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【人】 闇の精霊 アルカード―― 王都 ―― やはりというか人が多いな。 [娘に促されるまま、王都の街並みを歩く。] …案ずるな、娘よ。 たとえ街中で逸れたとしても、 我はお前がどこにいるかすぐにわかる。 [たとえ離れても、一言我が名を呼びさえすれば すぐに其方へ現れることもできる。 なんなら娘自身の影に紛れておけば目立つこともない。 そう言い聞かせるものの、その手が離れる気配はない。 なんなら「それでは一緒に来た意味がないじゃないですか」と 軽く叱られてしまうだろうか。 逸れることが不安なら、なおのこと影に潜んでおいたほうが良いと考えるが。 人の子の考えることは、時に酷く不合理だ。 理解はしているつもりだが。 結局、目的地である書店まで我らの手は繋がれたまま] (133) 2022/05/25(Wed) 8:48:21 |
【人】 闇の精霊 アルカードほう…? これはまた面白い場所だな。 [いつもの図書館とはまた違った趣に興味をそそられる。 ただ一つ、言っておくことがあるならば>>132] 確かに書を読むことは嫌いではないが。 我があの場所で本を読んでいるのは、 人の子について知りたいことがあるからだ。 [主に、目の前の娘について。 闇たる我を喚び寄せる資質がありながら、それでも、他の人の子たちのように世界が滅ぶことを望まない。 それがこの娘があの女の光を強く受け継いでいるからか、 それとも別の要因があるのか。 ならばこの娘の願いを叶えるにはどうすればよいのか。 そもこの娘の考える『友達』とは、どのようなものなのか。 我に求められているものはなんなのか。 何もかもが、わからない。 今までになかった、この状況への足掛かりを求めているのが、我の今の現状と言える] (134) 2022/05/25(Wed) 8:51:09 |
【人】 闇の精霊 アルカード[そこまで考えたところで、はたと思いつく] なぁ、娘よ。 逆に聞くが、お前はどのような本を好むのだ? 我はお前が好むものを読んでみたい。 [選べ、と。 ずいと娘の背を押して先を歩くよう示す。]* (135) 2022/05/25(Wed) 8:52:15 |
【人】 闇の精霊 アルカード―――…いや。 なかなか興味深い話だった。 [思えば、この娘がここまで饒舌に 我に己のことを話したのは初めてではないだろうか。 実をいうとあまり期待はしていなかったが。 此方が思っていた以上の収穫に、ふ、と目を細める] (140) 2022/05/25(Wed) 9:47:06 |
【人】 闇の精霊 アルカードでは、その二冊を購入しよう。 我も其れに目を通しておきたい故。 [娘が手にしていた二冊の絵本を受け取る。 他に娘が他に欲しがるような本がなければ、そのまま会計を済ませよう。 幾度となく死を迎え、その度転生を繰り返した猫の話と、 己の名前を探す猫の話。 …猫が好きなのか? 人の子とは一般的にこういう生き物を好むのだろうか? 表紙を眺めながら、そんなことを思う。] (141) 2022/05/25(Wed) 9:48:17 |
【人】 闇の精霊 アルカードさて、娘よ。 其方はなにか、望むものはないのか? [己ばかりが何かを得るというのも、些か納まりが悪い。 此処は絵本の礼も兼ねて、と なにか欲しいものはないかと問うてみるものの、 あまり芳しい返事は期待できない。 あれがほしいこれがほしいと言ってくれた方が いっそ我としてはやりやすいのだが。 娘と話をしながら一番下の階まで戻る。 せっかくだからと筆記用具を扱う売り場にも 足を延ばしてみることにした。] これなどはどうだ? [万年筆に硝子ペン、色とりどりのインク。 水晶を削って花の形に仕上げたペーパーウェイト。 そのどれもに娘は首を横に振る。] (142) 2022/05/25(Wed) 9:49:21 |
【人】 闇の精霊 アルカードふむ……。 [どうしたものかな、と ふと何気なく店の中を見回したところで、 ある一点に目を惹かれた。 柔らかな品の良いクリーム色の紙に 五枚の花弁を持つ薄紅色の花が描かれた便箋と 同色同柄の封筒が納められたレターセット。] …杏の花か。珍しいな。 [言いながら、娘のほうへと視線を移す。 はじめて娘とまみえた夜。 小さく震える杏子茶色の髪の娘に、 此方が手を伸ばしたときのことを思い出して] (143) 2022/05/25(Wed) 9:50:22 |
【人】 闇の精霊 アルカード……娘よ。 我はこれを二セット買おう。 そのうち片方をお前が持っていてくれ。 [おそらく嫌だと言われても、なんだかんだと娘には 購入したレターセットの片方を押しつけるのだろう。 何故、と言われても恐らく答えることもない。 ……描かれた杏の花の愛らしさに、 初めて出逢ったときの面影を見てしまった等と 言えるはずも、ないのだから。] (144) 2022/05/25(Wed) 9:52:05 |
【人】 闇の精霊 アルカードさて、娘よ。 我はアプリコットティーを所望する。 良い店があれば案内せよ。 [なおこの後、街へいくたび 娘への贈り物について延々話を繰り返すことになるのだが。 ……それは今はまだ、誰も知らない話である]** (145) 2022/05/25(Wed) 9:53:02 |
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