情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [メモ 匿名メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
【人】 部隊長 シュゼット[戦闘がはじまり砂煙が舞う中、 一番近くに落ちてきた蜘蛛のような敵へと、地を蹴る。 金属でできた足の一本が地面に降りるたび、 突き刺さった大地は、僕の胴よりも大きな穴が開く。 僕の方へ振り下ろされた脚を、横に飛んで避け。 すれ違いざまに脚が降ろされる地点へと、 腰に下げていた手榴弾を一つ投げた。 ―――ドォン!! ――――ドォン!!!! 僕の耳に、遠くの方から発砲音が聞こえてくる。 遠距離から狙撃された弾たちは、 僕の近くを掠め、蜘蛛型の細い足へ正確に着弾する。 一発一発は硬い金属を貫くまでの力はないが、 何発もが連続で当たったとなれば、話は別だ。 そうして、脚が弱ったところへ、 僕の手榴弾が奴の足元で破裂する。] (24) 2020/05/27(Wed) 22:34:12 |
【人】 部隊長 シュゼット 『 ―――、ギギ、ギギギギ…………!! 』 [蜘蛛型は金属の擦れるような音をあげながら、 欠けた足の箇所から、ぐらりと横へ傾いた。 ……そこへ、僕の部隊の優秀な槍使いであり投擲手でもある 今まで蜘蛛型を多く倒してきたパトリックが 大地に刺さった脚の一つを駆け上がっていく。 彼は、脚の関節の部分まで登りきると、一気に飛び上がる。 馬の黒い尻尾が、ふわりと揺れて。 「……ここ、だあ!!!」 パトリックは持っている槍を空中で大きく振りかぶり。 真っすぐに、蜘蛛の口の中へと投げ込んだ。] (25) 2020/05/27(Wed) 22:34:47 |
【人】 部隊長 シュゼット[口の奥の奥にある、コア。 幾重もの分厚い装甲に覆われて 外部からは傷ひとつ付けられなさそうなそこへ、 僅かに開いた蜘蛛の口からなら一直線にコアを狙えると。 過去、多くの負傷者を出しながら蜘蛛型を始めて倒した後の 研究班の解析結果を見て意見をしてくれたのは、彼だった。 今では、僕の隊があの型を倒すときは 必ずパトリックに任せることが暗黙の了解だ。] (26) 2020/05/27(Wed) 22:35:22 |
【人】 部隊長 シュゼット[―――ただ。 その間、彼は無防備になってしまうから。 それをサポートするのは、僕達の役目だった。] 右!"百足"が突進して来る!!! 推進力の脚を少しでも削ぎ落すか、 それが無理でも、進行方向を逸らすぞ!! 『はい!!隊長!!!』 [パトリックの方へ向かっている、巨大な百足型機獣。 こいつは遠距離攻撃をする手段は持たないが、 身体のそこかしこに巨大な回転鋸がついている。 百足とパトリックの間にあった、 過去の戦闘でも辛うじて壊れていなかった廃墟の壁が、 紙屑のようにばらばらと崩されていく。 装甲がとにかく硬い百足型を相手するためには、 何をするにもまず、相手の動きを止めてからだ。 相手の機動力を削らないまま下手に攻撃すると、 攻撃方向を自在に変えられる回転鋸の餌食になってしまう。] (27) 2020/05/27(Wed) 22:35:55 |
【人】 部隊長 シュゼット 脚を叩き斬るなら、僕の出番だ―――!! [僕の大剣なら、この敵の細かい脚も、 一振りで何本も潰して動かなくすることができる。 百足型の脚を斬り落とそうとする時。 鋸の一つを支えるアームが、僕の方を向いた。 それが、僕の方へと薙ぎ払われるのが見えたけれど。 僕は避ける動作をすることなく、剣を振るう。 ……そして。僕が剣を振るうのとほぼ同時に 城壁の方から放たれた砲弾が、僕の横を抜かしていって。 今しがた、僕を粉微塵にしようとしていた鋸の刃の向き先を、 ぐにゃりと。全く違う方向へと捻じ曲げた。 僕以外にも、僕の隊の皆や、第二攻撃部隊の兵達や、 遠距離攻撃部隊が、百足の脚を止めようと猛攻撃。 パトリックと動きを止めた蜘蛛型の所に到達する前に、 百足型はそのまま足を止められ、装甲を剥がれ、 機能停止まで追いやられたのだった。] (28) 2020/05/27(Wed) 22:36:33 |
【人】 部隊長 シュゼット[あちこちで起こる戦闘の音は段々と激しくなっていき、 あらゆる音が響く戦場にずっといると、 自分が今どのあたりで戦っているのかわからなくなってくる。 いつもは、穴の真下でしか戦わないのだけど。 あまりに多くの機獣が落ちてくるから、 僕も、状況に応じて、場所を変えながら戦っていた。 あるときは、仲間のサポートに回り。 またあるときは、率先して敵のコアを破壊しに動く。 持っていた武装の内、手榴弾は半数以上を使い切った。 仲間たちの目覚ましい連携のお陰もあって、 背中に背負っている対機獣弾はまだ使っていない。] (29) 2020/05/27(Wed) 22:36:53 |
【人】 部隊長 シュゼット …………っ!!!! [斬り落とした敵の機関銃が確り機能停止しているか 近くまで行って確かめていた僕は、顔を勢いよく上げた。 >>3:295機械獣の着地による地響きが 明らかに、外壁の方からする。 >>3:204戦いが始まる前に 僕は、ルークのいる場所をちゃんと確認していた。 外壁から穴の方へ向かう途中で振り返り。 外壁の上に居るルークを確認すれば、 手に持っていた大剣を大きく、彼女の方へと掲げた。 ……その時見たルークの姿を思い出して。 ぷる、と。耳が恐怖に震える。 外壁は駄目だ。あそこには、ルークが居る。 僕が、この戦いを無事終えて帰るのを、待っている。] (31) 2020/05/27(Wed) 22:38:51 |
【人】 部隊長 シュゼット[一人、唇を噛みしめて。 どうすればわからず、俯きかけた時だった。] 『…………隊長。』 [肩を叩かれ、我に返って振り向くと。 そこには、未だ強い戦意を瞳に宿したままの、 マリーベルの姿があった。 彼女は僕を真っすぐに見上げ、そして、言うのだ。] 『ここは、大丈夫です。 残りは。…いえ、また新しいのが来ても。 私たちが、倒しきってみせますから!! だから隊長は、外壁の方へ。 今隊長の力が必要なのは、誰が見てもあっちです!』 [……彼女は、決して強がりを言っているわけではない。 僕は、マリーベルのその強い瞳を見て、そう確信した。] ありがとう。マリーベル。 向こうは僕が、なんとかして見せるから。 こっちは、皆に任せたよ。 わかってる。大丈夫だ。 僕の部下たちは、これしきでやられる程弱くはない。 (33) 2020/05/27(Wed) 22:40:17 |
【人】 部隊長 シュゼット[強く。頷くと。 マリーベルの背中を数度叩き、すれ違いざまに言った。] ――――後で。生きて、会おう。 [背中の後ろで、第一戦闘部隊の子たちが、 敵の咆哮に負けないぐらいの雄たけびを上げて、 攻撃をしかけにいく音がするのを、兎耳は拾う。 僕はそれを聞きながら、仲間たちに貰った勇気を力に変えて。 両手で持った大剣を握りしめ、外壁の方へと―――駆ける。] (34) 2020/05/27(Wed) 22:40:29 |
【人】 部隊長 シュゼット[新しく降りてきた機獣達は、外壁の方を向いている。 今まで、穴の付近に居る者を攻撃してくるばかりだったのに こいつらは明らかに、基地を狙っている。 基地を攻撃すれば、この世界の戦力に大打撃を与えられると そう計算されての行動なのだろうか。 わからない。わからないが――― 今は、そんなことを考えている暇などなかった。 大地を蹴る兎の脚は、さらに強く、早く。 三体のうちの一体に追いつければ、 脚を大きく大剣で切りつける。] ……くそっ……硬い……!! [渾身の力で振り下ろしたはずなのに、 表面が少しひしゃげた程度で、舌打ちをする。 外壁の方から、砲撃の合図の声が聞こえて。 僕はひとまず彼らに任せようと、更に先へとかけていった。] (36) 2020/05/27(Wed) 22:41:54 |
【人】 部隊長 シュゼット[外壁に一番近い場所にいた機獣は、 昆虫のような見た目をしていた。 カマキリのような外見で、でも普通のそれと違うのは 身体も腕も細くなく分厚く太い金属でできていることだ。 そいつの首がぐるりとこちらを向いて、 複眼のような目が赤く光った。 脚の一部が盛り上がり、何本もの金属の矢が放たれる。 僕の方へと飛んでくる矢の多くは避け、大剣で払い。 数本は、体を掠めて。 腕や、腹部から、赤い血が流れる。 (大丈夫。まだ、放っておいてもなんとかなる傷だ。 痛みも、駄目じゃない、程度の痛みだ。) ……僕は、食らった傷の程度を痛みの度合いで判断し。 痛みはいつも通りやり過ごしながら、脚は止めない。] (37) 2020/05/27(Wed) 22:42:15 |
【人】 部隊長 シュゼット[駆ける。駆ける――― 機獣が近くに現れて兵が引き、無人となった 前方にある高台に向かって。 ] [小さな高台の、屋根の上へと昇る。 前には昆虫型。後ろを振り返れば外壁だ。 振り返った頭は、上を向く。 ルークは、まだ上に居るだろうか。 ここからでは見えないけれど、でも。 昆虫型の方へと向き直り、僕は、覚悟を決めた。 ……ルークが逃げ始めてたとしても、これが近道だ。 すぐ彼女の所に行くには、これしかない。] (38) 2020/05/27(Wed) 22:43:42 |
【人】 部隊長 シュゼット ……研究班達の新作、試すときがきたな。 [背中から、金属でできた大筒を降ろした。 弾は何発込められていただろうか、と確認して。 発射を押さえるトリガーのロックを解除する。 昆虫型は此方へ攻撃の狙いを定めている最中らしく 大剣を背中に背負う隙はなんとか残っていた。 僕は、大剣の代わりに大筒を構えて。 昆虫型に向かって、高台から高く、跳躍する。] 『―――キキキ、キキキキキッ!!!』 [金属の擦れるような咆哮。 昆虫型の体の至るところから、 さっき僕を狙って来た、金属の槍が何十本も放たれる。 ―――視界を、金属の槍が埋め尽くした瞬間だ。 僕は、大筒を下の方……"機獣の下腹部あたり"へと構え。 躊躇いなく、引き金を一気に引いた。] (39) 2020/05/27(Wed) 22:44:03 |
【人】 部隊長 シュゼット ドォ……ン――――!!!!!!! [対機獣砲が放たれる、とてつもない爆発音が。 外壁近くの、昆虫型付近で響き渡る。 音だけではない。爆発と。爆風とが周囲に広がった。 そして、赤い兎は背に大剣を背負い、大筒を持ったまま。 反動で、機獣とは真逆の咆哮へと吹き飛ばされる。] (40) 2020/05/27(Wed) 22:45:47 |
【人】 部隊長 シュゼット[―――外壁の上には、防衛部隊が展開していた。 遠距離攻撃のための銃や手榴弾を構え、 近づく怪物へ、次々に攻撃を行っていた。 ……おかしい、と思った。 最初は、この場所に兵はいなかったはずだ。 砲台があるのはこの場所より少し下か、離れたところか。 よく見れば、まだ配置について時間が経っていないらしく、 部隊長が、作戦の変更について指示をしているのが見える。] ……そうか。ルークが…!! [>>50ルークが、皆に伝達してくれたのだろう。 彼女はずっとここで戦況を見てくれていたはずだから。 この状況だ。 ルークが何処に行ったか、戦っている兵達に聞くのは難しい。 それに、ただでさえ、僕が戦線から離れているのだ。 今頑張ってくれている彼らの攻撃の手を 緩めさせるようなことはしたくなくて。 この場にルークが居ないのを確認すると、 僕はすぐに、下へ続く階段へと向かう。 速く、速くと駆け降りる足は、2・3段飛ばし。] (100) 2020/05/28(Thu) 21:29:52 |
【人】 部隊長 シュゼット[基地内部は、大変な事態だった。 各地から伝えられる戦況を整理して伝達する者が居たり、 急に負傷者が乗せられた担架が通っていったり、 追加の武装や弾薬を各部隊に運ぶ者が居たり。 ここまで目まぐるしく人や物や情報が行き来するのは 幾度とない襲撃の中でも、今までにないことだった。 あちこちでわたわたと忙しなくしているペンギン達が見え。 僕は咄嗟に、近くに居たペンギンを捕まえ、聞いた。] きみ!! ルークを見なかったか!? 医務室の軍医で、黒いフードを被っていて。 ペンギンと一緒に居る、女性だ! [仕事に追われるペンギンは処理能力がパンク寸前。 つい、慌てるあまり早口でまくし立てた僕を見て、 頭を抱えて、首を捻る、捻る。 僕が色んな特徴を上げていくと、 最後に、"ペンギンと一緒に居る"というところで 頭の上で豆電球が輝いたような顔をして、 きゅいきゅい!!と、指さす。] (102) 2020/05/28(Thu) 21:31:11 |
【人】 部隊長 シュゼット[どうやら、あっち!と言いたいらしい。 ぶんぶんと首を縦に振って、必死に方向を指し示してくれる その子の頭をもふりともふってやれば。] 東棟の方だな。……ありがとう!! [礼を一言。僕はすぐに踵を返して。 ペンギンが教えてくれた東棟の方へと駆けだす。 僕は、腕やら腹やら頬やら脚やら、 色んなところから血を滲ませていたから。 ペンギンは、何か言いたげに、僕を見たけれど。 駆けだした僕を見て、すぐに、びしっと敬礼をしてくれる。 (―――ルークに見られたら、怒られるんだろうなあ。 怪我の手当もしないで駆けまわって、って。) 昆虫型の攻撃でぱっくりと切れた頬から 流れ出ているままの傷口に走りながら袖口を押し当て。 走っている最中も、考えるのは彼女のことばかりだった。] (103) 2020/05/28(Thu) 21:32:12 |
【人】 部隊長 シュゼット[兎耳を大きくなびかせながら、真っすぐ全力で走る。 >>85ルークが、僕を呼ぶ声がする。 一番、聞きたかった声だ。 僕が彼女を探し始めてからずっと、 聞きたくてたまらなかった、彼女の、] ―――、ルクレース!!!!!!!!!! [ルーク、と言いかけた口はそのまま、 彼女の本名の形をなぞって、叫ぶ。 蛇の口の方を見た時、ぞくりと全身を悪寒が駆け抜けた。 ルークの元まで近づいていたんじゃ、間に合わない。 それに、>>83あの攻撃は……"まずい"。 もしかしたら彼女はただの砲撃と思っているかもしれないが、 次に放たれるものは、違う。僕には、わかる。 口の中で、徐々に光が集まって行っている。 集まる光は赤から、白に変わっていく。 僕は、それをみてわかってしまったんだ。 あの蛇型には、普通の砲撃を撃つのとは別に、 『僕の義手砲に匹敵する武装』が積まれていることを!!] (106) 2020/05/28(Thu) 21:35:09 |
【人】 部隊長 シュゼット[生命エネルギーを代償に撃つ義手砲を機獣が撃とうとすれば 機械の体を動かすためのエネルギーは消費しつくされ、 コアごと自壊してしまうだろう。 貴重な兵力を壊していいのか? ……いや。これがここに居るならば。 おそらく、全ては敵の承知の上だ。 地上の奴らの目的が、基地にあるなら。 基地を破壊することが目的だと言うなら、 何もおかしくはない。寧ろ、極めて合理的だ。 全力で放つ光の一撃は……基地の機能を一瞬で停止させる程の 壊滅的な損害を産むだろうから。] (107) 2020/05/28(Thu) 21:40:08 |
【人】 部隊長 シュゼット[躊躇う暇なんて、なかった。 もし、こうなったときはと覚悟をしていた。 こうなったら、躊躇なく。全力で。一撃を放つと。 持っていた対機獣砲を投げ捨てる。 そしてそのまま。 右腕を前へと突き出して―――] (108) 2020/05/28(Thu) 21:40:16 |
【人】 部隊長 シュゼット ルーク!!!伏せろ!!!!! [そう叫んだ直後に。 光が、僕の右腕に集まっていく。 絶対にルークだけは傷つけないように。 でも、相手は絶対に、壊して、動けなくするように。 今まで撃ってきた中でも一番の"殺意"を込められた一撃は 膨れ上がり、破裂して。 蛇型の口から、その奥にある砲撃の機械から、コアまでを。 相手の一撃よりも早く、光の線で貫くだろう。] (111) 2020/05/28(Thu) 21:43:15 |
【人】 部隊長 シュゼット[―――後ろに吹き飛び、倒れる途中で思い出すのは、 今日ルークへ渡すタブレットに書こうとして 思いとどまって全て消してしまった、 彼女に話していない夢の話だった。 ] (112) 2020/05/28(Thu) 21:45:07 |
【人】 部隊長 シュゼット[大きく後ろに吹き飛び、べしゃりと床に叩きつけられる。 数度。床に激突しながらも。兎は後ろに吹っ飛んで。 そして。……義手の一撃の反動が収まったころ。 ルークが居た場所から遠く離れた場所に、僕は倒れていただろう。 傍目ではぴくりとも動く様子はない。]* (114) 2020/05/28(Thu) 21:54:02 |
【人】 部隊長 シュゼット[―――とぷん、と。 深くて暗い、水の底へと沈む。 身体は鉛のように動かなくて 頭から真っ逆さまに、落ちてゆく。 ここはどこだろう。 地底湖のどこかだろうか。 (……地底湖?それは……何だろう ) あたりできらきらと、泡立つ輝きがあって その泡たちは、僕とは真逆。上の方へと上がってゆく。 泡はどこから発生してるのかと思ったとき。 ぽこ、と。僕の腕のあたりからまた一つ、泡が出る。 泡の出どころ……右腕を見やって、首を傾げ。 登っていくそれに手を伸ばし―――指先が。触れた。 その瞬間、僕の右腕全体から、吹きあがるように。 幾つもの泡が、現れては上へ、僕の体から離れてゆく。 そんな中――― 泡が立ち上る僕の水中に揺らめき、映ったのは 黒いフードを被った誰かの、顔だった。 ] (159) 2020/05/29(Fri) 2:34:12 |
【人】 部隊長 シュゼット["他の人"とは違って、 この人だけは、僕を僕として見てくれた。 僕の体調をいつも気遣ってくれて、心配してくれて。 誰よりも、僕のことをみていてくれた。 ( 他の人って…………誰だっけ ) ローブを脱いだところに現れた白い耳と、尻尾。 感情が薄そうな表情とは真逆に、 耳を撫でると尻尾が嬉しそうに揺れるのを見るのが "僕"は、とても心地よく、満たされる気持ちになった。 ( 僕は……誰だろう ) >>130この人はとても悲しそうな顔で、 僕を止めようとしてくれた。 ( なんで、そんなに必死になってくれたのだろう ) その時僕は―――辺りが光に埋め尽くされる中で。 何か、思った気がする。 ( 間に合ったことが嬉しかったのか、 ]こんな悲しい顔をさせてしまったのが悲しかったのか 僕には何も……わからない ) (160) 2020/05/29(Fri) 2:35:20 |
【人】 部隊長 シュゼット[浮かんでは消える泡の一つ一つは、 他にも色んな人の顔が浮かんでたりしたのだけれど。 どうしても、黒衣の人の姿を目で追ってしまう。] [あぁ。僕の記憶にこれほど強く残る、 この人は一体―――誰なのだろう。 ] (163) 2020/05/29(Fri) 2:35:59 |
【人】 部隊長 シュゼット[そのまま僕は、暗い水の底まで落ちていった。 柔らかな砂でできた水底は、僕を優しく受け入れる。 あの人の正体が知りたいと思っても、 この何もない真っ暗闇には、僕一人。 身体は冷たく、重く、動けない僕に 何ができるというのだろうか。 瞼が重くなってきて、抗えずにゆっくりと閉じてゆく。 大事なものが、あるはずだった。 手放してはいけないかけがえのない記憶が 両腕で抱えきれないほど多く、僕の中には積もっていた。 けれど。今、ここには何もない。 抱えるも何も……もう、なにも……] (164) 2020/05/29(Fri) 2:36:23 |
【人】 部隊長 シュゼット[そのまま、僕は深い眠りに着こうとしていた。 このまま寝てしまったら、"僕"は、 二度と冷めない眠りの中へと沈んでいくだろうと そう思いながらも抗えず、眠りの底へ落ちるところだった。 …………意識を完全に手放す、その時に。 寒く冷たい、温度などないはずのこの世界に。 >>140一つの温度が、確かに灯った。] ……、……? [目だけを動かして、左手の方を見た。 さっきまでここは本当に真っ暗で、 僕の体の輪郭すらはっきり見えなかったのが。 今は、僕の左手の周りだけ、ぼんやりと明るく輝いていた。 左手を包むのは、とても暖かいとは言えないけれど。 懐かしい温度だった。 ―――もう、何も覚えていないはずだったのに >>3:69"約束を守ってくれた"と……強く、思った。] (165) 2020/05/29(Fri) 2:36:46 |
【人】 部隊長 シュゼット[その時だった。] 『忘れちゃ、駄目だ。』 [水面の方へ上がっていったはずの泡が、戻ってくる。 僕の目の前に集まり、泡立つと。 その泡は、誰かの姿を形どった。 僕を上から見下ろすのは、 赤くて長い耳を垂らした、 耳より長い髪を持つ、男の人だ。] (166) 2020/05/29(Fri) 2:37:37 |
【人】 部隊長 シュゼット 『大丈夫。僕は、覚えていられる。 僕が前に義手砲を使って記憶喪失になった原因は、 ただ単に、代償が大きすぎた―――だけじゃ、ない。 単純な話だ。 ひとつだけ、覚えていられたものがあっただろう。 僕の大事な、憧れの名前。目指す姿。 あの時は、大事なものはそれしかなかった。 逆に、他の記憶は全て、忘れてしまいたかったんだ。 もっと早く、命令に疑問を持つことが出来たなら。 指示された場所以外も、人が居そうだと思った場所を 自由に、旅することができたなら。 ……そう。名前以外の記憶は思い出したくもなかった。 だから。忘れてしまったんだ。 今は、あの時よりももっと、ずっと。 僕には大事な記憶が増えた。 ほら、ルークも言ってたでしょ。 「最初の記憶が戻ったからといって、 今の記憶が泡のように消えてなくなってしまうなんて 絶対に、思うものか。」>>3:68 』 (167) 2020/05/29(Fri) 2:39:50 |
【人】 部隊長 シュゼット[その人は静かに、僕に言い聞かせるように語る。 ……目の前の僕は、かつての僕だ。 僕が思い出した、僕の、義手砲を撃った直後の 記憶を無くす、本当にその瞬間に思ったこと。 それを思い出して。ぐ、と、熱い物が込み上げる。 僕は水の中に居る筈なのに、 じわりと涙が目の端に滲んで、流れていく気がした。 動かなかったはずの左手が、 与えられた温度を纏って、上へと延びる。 左手が、目の前の姿に触れたなら。 "僕の姿をした彼"は、一瞬で大量の泡へと姿を変えて。 その泡は全て、僕の体に纏わりつく。] (168) 2020/05/29(Fri) 2:41:20 |
【人】 部隊長 シュゼット[瞼が、震える。] ………… [ルークが唇を離した直後に。 目と鼻の先の距離で、僕の瞼は開くだろう。 瞳と瞳が合ったなら。 左手は、彼女の手を弱く握り返し。 耳は震え、顔は頬に添えられた手の温度に擦り寄った。 そうして。おはようでもなく。 心配かけてごめんでもない。 僕は僕の言葉で、ルークに言うんだ。] (172) 2020/05/29(Fri) 2:45:44 |
シュゼットは、/*(。・x・)見られてた! (a0) 2020/05/29(Fri) 3:06:19 |
【人】 部隊長 シュゼット[>>-179彼女のぬくもりが、柔らかく振ってくる。 気を失っている間に、僕も涙を流していたらしい。 彼女の頬を伝った水滴は僕へと振ってきて、 僕の流したそれと混ざり合って一つになった。 >>-180見上げた位置にある彼女の顔は、ぼろぼろだ。 止まらない様子の涙を拭ってあげたくても、 傷だらけの体を手当てし、労わってあげたくても、 僕の体は、さっき少し頭を浮かせたのが限界で、 これ以上動かせそうになかった。] ……僕は、酷い奴かもしれない。 ルークがこんなに、痛そうで、 また、僕が君を、泣かせてしまっているのに。 [いつもなら、手当しないとって、 心配でたまらなくなるところだっていうのに。] 今、僕はこんなに嬉しくて……いいんだろうか。 [自然と零れたのは、そんな言葉だった。 今、僕の胸を満たすのは。 二人とも無事で良かったという喜び。 こうして、僕は僕のまま、全てを失わずに、 ルークと共に居られることへの、幸せだ。] (266) 2020/05/30(Sat) 16:01:11 |
【人】 部隊長 シュゼット[義手を含めて持ち上げるのは厳しいと思うけど 身体の向きを変えるぐらいなら、彼女にも可能だろう。 あちこちに負荷がかかっているのを感じていたので >>198楽な体制にして貰えて、ほっと一息。 胸に耳を押し当てて、僕の無事を実感しているような そんな仕草が可愛くてしょうがないのに、 >>200揺れる尻尾が感情をよく伝えてくれてるのに、 全く動けないのがもどかしいったらない。] 折角無事で会えたのに、酷いや。 [顔を隠してしまったルークに、くすくすと笑う。 そんな、尻尾がとてもよく見えてたし、 顔を僕の胸に埋めてるということはつまり、 僕の耳が鼓動の音を拾うのも容易な距離であって。 僕の心臓の音だってそりゃあ早くなってただろうけど 満身創痍で、体力も使い果たしているからか、 目が覚めた直後のことはそれほど気にならなかった。 (―――これ、僕も後で、穴に入りたくなるほど 恥ずかしく思うのかもしれないなぁ。) そうは思いつつも、見ないという選択肢はなく。 視界の下の方で揺れ続ける真っ白い尻尾を 僕はじっと眺めていた。] (267) 2020/05/30(Sat) 16:02:48 |
【人】 部隊長 シュゼット[……まあ、でも。ずっと黙ってるのもと思ったし 指摘された彼女の反応も見たくって。 動けないまま、笑いながら言ってあげる。] あのね。ルーク。 顔を隠してるところ、悪いんだけど。 ……尻尾。凄い、嬉しそう。 [僕に意地悪したくなるルークの気持ちが なんだかようやく、わかった気がする。] (268) 2020/05/30(Sat) 16:03:12 |
【人】 部隊長 シュゼット[戦場となっている外からは、 まだ戦いの音が聞こえていたけれど。 戦況は悪くはなっていないようだった。 一応、襟元に無線はついているが、僕のは近距離用だ。 第一攻撃部隊達の通信はここでは拾うことが出来ず、 心配ではあったから…… 外の機獣の攻撃音が少なくなってきてるのを兎耳が拾えば 窓の方を見上げて、安堵した。] ほんとは、僕が。 ルークを医務室まで運んで、って できればよかったんだけど 動けそうになくて……こればかりは、ごめん。 [>>201的確に、ペンギンに指示を出すルーク。 救急キットも、義足も到着したとして ここから医務室へ、僕はどうやって運ばれるのだろう。 そのときは、ルークは運ぶ役にはならないで 白い尻尾を揺らしながら医務室へと先導して歩き。 その後ろを大勢のペンギン達が担架替わりになり、 ペンギンの上に担がれて運ばれる ……なんていうのを想像してしまって。 もしそうなったらこれから暫くは、僕もルークも 部隊の子達からネタにされそうだなあなんて思い。 少し、笑う。] (269) 2020/05/30(Sat) 16:06:15 |
【人】 部隊長 シュゼット[……段々と、瞼が重くなってくる。 さっきまでいた、水底での深い眠りではなく。 また起きたら僕は僕のまま目覚めることが出来る、 普通で、それが僕にとっては大切な、眠りだ。 ―――さっき目覚めてからは、もう。 ここ最近ずっと僕に付きまとっていた、 起床後の頭痛はさっぱり無くなっていた。 だから、今度も大丈夫。 もう、妙な夢も見ないし頭痛もしないだろう。 そんな確信からくる安心でうとうととしていれば。 頭が持ち上げられ、柔らかくて温かなものが差し込まれる。] 綿菓子みたいにふわふわで、あったかい。 ……すぐ、寝ちゃいそうだ。 [頭を包み込む柔らかさは酷く心地よい。 ほんとは、もう少しルークと話していたかった。 でも、もう体力は限界のようだったし、 久々の、記憶の夢を見ない眠りへの誘いが ルークの尻尾枕だというのは、とても嬉しかったから。 このまま寝てしまえたらさぞ気持ちいいだろうと。 そう思いながらも……寝落ちる際に、最後。 尻尾枕をしてくれる前に話してくれたこと。 その時は、僕は頷いて聞くだけだったけれど。 少し、僕からも話しておきたくて。>>203] (271) 2020/05/30(Sat) 16:12:00 |
【人】 部隊長 シュゼット 僕は……正直、駄目だと思った。 でも。深い水の中……夢のような場所で 僕が全てを忘れそうになった時に ルークの手の温度が、伝わって来たんだ。 君が、僕に話しかけてくれた全てが、 ……ううん。今だけじゃない。 これまでに、言ってくれた、してくれた全てが 僕を、今この場所に引き戻してくれた。 今。一緒にいられるのが。 僕も、幸せなんだ。 だから、これからも―――僕と、一緒に。 [一緒に居て欲しいと。 口はそう言いかけた形のまま、 ふわふわの枕に抗えず、僕は眠りへと落ちた。 寝顔は夢やこれからへの不安などなく、安らかに。] (272) 2020/05/30(Sat) 16:12:45 |
【人】 部隊長 シュゼット― 医務室 ― [僕が次に目を覚ましたのは医務室だった。 ……とはいえ、ここはいつもの医務室ではない。 今回の一斉攻撃を乗り切れたのは喜ばしいが、 この戦いはいつも以上の負傷者を産んだ。 基地の医務室一つでは賄えず、 空き部屋に簡易ベッドを追加でこしらえて、 臨時の医務室を何部屋も作ったようで。 今、僕は、そのうちの一つに入れられている。 ……と。いう説明を、そこにいた軍医に聞いた。が。 目覚めてから僕はもうそれどころではない。 話される内容なんて、全然頭に入らなくて。 ある程度体が動くようになっているのをいいことに 軍医が僕のベッドから離れた瞬間、 ばふんっ!と、布団を頭から被って丸まった。] (273) 2020/05/30(Sat) 16:13:24 |
【人】 部隊長 シュゼット (――――ッ!!! ぼ、ぼ、僕は、なんてことを…!! えっ、夢じゃない?夢じゃないよな?? だって、ルークと、その、あんな、 いやいや、嫌なんてこと全くなくて、 嬉しいんだけど!!!!! そうなれたらいいなって! 思ってたりも、したけど!!! で、でも!!心の準備が!!!! ) (274) 2020/05/30(Sat) 16:13:48 |
【人】 部隊長 シュゼット[起きた瞬間から、ルークを助けてから、 彼女の尻尾を枕にして寝てしまうまでのことを 何回も何回も思い出してしまって。 触れあった唇の感触とか! 想いが通じ合ったのはいいけど、 あんなストレートな言葉で言ってしまったとか! 髪や尻尾だけじゃなく、顔を真っ赤っかにした兎は 顔を隠すので必死だったらしく。 ……布団で隠せているのは、 まるまった兎の、おなかから上の部分だけ。 ベッドの下の方から見ればズボンも靴下も丸見えで。 丸くて赤い尻尾がふわふわと見えて、揺れていた。]* (275) 2020/05/30(Sat) 16:15:03 |
【人】 部隊長 シュゼット[―――僕が、布団の中で丸まってる間。 僕と同じように負傷して手当を受けている兵士たちの 話し声が、ベッド同士をカーテンで仕切った、 僕の隣のベッドの方から聞こえてくる。 第一攻撃隊の隊長が、基地内部に侵入した蛇型を 義手の光線の一撃で仕留めたことを 人伝いの噂で聞いて、興奮気味に語る声がする。 >>284僕が医務室に運ばれて来た状況は噂になっていて ペンギン達を手懐けることがピンチを打開する秘訣だとか あのペンギン型端末達と仲良くなるためには、 彼らが喜ぶ甘いお菓子を献上しなければならないだとか。 ペンギンと仲良くなる方法を一番よく知っているのは 軍医の、あの"葬儀屋"なのだとか。 ] (やっぱりペンギンに僕は運ばれたのか……) [基地内のペンギンの扱いが良くなりそうなのは 喜ばしい事態ではあるのだけども。 これは後で、僕の部隊の子達に捕まった暁には、 相当な質問攻めにあうことになるかもしれない。 色々覚悟しておかないと、と。内心ため息。 葬儀屋とまだ呼び続ける声には文句も返したくなったが 葬儀屋の治療は思っていたより悪くなかった、 と、話が続いて。今は許すことにした。] (297) 2020/05/31(Sun) 2:52:31 |
【人】 部隊長 シュゼット[やってきた機獣の全てを倒せたのは本当らしく、 死傷者ゼロ……とはいかなかったが、 僕の部隊の兵士含め、被害は最小限に抑えられたらしい。 そのことに安心したのもつかの間。 >>252もうひとつ、噂が聞こえてきて 布団の中に埋もれた耳がぴくりと動く。] (……"交渉"か。 総司令も流石に、防戦一方のままでいいとは 考えることはない……か。) [>>251機密として扱われている話もまだあるようで 地下世界の住民たちが元々地上世界の人によって 作られた存在であることまでは、 この医務室では聞こえてこなかった。 ……でも。 この世界に来る前のいくつかの記憶は 本当に忘れてしまったまま思い出せてないけれど。 地上の人達の目的と。 地下世界の、耳と尻尾を持つ種族については 少しだけ、話を聞いたことがあった。] (298) 2020/05/31(Sun) 2:53:55 |
【人】 部隊長 シュゼット[もう住めなくなってしまった地上世界の代わりに、 地上の人達は、地下へと進出することを決めたらしい。 広大な地下空洞は、人が移り住める程には広く、 地下でしか育たない植物や動物なども既に生息していた。 しかし、大気の状態や、日光がない環境から。 地上の人達が適応できる環境ではなかった。 ……そこで。 環境の変化に強く生きられるような種族を、 かつて、地上に多く生息していた動物達をモデルに、 自分たちの遺伝子を掛け合わせて、作ったのだという。 大地の開拓は彼らが作った生物たちに任せて。 地下の空気の浄化と状況の観測は、 僕たちが『太陽』と呼ぶ、地下天井に浮かんでいる 太陽光の役目を持つ機器が行った。 それは、地上程の空間の浄化は行えないが、 地上よりも空気の量が少ない地下なら時間をかければ 地上の人間が住めるぐらいまで大気の状態を変えられるような 機能が備わっていた。] (299) 2020/05/31(Sun) 3:02:13 |
【人】 部隊長 シュゼット[自分たちが住むのに良い環境になったから 最初に地下に放った生物達は用済みになった。 だが、組み込んでおいた、ナノマシンは不発に終わる。 ……そこで、作られたのが僕だった。 地下への攻撃の際まで使える状況だったなら 攻撃にも参加できるよう戦闘力を高く持たせた、最新型。 でも、戦闘能力以外の、環境適応力などは、 地下世界の生物達と同じに作ったらしい。 ……まず、僕には。 そのナノマシンの投与と、作用実験が行われた。 ―――結果は、今の状況を見てわかる通りだ。 地上の人類によって作られた僕達新人類は、 製作者たちが思っていたよりも、丈夫だった。 僕には、ナノマシンを含めた、 毒のようなものは一切効かなかった。 これは地上人のだれも予測できなかった事態だったようで 地下世界を攻撃するのに反対の人達も居たらしく、 もう少し世界を調査するべきだという意見に押され。 とりあえず、今後の方針が固まるまでの短い間。 どんなに汚染された環境でも生きられる僕が 世界の各地点を調査することになったんだ。 あらゆる場所を見ることが出来たわけじゃなかったから もう少し調べられたならという後悔が……今はある。] (300) 2020/05/31(Sun) 3:05:33 |
【人】 部隊長 シュゼット[後悔と言えば、僕が作った人達が言っていた、 地下の人達は言葉も通じない"敵"だと、 そっちにもっと疑問を持てたなら…… もっと、地下と地上の状況は変わったのだろうか。] (301) 2020/05/31(Sun) 3:05:49 |
【人】 部隊長 シュゼット[『岩盤の上の世界も一枚岩ではない』のは確かだ。>>252 それならば。交渉に向いているのは、 上の世界も下の世界も知っている、僕が良いんじゃないか? 僕は交渉事なんて向いてないと思っているし、 緊張と不安でまた穴に潜りたくなっちゃうと思うけど。 でも…………] ……ひゃあっ! [僕は考え事に集中していて、 近づいてくる気配に全く気付いていなかった。 >>287もぞもぞと足元から這い上がってくる感触が 足から背中までをぞわりとかけ上がってきて、 裏返ったような声が出る。 なんだなんだと顔のあたりにひっついてきた もふもふの何かの方を見てみれば。 それはもう嬉しそうな眼差しで、 僕の方を見るペンギンと目が合って。 ぱち、と。瞬き。 ―――その瞬間。 ルークの声がして、一気に布団が剥がされた。] (302) 2020/05/31(Sun) 3:06:48 |
【人】 部隊長 シュゼット[折角落ち着いてきたって言うのに、 ルークの顔がこんなに近くにあるんだ。 また一気に顔が赤くなるのも当然というもの。] わぁっ!!! る、る、ルーク…!!! あー、ええっと、体は、 例によって、右腕がまた動かないけど、 この感じ、いつもと同じだから大丈夫……! 抵抗は、し、しないけど、 その、苦いのは…… [何を聞きたがってるのかはすぐわかってしまい、 ううう、と小さく唸って。しどろもどろ。 ちらちらとルークを見ても、見逃して貰える筈も無い。 よく見ると、ルークも少し顔が赤い気がする。 言わないのも彼女に悪い気もしたし。 ……言っておかないとな、と。 僕も思ってはいた。から。 ] (303) 2020/05/31(Sun) 3:09:51 |
【人】 部隊長 シュゼット あー、えっと、 ……もう少し、屈んでくれれば……言う、よ。 [ごにょごにょと、そうお願いすれば。 ルークは少し頭の位置を下げてくれるだろうか。 彼女の耳がよく見えるようになったなら。 (もしフードを被っていたら、優しく外して) ふわふわのそれを、左手で撫で。 まだ赤みを残した顔のまま、 真っ白な耳毛に唇が触れるほど近づいて、言うんだ。] (304) 2020/05/31(Sun) 3:10:32 |
【人】 部隊長 シュゼット[ルークとの会話が落ち着いた頃に。 さっき聞いた噂が気になって、彼女に聞くだろう。] そういえば……総司令が、 地上との"交渉"役を、基地の人員から選ぶ、って そんな噂を聞いたけど……本当? [隣のベッドの方を見て、兎耳を揺らして首を傾げ。 言ってしまおうかどうか、どうしようと。 悩みながら、お腹のあたりに居るままのペンギンを もふもふと撫でる。] もし本当なら…………そうだ。 ……ルーク。タブレット、見てくれた? [そういえば、戦いの前に、 地上に行くことを考えているという相談を書いて、 タブレットを渡していたことを思い出す。 >>288さっきまで近くにいるルークのことばかりで、 心臓はどきどきしっぱなしで他のことには気が回らず。 枕元にタブレットが置いてあることも、 僕はまだ気づいていない。 まさか、もう、とっくに読み終えられていて。 返事まで書かれている物がここにあるなんて。 あの戦闘から数日経っていることもまだ知らない僕は、 予想もしちゃいなかった。]** (305) 2020/05/31(Sun) 3:14:01 |
【人】 部隊長 シュゼット[―――さて。話が"地上との交渉"に及べば、 ベッドに上体を起こした体制のまま、 少し背筋を伸ばして、真剣に聞く。 ……しかし、その間も。 僕の布団とお腹に挟まった位置に居座ったペンギンは いつの間にやら装備させてもらったのやら、 身に着けたポシェットからとりだしたお菓子を 僕に、おやつを渡そうと、きらきらした目で渡してくる。 結局この子のつぶらな瞳に耐え切れず、根負けして。 おやつを食べながら話を聞くことになっただろう。 (おやつには誰が入れたのか苺味の飴も入っていて それを見つけた僕は久しぶりの好物に、 ペンギンに負けないぐらい、目を輝かせてしまった)] (354) 2020/05/31(Sun) 20:27:48 |
【人】 部隊長 シュゼット[>>335ルークからの答えは予想通りだったけど こうして言葉にされると現実味を帯びてくる。 でも、と。眉を下げる。] 地上に誰かを送り込む、と聞いているけど、 ……どうやって? [大きな問題は、地上へ行く方法だった。 指令室ではもうその話にもなっているのだろうか。 ルークもそこまで知っているかはわからないけれど どうしてもそれが疑問で、口に出してしまった。 >>336そうしていると、ルークから手渡されるものがある。] これは……あぁ。壊れなかったんだ。 なんだか、そんなに時間は経ってないのに 懐かしいな。 [開けてもいいか、と。そんな意を込めて >>337ルークを見れば、開けるよう促される。 しかし当の僕はというと、 うげぇ、と顔を歪ませて枕の方へ後ずさり。 ……そのまま、すぐに開ける運びとならなかったのは、 あまりに嫌いすぎてタブレットのパスワードにしてしまった 僕がいつも戦闘後に飲まされている、最高に良く効く栄養剤 AME015が……目の前にあったからだ。] (355) 2020/05/31(Sun) 20:29:21 |
【人】 部隊長 シュゼット う。……そんな、なんでもないように……。 し、しかも、水なしで……!? わかっ、た。飲みながら、読む……! [本当はなるべく飲みたくない苦い薬だけど 早く体力を戻さないとという意見ももっともだ。 それに、ルークも飲んだんだ、僕も覚悟を決めないと。 耳はぷるぷると震えながら顔の方向に巻きあがる。 薬と水を受け取ると、それを一気に飲み込んだ。 飲んだ瞬間、久しぶりの薬の苦みが僕を襲ってきて、 きゅっと瞑った目尻に、じわりと涙が浮かぶ。 今僕の顔は大体、(>x<)こんな感じだろう。] (356) 2020/05/31(Sun) 20:29:51 |
【人】 部隊長 シュゼット[ペンギンが、薬を飲んだ僕の袖をぐいぐい引っ張る。 今僕は苦さに耐えていてそれどころじゃないんだ。 それを伝えるため、目を薄く開けると、 漂ってくるのは甘い香り。 その子が僕へと差し出しているのは、 赤い色をした飲み物が入ったコップ。 受け取って……一口。] わぁ……! [すぐに苦いのが無くなるとまではいかないけど 爽やかな甘さは、疲弊した体を癒すようでもあって。 何よりも、僕の大好きな苺味だ。 苦い味はまだあるはずなのに、 もうどこかにいってしまったような気になってくる。 あまりの美味しさに、目を見開いて、瞬き一つ。 こくこくと、もう少し。……美味しい。] (357) 2020/05/31(Sun) 20:30:13 |
【人】 部隊長 シュゼット[薬を持ってきたのは、ルークだ。 コップを一度置いて。] これ、作ってくれたのはルーク? 味見は、またこの子かな。 これなら僕、苦い薬でも頑張って飲めそうだ。 どうしてもこの味ばかりは、 何度飲んでも慣れなくて、嫌だったから。 [苦笑しながら、お礼を言った。 僕も何か作れないかなあ、と思ったけど。 料理も細かい作業も苦手な僕が作るよりは、 また、美味しいものが手に入ったら、 彼女に、プレゼントしようと思った。 感情と、同じように。 人よりも味覚が欠けてしまったルークが また、美味しいと思ってくれる日が来ますように。 その手助けになりたいと、心から思うから。] (358) 2020/05/31(Sun) 20:30:29 |
【人】 部隊長 シュゼット― ????? ― [―――これは、地下に住む住民が、 地上から送り出された機獣達の総攻撃に遭ってから、 幾らかの時が経った後の話。] (369) 2020/05/31(Sun) 21:03:20 |
【人】 部隊長 シュゼット[地下にあった地上への転送装置の再稼働に成功し、 地下から地上へ、兎の青年と、狐の女性と。 あとはなぜか……飛べないペンギン端末なんかも含めて。 他何名かの交渉隊が、送られた。 そうして、僕達の交渉の結果、 地下と地上は休戦の条約を結ぶこととなる。 休戦からそのまま戦が終わる条件は、一つ。 『地上の人々が生活できそうな場所を探す』ことだった。] (370) 2020/05/31(Sun) 21:03:58 |
【人】 部隊長 シュゼット― 地上のどこかで ― [各地点の写真やら研究メモやら 地上に来てから色んなものが増えたタブレット。 僕は木陰に腰かけ、今日の分を綴っていく。 近くにルークが居れば、何を書いているか見えるようにして 尻尾が揺れれば、口元を緩ませ。 左手を伸ばして、そっと撫でた。] (371) 2020/05/31(Sun) 21:04:43 |
【人】 部隊長 シュゼット[僕は、信じているんだ。 記憶を一度無くして取り戻した僕のように。 感情を無くして、取り戻したルークのように。 地上の人々が住めなくなってしまった世界も 住める場所があって、また住めるようになるかもしれない。 飛ぶことができなくなってしまったペンギンだって きっと、飛べる日がくることだってあるだろう。 そうして。 取り戻したいものといえば、もう一つ。] ルーク。これはね、 苺みたいに甘いんだけど、苺ほど酸っぱくなくて。 水分が多いだろう。それにも甘味があるんだ。 [ルークがリンゴを食べたのを見たなら、 僕は、自分の分をひと齧りして。味を教える。 僕の近くでペンギンも一緒になってリンゴを齧り、 身振り手振りで、「おいしいよ〜!」と言いたげだ。 もし、"美味しい"という言葉がいつかルークから聞けたなら 僕はそれはもう、尻尾を揺らして喜ぶに違いない。 きっといつかその時がくると楽しみに。 何か美味しいものをルークに食べさせたときは どんな味か、なるべく詳しく教えてあげるんだ。 せめて、味がわからなくても。想像ぐらいはできるように。] (372) 2020/05/31(Sun) 21:15:45 |
【人】 部隊長 シュゼット[僕は立ち上がり、手を伸ばして。 ルークが立つ手助けをする。 一休みが終わったら、また二人と一匹で、 この一度滅んだ世界を旅するのだ。 何があっても、最後まで一緒に。 絶対に離れることはなく。] (373) 2020/05/31(Sun) 21:19:37 |
[1] [2] [3] [メモ 匿名メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新