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【人】 癒月[その先は呆れの色も多少混じる。] ま、敬意ってやつは無いわな 幻覚じゃないっちゅうの おれらはさあ [涙を拭い、そうした指を口に咥えて塩っぱ、と呟く。 先程までと変わらぬ姿形で隣にいた。*] (9) 2024/03/14(Thu) 9:20:40 |
【人】 小説家 月代敬意って何だよ、幻覚のクセに。 勘弁してくれ。 [目の周りが熱い。 声が抑えきれずにちょっと裏返る。 もう取り繕う必要は無いのに。] 居なかっただろう。 今。 居なかった方が幻覚? はぁ、あ〜〜。 分からないな、どうしようね。 [問いかけでは無い。 全て独り言だ。 何故ならここには誰も居ないから。 猫は返事をするとおしゃべり癖が付くって言うけど、幻覚はどうだろう。 なんて、全然関係ないことを考えてみる。 膝をとんとん叩いてみたり。 何とか自分の気を逸らさなければ、この涙はずっと止まらないから。]* (10) 2024/03/14(Thu) 12:14:53 |
【人】 癒月[膝が叩かれるのにあわせて微かに揺れる水面。 そこには相変わらず己の姿は映らない。 相手が話すのが独り言だろうと聞く耳持たなかろうと こちらも勝手に話しかけるだけだ。] 約束の案内が終わったから もういいかと思ったんだよ だってアンタ取材っつーか 自分のことにしか興味ないし 欲しいのは都合の良いネタだけっしょ おれはもう用済みじゃ〜ん [ホラ部屋からすぐ出て行っちゃったし?>>1:13 道中も伝承への私見なんかは聞けたが 個人的に意見を聞きたい所ばかりが流された。 おれは気が合いそうかもって言われて 嬉しかったんだけどねえ。ぐすん。>>1:9] (11) 2024/03/14(Thu) 16:53:09 |
【人】 癒月[つか幻覚っていうなら寧ろやりたい放題じゃね? 誰かの父のような大きな掌で 頑固者の頭をぐっしゃぐしゃと撫でた。] オラッ、おれは幻覚なんだろっ この髪ヤサイ人みたいに ツンツンにしちゃるかんな! あっクソ、ちと栄養不良で傷んでっけど 生まれ持ってのキューティクルが凄くて スルンと戻っちまうじゃねーか お綺麗な黒髪王子ですことッッ [まあそれでもちょっとは乱してやることに 成功したかな。えっへん。] (12) 2024/03/14(Thu) 16:53:36 |
【人】 癒月[閑話休題。] あーそうそう敬意な アンタその仕事しながら そういう類のこと一切信じてないだろ [まるで全てを見透かしてるかのように言う。] 人に怪異とか言われてるやつらは 自分達に向けられる視線に敏感なんだよ [信じるものが誰一人いなくなったら 存在できなくなってしまうのだから。] (13) 2024/03/14(Thu) 16:55:40 |
【人】 癒月アンタが怪異について小説やら何やらを書くとき 怪異側もアンタに注目してるってこと こっちとしちゃリスペクトを以て扱われたい訳だから 蔑ろにされたり捻じ曲げられてダサくされたり 自分のシマに別のモンが住んでる事にされるのは嫌なの 集合写真から自分だけトリミングで消されたり すっぴんボサボサ髪を突然ノーマルカメラで撮られて 無断でSNSにあげられるのは嫌っしょ? それらとおんなじことなのよ (14) 2024/03/14(Thu) 16:57:59 |
【人】 癒月アンタ不興を買って悪いのが憑きすぎてる 調子が悪い一因はそれだよ そのままだと死ぬぜ [原因の全てとは言わない。 人は複雑な生き物だから。] (15) 2024/03/14(Thu) 16:58:17 |
【人】 癒月ま、それはそれとして アンタの小説おもろかったから 次をたのしみにしてるよ [町には古本屋なるものがありまして。 ふぅー、と細長く息を吐いた。 随分長く喋っちまったよ。 校長先生の話は嫌われるのにな。**] (16) 2024/03/14(Thu) 16:58:49 |
【人】 オーナー 敷島[102号室に宿泊のお客様は痩せ細り 肌は外に積もる雪のように真っ白だ。 水や食事を摂りたそうなそぶりを見せても 実際に口に運ぶ量はごく僅か。 それらの様子を態々自分に見せてきたのは なにかの──SOSのサインだったのだろうか。 「外出中・掃除不要」の札を見ながら そんなことを考えてしまっていた。 空気が読めない男が想像をしても仕方がないのだが 自死の為に宿をとる人も一定数いるので 経営者としては常に警戒をしなくてはならないし それよりはもっと……、 人情的なところで彼のことが気にかかっていた。 心配なのだ。] (17) 2024/03/15(Fri) 12:44:50 |
【人】 オーナー 敷島[都会で働いていた。 エリートと呼ばれていた。 妻も子供もいた。 全てが過去形だ。 生きていれば彼は息子と同じ位かもしれない。 老後のためにしていた不動産投資くらいしか 手元に残っていないアラカンの男には 気にかけるのに充分すぎる理由だった。] (18) 2024/03/15(Fri) 12:45:27 |
【人】 オーナー 敷島[山下さんに呼ばれて顔を上げる。] 「敷島オーナー、町内会の方々が来てます」 ……? わかりました。ちょっと行ってきますね [祭りの役割は当日までない。 訪問の理由がわからぬまま応対をしに玄関へ。 すると普段話すこともない重鎮たちが並んでいた。 それも思っていたより人数が多い。] 穏やかじゃないですね…… 何かありましたか? [熊が出たか、窃盗でもあったのか……、予想は外れた。] (19) 2024/03/15(Fri) 12:46:25 |
【人】 オーナー 敷島[聞けばペンション前の停留所からバスに乗り 禁足地の近くで降りたものがいたらしい。 バスの運転手から通報があったそうだ。 私のような若輩者が立ち入るのはおろか 異邦人には存在を教えてもいけない場所である。 ネタを探しに来たと言った彼を想像し嫌な汗が流れる。 あの時も自分は誤魔化すのに苦労したのだが。] うちのお客様に そのような特徴の方はいませんね このあたりに宿は密集していますから 他所に宿泊の方でしょうか [咄嗟に嘘を吐いてしまった。 いると言えば部屋を無断で調べるのも厭わないだろう。 人員を設置され、帰ってきたところを 捕まえようとする可能性すらある。] (20) 2024/03/15(Fri) 12:47:53 |
【人】 オーナー 敷島[見かけたら通報することを約束し 次の宿へ聞き込みに行くという彼らを見送った。] ……どうやって? [自分でも具体的な場所は知らない。 やけにふらつく足で清掃が残っている客室に向かい、 104号室の前で立ち止まる。 もしやあれに唆されたのだろうか?] (21) 2024/03/15(Fri) 12:48:28 |
【人】 小説家 月代案内が終わったからって、普通は消えないんだよ。 ……僕、笑えてなかったかな、君と話してる時。 [自分のことにしか興味がない、と言われて、そんなにつまらなさそうだったかな、と頬を触る。 ニコッと笑顔を作ろうとして、なるほど頬がぴくりとも動かない。 でも良かったのかもしれない。 1人で喋る笑顔の成人男性より、1人で喋る無表情の成人男性の方がマシだろう。 あまり変わらないか。] でもね、相手がつまらなそうでも、普通はこんなとこ置き去りにしないんだ。 …ちょっ、やめてほしい …汚いだろ。 [いきなり伸びてきた手に身構える。 綺麗な訳ない、昨日はシャワーも浴びてないんだから。 少しだけ治っていた涙が、左右に揺れるたびにまた込み上げる。 申し訳ないなぁと思っただけでこれだ。 あーあ。] (23) 2024/03/15(Fri) 14:09:55 |
【人】 小説家 月代[敬意について話す様子を不思議そうに眺める。] 心霊生物が存在するように言うんだね。 まぁ君もそのようなものか。 [隣にいる筈の癒月は水面に映らない。 やはり頭の中にしか居ないのか。 そのままだと死ぬ、次をたのしみにしてる、なんて。 ふふっと笑った。 少なくとも声は出ていた。] 褒めてくれてありがとう。 でも、ゆづ君…僕の幻覚のくせに面白い事をいうね。 カバンにロープが入ってるの、知ってるだろう。** (24) 2024/03/15(Fri) 14:13:37 |
【人】 癒月[汚いは人間の尺度での話なので気にしまい。 何が可笑しいのか笑い声を上げる彼に 首を傾げて見せた。] ん、なに、手伝って欲しいん? 「普通」ならどうするわけ? [普通は消えない、普通は置き去りにしない。 どちらも彼自身の希望のように 自分には聞こえたのだけれど。**] (25) 2024/03/15(Fri) 17:43:20 |
【人】 小説家 月代手伝う? 何を。 何が出来るの? [ため息を吐いて語気を整える。 ここに案内してくれたこと、話を聞かせてくれたこと、今日一日助けてもらったことは沢山ある。 これ以上何かしてくれると言うのなら、彼をモデルに書いてみようか。 月代は裏付けの役がやれればそれで良い。] 君なんでこんなに良くしてくれるのかなぁ。** (26) 2024/03/16(Sat) 5:45:41 |
【人】 癒月なにができるって? なーんでもできますわよ アータそこで見てなさいよねッッ [最後の独り言は聞こえないフリをして ぷりぷりしながら カバンからロープを取り出すのである。] (27) 2024/03/16(Sat) 8:19:10 |
【人】 癒月[持ち手の所で長さを調整すると 少し離れた場所で跳び出した。] ウオラーッ インドア派を舐めるなよーッ いつもより多く跳んでいますっ!! ほらつっきーついてこれてるかぁ!? あっ [前跳びからの見事な連続二重跳び! そして三重跳びを決めた所で 手を外れた縄はぴょーんと湖に飛んでいく。 乗り出しても届かない所で水飛沫は上がり 見えぬ底に沈んでいくのをぽかんと眺めた。] (28) 2024/03/16(Sat) 8:19:46 |
【人】 癒月[何が出来るか。 何も出来ないに等しい。 元々隣に立つのはおれの役割じゃないし。 心を変えるなんて、そんな大それたこと。 下手くそで伝わらない激励も 道具を捨ててしまうのも きみのこと少しでも 死から遠ざけたいおれのエゴ。] (30) 2024/03/16(Sat) 8:20:21 |
【人】 癒月な、もうかえろーぜ おれは今日発売の ジャンボが読みてえんだ ほら [握れとばかりに手を差し出す。 バス停から続く足跡が発見されている。 追っ手が迫ってきていることであり ここは直に騒がしくなる。**] (31) 2024/03/16(Sat) 8:22:59 |
【人】 小説家 月代わ、何…? [ショルダーバッグを引かれて驚いている間に始まった縄跳び。 ぴゅんぴゅん風が鳴るのと癒月の声とを呆気に取られ聞いている(あまりついて行けている顔では無かった)と、お守りのように持ち歩いていたロープは水底へ逃げていった。 最後まで一緒だと思っていたのに、裏切り者。 隣に来た彼は大型犬のように項垂れるので、さっきとは逆に、そろりと髪をなでつけてやった。 気にして無いと気持ちを込めて。 元より今日がその日のつもりは無かった。 ただ、良いタイミングだと思ったのも事実ではある。] (32) 2024/03/16(Sat) 17:52:43 |
【人】 小説家 月代[帰ろうと差し出された手に捕まって腰を上げる。 彼が幻覚なのか、消えたと言う幻覚が見えたのか、ただ突然身を隠した普通の人間なのかはまだ判別が付かない。 それもどうでも良い事だ。 守りたい体裁もプライドももはや薄皮一枚で、取り繕えているのかさえ分からない。 最後の一冊を書き終えたらまたここへ訪れよう。 水面にも何か映るかもしれない。 大切な物がその時には作り出せている筈なので。]** (33) 2024/03/16(Sat) 18:45:13 |
【人】 癒月ん。じゃ帰りはラクしますかあ [よいしょ、と許可も取らずに俵抱きにすると 次の瞬間には二人はペンションの中に移動していた。 体調のことを考えて行きもこうすれば 良かったかも知れないとは後の祭りだ。 取材地に近づくにつれて 笑顔が失われていった様には感じたが 木の匂いだとかに反応する彼がかわいくてつい。] (34) 2024/03/16(Sat) 21:15:17 |
【人】 癒月[フロントを覗き込むが目的の者がおらず。 あ、後ろにいたわ。] オーナーよう んなぁにしてんだよそんなとこで〜 まっなんでもいーけど こいつに何か作って部屋に持ってきてよ 胃にやさしそーなやつ その間にフロ入ってあったまってくんから〜 あっあとジャンボ買ってきて! 飯持ってきた後でいいから! [月代くんの幻覚は優秀な幻覚でありますから? 人間とお話したり頼み事ができてしまうのでした。 スッゴイデショオ!] (35) 2024/03/16(Sat) 21:16:55 |
【人】 癒月[それから先は? 毎日のように備え付けの温泉に連れて行って 髪や体を洗おうとしたり湯船につけようとしたり オーナーに作らせた飯を日に3度食べさせようとしたり 抱えたまま昼寝や夜寝をさせようとしたりした。 執筆をするならその邪魔だけは(あんまり)せずに。 だって放っておけねーんですもの。 彼がこの町に滞在する間は*ずっとそうしていた*。] (36) 2024/03/16(Sat) 21:19:56 |
【人】 オーナー 敷島[無事帰ってくるか心配で 玄関から外を伺っていた時だ。 背後に現れるのはやめて欲しいと 何度も言っているのに。] うわっ!! 吃驚した…… あっちょ……、それ月代様ですよね!? もっと丁重にお連れして……! ああハイお食事ですね、すぐ持って行きますよ 温泉は貸し切りの一つ目があいてます いやジャンボは知りません 町内で買えるんだから自分で買ってきて下さいよ…… あ、ねえ、知りませんからねーー! [二人の顔、否、 一人の顔と一人の臀部を見て安心したのも束の間。 野菜を細かく刻んだスープを急ぎ作って持っていったり。 コンビニに漫画雑誌を買いに走る姿があった。**] (37) 2024/03/16(Sat) 21:55:13 |