人狼物語 三日月国


57 在りし日の記憶、邂逅に微睡み

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【見】 事務部長 ミロク

epilogue




……

XY『塔』のタロットカード

絶望、破滅、破壊、困難、終局。
積み上げてきたものの崩壊を意味する。
全ての中で最凶のタロット。



………
(@8) 2021/02/11(Thu) 16:58:47

【見】 事務部長 ミロク

[あの時の妙な体験は今でも偶に思い出す。]

[何故かって、それには2つの理由がある。]

[まず1つ目は、
あれから早"10年"は経つのに言う程驚く様な不幸が無いからだ。


[仕事や私生活でのストレスは度々あるが、タロットのせいにする程極端に不幸だと感じたことは一度も無い。]

[あの世界から戻ってすぐにタロットカードの効果は調べた。それこそ、特に『塔』の効果はインターネットの端から端まで……。]

[だが…、私の仕事、そしてプライベートまでもが、至って順調。順調過ぎるくらいに。]
(@9) 2021/02/11(Thu) 16:59:35

【見】 事務部長 ミロク

[そして2つ目…、
あの世界で見た『デスゲーム』の映像が未来の自分であると疑えなかった。
>>3:@12>>3:@13

[奇しくも今の私は"事務部長"の役職を務めている。そして、忘れもしない、あの映像の登場人物達…、現在勤務先の病院内に"全員が揃っている。"]

[だから、"今"改めて思い出すのだ。]
(@10) 2021/02/11(Thu) 17:00:42

【見】 事務部長 ミロク

勤務地病院・会議室


「おっ!きたきた!
忙しい中悪いね、菊池くん。
今日は地域の皆様との親交を図るレクリエーションデー。実は当院でもトークの上手い職員を選んで参加して貰ったんだよ。
さぁ、かけてかけて!」

院長がミロクを席へと誘導する。
会議室の席には…、脳裏にこびり付いた"あの記憶"と全く同じ参加者、光景。

肉片と血の混じる水溜り。
力無く揺れる空中の足。
牙の生えた怪物。


それらがフラッシュバックする。
目眩がし、冷や汗が身体中から吹き出した。

「何緊張してるんです?
早く始めましょうよ〜。」

隣にいた医師にも急かされ、ミロクは震える手付きで恐る恐る席についた。手首から垂れた汗がテーブルに、ぽたり、と落ちる。
(@11) 2021/02/11(Thu) 17:01:26

【見】 事務部長 ミロク

全員揃ったのを確認し、院長が話し出す。

「えー皆様、お集まりいただき誠に有難う御座います!では、ただ今から『恋役職入り人狼ゲーム』大会を始めま〜す!」

わぁぁ!っと会議室が沸き、拍手喝采。
ミロクも顔を青くしながらも表情を整え手を叩いた。楽しそうな表情の参加者。医師、看護師、警備員、少女。その中、唯一一人、震える手で拍手する。

続けて、そのまま院長が進行を取り仕切る。

「ルールやレギュはしおりの通りです。
では、今回私はGM兼
初日犠牲者
になりますので、わからない事などあればいつでも聞いて下さいね〜。
ハイ!今から役を決めますよー!」


「…???????」
(@12) 2021/02/11(Thu) 17:02:14

【見】 事務部長 ミロク

…………



決着:恋人の勝利


「皆さんお疲れ様でしたー!」


院長から入室を許可され、退出していた参加者たちは別室から一斉に会議室へ戻ってきた。ミロクも他の参加者と和気藹々と話しながら自分の席に戻ってくる。

「いやぁ、騙されましたよ先生。
お見事です。参りました。」

今では院長に呼ばれ会議室に招かれたあの時の怯えが嘘の様に無くなっていた。

「え、事務部長は最初から狼も恋人も誰が何か最初からわかっていたんです?流石にそれは嘘でしょ〜。」

隣に座っていた研修医の医師と談笑する。
しかし、ミロクには本当にわかっていたのだ。シナリオを一度見ているのだから。
(@13) 2021/02/11(Thu) 17:03:21

【見】 事務部長 ミロク

[あの時見た映像と今回の"ゲーム"は内容が全く一緒だった。違う点は"人が実際に死ぬかどうか"という一点のみ。]

[では…あの映像は何だったのだろうか?]


会議室での人狼ゲームが終わり、参加者が退席していく。院長は地域の人々とのレクリエーションが好評に終わり満足気な様子。

ミロクが簡単に会議室の片付けをしていると、参加者の一人の少女とすれ違う。
名前は、リク。

すれ違い様にお互い会釈した。

[思い出した。
私は彼女と一緒にあの世界から帰ってきた。でも、彼女はあの世界の事を覚えていないようだ。もしかしたら…あの時の彼女は、これから先の未来の……?]

もう会議室に彼女はいなかった。
だが、何か話があったという訳ではない。

[私が無事に帰れているなら彼女も無事だ。
今日で杞憂も晴れた。やっと。
ならば…、今更語る事もないだろう。]

そうしてミロクも、会議室から退出した。*
(@14) 2021/02/11(Thu) 17:04:40

【見】 事務部長 ミロク

「あ!菊池さ〜ん!
今から参加者の何人かと食事会するって話になって。来ませんか?」

先程の研修医がミロクを呼び止める。

「あー、申し訳ありません。
実は今月中に仕上げなきゃいけない案件が山積みで。念の為やっておきたいんですよ。
来月には大きな予定もありまして。」

「来月!?別に今日くらい大丈夫では…。」

少し考える、が、苦笑いして頭を下げる。

「いやぁ本当に申し訳ない!
嫁と娘と約束していまして…申し訳ない!」

ミロクは頭をへこへこと下げながら、そそくさと事務部長室へ戻っていった。
(@15) 2021/02/11(Thu) 18:54:13

【見】 事務部長 ミロク

[10年前のあの一件の後、私は少し考え方を改めてみた。]

[合理的に、効率良く、それも確かに大切ではあるが、本当に人を動かすのは"人から人への想い"なのではないか、と…。]

[そう思うと、また妻に、娘に、会いたくなったのだ。]

[数年間はまだ機械的な脳が抵抗していたが、ついに電話することができた。会って、娘にも会って、話して、食事して、出掛けて、半年に一度、3ヶ月に一度、ひと月に一度、週に一度、今では…。]

[別れる以前より幸せに感じた。
そこには、私の中には、そんな感情しかなかった。今、幸せであると。]

[いずれ来る恐怖を包み込む様に、幸せだった。]
(@16) 2021/02/11(Thu) 18:55:05

【見】 事務部長 ミロク

……………

[あの『人狼ゲーム』から数週間後。
変わらぬ日々が続いていた。
いや、一旦区切りを迎えようとしていた。]

[明日から有給とリフレッシュ休暇を組み合わせ人生初の2週間休みを迎える。私が再婚のマニュフェストとして掲げた『海外旅行』を鵜呑みにした妻と娘が強引に計画したのだ。その計画通りに……。]


帰路・自家用車運転中


自宅へ向かい暗い山道を走る。
地元民くらいしか通らない道であまり公共の整備はされていないが山を越えるには十分。
今住んでいる家は勤務地の隣町にある。
転勤族の住まいならまだマシな方だ。

最終日は何とか3時間程度の残業で終わり、妻と電話しながら運転するミロク。
(@17) 2021/02/11(Thu) 18:56:23

【見】 事務部長 ミロク

「ああ、何とか折り畳み傘は3つ買えたよ。…あー、というかもう降ってる?これ通り雨?なら明日からは問題ないか。」

[フロントガラスに当たる雨粒を見ながらスピーカーの声と話す。視界が悪い。バラバラと当たる音もスピーカーの声を掻き消す程大きくなってきている。そんな、大袈裟に。続いて天に浮かぶ灰色の厚い雲が鈍く光る。]

注意しながら山道を進む。


しかし、


パァッ



雷か。視界が一瞬真っ白になる。


………………
(@18) 2021/02/11(Thu) 18:57:11

【見】 事務部長 ミロク

XY『塔』のタロットカード

絶望、破滅、破壊、困難、終局。
積み上げてきたものの崩壊を意味する。
全ての中で最凶のタロット。




ミロクの視界がクリアになった時には、
もう手遅れな程近くに対向車は迫っていた。

ブレーキに足を置くより早く、
そんな考えより早く、

落雷より重い音と衝撃が襲う。

ガガガガガァァァ!!!
ダァァァン!!!!!!!


お互いの車は加速したまま正面衝突した。
(@19) 2021/02/11(Thu) 18:58:44

【見】 事務部長 ミロク

2つの車は前席が殆どペシャンコになった。
完全な正面衝突で、お互いにその場から吹き飛ばされてもいない状態。雨の降る山道の真ん中で停止していた。




何とか力を振り絞り運転席のドアを開け、雨の当たる道路へと倒れ込むミロク。
既に口から血やら固形物やらが噴き出した後の状態でかつ顔も半分潰れ首から上は真っ赤に染まっている。左足も左手の指のいくつかも、正しい方向に曲がっていない。腹部、その辺りのシャツは、今もじわじわと赤い面積を広げていた。
右手に握られたスマートフォンからはまだ何か聴こえるが、全て雨音が無かったことにした。

それでも起き上がり、水溜りか、血溜まりかの上を歩き、対向車へ向かう。

……前席の男女は既に事切れていた。
(@20) 2021/02/11(Thu) 19:00:20

【見】 事務部長 ミロク

後ろ座席の割れた窓から、1人の少女がぐったりとして気絶しているのが見られた。息があるか確認しようと無理矢理ドアを引き剥がす。そうしている間にも、最早ミロクのシャツは"白いカッターシャツ"ではなくなっていた。

シートベルトを外し、少女を雨除けになる木陰へと運ぶ。どうやらまだ、彼女は生きている様子だ。目立った外傷もない。


木に凭れ掛からせた少女を見て、ミロクは思い出す。


あの時。>>3:@8


『世界の姉 リク』……?



意識が限界に達したミロクは受け身も取れないまま少女の横にうつ伏せで倒れた。
(@21) 2021/02/11(Thu) 19:01:52

【見】 事務部長 ミロク

雨はそれでも彼の頬を、身体中を強く叩く。

画面がぐしゃりと潰れたスマートフォンから妻の声が聞こえる。もう何か最後の言葉を言う力すら残っていない。割れた画面に映る妻と娘の自分に笑いかける写真を見るくらいしか、残されていない。


涙を浮かばせ…誰にも聴こえない様な声で、彼は最後に"歌う"……。


今…わた、しの…願、い…ごとが…
……………、……



次の世界では、空くらい飛べるだろうか?
あの塔を天から見下ろすくらい高く。



〜 Dead End 〜
(@22) 2021/02/11(Thu) 19:04:15

【人】 分校教諭 添木 卓郎

──after──

[ 掌に乗せた顎がずるり、と滑り
  顔面が机に衝突しかけるのを
  すんでのところで耐える。

  どうやら俺は頬杖をついて
  デスクの上で眠っていたらしかった。

  上体を起こし周囲を見渡せば
  ここは無人の職員室。
  しかし、立ち込める埃臭さも鈍色の空も
  そこには無く。

  窓を見やれば、茜色の空に照らされた
  波一つない海面が、きらきらと輝いていた。

  平和な日常だ。気怠さを感じる程の。]
 
(127) 2021/02/11(Thu) 23:26:09

【人】 分校教諭 添木 卓郎


[ ついさっきまでいた空間は、
  夢を見ていた…にしてはあまりに
  生々しいモノで──特に最後に夕凪と抱き合った
  感触は未だに全身に──
  彼女の付けていたルージュが
  自分の唇にしっとりと残っているような
  錯覚を覚えた。]
 
(128) 2021/02/11(Thu) 23:27:25

【人】 分校教諭 添木 卓郎


  『……先生が急に居なくなって。
    私たちが先生を軽蔑したと、先生がそう
    思っていたなら、
    今も、そう思っているなら

    それは違うよ、って、皆伝えたかったの。』

 
(129) 2021/02/11(Thu) 23:27:57

【人】 分校教諭 添木 卓郎


[ …確かめる術は、ある。
  4年前の出来事についての事実確認。
  そして、夕凪と記憶を共有しているか否か。
  それでこの摩訶不思議な体験の裏付けが出来る。
  
  あの時は自分と夕凪の事に必死だったが
  元の世界に戻ってこられた今となると
  あの場で知り合った者達──ネリーや柚乃、スバル
  (彼らは全員間違いなく帰還できているだろう)
  と連絡先を交換しておけば良かったな、と考えた。

  そうだったら事が一件落着した今からでも
  この事象についてある程度の説明を加えられた
  かも知れない。]
 
(130) 2021/02/11(Thu) 23:28:38

【人】 分校教諭 添木 卓郎


[ しかしまずは…知っている人を訪ねるのが先決だ。
  当然、理由は事実確認だけではない。

  夕凪に貰った暑中見舞いの葉書。
  ここに書かれた住所に行くには、
  1日2度出港のフェリーに乗り、各停に揺られ、
  そこから飛行機に乗らねばなるまい。

  本日は金曜日。
  他に何も考えられぬまま
  俺は職員室の席を立つ。]
 
(131) 2021/02/11(Thu) 23:30:01

【人】 分校教諭 添木 卓郎


[ 窓越しに遠く、
  こじんまりとしたフェリーが船頭を
  本島に向けようと動いていた。

  日は沈みかけ、上空を包む夕陽の色は
  最後の輝きを振り絞らんと言わんばかりに
  紅く燃える。

  文字通り水を打ったような地平線は少しも
  歪むことなく、燃える光を受け止めて煌めいた。

  ──
夕凪
の時間帯だ。]
 
(132) 2021/02/11(Thu) 23:30:52

【人】 分校教諭 添木 卓郎


[ きっと、この赤く燃える色は彼女によく
  似合うだろう。


  気付けば手中に握り込んでいた恋人のタロットを
  一瞥し、今度は今いるこの世界で
  彼女ともう一度向き合おうと、
  出港する船に向けて歩き出した。]**


〜『もしもの未来』に続く?〜

 
(133) 2021/02/11(Thu) 23:34:11

【人】 前に進みたい 柚乃

──いつかの手紙

  未来と過去のみんなへ

  元気にしてる?柚乃は、あいも変わらず
  屋敷で頑張ってるよ!
  子供たちも大きくなって、
  学校に行くことになったんだ。

  柚乃は、旦那さんに隠れて
  事業を始めたんだけど、
  すぐに気づかれちゃった。
  旦那さんは、相談しなかったことに
  すごく拗ねてたけど、
  甘やかしたら直ぐに助言くれて
  うまくいきそうな気がするよ!

  みんなはどう?
  柚乃は知ることができないけれど、
  もしかしたら、すれ違ってるのかな。
  だって、流石におばあちゃんになって
  この世からいなくなってるだろうし。

  もし、柚乃みたいな子がいたら、
  仲良くしてあげてね!!
  女の子は特に!好き!


  少しは大人になった柚乃より      

(134) 2021/02/11(Thu) 23:47:13

【人】 探索者 ネリー

− とある学校:保健室_

[ ネリーは意識の浮上を感じた。
  瞼を持ち上げると、白い天井。
  体の下は柔らかいベッド。
  横を向けばカーテンが見えた。 ]

ここは…学校の保健室?
私は確かに、死んだはずなのに…


[ ネリーは、ゆっくりとベッドから起き上がると
  カーテンの向こう側から複数人の
  声が聞こえることに気がついた。      ]
(135) 2021/02/11(Thu) 23:53:45

【人】 探索者 ネリー

この声は…私の前に襲われたハヤブサくん?
処刑したレオンくんの声も聞こえる…
一体これは


[ ネリーはカーテンを開けると、そこには
  文化祭で謎の現象に巻き込まれデスゲームを
  していたメンバーがいた。
  確かに、処刑して襲撃された死体も確認した
  メンバーが皆、保健室にいたのだ。

  ネリーが目を覚ますと「お疲れ様です」と
  声をかけられた。           ]

えっ、あのすみませんが…
現状が理解出来ず…私は確かに襲われて…
「死んだ」はず
(136) 2021/02/11(Thu) 23:54:30

【人】 探索者 ネリー

[ ネリーの戸惑いを見て、その一人が説明を
  してくれた。             
  ・皆、死んだ瞬間にここに飛ばされていた
  ・保健室から出る事はできない
  ・一日経つとベッドの上に襲撃、処刑された
   人が飛ばされてくる
  ・人狼や能力者は役だと自覚しその通りに
   行動していた
  ・その役を行なっているときはそれに違和感
   を感じることはない
  ・保健室に来たと同時に役だったことを認識
   できる

  今、わかっていることはそれぐらいだと言った。
  そして、自分たちに今できることはないので
  取り敢えず、このおかしな「ゲーム」が終わる
  のを待つしかないのだと言った。      ]

私は「いつ」ここに来ましたか?目を覚ましたのは
それからどれ程経った時ですか?
(137) 2021/02/11(Thu) 23:54:54

【人】 探索者 ネリー

[ ネリーさんは真面目ですねと誰かが言った。
  しかし、ネリーにはこの「ゲーム」以外に
  もう一つの世界にいた記憶があるのだ。  
  しかし、他の人にはその記憶はなく
  ネリーも他のメンバーと同じように来て
  目を覚ましたのだと言った。      ]

あの世界
は夢…だったのだろうか


[ それから、ネリーたちが保健室を出れたのは
  4日後…おかしなゲームから9日経ってから
  だった。                ]

【静かな校舎に響くのは、狼の遠吠えのみ。
 そこはもはや、生徒たちの集う学舎ではないーー】

[ そう機械音声が響いた時ネリー達は
  学園の外にいた。

  スマホの画面を見ると
  文化祭の最終日の18:00
  ネリー達は、狐につままれたような感覚だった。

  ネリーは、帰路についた。
  体感12日間ぶりの家だ。           ]
(138) 2021/02/11(Thu) 23:55:35

【人】 探索者 ネリー

ただいま

[ そう言って、玄関で靴を脱ぐ。
  返事なんてあるわけないが癖のようなものだ。 ]

「お、遅かったな。
 おかえり    」

[ 返って来るはずのない返事のはずだった。
  その声は、ネリーの記憶の彼より少し低い。 

  声の聞こえたリビングに足早に

「ケリー?」

  向かい声をかけた。            ]

「そんなに、泣きそうな声で呼ぶなよ。
 お前らしくないぞ?        」

[ そんなふうに笑う彼は、リビングの椅子に座りながら
  牛乳の入ったカップを楽しそう揺らしながら
  ネリーを見た。                ]
(139) 2021/02/11(Thu) 23:56:05

【人】 探索者 ネリー

だって、今まで…
どうやって…もどって

[ いろんな感情が溢れ言葉にできない。
  いま、自分はどんな顔をしているだろうか。
  そんなネリーにケリーは胸ポケットを指さす。

  ネリーは。指さされた胸ポケットを触ると
  硬い紙の感触。

  慌てて取り出すそのカードは「世界」で
  固有能力は【障害や困難を乗り越え安寧を得る】
  あれは、夢じゃ…

  ネリーはあの世界が夢でないことをやっと理解した。
  あの時の世界で関わった人たち…

  ネリーは、タロットカードを自分に使う気は
  なかった。
  まず、あの時点で死んでいた自分が使えるのか
  わからない。だから、せめて関わった人たち
  だけでも元の世界に戻してあげたかった。
  もし、戻れたとしても自分の魂の半身のような
  ケリーのいない生活にこれ以上耐えることも
  できないと感じていた。

  しかし、あの時ネリーはカードを
  手放さなかった。
  それがなぜか、今でもわからない。
  けれど、その結果          ]
(140) 2021/02/11(Thu) 23:56:32

【人】 探索者 ネリー

ネリーに俺は何があったのか正確にはわからない
俺に何があったのか説明はできない。
けど、ネリーのおかげで助かったよ。
ありがとう

[ それは、小さい頃から変わらないケリーの笑顔で
  同じ身長のネリーの頭を、親戚の
  お兄さんがやっているのを見て真似を始めた
  優しく「ポンポン」と叩くそれにネリーは
  泣き始めた。                ]

バカケリー
もう、もう…

[ ケリーは、ネリーを胸に抱きしめ

もう、居なくならないよ
約束だ

と言って、額にキスをした。      ]**
(141) 2021/02/11(Thu) 23:56:54