人狼物語 三日月国


187 『Ambivalence』

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【人】 入江 修



   行き詰まっていた俺が考えたのは
   呼び出しという名の個人面談だ。

   誰にも悟らせないように>>15
   浅見の抱えている心のリサーチを試みるために
   俺は浅見にW手伝いWという建前を言い続けた。

   正直ウザがられると思ったんだが
   思いのほか俺の評価は低くなかったらしい。>>16>>17


(25) 2022/12/09(Fri) 3:53:53

【人】 入江 修



    「なんでってそりゃぁなぁ。

     これでもう何回目だよ。
     それとも、まだ言なきゃ伝わんない?」


(26) 2022/12/09(Fri) 3:54:37

【人】 入江 修



   浅見は比較的賢い生徒だからなのか。
   今となってはもうW手伝いWという口実も
   あまり意味を成していないらしく。>>18

   白々しさのあまり自分で笑ってしまいながら
   資料室に置かれたソファーに腰掛けると。

   俺は浅見に本題を告げたのだった。**


(27) 2022/12/09(Fri) 3:55:42
村の設定が変更されました。

【人】 浅見 律


─── 半年前 ───

  
  授業参観とか運動会とか。
  両親が学校に来るような行事は
  不参加って相場が決まっていた。

  理由付けなんて簡単。
  仕事が忙しいから。
  このご時世、共働きなんて珍しくもないから
  そう言われて、疑う人はほとんどいない。

  
  
本当は、母親は専業主婦なのにね。

 
  
(28) 2022/12/09(Fri) 13:04:48

【人】 浅見 律

 

  でも、そんな我が家でも
  面談だけは避けられなかったようで。

  世間体を何より気にするくせに
  娘を蔑ろにし続ける、矛盾だらけの親の演技なんて
  多くの保護者を見てきた人なら、
  看破するのは難しくなかったのかもしれない。

  たとえ、上辺だけはいい親に見えたとしても。

  
(29) 2022/12/09(Fri) 13:05:23

【人】 浅見 律


 
  
『あの子は、学校で迷惑をかけたりしてませんか?』



  多分、この一言で分かるんじゃないだろうか。
  信用も何もない、この一言で。

  
(30) 2022/12/09(Fri) 13:05:51

【人】 浅見 律



  ただ、今までは、
  私に両親のことを聞く人はいなかった。
  それを聞いてきたのは、あなたが初めて。


  
(31) 2022/12/09(Fri) 13:06:15

【人】 浅見 律



  「……どうして、そう思うんですか?」

  
(32) 2022/12/09(Fri) 13:06:30

【人】 浅見 律


  
  他の人に聞かれないタイミング。>>21
  それでも、質問に質問で返したのは>>22
  今まで言われたことがなくて戸惑ったから。

  でも、違うなら違うって言って終わりの話。
  それを、否定しなかったのは、
  何よりの答えだろうから、隠しても無駄だと思って。

 
(33) 2022/12/09(Fri) 13:06:55

【人】 浅見 律



  「仲の良い悪いで済ませられる話なら。 
   もっと簡単だったでしょうけど。

   一般的に見るなら、悪いんじゃないですか。」

  
(34) 2022/12/09(Fri) 13:07:14

【人】 浅見 律



  にこりともせず返す。
  別にこの時は、あなたを信用したわけじゃない。
  そのつもりだったけど。

  思いのほか、あなたの言葉が嬉しかったのだ、と。
  気づくことになるのは、少し先の話。*


  
(35) 2022/12/09(Fri) 13:07:39

【人】 浅見 律


  
  馴染めと言われたところで馴染む術もないし
  先生にひいきされてると悪目立ちして
  いじめられるくらいなら、今のままでよかった。

  どうせこの世界には
  無価値な存在の居場所なんてないから。


  
(36) 2022/12/09(Fri) 13:08:39

【人】 浅見 律



  「何回目かなんて数えてませんけど。

   ……言われないと、分かりませんね。
   何度も呼び出される不良生徒なので。」

  
(37) 2022/12/09(Fri) 13:09:55

【人】 浅見 律



  分からないわけじゃない、見当はつく。
  でも、言われるまで自分から動かないのは
  許可なく何かをすることは
  私の家では許されないことだから。


  ソファーに腰掛けるあなたを目で追いかけて。
  本題を聞けば、ようやく私は自ら動く。*

  
(38) 2022/12/09(Fri) 13:10:16

【人】 入江 修



   高校にもなってくると親が参加する行事なんて
   面談、入学式、卒業式くらいまで減ってくる。
   だから目立つものも目立たなくなるのだろう。>>28

   その裏を探るなんて教師は普通しない。>>31
   面倒事に首を突っ込みたくないと
   綺麗事で場を流すのが関の山だ。


   大根役者がいくら集まろうとも
   完璧な舞台は完成から程遠い。

   この歪な空気を肌で理解していたのは俺と。
   その大根役者の隣にいた、あいつだった。>>30


(39) 2022/12/09(Fri) 16:17:24

【人】 入江 修



   「いいえ、娘さんは頑張っていますよ。
    これからも他の生徒の模範であって欲しいと
    私自身、担任として強く願っております。」



(40) 2022/12/09(Fri) 16:20:14

【人】 入江 修



   この激励になんの意味があるのだろうか。
   大人になると意味の無いことも
   時には声に出していかなきゃならないんだと
   うちの可愛い生徒にはいつか教えてやったはず。

   だが実践してみせた場がまさか面談なんて
   皮肉も効きすぎたら困りもんだ。


(41) 2022/12/09(Fri) 16:23:03

【人】 入江 修



       「え、勘。」>>32


(42) 2022/12/09(Fri) 16:23:27

【人】 入江 修



   浅見の質問への答えは至ってシンプル。
   だがこれで浅見が納得してくれるかといえば
   少なくとも俺にはそんな気が全くしない。


    「ただの不仲じゃ済まないってか?
     まぁあの面談を見りゃ気にもなる。

                        あ、やべ、タバコ忘れた。



   浅見の要領を得ない回答が、
   その闇の深さを物語ってるような気がして。

   いつもの癖でタバコを吸おうとしたところで
   忘れたことに気づくと肩を竦め、徐に口を開く。


(43) 2022/12/09(Fri) 16:25:00

【人】 入江 修



   「前にな。俺がよく面倒見てた生徒がいたんだ。

    そいつは両親から虐待を受けてて
    いざ保護された養護施設でも居場所がなくてなぁ。

    よく理由をつけては俺のところに来てた。
    お前を見てると、何となく思い出すんだよなぁ。」


(44) 2022/12/09(Fri) 16:26:39

【人】 入江 修



    「ま、結局そいつは退学しちまったけどな。
     俺の教師として数少ない大失敗さ。」


(45) 2022/12/09(Fri) 16:27:15

【人】 入江 修



    お前のことを目にかけようとするのに
    これ以上の理由は要らないだろと。

    微動だにしない氷の表情へ
    バツの悪そうな表情で笑う俺は
    どんな大人に見えたんだろうな。**



(46) 2022/12/09(Fri) 16:27:45

【人】 入江 修



   「そりゃさっさと改心してもらわなきゃな。

    俺のクラスから不良が誕生したんじゃ
    また保護者さん方に怒られちまう。>>37


(47) 2022/12/09(Fri) 16:31:17

【人】 入江 修



   半年前と比べれば
   少しは信用されたと思っていいんだろうか。>>35

   本題に入ろうとする俺に対して
   追従するように動き出す浅見の姿に
   俺はちょっと安心したんだ。

   お前が秘めた声を聞けるなら
   それだけで俺も少しは気が休まるんだから。



(48) 2022/12/09(Fri) 16:32:21

【人】 浅見 律



  歪な空気に、信用も何もない言葉。
  そして、それに返されるのは、
  何の意味も持たない見かけだけは綺麗な言葉。

  
(49) 2022/12/09(Fri) 19:02:41

【人】 浅見 律



  
噓つき。

  教室では孤立し、ペアやグループを作るのに
  難儀しかしないような私が、  
  生徒の模範になれるわけもないし。>>40

  成績にしたって、もっと優秀な子はいるわけで。

  
  
(50) 2022/12/09(Fri) 19:03:29

【人】 浅見 律



  でも余計なことをこの人は言わない。
  その確信を私に持たせてしまったからこそ。

  この家庭環境を変える気などない、と
  私は直感で悟ってしまったから。


  
だからこそ、私はあなたに話してしまったし……


  
(51) 2022/12/09(Fri) 19:04:14

【人】 浅見 律



  勘だけでここまで明け透けな質問なんてしない。
  私がそのシンプルな答えに納得するはずもなく。
  咎めるような視線が言葉よりはっきりと
  それを物語っていたと思う。


   「……そう、ですね。
    仲の良し悪しって、
    関係を構築した後の話ですし。」


  
つまり、構築すらされていない、と。

  そこまで言えばあなたは納得したのか。
  タバコを吸おうとしてたことへは
  何も言わない。
というか言えない。


  
(52) 2022/12/09(Fri) 19:05:27

【人】 浅見 律



  特に視線を合わせることもなく、
  おもむろに語られる話を聞いていた。

  あなたが私の断片的な話で
  どこまで察したのか知らないけれど
  少なくとも、私を気にかける理由なのだ、と
  その程度は理解できた。*

  
(53) 2022/12/09(Fri) 19:06:19