人狼物語 三日月国


45 【R18】雲を泳ぐラッコ

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【人】 一年生 小林 友



   窓を開けると、いい月夜でした。
   美代子さんは、自分の造った千代紙の花を
   すっかり、窓の外に投げ散らしました。
   二、三日すると、庭には、
   いろいろな花が、一時につぼみを破りました。
   千代紙の花が、みんな木の枝について、
   ほんとうの花になったのです。

    ─────『千代紙の春』
            小川 未明

 
(25) 2020/10/09(Fri) 18:49:54

【人】 一年生 小林 友

[まるで夢みたいな話で、きっと
 俺たち以外誰も信じちゃくれないだろうけど
 でも、他ならぬ君が信じていてくれるのなら。]


  俺はずっと、金の指輪の片方を
  探し続けていたんです。


[まだ千代紙の春は、始まったばかり。]*
(26) 2020/10/09(Fri) 18:53:54

【人】 二年生 早乙女 菜月

[小林君の視線が、私の手元に注がれる。>>22
 いつのまにかボロボロになってしまった本。
 驚いたような顔をする小林君に、私の感情が呼び起こされる。
 いくつもの「もしかして」と「まさか」が、
 水泡のように浮かんでは消える。]


 ゆう、くん……?


[嘘だ、って、とっさに思う。
 だけどそれ以上は声が出てこなくて、
 会えてうれしい、とか、
 ちょっとひねりを加えるなら、私はアキナだよ、とか
 うそっこ教えるのお揃いだね、とか、
 色々。もっといい言葉があったはずなのに、]


 ……なんでぇ?
 なんで、ともくんがここにいるの……?


[私が言えたのはそれだけで。
 友君の目の縁に溜まる雫に>>23
 私の涙も導かれた。]
(27) 2020/10/10(Sat) 7:14:50

【人】 二年生 早乙女 菜月

[そうして、友君の言葉を受けても>>-76>>26
 うん、うん、とうなずくことしかできなくて。

 私たちを見てちょっと焦った先生が、
「……死ぬにはまだ早いぞ?」
 自殺の誘いを目の当たりにしたと勘違いする。]
(28) 2020/10/10(Sat) 7:15:17
[ちがうよ。
ちがうよ。


 私たちの「金の輪を分かつ」は、
 例えば休みの日にあちこちお店を回って、
 可愛いカフェで、フラミンゴのマドラーに
 きゃあきゃあ騒いで、一休みして。
 差し交した手を、
影だけじゃなく
仲良くつないで。
 そういう日々を過ごして、千歳を契って……

 そうやって、死にたい。
 
 私たちの「金の輪を分かつ」って、そういうこと。]

【人】 二年生 早乙女 菜月

[ぎゅっと抱きかかえた小川未明の童話集。
 友君の世界の名残と共鳴して、本が強く、脈打った。]
(29) 2020/10/10(Sat) 7:16:13

【人】 二年生 早乙女 菜月

「不意に、本が膨れ上がる。
 本は幾千幾万もの真っ青な
へと姿を変えて、
 私たちの視界を奪う。

 青い翼をはためかせて、銀の鱗粉が尾を引いて、
 私たちの周りを舞いながら、
 様々なものに姿を変えた。

 例えば、野ばらから尻を突き出したミツバチ。
 例えば、目を細めて針の穴をみつめるおばあさん。
 線香持ったおじさんや、太鼓を叩くラッコまで。

 それらは幾度も形を変えながら、
 窓の外へ、浮かぶ雲島へと飛んで行き、
 しまいには、魂は、みんな青い空へと
 飛んでいってしまったのだ。]
(30) 2020/10/10(Sat) 7:17:22

【人】 二年生 早乙女 菜月



 
雲を泳ぐラッコ、

を、

誰が見た、と言うのさ?


 
(31) 2020/10/10(Sat) 7:18:28

【人】 二年生 早乙女 菜月

「空にラッコ?」「ラッコが雲を泳いでる……?」
[空を見上げた人たちが、さわさわと騒ぎ出す。]
(32) 2020/10/10(Sat) 7:20:05

【人】 二年生 早乙女 菜月

[白昼夢だと思ったんだろう。
 「……俺、寝る。今日休講な]
 小埜先生はふらふらと去っていった。

 その後ろ姿を見送って、私は泣きながら、

 笑ってしまった。]**
(33) 2020/10/10(Sat) 7:21:05

【人】 在原 治人

 
[スーツケースと衣類も買い終え、
 時期的に少し早いが
 年に1度の定期検診のついでに
 主治医にもドイツへ行くこと
 長期になるかもしれないことを報告すれば、

 あっちで何か異変があった時に
 頼れる医師への
 紹介状も書いてくれて

 着々と準備だけは進んでいく。]
 
(34) 2020/10/10(Sat) 8:38:54

【人】 在原 治人

 

[だけど、時間は 遅々として進まない。]

 
(35) 2020/10/10(Sat) 8:39:50

【人】 在原 治人

 
[持て余した時間は
 ネットの情報を漁ったから、
 逢いたくて逢いたくて仕方がない貴方の
 写真や動画を保存したフォルダーが
 ひたすらに膨れていった。

 世界中の人が憧れる
 このひとに、俺は触れたのだ。
 剰え、針で────…


 手当ての時の、痛みを堪えた息遣い>>3:*27
 服を身に着けていく時の少し照れたような表情>>3:*28
 もう少し…と眠ったふりをして堪能した
 ぬくもり、匂い、それから重み。>>3:*30


 あのチャペルでの24時間を
 切なさと共に、脳内に蘇らせていると

 なんだか堪らなくなって
 それで…

 
初めて誰かを想って、シた。
]*
 
(36) 2020/10/10(Sat) 8:45:43

【人】 在原 治人

 
[当日は気が急いて
 めちゃくちゃ早く空港に着いたから
 迷子になっても平気だった。]



   すみません
   これに乗りたいのですが…
   なんか、どこに行ったらいいか分からなくて…



[貴方が手配してくれたチケットを見せたら>>3:38
 待ち時間はこちらで…と案内された
 ラウンジが凄くて驚いたし

 飛行機の中も快適すぎて
 食べ物なんか
 喉を通らないだろうと思っていたのに
 見た目も美しい料理に、つい口を付けてみたら
 するすると腹に納まってしまった。

 貴方が、俺を大切にしてくれているのが
 行き届きすぎてる
 サービスからも伝わってきて

 今、まさに向かっているところだというのに
 早く逢いたくなって、困った。]
 
(37) 2020/10/10(Sat) 11:08:18

【人】 在原 治人

 


  ”Holiday”、…”3 months”、…”Friend's house”



[自身の希望と、
 言葉にしづらい関係性を
 納得いかないままに片言の単語に載せて
 入国審査をやり過ごすと
 かなりの早足で、出口を目指す。

 ネットの情報によれば
 もう空港には到着しているらしい。>>3:37
 サングラスなんかしていたって
 その素晴らしく長い脚は隠し切れていない。]
 
(38) 2020/10/10(Sat) 11:10:07

【人】 在原 治人

 
[扉をくぐった瞬間に、名前が呼ばれ
 はっ!と顔をそちらに向ければ
 切望して止まなかった姿が飛び込んできたから
 スーツケースを置き去りにして、駆け寄った。

 いつから来てくれていたのかまでは
 知らなかったけれど、
 待ち侘びていてくれたのだろうと
 表情の変化から伝わって>>3:37



   アクスル…!



[嬉しくて、浮かれて
 自分より長身の彼を抱きしめたくなった。

 人目がある手前
 どうにか押し留まったけれど、
 抑え付けた分、余計に欲は膨れて。]
 
(39) 2020/10/10(Sat) 11:11:17

【人】 在原 治人

 
[気遣ってくれる言葉に>>3:37
 元気だった
(でも、淋しかった)

 言葉もなく曖昧に頷き、
 空腹かどうかの質問には首を横に振る。>>3:38

 そんなことよりも、俺は────]



   
早く、人目のないところへ行きたい


           
……貴方に、触れたい




[ひそめた声で
 至極ストレートに欲を吐露して
 貴方のプライベートが保たれる空間へ
 今すぐ連れて行って欲しいのだと強請った。]*
 
(40) 2020/10/10(Sat) 11:16:09

【人】 アクスル

 
[身軽に近寄って来てくれる彼が
 可愛くて仕方なくて
 眼差しには隠すつもりもない愛おしさが滲む。

 有象無象……、出待ちのパパラッチが
 カメラを手にしようとも
 彼のことしか見えていない。

 曖昧な頷きは>>40、空白の期間に
 体調を崩すことがあったのかと気にかかるが……、
 僕だけが拾えたお強請りを前に、霧散してしまう。]
 
(41) 2020/10/10(Sat) 17:17:27

【人】 アクスル

 
[けれど、ここではダメだ。
 こんな場所では完璧じゃない。

 彼の言う通り場所を移ってから――、
 それと、用事を済ませてからだ。]


   
……、少しだけ我慢してね



[公の場に相応しくない色を帯びた瞳を
 サングラスで覆った。
 我慢、をするのは果たしてどちらだろう。]
 
(42) 2020/10/10(Sat) 17:17:35

【人】 アクスル

 


   じゃあ、その子も連れて行こうか


[彼の後方に置き忘れられたスーツケース>>39を指して
 くすくすと笑いながら空港を後にした。*]
 
(43) 2020/10/10(Sat) 17:17:46

【人】 アクスル

 
[1時間と2分の距離。
 排気ガスを吐き出さない車が走った。

 自分で運転を出来たなら
 車内で少しくらい触れ合えたのかも知れないけど
 運転の免許は取ったきり
 身分証明書としてしか役に立っていない……。
 今日を彼の命日にするのは大問題なので
 普段通り運転手を頼んであった。

 せめてと、車内では後部座席で並んで座り
 黒い蝶柄の手袋を外した素手で彼の手を握っていた。

 ……かえって、もっと触れて欲しくなったけれど
 離すことなんかできなかった。]
 
(44) 2020/10/10(Sat) 18:39:45

【人】 アクスル

 
[窓の外の風景は都会的なものから
 自然が目立つものへと変化していき

 軈て車は、森の中に聳える古城の門を潜り
 敷地内で停止した。

 会社も家も、先代のものだ。
 気に入っているけれど、自分は引き継いだだけ。]
 
(45) 2020/10/10(Sat) 18:39:51

【人】 アクスル

 
[治人が嫌がらないようなら
 中から出てきた使用人達に荷物を託してから
 繋いだままの手を引いていく。

 案内する先は、地下室だ。]


   逢わせたい人が居るって言ったでしょう
   ……これまで誰も紹介したことがないから
         少し緊張するなぁ……


[暗い階段を降り、
 静脈、虹彩、厳重な認証を経て扉が開く。
 部屋の中からは冷気と、強い花の芳香が漏れ出てて]
 
(46) 2020/10/10(Sat) 18:40:07

【人】 アクスル

 
[二つある寝台のうち一つの上に
 ドレスを着て横たわる姿がある。

 僕と同じ金色の髪は抜け落ちたものを集めて
 ウィッグにして被せたものだ。
 ぴくりとも動かぬ肌は青白い。]


   ……彼女が僕の母だよ


[見かけの美しさにのみ囚われて生き、
 そして息子の手で永遠を得た哀しき女性。

 空いている方の寝台に眠ることは
 僕自身の願いではなかった……、彼女の願いだ。
 そしてもう僕は、望んでいない。]
 
(47) 2020/10/10(Sat) 18:41:02

【人】 アクスル

 

   ……母さん、紹介するよ
   日本から来てくれたHerr 在原治人
      ......Er ist mir lieb und teuer.


[大切な人だと伝える仕草には、照れが混じった。
 母の理想とは異なる道を選んだ僕を、
 どうか、許して欲しい。**]
 
(48) 2020/10/10(Sat) 18:41:19

【人】 Cucciolo アジダル


 [ 適者生存と弱肉強食の理が並び立ち、
  理性的なのか野蛮なのかも曖昧な場所に於いて
  常識外れな一般論に>>7>>8に降り積もるのは
  僅かな喜びと、それとは裏腹の嘲笑だ。 ]


   えらく人道的なことを言うな。
   あんた旅行者かなんかだろ。
   このあたりにそんな考え方をするような輩は
   そうそういないもの。


 [ 野垂れ死んでいてもおかしくない人間など
  一歩角を曲がればごまんといる。
  見慣れたくなくとも見慣れる世界に生きているのは
  もちろん自分だけではなくて。 ]


   それで、口さがねえあんたは
   人が人を動物扱いするような行為は
   初対面の人間に吐きつける程に
   許しがたいってわけか。


 [ お優しいことで。
  曲がりなりにも嫌悪だというのに包み隠しもせず
  あっさりと渡された感情が可笑しくて
  くつくつと喉を鳴らしながら立ち上がる。 ]
  
(49) 2020/10/11(Sun) 1:50:50

【人】 Cucciolo アジダル



   ──どうでもよくねえ? んなこと。
   ここには道理も倫理もカミサマも何も無いし、
   人が動く切っ掛けなんて欲だけだよ。

   俺が欲しいのは彼らが明日を迎えるって結果だけ。
   そこにまあ、理由……
   尤もらしい言い訳なんか思いつかねえわ。

   そんな風に"気味悪く"慈悲を振りまくよりか
   畜生扱いしたものを愛でてる方が
   よっぽど真っ当だろうと思うけどね。

   少なくとも、


 [ 言い訳じみた行動理念を吐く程度には
  憐憫所以の施しはこの場所で受け入れられ難い。
  必要なのは真実でなく、周囲を説得するだけの言葉だ。 ]

   少なくともまー、さあ、あれよ。
   理由なく人助けするヒーローに憧れてるとか言うより
   よっぽど真面な理由だろ。


 [ 彼を見ていた視線は外れ、瞼の下へ。
  そんなアホなことを肯定するのは一人で充分で、 ]

 
(50) 2020/10/11(Sun) 1:51:09

【人】 Cucciolo アジダル



   ……?


 [ 一人、誰の事だっただろうか。
  眼を開けたかと思えば
  どこか遠くを見るように揺らめいて踏鞴を踏む。

  壁に頭を打つようにして前のめりにふらつけば、
  彼の方に倒れ込みかけて、

  見覚えのある、
        ある。そう。
  見覚えのある黒髪が視界に留まって眼を見開いた。


  一人、たった一人。]


   ………。


 [ その世迷言を肯定してくれた人がいたのだ。 ]

  
(51) 2020/10/11(Sun) 1:51:18

【人】 Cucciolo アジダル



   
───。



  [ ひとり、甘く。彼の耳元で女性の名を呟けば、
   その空間は激しく明滅した。 ]

  
(52) 2020/10/11(Sun) 1:51:54

【人】 アジダル


  
( Ditele di farmi una camicia di lino        
Prezzemolo, salvia, rosmarino e timo… )    



 [ ……窓から差し込む朝日が眩しくて、  
  抱き締めた肩口に目元を押し付けた。  
  細くも透き通った歌声が一瞬途切れ、  
  笑息を含んだ声色が男の名を象った。 ]  


(
Buon giorno. Ajdal.
)    


……Buon giorno. Mia bella.   


 [ ……音はその部屋には鳴らなかった。 
  既に思い出せない声は聞こえないが、 
  言葉は字幕のように脳に入ってくる。 
  衣擦れ、歌う声、川辺の水音、喧騒。 
  その人の吐息による残響を追いかけ、 
  擦り寄った首筋に暖かなキスを贈る。 


──これは、安寧の、
 ] 


(53) 2020/10/11(Sun) 8:42:57