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75 【身内】星仰ぎのギムナジウム【R18G】
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>>中庭
「ああ、揃い踏みね……
で、言おうとしたことも全部言われちゃった。
考えてることは同じよね」
「そう。みんなで集まればいい。
簡単な話よ」
「ルヘナが教えてくれたわ」
>>中庭
「……そう。
よかったわ。みんながわたしと同じ考えで。
それに、わたしたちなら『こうなってしまった』子にだって、
堂々と会いにいけるものね。」
イクリールは、そう言っていたずらっぽく笑って見せた。
いつものように。
これからも、誰に対してだって、同じように。
「わたしもそれに、賛成よ。
シェルタンやスピカが卒業したって続けるわ。
でも今は、わたしたちだけではきっと手が足りないの
だから、手伝ってくれるとうれしいのだけど。」
──ねえ、ルヘナ。
イクリールは、遠くこちらを窺う視線の事だって、知っている。
![](./img/stargazer/034.png) | >> 中庭 「なるほどね。筋は通っているように見える」 上から目線の尊大な言葉。 そう語るブラキウムにもあなたほどの考えは無かった。 だからその言葉を元に、この数日で覚えようとした人の言葉を借りながら口を動かす。 「みんな理由もなく従って、嫌われ者にしているだけって訳だ。 君も、誰かを理由もなく嫌うことなんて無いと、そう言うんだね。 ……きっとみんな理由を探しているんだ。 理由がなければきちんと嫌うことはできない。 有象無象の誰かでは無くて、君達なんだと認識してしまえば無視できなくなる。 ……まぁ、これは僕の経験則なんだけど」 視界にフィルターのかかったブラキウムですらそうなのだ。 ここに居る子どもたちははっきりと見えるものを理由もなく嫌って、無視することは難しいのではないだろうか。 「だけどまだ、机上の空論だ。 具体的にはどうするんだい?君達はまだ 居ない ままだよ。 亡霊として認識されたまま、どれだけ触れる事ができるかな」 (56) 2021/05/29(Sat) 23:25:30 |
中庭
「──……っ、」
自分の名前が出されていたこと、
そうしてその後に名を呼ばれたこと、
そのどちらにも驚いて渋々といった様子で皆のもとに歩く。
「気付かれていたのか。悪い、途中から盗み聞きした。
食事と飲み物だけ置いて行くつもりだったんだが」
| ブラキウムは、大集合だね、と呆れた。この賑やかさも久しぶりだ。 (a62) 2021/05/29(Sat) 23:40:27 |
「こうして隅っこで慎ましくしてるのも、
そういう、”一つの理由”なんだよな」
逃げるように食堂から離れて。
当てもなく、ただふらふらと動いている。
身体まで亡霊になったつもりはない。だから。
「……それでも。
オレは。シェルタンはここ
にいる。
それを知るのは、ブラキウム、アンタだけじゃない。
それぞれに絆があって。
んで、それは簡単に掻き消えるようなもんじゃない」
「幾らでも聞かせてやるよ。
楽しい談笑の声か?歌声の方がいいか。
楽器の音色も、とっておきがたくさんある。
踊りも。大体の雰囲気は伝わるかな?
それを観る、まだ『いる』アンタたちが。
他ならない、『いなくなった』オレたちが、でも、『そこにある』証明になる」
今もそうだ。と、辺りを見渡した。
>>中庭
「盗み聞きも何も、あなたが言い出したことなんだし、
それに、どのみちあなたも一緒になるんだから」
「私には、正直まだアイデアもないけど、
同じ境遇の人間の慰めになればそれでいいと思ってるわ」
そして、笑いながらこう言った。
「振るわれる暴力については、考えなくてもいいわ。
私が全て受け止めてあげる。
そういう身体
だもの。有効活用しなくちゃね」
「……──ルヘナ居ないのに揃踏みって言ったな今」
こら!カッコが付かない!
「ちょっと悩んだんだけどな……来ちゃった……
別に気にするな」
>>中庭
「俺もいていいなら時間の許す範囲でいさせてもらうよ。
アイデアなんてものは人が集まれば集まるだけ湧いてくる、
これからいくらでも考えて行けばいい。
だけど、」
じ、っとスピカを見つめる。
「どういう身体だろうが関係ない、痛いものは痛いんだ。
無理はするなと主張して行くからな。
お前が傷付くことを厭う人間がいるんだ」
そしてそれは俺だけじゃない。
>>中庭
「あら、隠れていたルヘナが悪いのよ。
仲間はずれがいやなら、ちゃんと仲間に入れてと言うべきだわ」
イクリールは、そう言ってまた笑った。
他の生徒から向けられる、揶揄するようなものではない
至って普通の、日常の一コマのように。
それから、『経験則』を語るブラキウムを見て
心の底から嬉しそうに、その表情を綻ばせた。
「いいわ、みんなが妬いてしまうくらいに楽しくやりましょう
それに、ひとりぼっちでいるよりは、誰かと一緒に居た方が
できることって多いもの。」
「ま、生憎。オレも、
病気レベル
の
”人の視線惹きたがり”なもんでね?
だからギムナジウムにまだいるんだし」
あんま誇れたもんじゃないけど……
でも、これからは誇らなきゃな、と笑う。
「身体張らなくとも、盾でもなんでも用意しようぜ。
やるなら派手に色々したほうがいいだろ」
「仲間外れが嫌とかではなくてだな、……まあいいか。
そういうことにしておくよ」
イクリールに何かしら返答をしようとして、やめる。
「色々用意するのなら案をいくつか出そうか。
俺自体はこの通りの非力だからな、
実働はお前達に任せることになるが……まあ、
適材適所という言葉もある。役割分担は大事だろ」
「ルヘナさん……ありがとう」
「私……」
何かを言いかけて、やめた。
「大丈夫よ。意味なく傷つくようなことはしない。
『保険』よ、『保険』」
![](./img/stargazer/034.png) | >> 中庭
「スピカもルヘナも、居るんだね」
風紀委員の名前は伝手から聞いていた。 今はもう覚えている。
「……それじゃあ僕が『教えられること』を言おう」
少しだけ迷って。 外の記憶の事もある。隠す事にこだわる必要もない気がしてきた。
「僕は――」
中庭に居るあなた達へ。 まだ伝えていない者に聞こえるように告げた。 (57) 2021/05/30(Sun) 0:21:02 |
![](./img/stargazer/034.png) | >> 中庭
「それだけだ。ルヘナには伝えたし、イクリールは……知っているんじゃないかな? みんなのことをよく見ている君なら、ね」
ふたたび視線を戻す。
「僕は協力してもいいよ。シェルタン。 何もせずに手をこまねいているよりは、ずっとマシだ。 これが約束を守る為にできる事だよ」 (58) 2021/05/30(Sun) 0:32:28 |
| ブラキウムは、余すことなく、あなた達の顔を覚えた。 (a68) 2021/05/30(Sun) 0:32:48 |
>>スピカ
「俺は寧ろお前に礼を言いたいと思っているよ、スピカ。
誰かしらが思い至って動かなければこの流れは起きず、
お前がいなければきっと俺は引き返していただろう」
だから、ありがとう。
小さく伝えて、それから何かを言いかけたスピカに首を傾げる。
聞き直そうとしたが、続く言葉を聞けば頷いた。
「それがわかっているならいい。どんどん周囲に頼れ」
| (a69) 2021/05/30(Sun) 0:34:08 |
>>中庭
「悪いなブラキウム、結局朝の報告は行けずじまいだった」
改めて小さく謝罪を乗せてから、
ブラキウムが周囲に語り掛けるのを遮らないよう口を閉じる。
彼が語る内容は直接聞いていたものだ、自分は知っていた。
そうして聞いているうちに、
顔と名前を覚えていてくれたことに思い至り、
少し喜ばしく思う。
そして、話題がシェルタンへと投げかければ
そちらに視線を移し、
……目を逸らさぬよう、意識して見つめた。
ブラキウムの事を知っている。重要な事、些細な事、そのどちらも。
「……へえ」
無関心、というわけではない。
だが、人目がないとは言えないので、
リアクションを抑えただけだ。
「まあ、そちらはシェルタンさんに任せるとして。
親交もあるようですしね」
「……なるほど、な」
受け止める。隠し事も視線も全部。
今更怖気づいてたまるものか。
「うん、”最高”じゃん?
そもそも『なかったこと』にするってことだろ。
……ンな大役、オレが任されていいのかわかんないけど」
![](./img/stargazer/034.png) | 「……はー。慣れない事はするものじゃないな」 (59) 2021/05/30(Sun) 0:54:46 |
| ブラキウムは、シェルタンを"見た"のはこれが初めてだ。 (a70) 2021/05/30(Sun) 0:55:53 |
「わたしも……あまり手伝えることはないかもしれないし、
抜け出すのにだって限度はあるわ。
それでも、できることはあるはずよ。」
早く抜け出さずとも出歩けるようになるといいのだけど。
そう言って、少しだけ寂しげに微笑んだ。
「相談……というほどのことじゃなくてもいいの。
わたしに話せることだったら、いつでも聞くわ。
だから、シェルタン、スピカ、ルヘナ。
それに、ブラキウム。
どうか、一人で抱えこまないでね。」
わたし、みんなのことが好きよ。
だから、少しでも力になりたいの。
そう言って、イクリールはやはり『みんな』に微笑み掛けた。
恐れるものなど、何も無い。
| (a76) 2021/05/30(Sun) 1:07:33 |
![](./img/stargazer/034.png) | >>61 サルガス 中庭 「君もおいでよ。 ここに居るのは、居もしない人間じゃない。 君は君のまま、やりたい事をやっていいんだよ」 それともまだ見つからないだろうか? (62) 2021/05/30(Sun) 1:10:35 |
>> 俺の小さな友達
「……サルガス、」
昨日背に抱えた友人が、自分達を認識している。
そのことが嬉しいし声をかけもしたいのに、
どうしても足が動かなくて。
ただあなたを見つめている。
サルガスに「いっぱい楽しいこと、してやるぜ」と笑った。
いつものようにサルガスに笑い掛けた。彼等は確かにそこに居る。
![](./img/stargazer/034.png) | >>63 中庭 サルガス 「……もう、そのことを"お願い"しなくていいみたいだね。 なら、僕も嬉しい」 良かったね、とあなたの手をきゅっと握った。 (66) 2021/05/30(Sun) 1:23:10 |
>>中庭 サルガス
そんな顔をしなくていいのに。
そんな声をしなくていいし、
お前にそんな思いをさせたかったわけでもないはずなのに。
今でも正直分からないが、きっとそのはずで。
「いや、いいんだ。俺が好きでやったことだし、
メレフやシェルタンにもお前を頼まれていたんだから。
……悪い。秘密会議、できなかったな」
>>中庭 サルガス
「サルガス、お前が望むのならきっとできる。俺にも、俺達にも。
……現に今、こうして俺達を見て『くれている』だろ?」
こうして言葉を語り合うことができる時点で、
『いなくなった』子供達の救いになるのだと。
そう、笑って見せる。
自分が返せる答えはこれしかないけれど。
そばに行く資格があるのか、躊躇っているけれど。
小さな友達が、少しずつ成長して行っている姿を、
とても眩しそうに見ている。
>>中庭 サルガス
差し出された手を取ろうとして、一度止まる。
昨日は自然とルヘナ自身から差し出されていたはずの、
震えた手が一瞬躊躇って、
……ほんの数秒だけではあるが、そっと握り返して。
「……俺には、もったいない言葉だよ……ありがとう」
なんとか、絞り出すようにそれだけ。
感謝の言葉を絞り出した。
ラサルハグにそれはもうすっごくすごーーーく撫でられた。
ラサルハグの横を通り過ぎた。少なくとも、お目当てではないだろうから。
![](./img/stargazer/034.png) | >> 中庭
「大役かどうかは知らないけど、君は"いつも通り"にやればいいんじゃない?」
「そういうことなら、さっそく動かせてもらうよ。 大人がこのギムナジウムで子どもを利用しているなら、今度は子どもがギムナジウムを利用する番だ」
あなたが出会えた場所で。 あなたがやりたい事をやれる場所で。 あなたがみんなを守れる場所で。 あなたが多くを知れる場所で。 あなたがみんなを好きな場所で。
あなたがこれから変える場所だ。 (81) 2021/05/30(Sun) 14:17:03 |
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