは
  ボクが以前そう呼んでいたと聞かされたから。


  でも、ボクの手を握る彼女の言葉に
  ボクは首を横に振る。>>26

  予想だにしなくて当然驚いたけど
  疑うよりも先に、哀しかったんだ。]


(34) 2022/10/26(Wed) 19:45:58

【人】 朝日元親




   ………ごめん。



[ 彼女の微かな望みを断ち切るように
  ボクはまた、首を横に振る。>>27

  もし彼女の話が本当だとしても
  今のボクに彼女の特別である資格が
  あるなんて到底思えなかった。
]*

  
(35) 2022/10/26(Wed) 19:49:00

【人】 惜別ハツナ



[ 記憶がない、って聞いた時の君は
  頭を押さえてて。>>29
  大丈夫?ってつい、見ちゃった。
  
  
そうだよね、一番怖いのは君なんだ。 ]


  
(36) 2022/10/26(Wed) 23:05:19

【人】 惜別ハツナ



[ 君の記憶は、戻る確証がないみたい。
  どうしよう、もし記憶が戻らなかったら。

  
私、またひとりぼっちになっちゃうのかな。


  そんな自分本位の心配をしてたら
  今度は君のご両親の事へと話が移る。
  私が君に聞けずにいた事。
  君は私の事だけじゃなくて
  本当に何も覚えてないんだ、って
  改めて事実を突きつけられる。

  でも記憶を失う以上に最悪なことを
  私は聞くことになるんだよ。   ]


  
(37) 2022/10/26(Wed) 23:06:04

【人】 惜別ハツナ


[ 席を外してほしいと言われたなら
  そうするつもりだった。
  だってどうやら今の君にとって
  私は他人でしかないみたいだったから。

  構わないと言い切ってくれた君に
  すこしだけ、信用してくれてるのかな、
  なんて淡い期待を抱いたけれど

  そんなの吹き飛ぶくらいの君の過去に、
  私は表情が消えていく。 ]

  
(38) 2022/10/26(Wed) 23:06:35

【人】 惜別ハツナ



   
なんで、そんなひどい、こと……。



[ 私の声は自分で思ったよりずっと冷たい。
  そうだね、この場にいない人に怒っても仕方ないし
  怒る権利、ほんとは私にはないのに。

  それなのに、怒りが抑えられない。
  君はずっと、ずっとひとりだったんだ。
  

  
こんな時でさえ、見舞いにも来ないなんて。

  
本当に、ふざけないでよ、
って言いそう。 ]


  
(39) 2022/10/26(Wed) 23:07:25

【人】 惜別ハツナ



[ でもそれは私が言う事じゃないから。
  辛うじて、それだけは飲み込んで。

  君がショックを受けてないかなって
  思って君の顔を見ても、
  君は悲しそうじゃなかった。

  
私はそんな君を見て……。


       
哀しいな、って思ってしまうんだ。 ]**


  
(40) 2022/10/26(Wed) 23:08:01

【人】 惜別ハツナ


***

[ 先生が病室から出た後
  私の質問に答えてくれた君は
  ピンと来てないみたい。 ]

 
   ううん……、ハツナ、って。
   呼び捨てだったよ。

   なんて言っても、呼びづらいかな。
   呼びづらかったら
   君が呼びやすいように呼んで大丈夫だよ。


[ そう言って気にしなくていいよって
  安心させようと笑ってみせた。
  
ぎこちなくなってないかな、大丈夫かな。 ]


 
(41) 2022/10/26(Wed) 23:59:20

【人】 惜別ハツナ



[ 微かな望みも断ち切られて
  私は、内心ずっとどうしようって思ってた。
  でも、君にそれは見せないように。

  
それに謝らないといけないのは私だから。 ]


  
(42) 2022/10/27(Thu) 0:03:36

【人】 惜別ハツナ



   そっか、謝ることないよ。

   あのね、謝るのは私の方なんだ。
   君が怪我したのは、突っ込んできた車から
   私を守ろうとしたからなんだよ。
   だから、君が怪我したのも
   記憶をなくしてしまったのも私のせい。 


   
ごめんね、君に、こんな痛い思いをさせて。


  
(43) 2022/10/27(Thu) 0:04:33

【人】 惜別ハツナ



[ そう、君に事故の経緯を説明して。
  
  私はただ、泣いてしまわないように
  必死で笑顔になろうとしてた。
  今は駄目だ、ないちゃだめ。

  
今だけは―――――。 ]


  
(44) 2022/10/27(Thu) 0:06:36

【人】 惜別ハツナ



[ 闇夜に彷徨う君に、>>0:112
  手を差し伸べる太陽でいなきゃいけないから。 ]

  
(45) 2022/10/27(Thu) 0:06:53

【人】 惜別ハツナ



[ 泣くのを我慢してる私は、君が少しでも
  記憶を取り戻すための手掛かりを探そうと。

  そういえば、君は何度も聞いてた歌なんだから
  歌えば少しは思い出せたりしないかな、なんて
  そんなことを思って、私はよく歌っていた
  あの曲を口ずさもうとして―――――。 ]

  
(46) 2022/10/27(Thu) 0:09:02

【人】 惜別ハツナ

 

   
……あ、れ……?



[ 歌えない。歌えなかった。 ]


  
(47) 2022/10/27(Thu) 0:09:32

【人】 惜別ハツナ



[ 歌わなきゃ、って思って焦ってるせいなのかな。
  歌詞もメロディも確かに覚えてるのに
  歌おうとしたら声が出なくて。   ]


  
(48) 2022/10/27(Thu) 0:09:58

【人】 惜別ハツナ



   ごめんね、歌ってた歌、
   君が聞いたら何か思い出すかなって
   そう思ったんだけど……

   
ド忘れ、しちゃったのかも。



[ 一瞬、歌えないことに動揺して
  顔にも出してしまったけれど

  すぐに困ったように笑って、謝った。 ]

  
(49) 2022/10/27(Thu) 0:11:18

【人】 惜別ハツナ



   えっと……
   しばらくは入院することになるのかな。

   着替えとか、きっと必要だよね。
   私、君の家知ってるから……
   私でよければ必要な物、持ってくるよ。

   私じゃない方がいいなら……
   その時は先生に聞いてみるね。


[ 話題をそらすようにそんなことを言って。
  入院しないとしても、必要な物
  多分此処にはないはずだから、
  どっちにしろ誰かが
  持ってこないといけないと思うし。
  君の両親は頼れないってわかってるから。
  たぶん君はこの提案、断れないんじゃないかな。

  断られたら、勝手に家には入れないから
  素直に他の大人に頼るつもりではいたけれど。 ]


  
(50) 2022/10/27(Thu) 0:11:53

【人】 朝日元親



[ 今ここに両親が居ないことが
  悲しいことだなんて思わない。

  自分が闇の奥深くに落とされて
  手を差し伸べない親なんているだろうか?
  考えたらたとえボクにだって答えが分かる。

  ボクには、はじめから親なんて居ないんだ、と。]


(51) 2022/10/27(Thu) 4:08:09

【人】 朝日元親



   え?あ、う、うん…大丈夫だよ。


[ そんなわけがない。誰だって分かるのに。>>36
  反射的についそう答えてしまうのは
  ボクが彼女という人を知らなすぎるせいだ。

  信用はしてる。でも信頼は……。


  ボクの記憶が戻らないと困るのは
  どうやら彼女も同じみたいだったけど。>>37

  太陽が枯れ、死んでいく姿に>>38
  ボクはひどく冷静な頭で、言葉を被せた。]

(52) 2022/10/27(Thu) 4:08:54

【人】 朝日元親



   ………ボクの肉親は、その程度ってことだよ。



(53) 2022/10/27(Thu) 4:09:35

【人】 朝日元親



[ 家族だった人達を信頼出来ずに
  蔑み続けた結果、自己嫌悪に苛まれる。

  奇しくも記憶を無くす前と同じ道を辿って
  同じ台詞を吐いていたことにボクは気づけずに。


  でも言葉を被せたボクの傍らで
  キミはボク以上に怒り、哀しんでいたから。>>39
  ボクは思わず目を丸くしてしまうんだ。]


(54) 2022/10/27(Thu) 4:10:06

【人】 朝日元親


***

[ ボクは以前彼女のことを名前で呼んでいたらしい。
  しかも呼び捨てで。なんと仲睦まじいのだろう。
  自分のこととは到底思えない。

  疑うわけじゃないけど
  まだ彼女を完全に信頼出来るわけじゃないから。
  彼女の言うことを信じたくても、まだ踏み込めない。



   うん……ごめんね。


[ 気を遣わせてしまったことにも
  すぐに彼女の期待に応えられないことにも。
  どこか無理をしているようにも感じる
  その笑顔にボクは心が痛くなってしまった。>>41


(55) 2022/10/27(Thu) 4:12:44

【人】 朝日元親



[ 途端、ボクの自己嫌悪を食い止めるように
  彼女の口から事の顛末を語られる。

  交通事故があった時のこと。>>43
  彼女の言うことが本当のことなら
  ボクも…こんなボクでも、誰かを守れたんだって。

  少しだけ、安心することが出来たから。
  ボクは謝る彼女に向かって、小さく微笑み。]


(56) 2022/10/27(Thu) 4:16:27

【人】 朝日元親



    貴女に、怪我がなくてよかった。


(57) 2022/10/27(Thu) 4:16:47

【人】 朝日元親



[ 記憶を無くす前の自分の言いそうなことを
  彼女へと告げる。

  きっとボクなら、そう言うはずだ。

  でも彼女は未だ崩れてしまいそうな
  不安定に揺蕩う笑顔のまま。>>44
  秘めた決意だけで、突き動かされていた。

  とはいえそれも全てボクの感想でしかない。
  何を決意し、何を望んでいるのか。>>45

  今のボクには推し量ることしかできない。]


(58) 2022/10/27(Thu) 4:17:28

【人】 朝日元親



  ごめん、ボクが言っても説得力、ないよね。


[ 口をついて出てしまって数秒。
  ボクは困ったように笑う彼女に、頭を下げた。]

(59) 2022/10/27(Thu) 4:20:31

【人】 朝日元親



[ 謝罪を終えて頭を上げると
  彼女から今後のことの話をされた。
  話題を逸らしたかったなんて
  そんな意図にも気づかないまま。


  ボクはと言えば思わず唸ってしまう。
  何から何まで彼女に手伝わせるわけにはいかないのに
  先生の話からして、ボクに頼れる大人はいない。

  しかも当のボク本人はこのザマだったんだから、
  たとえ信頼しきれなくても、頼るしかなかった。]


(60) 2022/10/27(Thu) 4:36:23

【人】 朝日元親



   なにもそこまでしなくても…


[ けど分かっていながらそう答えてしまうのは
  ボクにとっては彼女は身内ではなかったから。
  特別な人以外には当然の遠慮があった。>>50

  いくら彼女がボクに負い目を感じていても
  たとえ心優しい子だったとしても
  つけ込むような真似はしちゃいけない。]


(61) 2022/10/27(Thu) 4:36:55

【人】 朝日元親



[ でもそれ自体がボクの思い違いで
  彼女のことを誤解し、見くびった証拠だと
  ボクはすぐに思い知ることになったんだ。]



(62) 2022/10/27(Thu) 4:37:41

【人】 惜別ハツナ



[ 
その程度ってことだよ。>>53


  君の言葉が頭から離れない。
  ずっと、ずっとそう思ってたのかな。

  本来頼れるはずの人を頼れない。
  それが悲しい事だって、私は知っている。

  誰も来ない授業参観とか
  運動会の親子競技。あとはそう……
  自分で作ったから中身を知っているお弁当とか。

        半端に知ってるから許せないんだ。 ]


  
(63) 2022/10/27(Thu) 13:47:57

【人】 惜別ハツナ


***


[ 君に守られたんだよ、って伝えた私は覚悟してた。
  君のせいで怪我をしたんだ、って言われたとしても
  私はそれを受け入れるつもりでいたのに。 ]


 
(64) 2022/10/27(Thu) 13:49:06

【人】 惜別ハツナ



[ 記憶がなくなっても君は君のままだった。 ]


 
(65) 2022/10/27(Thu) 13:49:36

【人】 惜別ハツナ



   ……優しいね、君は。
   
君のおかげで私はなんの怪我もしてないよ。

        
           
(見える怪我は、何も。)


  
(66) 2022/10/27(Thu) 13:50:05

【人】 惜別ハツナ



[ 元はと言えば全部私のせいなんだ。
  私が夜ご飯一緒に、なんて言わなければ
  夜道を歩くこともなくて
  私を送り届ける必要もなくて
  君は、怪我をしなかったし
  記憶だってなくさずに済んだんだ。

  ずっと、そんな思いを抱えたまま。 ]


  
(67) 2022/10/27(Thu) 13:51:20

【人】 惜別ハツナ



[ 私よりずっと不安なのは君なんだ。
  だから、君の前で不安な顔しちゃいけない
  君の前では笑っていなきゃ、って。

  無理するの、慣れてるから
  それでよかったのに。   ]


  
(68) 2022/10/27(Thu) 13:52:21

【人】 惜別ハツナ



[ 休んでもいいんだ、って言ってくれた時の君と
  今、無理しなくていいよって言ってくれた君が
  重なって、言葉に詰まってしまうんだよ。


  君の言葉だ、って安心して。
  弱いところ、全部見せてしまいたくなる。 ]


  
(69) 2022/10/27(Thu) 13:53:00

【人】 惜別ハツナ



[ でも、きっとそれは
  今の君を困らせてしまうから。

        
―――――今の私には、出来ない。 ]


  
(70) 2022/10/27(Thu) 13:53:27

【人】 惜別ハツナ



   不思議だな、
   
前の君も同じようなこと言ってたよ。

   記憶がなくても、考えることは同じなんだね。
   心配させちゃってごめんね?
……ありがとう。



[ 説得力、あるよ。
  君の言葉に救われた私だもん。

  ほら、今だって。
  いつも君は私の事、救ってくれる。


  謝罪を重ねた後、違うな、と思って
  付け加えたのは感謝の言葉。 
  私はね、君の優しさに救われてるんだよ。 ]

  
(71) 2022/10/27(Thu) 13:56:17

【人】 惜別ハツナ



[ 君にとって、私は赤の他人。
  君にとって私は恋人じゃないし、
  多分同じクラスにいるってことすら知らなくて。
  得体の知れない人なんだから、
  家っていう自分のパーソナルスペースに
  入られたくないって言われるのなら
  仕方ない、って覚悟するつもりだった。 ]


  
(72) 2022/10/27(Thu) 13:56:53

【人】 惜別ハツナ



[ ただ、もし受け入れてくれるのなら
  私は負い目があるからとか
  優しいだけとか、生半可な気持ちで
  言いだしてるわけじゃない、ってことは
  どうしても伝えたかったから。 ]


   
私がしたくて、してるんだよ。



[ そう言って、笑うんだ。>>61 ]

 
(73) 2022/10/27(Thu) 13:57:36

【人】 惜別ハツナ



[ 結局、今後も君のことを手伝うって
  話がまとまって、そうと決まれば
  担当の先生にも話をしてこないと、とか
  君が何か思いつく範囲で必要な物があるなら
  持ってくるつもりで、聞いたりもして。 ]


   また後でね。
   何かあったら、いつでも連絡してね。


[ 多分前の君なら
  私の連絡先は登録しているだろうけど
  念のために電話番号を書いたメモを渡して。
 
  私は一度、病室を後にするんだ。 ]**

  
(74) 2022/10/27(Thu) 14:00:15

【人】 惜別ハツナ



[ 病室を出るまでは、
  私はしっかりとした足取りで歩いていたと思う。

  病室を出て、扉が閉まったのとほぼ同時に
  眩暈がして、思わず私はその場に
  座り込んでしまった。

  不安で不安で仕方ない。
  大好きな人の記憶がないなんて。
  私の事全部忘れちゃったんだ、って。

  事実は消えないのに、
  君に聞いても分からない、って言われちゃう。
  幻を見ていたみたいな気持ちになって
  何もかも失ってしまった気持ちになって。 ]


  
(75) 2022/10/27(Thu) 14:42:09

【人】 惜別ハツナ



[ こんなところでいつまでも
  座り込んでるわけにはいかない。

  わかってるから、立ち上がった。
  ふらり、と身体が傾きかけるけど
  そんなことは構わず、私はふらふらと
  人のいない方へ、いない方へと進む。

  気づいたら辿り着いていたのは
  滅多に使われてなさそうな非常階段。

  踊り場で私は歩けなくなって
  ぐったりと壁に背を預けた。 ]


  
(76) 2022/10/27(Thu) 14:43:21

【人】 惜別ハツナ



[ 君に見せないように、って
  我慢していた涙がもう、抑えられなかった。

  誰も見ていない、ここなら。

  
ここなら、太陽は陰っててもいいはずだから。 ]


  
(77) 2022/10/27(Thu) 14:43:56

【人】 惜別ハツナ



   
っ、ぁ……。



[ 決して聞かれないように、口元を押さえて。
  涙で押さえてる手が濡れていく。

  
  もし記憶が戻らなかったらどうしよう。
  怪我が治るまでは、
  君は私を頼らざるをえないけど
  そのあとは?私はもう要らないって  
  そう思われてしまったらどうしよう。


  君は確かに君なのに
  今まで過ごした時間を共有できないのが
  すごく怖い。こわくて、さびしい。   ]


  
(78) 2022/10/27(Thu) 14:45:13

【人】 惜別ハツナ



[ 誰にも頼れない太陽の
  声にならない悲鳴は、君には届かない。 ]**


  
(79) 2022/10/27(Thu) 14:46:35

【人】 惜別ハツナ


***


[ 病院を後にした私は、
  一度、自分の家に戻った。

  流石に心配だったのか、なんなのか。
  仕事でいないはずのお母さんが家にいた。
  怪我はないから、大丈夫だから。
  それだけ言って、私は横をすり抜けようとする。 ]


   「……これ、届けてもらったから。
    だめよ、無理したら。」



[ そう言って差し出されたのは、
  あの時落とした鞄。>>0:206
  お金とかスマホとかが入ってなかったからか
  中身は盗られたりしなかったみたい。
  
君との思い出が綴られた交換日記もある。 ]


  
(80) 2022/10/27(Thu) 20:43:53

【人】 惜別ハツナ




    
……うるさい、あなたには関係ないでしょ。



  
(81) 2022/10/27(Thu) 20:44:12

【人】 惜別ハツナ



[ 鞄は受け取っても、心配の声は受け取らない。

  こんな時だけ心配されても
  信じられるわけ、ないでしょ。
  ひったくるように取った鞄を持って
  私は一度自分の部屋へといった。


  本当は私もすこし休むべきなのかもしれないけど
  君がひとりで待ってるから。休むわけにはいかない。

  でも、ここに戻ってきたからには、
  私はどうしても綴っておきたいことがあって。 ]


  
(82) 2022/10/27(Thu) 20:45:49

【置】 惜別ハツナ



   
■■ ■■■■■■ ■■■■■■■■■■?



      [ 交換日記の一番最後のページ。
        青色のペンで綴ったそれを暫し見て。]

  
(L0) 2022/10/27(Thu) 20:47:07
公開: 2022/10/27(Thu) 20:50:00

【置】 惜別ハツナ



[ やっぱりこんなこと書いても仕方ない。
  そう思ってしまった私は、
  そのページを破ってしまうんだ。

      
でも、破ったページは捨てられなかった。 ]


  
(L1) 2022/10/27(Thu) 20:47:43
公開: 2022/10/27(Thu) 20:50:00

【人】 惜別ハツナ



[ 
交換日記は君に見せてみた方がいいのかな。

  迷ったけれど、ここに置いていくより
  持っていたかったから、また鞄にしまって。
  私は、汚れてしまった服を着替えて。
  髪を結い直してから、
  さっき受け取った鞄を手に家をでた。 ]

  
(83) 2022/10/27(Thu) 20:48:30

【人】 惜別ハツナ



[ その後の私はそう……
  君の家に、必要なものを取りに行ったんだよ。
  着替えとか、タオルとか……要るよね?
  いくら何度も来てるからって、
  関係ないものまで見ちゃいけないと思って
  出来るだけ、余計なものは見ないように。

  なんて、私が見るのに耐えられなかっただけ。
  余計なものまで見たら、
  君とここで過ごした時間を思い出して
  また、泣いてしまいそうで。 ]


  
(84) 2022/10/27(Thu) 20:48:58

【人】 惜別ハツナ



[ そうして、君の元へと荷物を届けて。
  ついでに、ささやかなお見舞いの品を君に渡すんだ。
  お見舞いっていっても
  君の好きなチョコレートと
  遠足のあの日にも一緒に食べたチョコボール。
  それだけ。本当はお花とかの方が
  いいんだろうけれど……。

  売店で見かけて、買いたくなったんだ。
  君が要らないなら私が食べればいいし。 ]

  
(85) 2022/10/27(Thu) 20:51:11

【人】 惜別ハツナ



[ 他人の私が色々する姿を見て
  君はどんなことを思ってたんだろう。
  それは言われない限りわからなかったけど…

  どんなことを思われてても、
  私はやめるつもり、なかったから。

  君の元へと通うのが
  私の新しい日課になるんだ。

  学校には行っていたよ。
  君の分のプリントも貰って届けようって
  そう思ってたし、板書だって完璧にして。

  怪我してるんだし勉強なんてしたくないかな?
  そうだとしても私は届けたけどね。 ]


  
(86) 2022/10/27(Thu) 20:52:15

【人】 惜別ハツナ



[ 事故は学校のみんなにも軽く伝わってたみたい。
  なんだか腫れ物に触るみたいに色々言われたな。
  学校のみんなのW助言Wは全部無視した。

  そこまでハツナちゃんがする必要ないとか
  なんでそこまでするんだ、とか。

  無理しちゃだめだよ、とか。

  周りの声なんてどうでもよかったし、
  私は、君のことしか考えてなかった。 ]*


  
(87) 2022/10/27(Thu) 20:54:05

【人】 朝日元親



[ ボクが優しいだけだったのか。>>66
  彼女にそうさせるだけの気持ちがあったのか。

  答えが分からなかったとして
  腐っても自分のことなら、想像くらいはできる。
  ボクが彼女の言葉に疑問を持っていることは
  彼女になら伝わってしまうかもしれない。

  ボクが優しいはずないし
  貴女にそうさせる魅力があっただけではと。

  記憶がなくとも思考の癖は変わらない。]


(88) 2022/10/28(Fri) 22:37:10

【人】 朝日元親



[ そう、ボクという人間は変わらない。
  だから知らずのうちに過去を掘り返して
  彼女の心に枷を嵌める。>>68>>69

  彼女が誰よりも強くて脆いことすら忘れて。>>70



   そう、なんだ。
   どういたしまして…でいいのかな?


[ 自分のことだというのにまるで他人事だ。>>71
  そんな態度だから、彼女の心に影を落とすのか。>>72


  この実感の無さが、今は心苦しい。
  彼女の張り裂けそうな笑顔に>>73
  見合う人間なら、こんな事考えなくて済むのに。]


(89) 2022/10/28(Fri) 22:38:05

【人】 朝日元親



[ それでも今は、社会的弱者のボクは
  彼女にすがりつくしかなくて。>>74


   あ、うん、その…ありがとう…。


[ どこまでも優しい彼女の言葉に甘えるように。
  ボクは彼女に頭を下げる。
  時に距離を感じさせかねない
  親しき仲を通り越した、礼儀だった。



(90) 2022/10/28(Fri) 22:39:30

【人】 朝日元親



[ 彼女の声は届かないまま。>>79

  病室に一人になったボクは
  彼女が残してくれたメモ書きよりも先に
  自分の携帯を開いて、連絡帳を見た。

  一応頼らせてもらう立場上、
  彼女の連絡先も登録しておく必要があったから。]


(91) 2022/10/28(Fri) 22:40:43

【人】 朝日元親



[ ほとんど登録されてない連絡帳は
  たった1ページに収まっている。

  友人と思しき連絡先もなければ
  グループチャットなんてひとつも入っていない。

  登録されていた数少ない連絡先は
  『元母親』という冷たい名前と、もうひとつだけ。]



(92) 2022/10/28(Fri) 22:41:07

【人】 朝日元親



[ 緊張の糸が切れて、ボクは現実から目を瞑る。
  彼女がここに来てくれた時には>>84>>85
  意識を手放して眠ってしまっていた。

  そうして目覚めた時に
  ボクは初めて彼女の見舞い品を目にして
  手に取り、俯く。
  チョコボールなんていうお菓子は
  本来は見舞い品には相応しくないはずだから。

  彼女がもしそこに居たとしても
  この見舞い品のことは今は聞けないだろう。

  明らかに不相応な見舞い品には
  絶対になにか意味があるはずで、
  それが分からないことに、もやっとしてしまう。



(93) 2022/10/28(Fri) 22:44:13

【人】 朝日元親



[ 知らないという恐怖を乗せたチョコボールを
  ボクは口に放り込む。

  彼女がいたら、一緒に食べようと差し出すけど
  もし彼女がいなかったら。
  ボクは静かに涙を流すことになるのだろう。
]**


(94) 2022/10/28(Fri) 22:45:03

【人】 朝日元親


***

[ 疑念が確信に変わった。
  けれどボクに何ができるかと言われれば
  何も変わらない。

  画面に残る無数の着信履歴を眺めながら
  空白の時間に思いを馳せるだけ。
  片方は『元母親』で、もう片方は知らない番号。
  調べてみると高校の事務室の番号だった。


  何十回にも及ぶ着信を無視し続けたけど
  要件なんてどうせ分かりきっている。]


(95) 2022/10/28(Fri) 22:45:47

【人】 朝日元親



[ 学校はどういう場所か、ボクは知らない。
  けどあの連絡帳を見てしまうと
  どうしても学校に行きたいなんて
  そんな感情は湧いて来そうにない。

  ボクのことが学校に広まっているとは
  知りもしなかったけれど。

  本能的に、行ってはいけない気がしたんだ。]



(96) 2022/10/28(Fri) 22:46:33

【人】 朝日元親



[ そんなボクが学校のことに触れるのは
  彼女がボクに逢いに来てくれた時だけだ。
  けれど板書が綺麗なノートも、プリントも
  もらう度にボクは苦い顔をして言う。]


   いつもありがとう
   でももう、ノートもプリントも無くて大丈夫。

   貴女のことも思い出せないのに
   そんな事に、労力は割きたくないんだ。


[ ボクのためと思ってくれているのは嬉しいし
  それが迷惑だなんて思っていないけど。

  ボクには、強い負い目があったから。]


(97) 2022/10/28(Fri) 22:47:19

【人】 朝日元親



  ねぇ、ハツナさん。

  ボクは…学校ではどんな人だったの?


(98) 2022/10/28(Fri) 22:47:36

【人】 朝日元親



[ 話題をボクが本当に必要な方へ逸らす。
  きっとボクを誰よりも知っているのは
  他でもない彼女のはずだから。

  彼女から聞けばなにか思い出せるだろうかと
  そんな期待を胸に、ボクは尋ねてみたんだ。]*
   

(99) 2022/10/28(Fri) 22:47:56

【人】 惜別ハツナ


***

[ 私がついた時、君は眠っていた。
  そうだよね、疲れちゃう、よね。

  自身の身体だってもう疲れた、って
  悲鳴を上げてるのには目をそらして

  私は君の頭をそっとなでる。
  記憶が戻る日、来るのかな。

  
私が事故に遭えばよかったのに。

  そんな思いが、ぐるぐる、頭に巡っていく。
  そうしたら……君が怪我しなくて済んだのに。 ]


  
(100) 2022/10/29(Sat) 1:03:01

【人】 惜別ハツナ



[ 君が起きるまで、待ってよう。
  そう思ってたんだけど、
  気づいたら私は
  ベッドの横の椅子に座ったまま、
  眠ってしまってたんだ。

  だからそう、君が涙を流してしまっても
  きっと、気付けない。 ]



   あ、食べたんだね。
   美味しかった?


[ 私が起きたとき、
  君がもう一度寝てたりしないなら
  そうやって聞いてみたけれど。

  私は、ふたりぼっちの遠足で
  一緒にチョコボール食べたんだよ、とは
  この時は、言わないんだ。 ]**

  
(101) 2022/10/29(Sat) 1:04:36

【人】 惜別ハツナ


***


[ 私が君のもとに毎日行ってることは
  クラスメイトならみんな知ってた。
 
  それを良く思わない人たちが
  いつしか私への忠告をやめて
  ひそひそ、何かをしだしたことに
  私は気づく余裕もなくて。


  先生だって知っていたから、
  遠回しに学校に来るようにとか
  そんな伝言も頼まれたりはしたけれど
  学校にいけないから入院してるんじゃないですか?
  とか言って、先生を困らせたりもした。

  先生には先生の事情があるから
  仕方ないのも、わかってるんだけどね。 ]

  
(102) 2022/10/29(Sat) 1:05:39

【人】 惜別ハツナ



[ 行けない分届けてるから、文句ないでしょう?
  って先生を言いくるめてたから
  無くても大丈夫、って言われても
  簡単にやめるわけにもいかなかった。

  今要らなくても、後でいるかもしれないし。 ]


   私がやりたくてやってるから。
   それにね、今じゃなくても
   あとで必要になった時にないと困るでしょ?


[ そう言って、勉強しなくてもいいから
  受け取って欲しいな、って。
  私からは学校に行こうとかそんな話しなかった。
  ただ、勉強面で困っちゃいけないから
  ノートとかを渡しているだけで
  
……行きたくないなら無理することないよ。 ]


  
(103) 2022/10/29(Sat) 1:06:30

【人】 惜別ハツナ



   どんな人、か……。

            うーん……。


  
(104) 2022/10/29(Sat) 1:06:58

【人】 惜別ハツナ



[ 話題がノートの話から移って、
  私は困ったように眉下げて、言葉を濁す。

  君のことを誰より知ってるのは確かに私だね。

  でも、今聞かれてるのは学校での君。
  知ってるよ、
知ってるから言いたくない。 ]


  
(105) 2022/10/29(Sat) 1:07:52

【人】 惜別ハツナ



   …………。
ごめんね、言いたくない。


   でも、知りたいんだよね。
   だから、少しだけ、待ってもらえるかな。

  
(106) 2022/10/29(Sat) 1:08:55

【人】 惜別ハツナ



[ そう言って、鞄から取り出したのは
  いつも持ち歩いて、渡すのを迷っていた
  交換日記。
最後の1ページは破り取ったけど

  それ以外のページは今でも、読める。

  日記をぱらぱらとめくって、
  書いてない真っ白なページを開くと、
  私は、君の質問に文字で応えるために
  ベッドの横にある机を借りて
  答えを綴り始めるんだ。 ]

  
(107) 2022/10/29(Sat) 1:12:26

【置】 惜別ハツナ



   口では言いにくいことも
   文字なら……って。
   この交換日記は
   そんな風に私が提案して始めたんだよ。

   気が向いたら、このページ以外も
   読んでみて欲しいな。

  
(L2) 2022/10/29(Sat) 1:12:55
公開: 2022/10/29(Sat) 1:15:00

【置】 惜別ハツナ



[ この言葉通りに
  君がもし他のページも読んでくれたなら
  そこには、私の弱音だって
  書いてあったかもしれないね。 ]


  お父さんもお母さんもほとんど家にいない。
  料理は好きで上手くなったわけじゃない。
  上手くなるしか、なかったんだ。

  だから、心配してくれるの、君だけだよ。
  君と一緒にご飯食べられるの、嬉しいな。

  
ずっとひとりで食べてたんだもん。


  
(L3) 2022/10/29(Sat) 1:14:05
公開: 2022/10/29(Sat) 1:15:00

【置】 惜別ハツナ



[ 勿論、弱音だけじゃなくて。
  君への感謝や好意だって、たくさん。 ]

   
   大好きだよ、元親くん。
   ずっと、ずっと傍にいるよ。

   悩み事とかあったら、何だって聞くから
   いつでも、言ってね?


  
(L4) 2022/10/29(Sat) 1:16:39
公開: 2022/10/29(Sat) 1:20:00

【置】 惜別ハツナ



   君の質問に答えるね。>>98
   君は……
   隅の席でひとりでいることが多かったよ。

   授業中、何か考えごとしてることも多くて
   何考えてるの、って聞いてみたら
   被害妄想が止まらなくなるんだ、って
   返されちゃったな。

  
(L5) 2022/10/29(Sat) 1:17:32
公開: 2022/10/29(Sat) 1:20:00

【置】 惜別ハツナ



   私以外の周りからは……。
   あんまり、よく思われてなかったみたい。

   みんなが君に押し付けてたイメージは
   暗いとか、そんな感じ、かな。

   全然違うのに、酷いよね。
   
   これ以上知りたいって言われると… 
   むずかしい、かな。
   私が君に思うことと
   私以外の人が君に思うことは違い過ぎるから。

  
(L6) 2022/10/29(Sat) 1:18:00
公開: 2022/10/29(Sat) 1:20:00

【人】 惜別ハツナ



[ 君が知りたいであろうことを綴ると
  私は持っていた付箋をそのページに貼って
  ノートを閉じて君に渡した。
  付箋のページに
  君が知りたいことを書いたよ、って言いながらね。

  そして、今日はそろそろ帰らないと、って
  その場を後にするんだ。

  ほら、誰かに見られながらだと
  読みづらいかもしれないし。 ]**

  
(108) 2022/10/29(Sat) 1:19:06

【人】 惜別ハツナ



[ 君の質問に言葉を濁してしまったの、
  君にとっては良くなかったのかな。

  私は言いたくなかったんだ。
  君の悪口とか、勝手なイメージとか……。

  ハツナには相応しくないって
  言われてたこととかね。


  君の記憶は戻って欲しいけれど
  それは忘れていて欲しい、なんて。 ]

  
(109) 2022/10/29(Sat) 23:23:21

【人】 惜別ハツナ



[ クラスの中には君のことを良く思わない人たちが
  いるって、私は散々言われてきたから知ってる。

  私がいない所でも君が直接言われてたことは
  聞きそびれてしまったけれど、それでも。


  君のことを嫌いな人が
  クラスに居るんだってことは知っていた。
  
  知ってたけど、私には関係ないって、
  そう思ってたんだよ。

  
君のことを真に知ってるのは私だけでいいから。 ]


 
(110) 2022/10/29(Sat) 23:24:10

【人】 惜別ハツナ



   「朝日くん、怪我しちゃったんでしょ?
    怪我が早く治るように、って
    みんなで心を込めて
    千羽鶴を折ったんだ。

    ハツナちゃん、いつもお見舞いに行ってるし
    渡してきてくれないかな?

    ね、お願い。
    ハツナちゃんにしか頼めないんだ。」


  
(111) 2022/10/29(Sat) 23:24:35

【人】 惜別ハツナ



[ そんなことを言われて、
  紙袋に入った千羽鶴を
  クラスメイトに押し付けられたとき、
  私は微かな違和感を覚えてしまったんだ。

  そうやって声をかけてきたの、
  君のことを嫌いだって思ってる人だったから。


  でも、半ば押し付けられたそれを
  私は断ることも出来ず。

  ここ最近、ずっとうまく眠れてないから
  昼間は眠くて仕方ない。
  それが断れなかった原因かも。 ]


  
(112) 2022/10/29(Sat) 23:25:40

【人】 惜別ハツナ



  
[ この鶴……なんか、変だな。 ]


  
(113) 2022/10/29(Sat) 23:27:12

【人】 惜別ハツナ



[ 病院についてから、改めて鶴を眺めていると。
  普通の鶴と同じように俯く鶴に
  胸がざわついてしまったんだ。   ]

  
(114) 2022/10/29(Sat) 23:27:30

【人】 惜別ハツナ



[ 糸を通された鶴を一羽、手に取って
  中身を開いていく。

  
嫌な予感なんて、外れててほしかったのに。 ]


  
(115) 2022/10/29(Sat) 23:28:48

【人】 惜別ハツナ



[ 
「このまま学校には来るな」


  目に映った文字に、目の前が真っ赤になった。
  これを、私に、渡させるつもりだったなんて。


  怒りに任せて、何羽か鶴をもぎとって
  乱暴に開いていった。
  鶴のお腹には君への悪口が
  それぞれ違う悪口が、書き連ねられていた。


          
息が、苦しくなっていく。 ]


  
(116) 2022/10/29(Sat) 23:29:53

【人】 惜別ハツナ



[ これは君に見せちゃいけない。
  絶対に、見せちゃだめだ。

  
はやく、捨てないと………。 ]



         
[ 捨てなきゃ、いけないのに。

           ひらり、嘲笑うように
           千代紙が手から離れた。 ]


  
(117) 2022/10/29(Sat) 23:30:40

【人】 惜別ハツナ



[ 焦りと怒りと……
  見られたらどうしようって不安からか
  それとも、他のなにかのせいなのか。
  
  上手く息が出来なくなっていく。
  息を吸っても吸っても苦しい。  ]


  
(118) 2022/10/29(Sat) 23:31:20

【人】 惜別ハツナ



[ 悪意にあてられた私は
  開いた鶴を拾うことも出来ずに。
 
  よりにもよって
  君の病室の近くで倒れてしまうんだ。 ]


  
(119) 2022/10/29(Sat) 23:31:45

【人】 惜別ハツナ



[ 勿論、ここは病院だから。
  すぐにしかるべき手当はしてもらえたけれど。


  
君にはどこまで知られてしまったんだろう。 ]*


  
(120) 2022/10/29(Sat) 23:32:15