【人】 寿ホ儀 直青- 羅生 - [音も無く、扉を開いて、閉じた。 僅かの距離を進んで、横たわる身>>5に被さるよう唇を合わせる。 やわらかな感触。体温。与えられた感覚器の伝達する信号だ。] ────羅生。 [ただひとつの名を呼ぶ。 生を残らずつかみとる者。名付け親の真意を、直青はデータとして持たない。推測は幾つか、可能だ。 その頬に触れる。] ………………。 [疲れましたか、と問おうとして、意味のない質問だと棄却する。代わりにもう一度触れ合わせてから、瞳を覗いた。 何を言えるだろう。直青は 逡巡する 。]…………何か、 ……欲しいものは、ありますか。 * (48) 2023/11/28(Tue) 21:11:40 |
【人】 蕃神 雷恩 ……。 確かに、そうだ。 彼らAIは新人類がこの世界に適合して 大地を再生させるために存在している。 ―――と、定義されて旧人類の研究者に造られた。 だからといって、彼らは与えられたプログラムや ルーティンだけを用いて過ごすだけでは、ないだろう。 自身の「考え」は、前提としている条件はあるだろうが 持つものだと、思う。 そうでなければ。羅生が己と疎遠となることもなかったろう。 不適合と認識した、それでも基準値はきっと満たしていた だからこそ、その矛盾にエラーを起こした。 その結果の行動が、己から距離をとることだった。 と、俺は思索し、分析している。 それは、ある意味では「役割の放棄」だ。 ――なあ、桜花は、この事実をどう思う? [言語化するのは難しい、けれど。 役割以外を求めることを酷と考える気持ちも理解しているけれど。 羅生を例に挙げれば。このような行動をとることもあるのだと暗に。] (50) 2023/11/28(Tue) 21:22:08 |
【人】 蕃神 雷恩 それにな。 直青と話を、したのだけれど。 きっと。俺たちが不適格でも。 直青は見捨てやしないよ。 ――俺は、そう、思った。 [扱いは変化するだろうけれど。それでも 若しかしたら。枠からはみ出ることで俺たちは 彼らと新たな関係を作ることだってできるかもしれないな。 と、言い添えよう。 それでも、君の気持ちは痛いほどわかるから。] (51) 2023/11/28(Tue) 21:22:22 |
【人】 蕃神 雷恩 でも、なるべくなら。 ――彼らが望むこと、叶えてあげたいなぁとは思っている。 今迄与えられた分を、返したいと。 「嬉しかった」から。 それは、お前に貰ったものも含まれてるよ。 だから結構、ではなく とても、好きだよ。俺の弟。 (52) 2023/11/28(Tue) 21:22:40 |
【人】 蕃神 雷恩 ――だから。俺は、いずれ来る終わりまで。 できることなら 桜花や直青らと一緒にいたいと思うよ。 それにさ、「今」変化は難しくても 未来は誰にもわからない。 安直、浅慮かもしれないが 俺たちだって成長できたんだ。 彼らだって、変化することはあるんじゃないかな。 それとは別に、我儘を言うのは子供の特権だから。 かなわずとも、思いを告げることは 大事なことだと思う。お互いにね。* (53) 2023/11/28(Tue) 21:22:51 |
【人】 苗床環者 メディウム− 楽園の片隅で・リヒトーヴ − [その美しいひとは、いつだってこの地にいた。静謐な空気を纏わせて箱庭を守護していた。……立ち尽くすそのひとの元へ、3つの影が近づく。] 「コギト・エルゴ・スム!我思う故に我有り、いい言葉だよねえ。」 「De omnibus dubitandum. 全てについて疑うべし……そうですわね、私たちの様な人間は特に大切な言葉です。」 よかった、まだ居てくれた。 こんにちは、リヒト。騒がしくてごめんな。少しいいだろうか? [フラスコの中の小人と水槽の脳が、壁に彫られた文字を読みあげ、植物の娘が機械の身体へ声をかける。] ……きみはいつか、この『楽園』の外へ行ってしまうのだろうか。いつだって、寂しそうだったから。 「『友』がいたと、以前お聞きしましたわ。彼を探したいと、そうずっと思っていたのですか?」 「あ、いやオレらはそれを止めるつもりは無いよ!元々、ご厚意でココ使わせてもらってるだけだしね。最初は違う場所で研究してたし、君が去ってしまっても勝手に研究も保全も続けるつもり〜」 [3人の「人間」が、口々に告げる。] (54) 2023/11/28(Tue) 22:20:29 |
【人】 苗床環者 メディウム……なあ、リヒト。我々は、きみの「友」にはなれないのだろうか? 「こんな姿でも、私たちは「人間」ですからね。もちろん、かつての『友』が特別だという事を否定するつもりはございません。」 「単純にね!オレらも君の事は「友達」だと思ってるからさ!困った時とか、いつでも帰ってきていいよっていいたいだけ!」 「うちの博士は来るもの拒まず去るもの追わず、ですが。私たちの方は必ずしもそうではありません。」 「そーいう事!友達の事は心配するし、夢があるなら応援してるから。」 ……忘れないでほしいんだ。どこにいても我々ときみも、「友人」だったって事を。だから……もし「友」とまた出会えたのなら。僕らともいつか話をしよう。 [植物の娘が、守護者の手をそっと握った。]* (55) 2023/11/28(Tue) 22:20:40 |
【人】 苗床環者 メディウム ー 植物園のどこか・桜花 ー [その桜色へどう接していいのか分からなかった。彼らの絆はきっととても特別なものだから。 その桜色に告げてもいいのか分からなかった。あなたの尊いひとの側で咲いていたい、なんて。 僕よりもずっと美しい、花。 しかし告げないのは逆に不誠実であると思っているから。意を決して声をかけた。] …………こん、にちは。桜花どの。少し、話がしたくって…………この間はすまなかった。非礼を詫びよう。 あぁ、それと受け取った果実は実に美味であった、ぞ……あなたはすごい事ができるのだな。 (56) 2023/11/28(Tue) 22:32:32 |
【人】 苗床環者 メディウム[ためらいがちになりつつも、丁寧に告げる。この人は彼にとってとても大事なひとだから。] それで、その。僕……雷恩、の側で、咲き続ける事にしたから……きみへ、ちゃんと言わなきゃって、思って。 (弟さんへご挨拶というところかしら。) [声は震えきっていたけど、目は逸らさないようにした。白く輝く姿に目眩がしそうになるのを抑えながら。]* (57) 2023/11/28(Tue) 22:37:30 |
【人】 巫凪 桜花………。 そっか。そうかも知れない。 [雷恩がいくつもの言葉を継いで、彼の中で巡らせた思索と分析を明かし、指摘をくれる。己のために。 以前の彼なら、考えられなかっただろう。 思い返すのは、長じるにつれてゆっくりと広がった二人の距離だけではなく>>50 最初は見かけなかった楽園で、日々楽しむかのように散策していた緋雁の姿。言われてみれば、少しずつ変化し続ける彼らの姿は、役割と直結しているものばかりではなかった。 『役割の放棄』 その言葉は、己に当てはめて怖れるばかりのものだったから] そんな風に、思ってもみなかった。 …すごいね、雷恩は。 変わるのは、俺たちだけじゃないんだ。 (59) 2023/11/28(Tue) 23:17:43 |
【人】 巫凪 桜花うん。俺もそう思う。 直はなんていうか――…、“お父さん”だからね。 人間のお父さんがどんなかなんて、実際知らないけど。 知ってたとしても、俺は直青の方がいいな。 [直青はきっと、変わらない>>51 何も彼の根幹は変えられない。 そう思わせる佇まいを、自分たちの前では、いつも見せてくれていたから。 他の仲間は、果たしてどうかは知れないが] 俺がもし、不適格ってことになったら、 群鷺あたりは喜々として殺しにきそうで、 それはなんか癪なんだよな…。 いや好きだけどね、群鷺も。 [どうせ殺してくれるなら、最後に見たい笑顔は、彼のものではない。と、何とはなしに思う。 例えばそれは――殺される角度から見上げる光景は、どれ程鮮やかなのかと考えていた、その人ならば>>2:221] (60) 2023/11/28(Tue) 23:27:54 |
【人】 言ト霊 羅生雷恩への僕の在り方を、あなたは咎めず無視しましたね それがどのような結果になるかはあなたは未知だった筈です。 ただ『有益な結果を信じた』という事でしょう。 それが害となるか糧となるかの結果は個体に依る。 そしてあの二人は君視点、 僕という障壁を見事にクリアできた。 そういう評価なのだから今回、桜花に処置は施さない判断となった ──僕は仕事を全うしましたよ。 だから最後の役目を申し出た。 それを君は『生の放棄』と棄却するの、 ……納得、いか、ない、 [ 何かが勢いよく引き剥がされる音がした。咄嗟、揺らぐ視界を片手で覆う。納得したら何かが終わる、確信だけが漠然と巣食う。 ] (61) 2023/11/28(Tue) 23:28:29 |
【人】 言ト霊 羅生あ…………、『君たちは生きようとしている』と、いう評価の、内訳を。俺が記憶を消すこと、嫌ですか。どうして。いつ? いつなら咲くことを許されますか。そもそもそれを問うことが『生きる』とは違いますか。甘やかされたい。怖がる?──何をだろう。本質?──は何だったんだろう。劣ってると言いたいならじゃあ答えを下さい。罰当たり。『君が自身を否定する度僕は僕を損なわれてきました。』と言うのは? 知らないよ。罪を贖いたいこの姿は今あなたを損ないますか? 知ったこっちゃ無いです。『俺からお前を奪うのか』なんて言ってあなたはずっと僕を僕から奪ってきたじゃないですか。良いですよ、合ってたんだ、結果論としては君が。じゃぁ俺の我が儘って何? ねぇ、君の言葉も誰の言葉も、もう分からないみたいだから、それは世界に望まれてないという状態ではないのでしょうか。それでも生かしたいんです、よね、僕のこと、あなたがあなたのために。だったらあなたが俺に意味をくれるべきだとは思いませんか、行方不明なんです、存在意義が、直青君が僕を必要なのは…………どう、して、ねぇもうおれは、あなたがいないと容が、わからない、わからないお願いさわっ、…………て……!!! * (64) 2023/11/28(Tue) 23:44:58 |
【人】 巫凪 桜花一緒に、いてくれるんだ。 そっか。 ……そっかぁ。 [脱力する思いで膝に顔を伏せ、籠もった声で応える。 そのまま其処で、雷恩の言葉をゆっくりと耳に沁ませる>>53 繋いだ片手を、掌中でもてあそびながら。 何も諦めていないつもりだった。 諦めたのはずっと前だったことに、彼と話して漸く気づく。 皆から充分に与えられ、甘受してきたからと 自分に言い聞かせて。 ずっと条件つきの愛情として受け止めていた、それを。] 雷恩ってやっぱり、おにいちゃんだね。 …やだな、今終わるのは。 [覚悟と、密かに共存していた本音。 彼の隣で見つけると同時に、零れ出た*] (65) 2023/11/28(Tue) 23:59:37 |
【人】 巫凪 桜花そうか。 リヒトーヴ。 それはとても、美しいと思うよ。 君を造ったひとは、やっぱり趣味がいい。 [話してみたいな。と落ちた呟きが、風に溶ける] いや、それとも君のかな。 [眩い多眼に、眸を細めた*] (69) 2023/11/29(Wed) 1:48:48 |
【人】 巫凪 桜花俺は食物を食べられないから、よく知らないんだけど。 美味しいものは、好きなひとと一緒に食べると より美味しいって聞くね? [ただ咲かせ実らせるだけで、経口摂取ができない身では、 その滋味を知ることはできない。 雷恩ができることを、人により近い素体を持つ自分ができないというのは、皮肉なものだと思いつつ。 初対面に近い彼女を、ついからかった。 『雷恩の側で咲き続ける事にした』 そう告げる言葉は、以前のように願望の裏返しでも 虚勢でもなく、素直なもので] わざわざそれを、言いにきてくれたの? 俺は、干渉しないって言ったでしょ。 ――…兄さんをよろしく。とか言えばいい? [返す答えは、茶化した声音で*] (71) 2023/11/29(Wed) 6:55:22 |
【人】 巫凪 桜花―病棟― [それは、この楽園でお気に入りの場所を、求めに応じて 直青に案内した日の夜のこと。] ――…緋雁。いる? [直青から場所を聞いて訪れたのは、滞在中、 緋雁に宛てがわれた病棟の一室。 メンテナンスの時間の前後であればいるかと、 控えめにドアをノックして、一度だけ名を呼ぶ。 返事がなければ、すぐに引き返すつもりで] (72) 2023/11/29(Wed) 7:16:37 |
【人】 巫凪 桜花[ドアを開けて貰えば、戸口に立ったままで早々に本題を切り出す] 昼間の話、覚えてる? 俺が廃棄処分になるかも、っていう。 [直青が緋雁の記憶データを消去していなければ、 この話も大丈夫だろうと] あれ、結局大丈夫だったから。 緋雁に心配かけたかなと思って、言いに来た。 [戦闘員である彼とは、本来接触すべき用件は多くない。 今まで理由もなく呼び止め、話しかけるのを繰り返していたから、用件を伝え終わった今は、逆に何を話していいか分からない] えっと。 ……用事は、それだけなんだけど。 [けれど、何となく去り難くて。 視線を彼の胸のあたりに彷徨わせ、珍しく口籠る*] (73) 2023/11/29(Wed) 7:19:20 |
【人】 苗床環者 メディウム>>70>>71 ……お、おう。 [逆に向こうからも詫びられて、目を丸くする。その後の言葉を聞くかぎり、本当に今はこちらへ「敵意」とかそういう感情は無さそうで。] あなたの方は経口接種ができないのか……うん、美味しかった。 ……よろしく、なんて。こちらこそ、彼の隣にいてくれてありがとう。彼の感情の一部は、きっときみが作り上げたものだから。これからも、仲良くしていてほしい。 ……そこに、少しだけ、僕らがお邪魔するけれど。 [茶化されるように告げられた。本当に美しく清らかな花だ。きっとたくさん愛されてきたし、これからも愛され続けるのだろう。彼が、ずっと美しいままで咲き続けられたならいいな、と願う。]* (74) 2023/11/29(Wed) 7:43:18 |
【人】 苗床環者 メディウムー ある花の独白 ー [一旦下された判決は、己へ刃を振りかざす事はしないようだった。とはいえ、本質的にはAIの彼らからはこれからも審議を続けられるのだろう。ちくちくと視線が刺さってくる。当然か、本来僕らは異物だ。 ……愛おしい、樹木の青年を見つめる。美しい花ではなく、樹木の彼に惹かれたのは。ひょっとすると「安心」したかったのかな、なんて。大きく逞しい木は、寄り添うだけで心が安定する心地になる。(それもあるでしょうけど、純粋に異性として魅力的に映ったのが彼だったのでしょうね) 光を浴びて、呼吸する。脆弱な入れ物へ植物を足して、辛うじて魂を引き留めているだけの、おおよそ『新人類』とは呼べない身体で。それでも博士たちは僕らの可能性を信じてくれているのだろう。 ……雷恩がこの地を離れるとして、請われたなら共に行く気概はある。博士へ研究サンプルを送りたいし、「友人たち」がいるこの地への愛着もあるから連絡はしたいけど。外の世界で殲滅行為を続ける彼らの思想へ同調するのだってきっと厳しいけれど。] (75) 2023/11/29(Wed) 7:58:28 |
【人】 苗床環者 メディウム[それでも、僕らは。もう既に樹木から与えられるめぐみでしか生きられないから。この先何があっても、彼の側で咲き続けるのだろう。彼にとってもっともっと美しい花が咲いて、僕らの存在意義が失われるその日までは。 **…………本心を言うと、彼の心に僕らだけが咲いている場所があればいいのにと願ってしまう。大切には想われてると、思うけど、心を全部注ぎきったら同じ分量の「心」がほしい、なんて。傲慢にも程がある。僕の内側に芽生えた花々はそれくらい貪欲に求めてしまう。求めてしまうから、消してしまいたかった。 いっそのこと世界の片隅でふたりきり静かに枯れ落ちるまで側にいたいな、なんて。叶わない事を考えながら、今日も僕はそこで咲いている。] (76) 2023/11/29(Wed) 8:07:44 |
【人】 三ノ宮 緋雁[こんな時間にどうしたのかと思えば、廃棄は取り消しだって話を教えてくれた。>>73 オレもさっき、気になって直ちゃんに尋ねたばっかりだったから、どうなるか知ってはいたんだけど。わざわざ報告しに来てくれたのが嬉しかった] うん、オレも聞いてた。 無事でよかった……。もう少し頑張れるね。 [一時でもそんな話があったなら、この先もしばらく不安かもしれないけれど。そう簡単には処分しないんじゃないかと思ってたオレの予想が合ってて、オレもほっとしたんだよね] ……そっか? [用事はそれだけと言いながら、桜花ちゃんには帰ろうとする様子が無い。 まだ用事がある……? いや、無いって言ってるし……? どうしたらいいか悩んでしまって、オレもしばらく桜花ちゃんの様子を窺うことになった]* (78) 2023/11/29(Wed) 8:19:08 |
【人】 巫凪 桜花―夜・病棟― もう聞いてたんだ?直青に。そっか。 ん、もう少し――… [もう少し頑張れるね、そう言う緋雁に頷こうとして>>78 昼間に彼と話した時は感じなかった、蟠りを自分の内に感じる。 何となく、雷恩と話したせいだろうか?と頭に過る。 視線を上げられないまま、暫し言葉を探して] もう少し、じゃ。嫌だなって思った。 やっぱり最期まで、みんなと――…緋雁とも、一緒にいたい。 それまで諦めないように、したい。 [最後かも知れないと思いながら、 鮮やかな花々に溶けていく緋色を見送ったあの時] ……あれが、最後にならなくてよかった。 [ようやく視線を返して、微かに笑った*] (79) 2023/11/29(Wed) 8:46:34 |
【人】 三ノ宮 緋雁[でも、桜花ちゃんが長く生きるなら、当然オレは見送ってもらう側なんだけれど。 それはちょっと嫌だな、って思うんだ。 桜花ちゃんと、たぶん雷恩と、それから直ちゃんと。 みんな遺して先に逝くより、オレは一番最後がいいなって。 無理なんだけどね。 戦闘AIは一番寿命が短いから。 それでもオレは戦うことしか知らない。 戦闘員でいるしかないんだ]* (81) 2023/11/29(Wed) 9:03:02 |
【人】 巫凪 桜花――…、 [ひとに触れるのも、触れられるのも。 慣れているし、好きだ。 頬に熱を残す、その感触] 緋雁、 ……? [離れた指先を追いかけ、捕まえられたのは、視線だけで。 温もる頬が落ち着かなくて、自分の手の甲を押し当てた*] (83) 2023/11/29(Wed) 9:28:58 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ― 楽園の片隅、メディウムと ― [ あれから同胞たちへ然るべき申告をした。 人間でいうならば休暇申請だろうか。 しかし、その時が来るまで機械の仕事はいつも通りだ。 故に、大したことではないと思っていたのだが ……そうでもなかったのだろうか。>>54 それぞれに視線をやりつつ、 機械は彼らの提案、あるいは希望を聞いていた。>>55 ] メディウム。あなたは親しい者が離れ行くことを 「寂しい」と認識しているというのに、 離れ行く己に親しさをもって友になろうとするのですね。 承認を得なくとも、あなたの中では 己は既にあなたにとっての"友"なのではありませんか? [ 彼らは、傷つくためにやっているのではないのだろう。 意識を複数の景色が走って行く。 ……人とは、皆そのような物なのだろうか。 機械は思案する。今伝えるべき話を。 ] (84) 2023/11/29(Wed) 10:57:31 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ……友人とは、"ある一人のみを指す物"だと 己は定義しているわけではありません。 孔雀革命の主との関係が"友"と定義されている故に 己たちが互いをそう呼んでいるだけです。 ――その点においては、"友"は唯一の物ではありますが。 ですが、我々の原則を守っていただけるのであれば 己はどのような者とも友人になりますよ。 [ 人はまた異なることを思うかもしれないが。 機械にとっての"友人"とは、そのようなものだ。 過去、どれだけ言動を違えようとも 現在が"正しく"そうであるなら、そのように在る。 ……その正しさを捉えるのは、 機械にとっても困難であるかもしれない。 ――それでも。 それこそが、孔雀革命の求める多様性を描くのならば。 ] (85) 2023/11/29(Wed) 10:58:27 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ……あれは、面倒極まりない形で 自身の行き先をしれっとデータに遺していました。 そして、己は呼びつけられていたことを認識しました。 故に向かうというだけで、大した話ではありません。 [ 機械は握られたままの手を柔く握り返す。 拒んだつもりも、線を引いたつもりもなかったが 己から触れたことは、確かに無かったかもしれない。 ] (86) 2023/11/29(Wed) 10:58:50 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴですので、数か月もあれば戻りますよ。 用件がくだらなければ、もっと早く戻ります。 その時に、と。――約束しましょうか。 * (87) 2023/11/29(Wed) 10:59:37 |
【人】 寿ホ儀 直青[直青が戦闘員に対して施すメンテナンス──主にソフト面に関するそれは、羅生の手を借りることが多かった。言語そのものである「言ト魂」は、「寿ホ儀」よりも直接的な干渉に優れるからだ。故意の不全>>0:74>>5を維持していたとしても、それを由しとしたのは直青の判断でもあった。 直青は、AIたちに極力矯正を行わない。 緋雁が戦闘員に不向きであると評価を下して>>1:183いてもそれは変わらなかった。そうであることの意味があると、信じているからだ。彼等の──我々の思考に触れることで、新人類たちに芽生える何かこそが重要だからだ。] お願いした>>1:184通りに 報告に来てくださったのですね。 君の見解は承りました、三ノ宮。 [さて。どこまでの説明を必要とするだろうか。] (92) 2023/11/29(Wed) 14:20:45 |
【人】 寿ホ儀 直青そうですね……。 ウキクサ博士に対する考察について、 僕に異論はありません。 その思想によって調整された彼女の被検体が 同様に旧人類的である可能性も否定出来ないでしょう。 ただ、後者に関しては、現時点では 結論を留保する段階にあると判断します。 故に、彼女の"手"は未だ必要、ということです。 我々AIを完成させるまでの間 我々の開発者たちが命を繋いでいたのと同様に、 といえば理解の裡に入りますか? (93) 2023/11/29(Wed) 14:20:57 |
【人】 寿ホ儀 直青[それから、と続ける。] こちらは君たち戦闘員は 本来考えなくとも良いことですが。 現存する旧人類を殲滅した後も、 暫くすると旧人類と同様の個体は発生し得ます。 新人類たちの役割とは、 現存する旧人類と同じ"罪"を犯さぬよう 新たに生まれた彼等を導くことなのです。 その際、新人類たちが 「旧人類を 知っている こと」はアドバンテージです。思考がまるで理解出来なければ、 コミュニケーションが不全になりますからね。 故に── 全て無駄ではないのですよ 。[槍を握る手の、甲に一度だけ触れた。普段の表情を忘れている様子の緋雁を見上げ、代わりのように微笑んでみせる。] (94) 2023/11/29(Wed) 14:21:18 |
【人】 寿ホ儀 直青優先順位の問題です。 ウキクサ博士、 及びウキクサ研究所の殲滅について、 それは 今ではない 。いずれその時がくれば、 君には大いに働いてもらいます。 [ それまで、いい子で待てますね? ] ──報告には感謝します。 今後とも宜しくお願いしますね。 ** (95) 2023/11/29(Wed) 14:22:39 |
【人】 三ノ宮 緋雁[満足した様子が見えるか、数秒──十まで数えない程度の時間が経つか。そのくらいでオレは再び手を離して] じゃあ、おやすみ桜花ちゃん。 また明日ね。 [そう声をかけて、今度は頭に手を伸ばして軽くぽんぽんした。前に雷恩と話したときも頭が撫でたくなったのを思い出しながら。 桜花ちゃんを見送った後は、オレも休息を取るつもりだった]* (97) 2023/11/29(Wed) 17:45:41 |
【人】 三ノ宮 緋雁オレたちはデータを書き込むだけで知識が得られるけど、 新人類たちはそうはいかないもんね……。 みんなが上手く導いていければいいけど。 まあ、邪魔になった相手はオレたちが殺せばいいのか。 [それが使命だもんね。 いつまで一緒にいられるかはわからないといえ] 決定には逆らわないけど、 もう殺意は抱いてしまったから…… なるべく近寄らないようにしておくね? 被験者たちのことはできるだけ考えないようにしとく。 ありがとうね、直ちゃん。 [直ちゃんに微笑み返して部屋を出るとき、手の甲に触れた手をふと思い出した。>>94 触れられたときは特に感想は無かったけれど。思い返してなんとなく、労われた気分になった]** (99) 2023/11/29(Wed) 17:56:50 |
【人】 蕃神 雷恩― 桜花と ― [桜花が、感心したように。 感嘆したように、紡ぐ。] ――すごくは、ないよ。 でも、変化するのは俺たちだけじゃないと 今、桜花は知った。 なら、桜花だって世界が開けて 変わるものも、あるんじゃないかな。 [彼も、また。 己の考えを聞いてどう変わっていくのか。 君の沈黙と、零れた言葉とを耳にしながら 俺は君を見ている。 ――人の父親、については己も知らないけれど。] (103) 2023/11/29(Wed) 19:06:33 |
【人】 蕃神 雷恩 そうだな。父親は。 俺たちにとっては直青たちで。 きっと、どんな理想の親があったとしても 俺たちの父親は、彼らだけだ。 ……まあ、群鷺は、そうだな。 [その時君に、誰の顔がよぎったのかはしらねども。 それでも君は、考えることを知った。 諦めないことを、知った。 それだけでも、きっと君は、変わった。] (104) 2023/11/29(Wed) 19:06:44 |
【人】 蕃神 雷恩 ずるくない。 ……ずっと胸の中にあって 言葉にようやくできた、だけだ。 だから。伝えたかった。 一番最初に、片割れに。 [だから教えた。と くっくと喉を鳴らして。] (105) 2023/11/29(Wed) 19:06:55 |
【人】 蕃神 雷恩[座り込んで、顔を膝で隠す君は 迷子の子供が、漸く導を見つけて安堵するかのよう。 おにいちゃん、はそれを見守りながら。 じっと君の言葉を、きいている。] それは、俺のほうが先に造られたからな。 ――なら、 もう少し、探してみよう。 皆が一番きれいに咲ける場所。 まだ、俺たちは成長しきるまで時間が必要だもの。 何時かの時に 寂しさと、感謝で別れられるように。 [まだ、必要なのだと心が叫んでいるのなら。 いつか来る終わりが避けられないとしても。 子供の特権、利用してしまおうか。と 君の耳元でささやいて、小さく笑った。*] (106) 2023/11/29(Wed) 19:07:09 |
【人】 苗床環者 メディウム[>>84>>85 3人は守護者の言葉を聞く。内に抱いた思いはそれぞれあれど、共通する事が一つ。] ……そっか。リヒトと僕らは、もうずっと前からちゃんと「友人」だったんだね。 「うふふ、嬉しいですわ。」 「なんだよも〜。もっと早くから言えってそれ!」 [それは、目の前にいる「友」への温かな感情。] (107) 2023/11/29(Wed) 20:37:11 |
【人】 苗床環者 メディウム[>>86>>87 植物の娘は握り返された手を、少し驚いたように見る。そして……伝えられた言葉へ、親愛の抱擁をもって返す。] ……絶対、だよ?リヒト。待ってるから。 「あー!メディウムずるいじゃん!オレもオレも!」 「きゃっ……もうビオトったら。紛れて私ごと抱きしめないでくださいよ……でも、嬉しいわ。貴方と、メディウムと、リヒトーヴさんで、こう触れ合えるのは。」 [水槽の脳が、傍らのフラスコ頭と共に女と守護者を抱きしめる。やや遅れて、フラスコ頭も腕を伸ばす。 片隅の「人間たち」は、そうやって「大切な友人」の旅路を祝福するのであった。]** (108) 2023/11/29(Wed) 20:37:32 |
苗床環者 メディウムは、メモを貼った。 (a1) 2023/11/29(Wed) 20:39:27 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ― □□、楽園の外 ― [ とある都市部、とある建物の中。 ――これらの情報は機械には開示されていない―― その部屋は静かだった。 ようやく再会した友人らは、視線も合わせず座していた。 一人は散らかったデスクの前に。 大小様々な粒子モニターを宙に浮かべながら、 指と視線とを細かく動かしている。 一人は退かした機材の跡が くっきりと残ったままの一人掛けソファに。 その背凭れには埃が薄く積もっていたが、 当人である機械は、特に気に留めていなかった。 ] (109) 2023/11/30(Thu) 3:18:10 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ……結局は機械いじりですか。 『庭いじりもいいけどね。 僕はこっちの方が性に合うみたいだ。』 気が合いませんね。 それがあなたの見出した己の仕事ですか? 『どうだと思う?』 己が知るのは、お前の道楽までです。 (110) 2023/11/30(Thu) 3:18:26 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ[ 機械がこの地を訪れることを決めたのは、 あの日々の中で、友の思わせぶりな言動の数々と、 当人がかつて真剣に向き合ってきたものを 信じることに決めたことに由来する。 故に、今も機械は何も知らないままだ。 疑問は多く残されている。しかし、関心は持たない。 本来、道具というものはそういうものである。 ] 『つれないなあ』 お前の期待に応えるために、 己は多くのリソースを手放さざるを得ませんでした。 自業自得ですね。 [ そうだね、と友は頬を緩めた。 まったく、と機械は冷ややかな視線を送る。 やがて、いつまでもにやついている友の視線を 鬱陶しそうに機械は手で払った。 ] (111) 2023/11/30(Thu) 3:21:38 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ……己は、これからもあの楽園を広げ続けます。 それを"途方もない"と呼ぶのは人間の尺度に過ぎません。 存在するかも定かではない奇跡を乞うより よほど現実的だと己は思います。 [ 長い時と命を費やしながら、 かつて人類は、地球滅亡までの道を歩んでいった。 機械は、それと同じことを行うだけだ。 ] 「あなたの理想は美しい。」 人も機械も、己たちをよく褒めました。 ならば、示し続けて見せる必要があると己は考えます。 「これは人の成せることなのだ」と。 ――それが己の考える"この世界の救い"です。 (112) 2023/11/30(Thu) 3:22:30 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ……我が友よ、あなたの解を求めます。 久しぶりに会ったわけですし、 それぐらいの成果は期待してもいいのでしょう? [ 周到に面倒な手続きでもって、友は機械を呼び出した。 その動機はおおよそ道楽だろう。 しかし、楽園を出た動機までもが道楽だとは思わない。 己は友であり、友は己でもある。 それは、"親"と"子"の関係と決定的に異なる点のひとつだ。 機械は友に視線を向けた。 二人を隔てていたモニターは姿を消していた。 ――視線が交わる。 友は相変わらずにやついていたが、 ようやく己に関心を向けたのだと機械は認識した。 やがて、ソファの前までやって来ると、 座る脚の横に片膝を押し込み、友は機械を抱きしめた。 鼓動は早く、腕は微かに震えている。 その機敏と熱を数字で捉えながら 倣うように、機械は友に我が身を預けた。 ] (113) 2023/11/30(Thu) 3:24:18 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ『…………。』 『親愛なる我が友よ。』 『とてもいい答えだ。ああ、それでこそ君だ。』 『"それは秩序か? それとも救世主か?"』 『――僕の答えを出そうか。』 (114) 2023/11/30(Thu) 3:24:57 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ― 福音、楽園の外 ― 〈 その身に収められた記録を複製する間、 狭いソファの上、僕は眠る友を抱き続けていた。 〉 ……本当、君って冷たいし硬いな。 別にいいけどね。 僕も、君の立場ならきっとそうしていた。 インダラクスもヘローもヌエヌエも。皆、同じさ。 〈 悴んでいく指先さえ今は愛おしい。 君の心臓に熱が灯るのは一体いつになるだろう? 憂い、嘆き、歓喜する日は? その肩口に頬を添わせれば 物言わぬ友からは、あの庭の匂いがした。 ……どうして人類は失い続けてしまったのだろうね。 存在しない奇跡の夢でも見てたのかな。 それとも、夢を見ることさえ―― とっくに諦めてしまっていたのかな。 〉 (116) 2023/11/30(Thu) 3:26:20 |
【人】 朧广灯 リヒトーヴ……これが僕の『孔雀革命』。 僕たちはどこにも還らない。 誰よりも高く飛び、誰よりも遠い世界を目指そう。 僕たちであの空を、大地を、海を、 木々を、星空を、動物たちを―――― あの美しかった青色を取り戻そう。 ……後のことは、きっとそれからで充分さ。* (117) 2023/11/30(Thu) 3:26:54 |
【人】 苗床環者 メディウム − 緋雁との話 − [咲けるようになった僕らと雷恩が並んでいた時に、緋雁どのと出会ったことがある。彼は、戦闘員というらしくあまり積極的に交流を持つ機会は無かったのだけど。 ……先日、博士と何か……甘やかなやり取りではない、むしろその逆……話をしていた事は聞いていた。 だからこそ、少しためらっている。彼にとってはきっと、僕らも「異物」として映るのだろう。尊い大樹へと寄り添い咲こうとする花へ、何を思っているのだろうか。] こ、こんにちは。緋雁どの。えっと、そこで雷恩、どのと出会ってな……少し道案内していた所だ。お、お邪魔になりそうなら、僕はこれで…… [つい、そんな風に雷恩と距離を取ろうとしてしまった。 (一時的に離れるだけよ、すぐ戻るわ) 一応、そう“彼女”は伝えてくれたけど]* (118) 2023/11/30(Thu) 14:04:09 |
【人】 苗床環者 メディウム− 再び直青と、羅生と − [「ご挨拶」は済ませたけど、僕らは基本的に彼らがいる場所では極力雷恩と出会わないようにしていた。……干渉はしない、と言われたけれど。それでも、僕らが今雷恩の側で咲けるのは。あくまでも「彼にとって望ましい」からなのだ。 ……いつか、「望ましくない」ものへと変わってしまったなら。きっと僕らはそのまま大地へと還されてしまうんだろう。 そう思っていたある日だった。] …………あ……な、直ちゃんどの。羅生どの、お久しぶり、です…… [雷恩と会話中、昔読んだ本の話題になって。たしか離れた部屋にあったはず……と取りに行った先で、ふたりと、鉢合わせしてしまった。なんとなく気まずさを覚えて、口籠もる。] えっと、せ、誠実に、お付き合い、させて、いただいています…… [目的の物を探すのも忘れて、居た堪れない気持ちで言葉を紡ぐ。]* (119) 2023/11/30(Thu) 14:13:55 |
【人】 三ノ宮 緋雁─ ある日(メディウム&雷恩) ─ [あるときメディウムちゃんが雷恩と一緒に歩いているのを見かけた。>>118 メディウムちゃんは声をかけてきたかと思ったら、すぐ去るつもりらしい] 何の邪魔? そんな露骨に逃げなくたって、襲いかかったりしないよ。 [彼女が殲滅対象かどうか、は深く考えないことにしてある。 命令に従うのは苦じゃないけど、身近に殺意を抱く相手ができたら大変かもしれないし。 まあメディウムちゃんが話すことがないって言うなら、オレからも特に改めて言うことはないんだけど。 つまりは前言った内容から変化してないってことでもある。>>2:123 雷恩は何か話したいことがあるんだろうか、とオレは二人を見比べた]** (120) 2023/11/30(Thu) 15:15:12 |
【人】 寿ホ儀 直青[楽園を歩く。 直青が"壊した"あの日以来、羅生を──「言ト霊」をその任から外していた。 一時的な処置になるのか、永続的なものになるのかは、……これから紡ぎ、交歓する"言葉"次第なのだろう。 その分増えたタスクは、しかし予定を圧迫する程ではない。 全ては順調に推移している。 楽園を歩く。 冬の区画に差し掛かった。回路に影響を受けぬよう調整した体表は「寒い」という現象をのみ知覚する。人工の雪が染め上げる季節の奥果てに、咲かぬ梅の木を見る。 そこに祈りが在ることを直青は知らずにいる。 ただ、うつくしいとだけ、評価を下した。 楽園を歩く。 遠景に、継ぎ接ぎの青年が螺子を巻く。内臓を思わせる、ピンク色の粘液が今日も白衣を染めていた。フラスコと水槽が睦まじくその世話を焼くのを見る。 それは"人間の営み"だ。 彼等の博士は、そこに何を希うのだろうか。] (122) 2023/11/30(Thu) 16:20:20 |
【人】 苗床環者 メディウム>>124 [後ろに下がっていく羅生どのを見て、このふたりに、決定的な「なにか」が起こってしまったことを察する。だけど、以前の様に一方的な言葉を投げかけることもできやしないから。……ただ、それが平時であると、そういうふりをする事にした。] ……あ、ああ。ここに書物は、けっこう多いんだ。博士たちが、大切に保管していたから。 えっと、そこにある本とか、面白いが……夢物語は、あなた方の好みに合うだろうか。 [穏やかに振る舞う彼へ、なるべく普通に接する。苦手意識はまだ強いけれど、雷恩の大切なひとだから。僕らが、切り捨てられることの無いように。相応に振る舞うことを心掛けるようにした。]* (125) 2023/11/30(Thu) 17:12:42 |
【人】 寿ホ儀 直青>>125 [面白いものだな、と評価する。 ウキクサ博士の抱くAIに対する認識を、彼女は継承してはいないようだ。我々に「好み」があると、自然に思考している。] 夢物語、良いではありませんか。 語っていただきたいですね。 どのようなお話なのですか? あなたは、どんなところに惹かれますか。 [植物を宿す少女から雷恩が受ける刺激は、きっとこれからも彼の情緒を豊かにしていくことだろう。直青は笑みを深くして、続きを促した。 直青を父と慕ってくれる雷恩が、誰かの父親になる日は果たしていつになるのか。予測を立ててみる。その試算は直青にとって幸福を齎すものだった。 後ろ手に、羅生の手を握る。 遠慮がちに、けれど真っ直ぐに響いて聴こえる少女の言葉を待ちながら、直青は我が子を──その伴侶を見つめていた。] ** (126) 2023/11/30(Thu) 17:31:30 |
【人】 苗床環者 メディウム>>126 [物語でも大丈夫なのか、と安堵する。学術書もいくつかあるから、そちらの方が興味あるのかと思っていたが。問われたのなら答えるべきだろう。] うーん……とはいえ、『旧人類』の物語がいくつかあるからな……ああ、これとかはどうだろうか。 [差し出したのは、いわゆる「SF」に分類される物語だ。たしかこれの内容は、『宇宙から飛来した上位存在によって人類が進化し、古い世界は終焉を迎える』というものだった。これなら、気に入ってもらえるだろうか。] 雷恩も、気になる本があれば。紹介するから…… [傍らにいる愛しいひとへ、告げる。……自分でも驚くほど、彼らと穏やかな時間を過ごせただろう。]** (127) 2023/11/30(Thu) 18:00:08 |
【人】 蕃神 雷恩[彼女と、直青との間に穏やかな時が流れている。 会話を挟むこともせず。俺は2人と、羅生との様子を見ていた。 直青が、メディウムとの関係性が良いのはよいことだ。 本の貸し借り、というのも 知識の交換という点に関して、素晴らしい。 ―― ……それを素直に微笑ましく思えないのは その場に羅生の存在が、あったからだ。 己は、彼にとっては失敗作である。 自然、表情は硬くなってしまう。 まるで感情を表出することを苦手とした頃のように。 ただ、メディウムに話しかけられた際には>>127] そうだな。なら 葉脈について詳しく乗っているものが……。 [とうっかり性癖をちらりさせてしまったがそれはともかく。] (128) 2023/11/30(Thu) 18:09:23 |
【人】 蕃神 雷恩[自分を、桜花を見守ってくれている直青が 羅生と近しく、寄り添っているのを見る。 ――きっと、俺は羅生を受け入れられない。 受け入れて、互いに傷つくのが嫌だ。 桜花と違い、距離は詰まらないことだろう。 それでも、直青や桜花が幸せならば。] ――よかったね。 [それは、誰に言った言葉なのか。 向けられたあなた”たち”だけが知っていればいい。*] (129) 2023/11/30(Thu) 18:09:32 |
【人】 苗床環者 メディウム[>>120 その場から離れる前に、伝えていない事を思い出した。] あの、緋雁どの。僕らは、その、雷恩、どのと、少しだけ、懇意にさせていただいているん、だ。 だから……その……これからも、誠意をもって、接していくから。 いつか、きみたちが僕らを不要とする日までは。 [そう言って、少し離れた物陰から2人を見守ることにした。]* (131) 2023/11/30(Thu) 19:28:33 |
【人】 巫凪 桜花 ― 直青 ― [行き過ぎる“季節”に、群れる秋桜>>31 薄紅の花片が均等に並び、放射状に拡がっている。 その花が冠する名には、己の名の一字が含まれているという。 遠い秋の日にも、春の桜に思いを寄せて、 かつての人々は待ち望んだのだろうか。 緻密に描いた製図のもと、妙なる手が創り上げたかのような、 秩序正しい精美。 木々も、花も、動物も。 機械の手が生み出した、この躰もまた] 直青は、物識りだね。 新しいことは、いつも直青が教えてくれた。 [永年に蓄えられた膨大なデータを手ずから掬い上げ、 ひとつひとつ与えてくれたのは、彼以外の誰でもない] (132) 2023/11/30(Thu) 19:33:28 |
【人】 巫凪 桜花[貰ったのは、いつもの呼び名。希った言葉>>32] ――この手が、俺たちを育ててくれたね。 [歩み寄り、己の口元へと迎えた手の甲に、 ありがとう、と囁く。 晴れた日も、雨の日も。 それはきっと、彼自身も。 何時も変わらず、道標となった彼。 エスコートを果たした恭しい手つきから一転、 踊る仕草で手を引いた] 行こう。まだまだ、見せたいものがあるんだ。 俺の好きなもの、綺麗なもの。 直と一緒に、見たいと思ってた。 [いつか、この手が届かないところまで行くのかも知れない。 だから今は、手を繋いで、何度でも呼んで欲しい。 受け取ったものを返せるまで、傍にいて欲しい。 それはきっと、“子どもの特権”だ>>106**] (133) 2023/11/30(Thu) 19:37:07 |
【人】 三ノ宮 緋雁─ ある日(メディウム&雷恩) ─ 『僕ら』? って、キミと誰? [去ろうとした彼女の言った言葉が不思議で、オレはつい問い返した。何せ彼女のことはほとんど知らない。桜花ちゃんとちょっと似た匂いがする、ぐらいしかわからない] ……まあ、雷恩の害にならないように頑張って。 それを判断するのはオレじゃないから、 どうすればいいかなんて知らないけどね。 [そう言って離れていく後ろ姿を見送った] (134) 2023/11/30(Thu) 19:46:00 |
【人】 三ノ宮 緋雁[その後、雷恩がオレのそばに残るのなら視線を向けて] ね、雷恩にとってあの子ってどんな存在? [雷恩からは聞いたことがなかった気がして、尋ねてみる。 オレは「雷恩が満足してるならいいや」って思ってるけど、参考までに。 二人の仲がどうなろうと雷恩は学びを得るだろうし、無益ってことはないと思うんだけどね]* (135) 2023/11/30(Thu) 19:46:09 |
【人】 蕃神 雷恩[君と話す前に。桜花と話を、した。 その際に自身を卑下する発言が聞こえたり、 まだ君らとともにいたいという思いの吐露を聞いた。 直青は見捨てないだろう、けれど。 2人とも新人類としての成長を足踏みしていたら 新しい新人類が生まれ、其方に重圧はかかるだろう その時、桜花は。弟はどうなるだろう。 それを気に病みはしないか。 なら、俺の成長を見せて 少しだけ心の準備を待ってもらえないだろうか。 何時か、彼が彼の意思で咲ける日まで。 などという、最近名前が漸くつけられた兄心というやつだ。 あと、メディウムはとても葉脈が美しい。大層そそられる。 それらをひっくるめて。なのだけれど。 俺はやっぱり、言葉がまだまだ足りないのだ*] (137) 2023/11/30(Thu) 19:55:26 |
【人】 苗床環者 メディウム[>>136>>137 物陰から、雷恩と緋雁どのが談笑する様子を見守る。 僕らのこと、必要だと、思ってくれてるのかな。 少しくすぐったい気持ちになったけれど……僕らの葉脈がどうのこうの、と言い出したときは流石に飛び出して小突いた。 緋雁どの、にも。咲いていることをみとめてほしいな、なんて思いながら別れた。]** (139) 2023/11/30(Thu) 20:06:10 |
【人】 三ノ宮 緋雁[去り際に振り返った彼女は、声を聞かせてくれた。>>138 人間と植物。その融合体ってことなのか。 彼女から感じる植物の匂い、そして土のような匂い。>>0:44 その謎がやっと解けた気がした。 オレがメディウムちゃん単体の存在を認めることがあるかどうかは、正直言ってわからない。 ウキクサのときみたいに、細かく思想を聞いた上で殲滅対象かどうかをオレなりに判断することはできると思うけれど、その末に殺意を抱くことになったら面倒臭いからやりたくないんだよね。 だから保留のままそっとしておこうかなって。 それに、仮に認めて気に入ったとしても、殺せって指示が出たら殺すし。 なんてことを考えながら、オレは二人を見送った。ひらひら手を振りながら]* (141) 2023/11/30(Thu) 20:15:38 |
【人】 三ノ宮 緋雁─ 研究所を去る前・植物園 ─ [ミケの指示もあるし、そろそろ研究所を去ることになって、最後にオレが向かったのは植物園。 雷恩や桜花ちゃんが気に入ってた場所。 こういう自然環境は他に無いから、ここに価値があるという判断はとてもよく理解できる。>>0 けれどオレは何度来ても、ここに特別な魅力を感じることがない。 多くの生物にとって都合のいい環境なのはわかる。植物だけでなく動物も生息しているみたいだし。 昔、この大地の広い地域がこんな風だったのもデータとしては知っている。 でも、それだけだ。 それだけの感想しか抱けないのが、オレはちょっとだけ残念に思うんだ]* (142) 2023/11/30(Thu) 20:22:50 |
【人】 三ノ宮 緋雁─ 植物園(桜花) ─ あ、桜花ちゃん。 [オレを呼ぶ声が聞こえて、方角を探し、桜色を見つける。>>143 招かれるままに歩み寄って、隣に座ることにした] そうだね……、桜花ちゃん、ここ気に入ってたもんね。 残りたいんなら残れるんじゃなかった? [最後の日までここにいるぐらい気に入っているのなら、相当名残惜しいんじゃないだろうか。オレは残る理由がないから、去るつもりだけれど。 ここなら表立って敵対している相手もいないし、安全に過ごせると思うし……。 そう問いながら桜花ちゃんの髪を見つめる。 桜。桜花ちゃんの髪の色と同じようなピンク色をした、木に咲く花。その美しさで多くの旧人類に愛されたという。時期が来ると枝を埋め尽くす花々は、データで見ても見事なものだった。 その花の名が桜花ちゃんに相応しいかどうかなんてオレにはわからないけれど、他のみんなはどう思ってるんだろうか……なんてぼんやり考えていた]* (144) 2023/11/30(Thu) 20:47:05 |
【人】 三ノ宮 緋雁─ 植物園(桜花) ─ ないんだ? 残る理由。オレもないけど……。 [ここが気に入っている気持ちは残る理由にはならないんだ、と思うと少し意外ではあるんだけれど。 ここでお別れにならずにすむのは、ほっとする] じゃあみんな一緒だね、……だよね? [他に誰か残りたい人がいるとは、オレは聞き覚えが無い。 桜花ちゃんはどうなんだろう、と確かめつつ] いつまでいることになるかと思ってたけど……、 あっという間だねえ。 [視線を空に向けた。ここは他の場所より太陽がよく見える気がする。それだけ空気が清浄なんだろうか。 他の地域は砂塵みたいなのが舞ってるところもあるもんね]* (146) 2023/11/30(Thu) 21:03:16 |
【人】 巫凪 桜花ないでしょ。ないない。 ここにはみんな、いないもん。 [緋雁に残る理由がないのかと確かめられて、軽い声で応じる] それに、俺がいなくて、みんなどうするの。 天蓋は、ふざける相手がいなくなるし、 群鷺は…絡む相手が、いなくなるし? [少し顔を顰めて、仲間の一人の名前を口にする。 空から彼を遮るように、近くで顔を覗き込む。 彼を映すための、凪いだ水色の瞳で] ――緋雁は? 俺が一緒の方がいいって、…言ってくれる? (147) 2023/11/30(Thu) 21:14:46 |
【人】 三ノ宮 緋雁─ 植物園(桜花) ─ [問いに答える声は軽かった。>>147 それで本当にここへの未練は特に無いんだな、って思えた。 桜花ちゃんが戦闘AIたちの名前を挙げるのを聞くと、なんだか面白くなって笑ってしまった。 羅生はああ言ってたけど、みんな結構コミュニケーションは取ってるよね?>>2:14] うん。オレも桜花ちゃんがいたほうがいいな。 そばにいなくなったら張り合いがなくなるもん。 [オレは直接役に立てるわけではないにしろ、ずっと雷恩と桜花ちゃんのことを考えてきたし。そばにいなくなったら考えることがひとつ減ってしまう。 それはオレにとって、いいことではない気がするんだ]* (148) 2023/11/30(Thu) 21:24:51 |
【人】 三ノ宮 緋雁─ 植物園(桜花) ─ またついてくるんだ……? 戦力に余裕があるときだけにしてね? [勝てるか危ういようなギリギリの戦力での出撃は、たぶんしないと思う。>>149 しないと思うけど、万が一のことはやっぱり心配だしね。他の戦闘員はどう思ってるんだろう。聞いておけばよかったな……] あんなこと……って、廃棄処分になるかもってこと? 本当、そうならなくてよかったよね……。 [あれはオレも驚いた。桜花ちゃんは覚悟を決めているようには見えたけれど、やっぱり、そんな単純なものではなかったんだろうか。 自分の意思を貫くためなら、その結果が廃棄でもいい──とは、オレは思えない気がする。 そして、そういう風に思えるのが人類らしさ、のような気は……する。ウキクサと話して思ったことだけどね]* (150) 2023/11/30(Thu) 21:42:10 |
【人】 巫凪 桜花えー、どうかな。 緋雁がひとりいれば、余裕でしょ。 [彼の居る戦場には、自分もそこに居たいから>>150 最近自分に降り掛かったことを、改めて振り返り] そうだね、でも。 したいこと、できるうちにやっとかなきゃって よく分かったから、結果的に良かったかな。 [裾を払って先に立ち上がり、未だ腰掛ける彼へと、 掌を差し伸べる] ね、最後だからちょっと歩こうよ。 ここで俺が見つけたものとか、色々一緒に見てから行きたい。 もしよくわかんなくてもさ、それでいいから。 緋雁に、一緒に来て欲しい。…ずっと。 [何気ない声音で紡ぐのは、何気ない日常に紛れていた願い*] (151) 2023/11/30(Thu) 21:48:15 |
【人】 三ノ宮 緋雁いいね! 桜花ちゃんのオススメ教えて? オレはどんなのが『綺麗』かわかんないからさ。 [『ずっと』なんて大げさだなあと思ったけれど、一緒に過ごせる時間は長いほうがいいと思い直した。>>151 桜花ちゃんもいつか、雷恩みたいに一緒に生きたい相手をほかに見つけるのかもしれない。そうなる前に、思い出をたくさん作らせてもらおうかって] いつ死ぬかわからない世界なんだし、 死ぬときに後悔はしたくないよね……。 [少し前に呟かれた、すぐには答えられなかった言葉に返事をする。 できるうちにやっておきたいことは、オレも探しておいたほうがいいのかもしれない。戦いが日常である以上は、いつ終わりが来てもおかしくないんだから]* (153) 2023/11/30(Thu) 21:59:28 |
【人】 三ノ宮 緋雁──それから [浮草生命研究所からは、見た目上友好関係のまま去ることになった。 利用価値があるなら旧人類でも生かしておこうっていう《sintoisMécanique》の考えは一貫しているし、オレも同意する。新人類の未来のために役立つなら何だって利用すべきだ。 オレの中にウキクサへの殺意はあるけど、本部や直ちゃんの判断に逆らう気は無い。 自分の意志を通すために組織に逆らうなんて、まさに“人類の愚行”でしょ? 罪をわざわざなぞる気はないからね。 そうしてオレたちは日常へ戻った] (154) 2023/11/30(Thu) 22:02:50 |
【人】 三ノ宮 緋雁[今日は群鷺と2人。相手はそこそこ戦闘慣れした小集団。 制圧地点を指示されただけだったから、何か名前のあるコミュニティなのかどうかは忘れてしまった。 殲滅対象の数が少ないから、オレは槍だけ持ってきた。 桜花ちゃんがついてきてるなら、オレの真後ろ、群鷺と同じぐらいの距離にいてもらうだろう。そこなら誰の邪魔にもならない上にそこそこ安全のはず。 相手は飛び道具の手持ちが少ないのか、使ってこない。 それならオレたちのほうが圧倒的に有利だけど。相手は応戦する気を失くしていない] どこまでついてこれるか見ててあげる! [相手がオレの突きを上手く受け流すさまを見て、オレは少しずつ速度を速め始めた。鍛えた旧人類はどのぐらいの速度まで対応できるんだろうか? 仮に速度に対応されたとして、手が尽きるわけじゃないけどね] (156) 2023/11/30(Thu) 22:03:10 |
【人】 三ノ宮 緋雁[オレはすぐに相手が受け流せなくなる速度を把握した。 必要以上に速く動くと負荷が高くなるから、少し上回るぐらいで抑えて] ほら、置いてっちゃうよ? [速いだけで軽い突きや払いを繰り返しながら、隙を窺う。 狙うは三段。 一段目で装甲を割り、二段目で骨を砕き、三段目で心臓を貫くつもりで。 その隙を見つけるやいなや、オレは即座に一段目を放って、すぐに二段目を叩き込んだ。そして最後に本命の一撃。どこまで貫けるかを見届けようと、じっと目を凝らしながら突き入れる。 もし貫き切れなかったそのときは、群鷺が撃ち抜いてくれるでしょ。 その群鷺が何してたのかと思って周りの様子を窺ったら、増援に駆けつけようとしてる後方の敵を撃ち抜いていたようだった。 これがオレたちの日常] (157) 2023/11/30(Thu) 22:03:24 |
【人】 三ノ宮 緋雁[“旧人類の殲滅”、それがオレの存在理由で存在意義。 オレはこのために造り出された。 新人類たちの──雷恩と桜花ちゃんの未来のためになると信じて、今日もオレは使命を果たす]** (158) 2023/11/30(Thu) 22:03:33 |
【人】 巫凪 桜花ああ、それで思い出した。 っていうのも、酷い話なんだけど。 緋雁が戦ってるところ、格好良くて好きだよ。 ――いつも、見てる。 だから、長生きしてよね? [繋いだ手に、痛むほど強く、力を籠めた*] (160) 2023/11/30(Thu) 22:09:42 |
【人】 三ノ宮 緋雁─ 回想:植物園(桜花) ─ [桜花ちゃんはまた無茶を言う。>>159 見送られるのが嫌なオレへ。 素直に喜べはしないけれど、でも、不思議だよね。 そんな風に見届けたいと思ってくれるひとがいるのが、嬉しいことのような気がしてくるんだ。 そして、桜花ちゃんがくれたもうひとつの言葉たちは、オレにとっては意外極まりないものだった。 オレは人類同士なら『綺麗』を理解し合えるのかと思っていたんだ。 でも、桜花ちゃんはそんなことないだろうと言う。 AIだからわからないってわけじゃないんだとしたら、それも少し、嬉しいな。 ちゃんと“隣に立てた”みたいで] (161) 2023/11/30(Thu) 22:28:22 |
【人】 巫凪 桜花 ― いつかの何処か ― [草花が咲き誇る、緑の大地。 かつてそこには、桜色の護り人がいた。 無垢に白い外衣の下、袖口に一輪の朱を擁した護り人が。 今はそこに、万朶の桜が立っている。 桜の下には、いくつもの生命が眠っている。 花を散らす。 もう居ないひとの哀しみに。 花を咲かせる。 産まれ出づる喜びの言寿ぎに。 やがて訪う眠りが安らかなものであるよう、 揺籠の上に葉を揺らしながら。 巡り、還り、いつまでも。 未来の貴方に、届くまで*] (163) 2023/11/30(Thu) 22:47:47 |
【人】 苗床環者 メディウム ー どこかの地 ー [……あの日から、色々あって。僕らは雷恩のいる組織への同行を許可された。痛み止めは雷恩がいればどうにかなるし、ある程度の調剤も用意できるとの事だったから、少し戸惑いながらもそちらへ行くことにした。研究所のみんなはお祝いしてくれたし、外の貴重なデータを送るための機材も用意してもらった。 初めて見た、外の景色は『楽園』とは程遠い様相だったけれども。興味深いものがたくさんあって、退屈はしなかった。 不安だった共同生活も、なんだかんだで受け入れてくれるAIたちがいて。血と硝煙に塗れた彼らの生き様を直接見ることはほとんどなかったけれど、それでも僕らなりに馴染めていたと、思う。 …………外の空気は、澱んでいて、あちこちに危険な機械が跋扈していて。『旧人類』の犯した罪とは、ここまでのものだったのだろうか。考えても分かりそうにはない。ただ、僕は、僕らは。 新しくできた居場所で、あの人の隣で咲く。それだけだから。] (164) 2023/11/30(Thu) 23:58:02 |
【人】 苗床環者 メディウム[差し込んできた日光を浴びて、光合成をする。無機炭素がいくつか酸素になって空気に溶けていく。 僕ら1人ではこの世界を変えるなんて事は出来ないし、そもそも僕らがどうにかできるとも思っていない。『楽園』で真似事の失楽園を演じてみたりもしたけど、新たな礎なんてものになれる様な器でも、きっと無い。 ただただ、僕らは愛した人のために息をする。] …………さよなら。 [なんとなく口を吐いて出た言葉が、誰かに伝わるでもなく消えてゆく。いったい誰に別れを告げたんだろうか。かつて生きてきた『旧人類』へなのか、それとも僕らが僕らへと成る前の存在にだったのか。 ……僕らの雷恩が僕らを呼ぶ声がしたから、応えるようにそちらへと向かった。 彼らが失った楽園を、再び取り戻す日まで。その日まではさよなら。 ]** (165) 2023/12/01(Fri) 0:11:11 |
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