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【人】 専門学生 結城 しろは……そう、ね…… じゃあ、たとえばこういうのとかどう、かな…? 試着してみないと何とも言えないけど…。 [軽自動車の中、スマホでドレスを見ながら指し示したのは。 彼のオーダー通り、バックスタイルが空いて 腰のあたりに大きくリボンがついた ふんわりしたプリンセスラインのドレスだった。**] (157) 2022/08/10(Wed) 22:16:34 |
【人】 大学生 鹿賀 透ん?イヤリングじゃなくて、 小さいのにします? えーっと、ほいじゃ、色違いにして、 イヤリングは、俺、プレゼントしたいのですが、 いいですか? だって、千翠さんのイメージなんで。 [どです?とにこ。 もし、拒否られたら、素直に従います] (159) 2022/08/10(Wed) 22:42:42 |
【人】 大学生 鹿賀 透風鈴どこに飾ろうかな。 自分の部屋でもいいけど、 もっと風通しのいいとことか。 ってことで、おじさん、これとこれ。 [もし、イヤリング、本当にいらないですって言われたら、 妹宛のお土産となるだろう] 青緑色っていいですよね。 ターコイズ? [そんなことをつぶやきながら] あ、じゃ、飲み物でも買って、花火しましょうか? [神社の近くにあるという池。 大きな音の花火はダメだけど、 線香花火は許してくれるだろう]* (160) 2022/08/10(Wed) 22:47:40 |
【人】 大学生 鹿賀 透【線香花火と夏の月】 [池の周りは涼しかった。 全く誰もいないというわけではないようだ。 風もそんなに強くない] 場所、ここがいいかな? [小さな亭の前、 飲み物はベンチに置きつつ、 しゃがむと、池に映る月が揺れた。 白い蝋燭に、マッチを擦る。 燃え上がる炎を芯に移し、 蝋燭を、立てるべく、なるべく兵站なところに蝋を垂らした。 さて、綺麗に立つかな?] 子どもの頃って、この炎をにドキドキしましたよね。 こんなに綺麗なのに、絶対に触っちゃ駄目なもの。 [そして、立ったのを確認すると、線香花火のパッケージを開ける] (161) 2022/08/10(Wed) 22:53:45 |
【人】 大学生 鹿賀 透じゃ、勝負しましょうか? ふふ [そして、千翠に線香花火を渡す。 小さな紙縒の先は、心もとない。 でも、ここから、線香花火はガッツを、だすのだ]** (162) 2022/08/10(Wed) 22:56:44 |
【人】 オスカー おお……。 大変良いですね。 [赤信号で停車してから示された画面を見て、なるほどと頷く] これならプリンセスに見えますね。 この大きなリボンがしろはによく似合いそうです。 [式場はどこが良いだろうか。 選んでくれたドレス姿のしろはを想像して目を細めながら話をして、青信号になれば軽自動車はそれはもう軽快に本日の予定先へと向かうのだった**] (163) 2022/08/10(Wed) 22:56:51 |
【人】 元子役 辺世 流[その後] 夏が終わり、珠梨さんが自分の家に戻った後、僕は引き続き常勤スタッフとしてひとなつ荘に残り働き続けていた。 どうやら、常勤スタッフを雇うというだけあって、閑散期でもちょっとしたカフェのような形で営業はしているらしい。 大学に入る上で辞めることも考えたけれど、せっかく手にした機会、何があるかもわからないし、捨ててしまうべきではないと思った。 色々資料を取り寄せて、通信制の経営学科の入試を受けて、働く傍ら入学し、普段は教材で学び、休みの日は学校に通って手持ちの資産運用の勉強もして…… それまでが嘘のように多忙な日々。 (164) 2022/08/10(Wed) 23:01:13 |
【人】 元子役 辺世 流自由な遊び時間なんてものはほとんどなかった。 それは覚悟していた。僕の子供時代は二十歳の誕生日に終わったんだから。 唯一ほっとできるのは寝るときと、後は珠梨さんと電話かメッセージのやり取りをしていたときくらいだろうか。 連休ならどちらかが、多分主には珠梨さんの方が会いに来てくれて、次の夏には珠梨さんがまたバイトに来てくれたら一緒に過ごし… 卒業が近づいた頃に、色々あって、珠梨さんのお父さん、早乙女商事の社長に会いに行くことになって。 それから本当になんやかや色々あったけれど、僕も珠梨さんも、色々あったし、きっとお父さんにも色々思うところはあったはずだから。 (165) 2022/08/10(Wed) 23:04:53 |
【人】 元子役 辺世 流「珠梨さん。」 場所はあの時のカフェかもしれない。僕の格好はあの時よりもう少しフォーマルで。 二人でさっき選んだ指輪を箱を開けて差し出して、 「待たせちゃったけど…僕と…ずっと一緒にいてください。」 そんな風に言える未来が、僕達にはあるはずだ** (166) 2022/08/10(Wed) 23:10:30 |
【人】 専門学生 結城 しろは[生活の基盤が既にしっかりしていて、 自分が働かなくてもお金の心配がいらないと言うのは 素直にありがたい話ではある。>>158 今後芽が出るかもわからない、 絵を描き続けていきたいと願うならなおのこと。 ただ、あまりに世界の違う話に思えて 少し臆してしまったわけだが。 ずっと隣にいると言われて少しほっとした。] ……うん、ありがとう。 じゃあ頼りにさせて貰うわね。 そういうパーティとかにも…、 少しずつ慣れていけるよう頑張るから。 [社長夫人ともなれば今後付き合いもあるだろうし、 色々教えてね、と添えて。 彼がお金持ちだから好きになったわけではないように、 彼がどういう立場だったからと言って気持ちが変わるわけではない。 ただ、自分に出来ることをしていきたいと思う。 愛し守ってくれる人の隣で、これからも。] (167) 2022/08/11(Thu) 0:07:29 |
【人】 専門学生 結城 しろは[示したドレスは彼も気に入ったようで。 目を細める彼にふふ、と微笑みを浮かべる。] ……ふふ。良かった。 どうせなら似合うのを選びたいもの。 一生に一度の、あなたのお姫様だもん。ね? [なんて、冗談交じりに言いながら。 式場はやっぱり教会でチャペルがいいなあ、と あれこれ夢を膨らませるのだった。 それが現実になるのは、それからもう少し後の話。**] (168) 2022/08/11(Thu) 0:08:28 |
【人】 社会勉強 早乙女 珠梨[距離のぶん、はっきり見られなくて良かった。 そんな強がりを抱えるくせに、届いた声が嬉しくて。 わたしは足を止めたままで彼の姿に釘付けられる。 ほんとうに、いつだって嘘偽りなく真っ直ぐだった。] 流くん……っ [周囲の人は驚いて目を向けたかもしれない。 笑う人だっていたかもしれない、それなのに 躊躇いのない大きな声は確かに耳に届いていた。] ふふ、……うん、そうだね。 わたしも——離れててもずっと、 流くんのこと、好きだから……! [思わず零れた泣き笑い。それから深く息を吸って 返したのは、負けないくらいの大きな声だった。] (169) 2022/08/11(Thu) 1:35:54 |
【人】 社会勉強 早乙女 珠梨[そんなお別れも過ぎ去って、夏が終わる。 残暑の抜けきらないままじきに後期が始まって 毎晩のように電話をしては、近況を伝え合う。 後期は意外と講義の数が少なかったこと。 そろそろ研究室を決めなくちゃいけないこと。 彼氏が出来たって報告したら、友達が驚いてたこと。 他にもたくさん、たくさん—— 流くんの方は忙しそうだったけど とりあえず、元気そうで安心した。 秋の連休になって久しぶりに会いに行って あのカフェか、また別の場所に足を運んで。 そんな日々を送るうちに季節は流れていく。 夏にはパパの賛成をもらってバイトへ行ったけど それが過ぎたら今度はわたしの方が 卒業を控えてしばらく忙しくなった。] (170) 2022/08/11(Thu) 1:36:12 |
【人】 社会勉強 早乙女 珠梨[冬になって年が明けて、論文も落ち着いた頃 卒業の前に話をしようと決めたのは 二人で相談してのことだった。 やっぱり最初は気難しい顔がそこにあった。 今までにないくらい、パパと話して緊張した。 だけど流くんと二人で会いに行った後も 何度かパパと話しをして、ママのフォローもあって 「とりあえず、交際は認める。」 ……その言葉に舞い上がった覚えがある。 パパとママに内緒でお姉ちゃんに連絡した日もあった。 「素直じゃないからね、あの頑固親父。」 やけに楽しそうなその言葉に思わず笑ってしまった。] (171) 2022/08/11(Thu) 1:36:32 |
【人】 社会勉強 早乙女 珠梨[季節が巡り、わたしたちは歳を重ねていく。 流くんが大学を出て仕事も決まった頃、 小さな変化が訪れていた。 社会人としてのわたしはパパの会社にある部署で 事務の仕事をしていたけれど 家を出ることはなく実家暮らしだった。 大きな不自由のない生活を送る中で、 休日のママが今までより厳しくなった。 「今までずいぶん甘やかしちゃったからね。」 「家事も料理も出来るようにしておかないと ——お嫁に行ったとき困るでしょう?」 そう言って、少し寂しそうに笑ってたっけ。] (172) 2022/08/11(Thu) 1:36:39 |
【人】 社会勉強 早乙女 珠梨[それから——そう長くはない時が経った、ある日。 ドレスコートのあるお店に流くんと行ったのは これが初めてだったかもしれない。 一日の終わりだった。二人で指輪を選んだ日の。 改まって差し出された銀のリングを前にすれば わたしは晴れやかに微笑みを浮かべて。] ……もちろん。 流くんのこと、世界で一番愛してるから。 [——まるで幸せなジュリエット。 永遠の愛を誓い合うには一歩早いかもしれないけれど でも、そんな日も、きっとそう遠くはない。**] (173) 2022/08/11(Thu) 1:37:09 |
【人】 オスカー 永遠に私のプリンセスなのです。 そして私はしろはのプリンスですよ。 [夢を膨らませるしろはを見ていることが幸せだ。 軽自動車を駆って今日も王子様は王女様とデートに勤しんでいく**] (175) 2022/08/11(Thu) 2:48:21 |
【人】 大学生 鹿賀 透[線香花火の勝負はどうだったか。 ちなみな、その線香花火が赤く膨れて、落ちるまでを、 何度も何度も見つめて、 少し、人生に重ねた。 まだ、何にもお互いを知らない。 でも、今を生きて、ここにこういった画面があることが嬉しくある] 千翠さん、あのね。 俺、来年はここには来ないと思います。 もちろん、このバイトに来ないってだけです。 でもね、だから、今、こういう時間を過ごせるのはとっても貴重で、 すごい宝箱なんですよ。 [今度バイトする時は、また百貨店に戻ろうと思ってる。 そこは、こんなに自由じゃないし、売上とかも気にしないといけないし、終わった後 デートなんかできないけど] (176) 2022/08/11(Thu) 7:53:52 |
【人】 大学生 鹿賀 透でも、 ここでの縁は、大事にしていきたいし、 少しずつ千翠さんのことももっと聞けたらいいと思います。 [いろんな会話に、時折見せる複雑な表情を、 すぐに取り去るなんてできないだろう。 身体も考えてあげたいけど、本当はその心が、 少しでも、何かで癒やしてくれたらいいのだけど。 チラリ隣を見て、色素の薄い肌や髪色。 線香花火の陰影が彼女をまた、儚げに演出する。 いろんなことと、戦うには、とてもとても細くて、 だから、こそ、それを、守るためには、 もっと、しっかりしないと、って思った] 何か、困ったことがあったら、言ってくださいね。 多分、貴女は、そういうこと、我慢しちゃうでしょ? (177) 2022/08/11(Thu) 7:59:58 |
【人】 大学生 鹿賀 透 本当は、すごく千翠さんのこと好きだから、 物理的にも精神的にも、力になりたいって思ってます。 でも、それは、多分俺のエゴで、 これまで千翠さんは全く知らないけれど、 これまでも、これからもの千翠さんをどっちも大事にしたいとか、思ってるんですね。 でも、それをするのは今じゃなくて、 もう、ちょっと、千翠さんが俺を好きになってくれてからかな?ね? [話しながらも、ずっと線香花火を燃やして、 そして、線香花火が全て燃え尽きる時、 少しの沈黙] (178) 2022/08/11(Thu) 8:04:30 |
【人】 大学生 鹿賀 透 ひゅー、バーン [そのらあと、しばらくして、花火大会の花火の、音が遠くで聴こえた] そっか。わりと遅めにあげるんですね。 [花火を片しながら、 蝋燭も取って、袋に詰める。 立ち上がると、風鈴の袋を千翠に持って、と頼んで、 自分は花火の残り袋を持った] 帰りましょうか。 明日は、朝から俺も入るんで。 [そして、伸ばす手を千翠はとってくれたかな?] (179) 2022/08/11(Thu) 8:08:36 |
【人】 大学生 鹿賀 透[夏は過ぎていく。 終わりなんてないけれど、 でも、この夏は一日一日過ぎて、 そして、10年かもしれない千翠の命を、削り取っていくかもしれないから] (180) 2022/08/11(Thu) 8:11:26 |
【人】 専門学生 結城 しろは[ーーその後。 両親に紹介したい人がいると告げたらやっぱり驚かれた。 最初は身一つで海外に渡るなんて 大丈夫なのかと不安そうにしていたが、 根気強く説得を重ねて納得して貰った。 こんなに早くしろはがお嫁にいっちゃうならバイトを勧めたりするんじゃなかったなあと苦笑していたお父さんは、半分くらいは本気だったように思う。 向こうの家にも挨拶にいって(その家の大きさにまた驚いた)新生活の準備をしたり、学生として勉強をしたりで、日々は慌ただしく過ぎていった。] (183) 2022/08/11(Thu) 9:51:42 |
【人】 専門学生 結城 しろは[絵はまだ描き続けている。 先生にも前よりぐっと深みが出てよくなってきたと言われた。 ぽつぽつと賞を貰えるようになってきて 今度は大きめのコンベに挑戦してみようと思っている。 絵筆を取るあたしの薬指には、彼から贈って貰った婚約指輪が嵌められている。] (184) 2022/08/11(Thu) 9:52:53 |
【人】 専門学生 結城 しろは......新婚旅行は、スイスに行ってみたいな。 [かつて彼が見たと言う一番きれいな景色。 それを自分も見てみたい。 そして、それをまた自分の手で描きたい。 彼の隣で見る景色は、きっととても素敵なものに写るだろうから。] (185) 2022/08/11(Thu) 9:54:10 |
【人】 専門学生 結城 しろは[甘くて赤い果実を口にしたのは ひと夏が過ぎても、 夢から醒めないお姫様。 あたしだけの王子様と、 この先もずっと幸福にいられますように。**] (186) 2022/08/11(Thu) 9:56:19 |
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