人狼物語 三日月国


185 【半突発R-18】La Costa in inverno【飛び入り募集】

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視点:


【人】 踊子 リリー

 ​──中央広場──



[ しゃん、と指先を伸ばす。
  あちらこちらで様々に歌い、舞う人々を目に入れながら
  女は即席のステージには上がることなく
  その場でくるりと舞い始めた。

  ──そう、いつものように。
  星が煌めく様が一等美しく映るようステップを踏んで、
  音がなくとも、舞台を彩る花や彩りがなくても、
  存在そのものの星が確かに瞬く、ように。 ]


  …………っは、


[ 誰に見られるためでもなかった。
  ──熱気に紛れて、誰にも映らなければ良いとさえ。

  すぐさま舞うのを止めた女は、
  何事も無かったかのようにスカートを揺らし
  その場で重い溜息を零した。  ]
 
(16) 2022/11/24(Thu) 11:11:50

【人】 踊子 リリー

 

  ……こういうのじゃ無いって
  分かってるのにな。


[ 髪を彩るリボンが風に遊ばれ、ひらひらと揺蕩う。
  道行く人々の熱と、演者の煌めきが満ちる世界で
  女はひとり、その光景を眺めていた。** ]


 
(17) 2022/11/24(Thu) 11:13:57

【人】 踊子 リリー

 

  ……っあ、貴方……!?


[ 突然後ろから唐突に、足音も立てず
  投げられた声へ目を見開いて振り返った。>>26
  一体どこから、と尋ねるよりも先
  重ねられた言葉を聞けば、眉を顰める。 ]


  …………。


[ 視界の端で揺れる髪は、星の瞬き。
  知ったようなことばっかり言わないでよ、と
  そっぽを向こうとして── ]

 
(33) 2022/11/24(Thu) 19:42:57

【人】 踊子 リリー

 

  な、なに……!?
  ああもう、貴方、本当に何なのよ!


[ 男のマントに包まれるなんて予想外な出来事、
  当然身構えているわけもなく。

  陰に覆われた視界が再び光を目にする頃には
  きっとそこは、彼が言うところの
  彼が見ている世界≠ニやらで。>>28 ]


  ……あ、貴方一体、何者なの……。
  こんな大きな劇場、そもそも
  認められた演者以外、は…?


[ 言葉が途切れる。
  眩くてつい手で遮ってしまうスポットライトも、
  たくさんの人を招き入れる観客席も。
  そこは大劇場そのものではあったけれど、
  この街のどの劇場とも、様相が違っているから。

  彼が紡ぐ説明は、頭に入っては来ても>>29
  何故そんな場所へ──という疑問の解決ではない。 ]
 
(34) 2022/11/24(Thu) 19:43:02

【人】 踊子 リリー

 

[ 聞きたいことは幾らでもあった。>>30
  それよりも先に投げられた、踊って、という言葉が
  後少しでも遅れていれば、問い質しもしただろう。

  ──或いは。
  ゆるやかに歌い始める彼の意思に逆らって
  説明するまで何にもしない、と言うことも
  己には出来ただろうけど。 ]


  ────……はぁ。
  後でちゃんと、説明してもらうんだから…。


[ 男がただの人間という可能性はとうに捨てた。
  種族なんてものはどうでもいいけれど、
  「はい分かりました」で納得できるような
  お気楽な性分でもない。…残念ながら。

  少しの間、何もせずに彼の歌を耳に入れ。>>31
  最初に出会った頃の、言葉も分からぬ歌を思い出し
  ──すこしだけ息を吐いては、
  彼が奏でる伴歌に合わせ、指先を伸ばす。 ]

 
(35) 2022/11/24(Thu) 19:43:06

【人】 踊子 リリー

 

[ 足先で軽やかに踏むステップも、
  しなやかに背中を逸らす角度ひとつさえ、
  ──母と姉が美≠失ってからは
  自分の踊りは、自分のものではなかった。

  間違っても髪と瞳が損なわれないように
  動きを抑え、翻した時の魅せ方だけを意識して。
  ……けれども、今は。 ]


  (──自由にって、言われたんだもの)


[ きっと。
  髪の揺れ方も瞳の魅せ方も、完璧ではなくて
  星空めいた煌めきが、ただの薄桃に隠れて。

  それでも、女は微笑んでステップを踏んだ。
  何年振りかも分からないけれど
  これが本来自分が魅せたい美だと、知っていた。 ]
 
(36) 2022/11/24(Thu) 19:43:10

【人】 踊子 リリー

 

[ ────やがて。
  歌も踊りも止まった頃。

  緊張と楽しさと、──少しの母への罪悪感と。
  それでも味わってしまった高揚感を抱き、
  頬を上気させながら、女は青年の方を振り向いた。 ]


  ……貴方のお気に、召しまして?


[ それは初対面の日、彼へ投げた言葉の再演。
  耳に残って離れない、彼の歌を思い返しながら
  女はふわりと首元のリボンを揺らした。* ]

 
(37) 2022/11/24(Thu) 19:44:16
踊子 リリーは、メモを貼った。
(a19) 2022/11/24(Thu) 19:45:36

【人】 踊子 リリー

 

  ────そう。
  ……貴方の殻は、ちゃんと破れたの?


[ 最早、最初に出会った時のように
  敬語で語ることはなかった。
  君と同じだと言う彼の言葉へ、少しだけ瞳を細め
  小首を傾いでそう尋ねる。

  どうして私に? とは訊かなかった。
  それこそ無粋≠セろうと思っていたし、
  奇妙な同族意識のような──
  そんなものだろうと自己完結してしまったから。

  問われれば>>45
  ふ、と頬を緩めて ]

 
(50) 2022/11/24(Thu) 21:47:27

【人】 踊子 リリー

 

  楽しかったわ。とても、ね。
  ──私、誰かの望むように踊るよりも、
  やっぱり自分の為に踊りたいんだわ。


[ 彼の正体も過去も知らない自分には、
  内に秘められた想いまでもは悟れはしないが。
  差し出された手を見つめ
  名前を呼ぶ声に応じるように、肩を揺らした。 ]


  ……貴方って。
  いえ、──なんでもない。


[ 何者なの、とは口に出せなかった。
  そんなことは些末な問題であるようにも思えたし、
  ……聞かない方がいいこともこの世にはある。

  細い指先が、彼の手を取った。 ]

 
(51) 2022/11/24(Thu) 21:47:31

【人】 踊子 リリー

 

  この大舞台は、まだ私には不相応だわ。
  元の場所までエスコートしてくださる?


[ 告げて、微笑む。* ]


 
(52) 2022/11/24(Thu) 21:47:36

【人】 踊子 リリー

 

  ……寄り道?
  まあ、今更だし。それは良いけど──


[ その肝心の行き先がどこなのか。>>61
  さっきといい今といい、
  せめて教えてくれれば良いのに、と思いはしても
  実際そうなることを既に諦めてもいるわけで。

  マントで再び視界が覆われ、
  足場を失ったような浮遊感に目を閉じた後。
  女が恐る恐る双眸を開けば
  そこは見慣れた小さなバーの中だった。 ]


  ……それはね。
  気にならないと言えば当然嘘だわ。


[ 問いかけに頷く。>>62
  気にならない方が変だろうという思いも込めて。 ]
 
(64) 2022/11/25(Fri) 0:01:35

【人】 踊子 リリー

 

[ 開店まで時間があるということはつまり、
  マスターの姿も今は見えない。
  勝手に入って怒られやしないか、
  いや、そもそもどうやってここに……?なんて。

  疑問は幾らでも湧いてくるけれど
  言葉になる前に、青年から返ってきたものは。>>63 ]


  ────何も足りてなかった、私の踊りに?
  ……変わった人ね、貴方。
  皆、未完成には興味なんてないものなのに。


[ 頬に宛がわれた指先に導かれるがまま、
  顔を彼の方へ向け直す。
  まじまじと己の瞳を見つめる様子が何だか面白くて、
  じい、と視線は彼から逸らさずに。

  ──それから。
  外された仮面が床に打ち付けられる高い音と、
  露になった、彼の傷を見れば。 ]

 
(65) 2022/11/25(Fri) 0:01:42

【人】 踊子 リリー

 


  随分な信頼ね?
  私が逃げ出すかもしれないのに。


[ 紡ぐ言葉とは対照的に、
  顔に浮かぶのは嫌悪ではなく、楽しげな微笑み。
  受け入れてくれるかと問う声を聴けば
  微かな笑い声を零し、青年の首へ手を回した。 ]


  ──貴方をどう呼べばいいのか、
  私に教えてくれるならね。


[ 囁くように告げて。
  重ねられた唇を、受け入れる。** ]

 
(66) 2022/11/25(Fri) 0:01:52
踊子 リリーは、メモを貼った。
(a32) 2022/11/25(Fri) 0:03:23

【人】 踊子 リリー

 

  ──ふふ。
  貴方、案外素直な人ね。


[ 諦めると言ったくせに、続けて言葉を紡ぐ姿に>>67
  くすくす揶揄うような笑みを零す。
  好き放題人を連れ回す大胆さを持つわりには、
  中々どうして、可愛いところがあるらしい。

  好きに呼べと言う声は聞こえていたけれど、
  返事をするよりも先に重ねられた唇を受け入れれば
  それ以上、何を返すことも出来ないまま。


  ───そう。
  キスを交わすだけなら、女も構わないのだけど。 ]

 
(77) 2022/11/25(Fri) 11:39:44

【人】 踊子 リリー

 


  ────……っ、


[ 抱き寄せられた腰と、深くなる口付けに
  焦りで女の双眸がちかちかと瞬いた。
  いつマスターが準備をしに来るかも分からないうえ、
  フェス中なら従業員だって早々来てもおかしくない。

  ──どうにか声を抑え切った女は、
  衣装の結び目を引っ張る不埒な指先を感じ取り
  「だめ」と言うように、青年の腕へ触れた。 ]


  …………っあ、当たり前、でしょ…
  誰か来たらどうするの……!


[ 実際気まずいどころの話ではない。
  …分かってくれるでしょう、と訴えるように、
  青年の瞳をじいと見つめて。** ]
 
(78) 2022/11/25(Fri) 11:39:55
踊子 リリーは、メモを貼った。
(a44) 2022/11/25(Fri) 11:42:06

【人】 踊子 リリー

 

  ……ほんと、に?


[ 青年の様子を伺うように、小さく首を傾げる。>>90
  触れるだけ、──触れるだけ?
  互いに認識の差が大きそうなその言葉に、
  深入りせず、ひとつ頷いて。

  別に、そういうことをするのが嫌いだとか
  そんなことを言うつもりはないけれども。
  日頃お世話になっているバーという背徳感と、
  ……人がいつ来るとも知れない緊張感のせいだ。

  だって、こんなところで熱を分け合ってしまえば、
  これから先ずっと──思い出してしまうのだし。 ]

 
(93) 2022/11/25(Fri) 17:14:06

【人】 踊子 リリー

 

[ 場所を変えてくれればいい、と言わなかったのは
  ──…緊張で頭が回らなかった、だけ。 ]


  え、っな、なに……っ


[ 首元のリボンがしゅるりと解かれる音がして、
  そのまま両手首をリボンで結ばれれば
  女は慌てて、きつくはない結い目を解こうと
  腕を動かそうとしたけれど。

  先手を打つようにバランスを崩されてしまえば
  小さな声を上げ、拘束を解けずに彼へ寄り掛かる。
  下手に動けばもっと体勢が悪くなりそうで、
  腰へ回った手が衣装の結び目へ伸ばされても>>92
  それを止めることは出来ないまま。 ]

 
(94) 2022/11/25(Fri) 17:14:10

【人】 踊子 リリー

 

  っぬ、脱がさないって、言った……!


[ 確かにこれは全部ではないけれど。
  彼は口にした約束を、違えてもいないけれど。

  優しくする振りをして、
  なんだか着実に逃げ道を奪われた気がする。
  添えられた一言が耳に入れば
  「…知らない」と少し顔を背けて。 ]

 
(95) 2022/11/25(Fri) 17:14:13
踊子 リリーは、メモを貼った。
(a52) 2022/11/25(Fri) 17:17:24

踊子 リリーは、メモを貼った。
(a56) 2022/11/25(Fri) 20:05:12

【人】 踊子 リリー

 ― 追想 ―

 


[ 「その髪と瞳がなければ貴女じゃない」と、
  いつか遠い日、母は言った。


     ──姉の美が損なわれ、
       姉が海へ身を投げた日の夜だった。 ]


 
(96) 2022/11/25(Fri) 20:55:55

【人】 踊子 リリー

 

[ 父の姿は記憶の中には存在しない。
  私が生まれてすぐに、美を失った母を捨てて
  どこか違うところへ行ったのだと聞いた。
  それでも母の手元には
  異なる毛色の、けれど美を備えた娘二人が残った。

  この街では、美≠ヘ多様な概念を擁するけれど
  母が執着したのは、一目でわかる見目の方。
  ひとつも欠けないよう、丁寧に籠の中へ入れ
  娘の栄誉が己の道になると信じ、投影を重ね。


  間違ってるよ、とは言えなかった。
  けれど、どんなに嫌われても言った方が良かったと、
  ──そのことに気付いたのは、
  姉の背へ「出来損ない」と罵る母の顔を見てからだ。 ]

 
(97) 2022/11/25(Fri) 20:56:02

【人】 踊子 リリー

 


  ( 永遠≠フ美にしか価値がないと、
     そう言って蹲る母の背を遠くに見ていた )


 
(98) 2022/11/25(Fri) 20:56:06

【人】 踊子 リリー

 

[ だから私は母の望むままに踊った。
  私が何を考えて、何を思っているかも知らずに、
  この道が自分の栄誉に近付いていると信じ切って
  疑いもせず歩む母の手を引いた。

  ──ねえ。心のまま、自由に踊るなんて未来
  本当は、踏み出すつもりもなかったの。
  誰の手も入らない、母が望んだ踊りで、
  母の乞うままの私で、女神様に認められれば。


 「 望むものを手に入れられる 」のでしょう?
  私、女神様にこう願うつもりで、ここに来たの。 ]

 
(99) 2022/11/25(Fri) 20:56:09

【人】 踊子 リリー

 


   「 それじゃあ、私と母を殺してくれる? 」
 



[ 大きな舞台も要らない。夢もいらない。
  それが母への復讐だと思ったから。

  ──この、荒唐無稽な街でなら。 ]

 
(100) 2022/11/25(Fri) 20:56:14

【人】 踊子 リリー

 

[ …だから、女が呑気に自由を手にしている間
  流布された真実は、女にとって些か都合が悪かった。>>70

  美≠ヨの飽くなき執着心。
  この街で名を馳せる有力者のそれを、女は少しばかり
  見誤っていたことになる。


  自分が敷いた一本道。
  歩むためには、彼の妨害はひどく邪魔だった。
  彼の掌中に収まらない美≠ヨの不興。
  それを耳にした女は、苦味を飲み込むことになる。* ]

 
(101) 2022/11/25(Fri) 20:56:18
踊子 リリーは、メモを貼った。
(a59) 2022/11/25(Fri) 20:57:47

踊子 リリーは、メモを貼った。
(a61) 2022/11/25(Fri) 21:02:32

踊子 リリーは、メモを貼った。
(a66) 2022/11/25(Fri) 22:34:34

踊子 リリーは、メモを貼った。
(a71) 2022/11/26(Sat) 0:18:55