【人】 宝石人 リリス−スノウとの後日談− 自分がマーリン寮でよかったと思える日が来るなんて最初は想像していませんでした。 ルームメイトも、いつか学院側であてがわれる生徒になるだろうと思っていたのです。 リリスの過去や環境の為に今までルームメイトはいませんでしたが、スノウと一緒にいたい旨を申請すると、同じ寮であるからと許可を出してもらえました。>>-108>>-112 なので、授業などで別行動する以外は基本的にスノウと一緒にいました。 誰かと約束していたり、何かやりたいことがある時はお互いに別行動をとる日もあったでしょう。>>68 そんな風に一緒の部屋で暮らし始めて、しばらく経った頃です。 その頃には、詳しい話はできませんでしたがリリスの両親は既に亡くなっている事を伝えていたでしょう。 目の前で殺されたなんてショッキングな事は言えませんでしたが、それでも "魔石を狙った人に、捕まって、それで"と 誰かの手で、と言うことは伝えました。 だから、今のリリスの保護者はパウゼ学長です。 学院にいる間は勿論のことですが、卒業してからも支援をしてもらえるとの約束がありました。 それだけ宝石人は数を減らしていたからです。 (86) 2023/06/28(Wed) 5:36:02 |
【人】 宝石人 リリス「私、色々勉強して、強くもなる。 でもね、逃げるが勝ちーって知ってるの。 だから逃げる手段、たくさん覚えるの。」 リリスは笑って伝えます。 こんなリリスだからこそ、マーリン寮だったのでしょう。 アーサー寮のみんなのように研鑽しても友のために力を振るう訳ではありません。 パーシヴァル寮のみんなのように自然と協和を重んじますが友より自分の身を守る事を優先します。 自分の力を高めながら、生き残る為に争いを避ける。そのための力を伸ばす。 リリスはその道を自然と選んでいたのです。 光で目を眩ませたり、陰に身を潜めたり。 猫猫チョーカーの一件で変身魔法にも興味を示しています。光と水の魔法を掛け合わせて、相手の目から見えなくなる魔法も考え始めました。 攻撃もできなくはないですが、あえて自分が生き残る為。逃げ切る為。 でも、今のリリスはその手の範囲を広げようとしています。 今は逃げるならスノウも一緒です。 そしていつか生まれるだろう二人の家族も。 (87) 2023/06/28(Wed) 5:36:42 |
【人】 宝石人 リリスそしてある晩、リリスは魘されていました。 お腹の奥底に自分のものだけではない魔力を感じていたリリスでしたが、それは日に日に魔力が強くなっていきました。 スノウとキスをしたり、肌を重ねたり、そんな日々の暮らしの中のことでスノウの魔力を自然と少しずつ取り入れていっていたのでしょう。 リリスの見た目こそ変わりませんが、その存在は確かにリリスの中で成長していたのです。 リリスの中にある事で、リリスの魔力もまた取り込みながら。 もしかしたら、その魔力の存在はスノウにも気づかれていたかも知れません。 それなら、リリスはちゃんと答えた事でしょう。 "スノウの魔力に染まってるよ"と。 (88) 2023/06/28(Wed) 5:37:34 |
【人】 宝石人 リリス「うう…、ん…。」 冷や汗をかきながら、まだリリスは目覚めません。 呼吸を荒くしながら、何かに耐えるように眉を顰めていました。** (89) 2023/06/28(Wed) 5:37:55 |
【人】 宝石人 リリス宝石人同士の交わりの場合、比較的魔力は混ざり易く浸透し易いそうです。 そして、その場合彼らは身籠る時期も出産の時期も選べるのだとか。 元々が少数の種族で、巡り合い自体が少ないからでしょう。 交われば魔力の珠を宿し、自身のタイミングでそれを産む。 直ぐに魔力で染めて生み出してしまうこともあれば、安全が確保されるまでその身に宿し続けることもあったそうです。 逆に、自分の命はもう保たないと、その身の魔力を全て魔力の珠へと宿し次世代に繋げることもありました。 それならば別の種族との場合はどうだったのでしょう。 (95) 2023/06/28(Wed) 15:08:40 |
【人】 宝石人 リリス−後日談− リリスの手はひんやりしており、脈拍は速くなっていました。>>92 スノウの呼びかけにピクリと瞼が震えます。 「ん……、すの、ぅ、……ぃ、る……?」 頭を左右に振りながら、薄らと瞼を上げてスノウの姿を探します。 目が覚めたからでしょう、弱々しいですがいつもの光がふんわりと戻ってきました。 視線の先にスノウの姿を見つけると、嬉しそうに笑顔も浮かびます。ただ、まだ少し辛そうです。 よく見ればその状態は魔力枯渇の症状の一つに似ているのでは無いでしょうか。 全体的に体温は低くなっていますが、下腹部に触るとそこだけ熱が高まっているのがわかるでしょう。 そこだけ、魔力が高くなっているのです。 (96) 2023/06/28(Wed) 15:09:08 |
【人】 宝石人 リリス「スノウ、ごめん、少しだけ、魔力…貸して…?」 そう懇願すると、リリスはスノウにキスを求めました。 キスか、若しくは指先などの触れた先からか。 スノウから少なく無い魔力を吸い取ってしまうと、カッ!とリリスの体が、詳細に言えば熱を帯びていた下腹部が光ります。 部屋の中に光が散りました。 けれど散った光は直ぐに収束し、50センチほどの淡い光を保つ珠がになります。 その淡い光がだんだんと治ってくると光が硬質の殻らしきものになり、二人の近くにころりと転がりました。 はあ…と、リリスは息を吐き出します。 リリスも、もしかしたらスノウも魔力が足りなくなっていると言うのに、その珠はよく見れば大量の魔力を蓄えています。 「…スノウ、これ、…この子? 出てきちゃった…ね?」 ふわっと、ではありませんでしたが。 たくさんの魔力を得ながら、確かに魔力の珠が出てきたようでした。 まるで淡く光る卵のような、魔石のような。 それではリリスの聞いた話によるならば、これから更に魔力を上げる事になるのでしょう。 魔力の珠をそっと抱き寄せて、スノウを見上げます。 (97) 2023/06/28(Wed) 15:09:43 |
【人】 宝石人 リリス「…育てちゃって、良い?」 もし可能ならば、の話でしたが、リリスはもう少し先になってからどうにかするつもりでした。 子供は欲しいけれど、子育ての環境には無いと思えていたからです。 けれど、宝石人同士なら簡単だった魔力のコントロールが上手くいかず、今回のような事になったのかもしれません。 でも、それならそれで良いよね、と。 生来呑気なリリスは、それでもおずおずとスノウに尋ねたのでした。* (98) 2023/06/28(Wed) 15:10:10 |
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