人狼物語 三日月国


221 Pledge ~sugar days~

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視点:


【人】 大守 威優

――試験前――

[志麻の口から「愛してる」という言葉が自然と出るようになって、
同じ言葉で同じ気持ちを共有する歓びを覚えた。

価値が下がるなんてとんでもない。

寧ろ従妹姪の言う「バフ」効果が付与されている気さえする。]


 捗ってるか?
 
(1) 2023/08/28(Mon) 21:32:54

【人】 大守 威優

[濡れ髪をタオルで拭きながら、ダイニングに顔を出す。

試験が近くなるにつれ、一緒に風呂に入る頻度は落ちた。
一緒に入るとどうにもそのまま志麻の関心を
己だけに向けさせたくなる衝動に勝てないので。]

[覗き込んだノートには、志麻らしい字で書き込みが続く。
志麻は書いて覚える派らしい。

己はテキストを数回通して読むと暗記できるので
あまり書いて勉強をするということがなかったのだが
志麻に教える際には己と同じやり方は向いてなさそうなので
解説も後から読み返せるように大きめの付箋に書いて
ノートに貼りつける方式を取っていた。

付箋であれば、志麻自身が解いた箇所と区別がつきやすく
参照する時に探す時間を短縮できる。
覚えきった付箋を外せば、自ずとまだ学習が完全ではない所が
目立つということだ。

今、見ているページにはもう付箋はない。
追い込みの時期に「見直し」に費やせる時間があるのは良い事だ。]
(2) 2023/08/28(Mon) 21:33:06

【人】 大守 威優



 順調そうだな。
 うちが取り扱う保険の種類や掛け金も覚えてるし、
 解約時返戻率の計算も慌てなければ問題ないだろ。


[冷蔵庫を開けて、瓶とペットボトルを取り出す。
グラスに注いでステアして出すのは、
漢方薬を取り扱う会社の蜂蜜酒の紅茶割りだ。

志麻は酒に強いから、少しのアルコールは勉強の邪魔には
ならないだろう。]
(3) 2023/08/28(Mon) 21:33:20

【人】 大守 威優


 どこか不安なところはあるか?


[今開いている保険分野だけではなく、
英語や地理、法律の試験もある。

中途採用試験は難関大学受験並みの試験勉強が必要なので、
志麻が厭うなら一緒に働くことは断念する心算だったが、
元々の気質が頑張り屋だからだろう、合格点を疑わない程
ここまで順調に試験勉強が行えている。*]
(4) 2023/08/28(Mon) 21:34:18

【人】 大守 威優

[試験勉強が佳境な時期に浴衣を封印したのは
良い判断だった。

寝間着用として作られた浴衣は襟元が乱れやすく、
女性用と異なり伊達締めをしないので
開いた胸元から艶めかしい陥没乳首が覗いた日には
それを掘り起こしたくて仕方がなくなってしまう。

とはいえ今身に着けている部屋着も
小動物に見えてオオカミとしては捕食したくなるのだが。]


 良かった良かった。
 暗記は入社後にも忘れて貰っては困る用語ばかりだから
 試験に出るのは一部でも今全部覚えて損はないよ。


[志麻はアドバイスを素直に聞き入れてくれる。
勿論、採用側でより情報を持っているからというのもあるが、
志麻にしてみたら己の勉強方法は鼻につくだろうに、
そこで「威優にはわからない」と突っぱねずに
やり方は自分なりでありながら此方の言葉に耳を傾けてくれた。

その柔軟性はどの部署に採用されても活かされるだろう。

特に今後は社内においてΩはハンデとはならないのだから。]
(9) 2023/08/28(Mon) 23:21:19

【人】 大守 威優



 そう、勉強のお供だから甘い飲み物の方が
 良いかと思って。
 かといってココアやホットミルクだと
 カロリーも気になるし、眠気を誘いそうだから。


[身体に良い漢方薬やハーブが配合されていて、
純粋な蜂蜜酒に比べ若干の癖があるが、
それを砂糖入りの甘いストレートティーが
緩和してくれている。

リラックス効果が得られると良いのだけれど。]
(10) 2023/08/28(Mon) 23:21:33

【人】 大守 威優



 まあ電子機器の突然の故障にも慌てずにって
 ことなんだろうけどね。
 客先で電卓とスマホ両方が壊れるなんて
 中々ないだろうし、試験内容の見直しは提案してみよう。


[逆に此方が貴重な意見を得たりすることもある。
計算は暗算で大体出来てしまって計算機アプリは
立ち上げることがほぼないので
完全なる視点漏れに反省した。]


 順調なら今晩の「威優先生」の出番はなさそうかな?


[グラスを持って横に座り、肘をついた。
横顔を見ているだけの簡単なお仕事――
にはならない。
愛しい彼は己を叱るのが上手だから。**]
(11) 2023/08/28(Mon) 23:21:52

【人】 大守 威優

[試験勉強の時間は、一緒に仕事をする予習にもなった。

初めは志麻を前にして己が理性を保てるか、
本当に勉強になるのか不安な面もあったが、
役割を演じるのは幼い頃から慣れているから
勉強中、中断していかがわしいことに及ぶことはなかった。

飲み物を用意することも覚えた。
大体はコーヒーメーカーからマグカップに移すだけの
子どものお手伝いレベルだったが。

もう少し何か出来ないかと部下に相談したところ
紹介されたのが簡単カクテルだったのだ。

紅茶にブランデーを入れたり
コーヒーにコアントローを入れるのも考えたが

せっかくなら志麻があまり知らなさそうな組み合わせを
試してみたくて。]
(16) 2023/08/29(Tue) 11:11:55

【人】 大守 威優



 この酒はミルク割も推奨してるみたいだから
 残りで試してみようか。


[ホットミルクにしないのは正解だったらしい。
苦手なものを出して志麻に気を遣わせるのは忍びない。

まだまだ知らない好みがある。
二人でいると貴重な時間を惜しむように抱き合ってしまうことも
多いが、会話で互いを知ることも疎かにはしたくない。]
(17) 2023/08/29(Tue) 11:12:16

【人】 大守 威優

[試験はもう来週末。
今の段階で「わからない」部分があれば焦るが、
どうやらその心配はなさそうで、
家庭教師役も終わりかなと思って横に座れば、

「教え子」がワルイ顔をして此方を見た。

スマホから流れる洋楽がまたドラマのワンシーンのようだ。]


 それは君の方が詳しいだろう?

 俺の身体も心も、どう攻めれば俺が夢中になるか
 俺よりもよく知ってる癖に。


[己のグラスは置いて、彼のグラスを取り上げる。
頬についた水滴を手の甲で撫でながら、
反対の手でグラスの中身に口をつけた。]
(18) 2023/08/29(Tue) 11:12:38

【人】 大守 威優



 間接キス。


[雰囲気の割に随分幼いことを言う。
情緒の成長が遅かった己のこうした子どもっぽさも
志麻にはお見通しだろう。**]
(19) 2023/08/29(Tue) 11:12:52

【人】 大守 威優

[志麻の集中力は高く、それだけに教え甲斐もあった。
英語の勉強中は不意に英語で話しかけたりもしたから
面接で突然英語の質問が来ても慌てずに答えられるだろう。

この後は海外で挙式する心算だし、
英語は話せるに越したことはない。
教える、というよりは錆びないように二人で練習する、
といった感じだろうか。]


 ん、勿論一緒に飲むよ。
 つまみは?今日はどうする?


[蜂蜜の酒にも、彼がストックしているドライフルーツは
合うだろう。
希望なら持ってくるし、この後もう勉強を再開しないなら
酒だけでも良いかもしれない。]
(23) 2023/08/29(Tue) 20:02:08

【人】 大守 威優

[落ち着いたメロディーの歌詞に少し耳を傾ければ
まるで己の心を出力したよう。]


"every single day"か、


[ふ、と微笑んだ。
every dayでは伝えきれない、「この一日、一日」毎度恋に堕ちる気持ち。
それを伝えずにはいられない気持ち。]


 はは、それで、優秀な教え子は、
 「先生」の言うことを素直に聞いてくれるのかな。


[ごっこ遊びはまだ継続らしい。
甘えてくる頬の感触が愛しくて笑った。

これくらいでは酔いの気配もないだろうに。]
(24) 2023/08/29(Tue) 20:02:48

【人】 大守 威優

[日常的に学ぶ機会がなければ知識というものは往々にして
抜けていくものだ。
志麻は社会人2年目、まだ学生時代の知識貯金がある程度残って
いるとはいえ、専攻ではない英語の、それも会話をしろというのは
難しかったようだ。

まずは慣れる為と二人で見る映画を日本語字幕にして
ストーリーを一度頭に入れてから今度は英語字幕で見る。
音楽は癖の強くない歌い方をする歌手を中心に。

耳が慣れたらスピーキング。

 「単語が出て来なければ、そこに拘るよりは
  自分が知っている英語でそれを伝えようとする方が良い。
  黙ってると相手には「単語がわからないから止まってる」より
 「会話を終わらせたい」と取られかねないからね。

そんなアドバイスをしたら、随分と発言の流暢さに磨きがかかった。
自分の知っている言葉で伝えようとしてくれたら、
相手から「これ?」と答えが返ってきたりする。
その推察が当たれば相手の機嫌も良くなるし、
良いことづくめだ。]
(27) 2023/08/30(Wed) 0:06:39

【人】 大守 威優



 オッケー。
 志麻が食べないなら俺も止めておこう。


[今夜の勉強は切り上げ。
テーブルの上の消し滓を卓上クリーナーに吸わせて
台拭きで更に拭く。
こうした小さな掃除も一人暮らしの時にはして来なかった。
今は二人の時間を確保する為に、外注を少し減らしている。]
(28) 2023/08/30(Wed) 0:06:52

【人】 大守 威優

[流れて来た英語の曲をきっかけに、
「先生」を求められて英語で返す。

先生の教え方の巧拙は、30分後の己を見ればわかるだろう。

70歳にはまだなっていない己は、
彼の脚も腰も軽々と持ち上げられる。

そうするように仕向ける手管は
教え子は既に持っている筈だが「教えて」欲しいらしい。]
(29) 2023/08/30(Wed) 0:07:05

【人】 大守 威優

[日によっては志麻が食べなくとも己だけつまむが
今日はもう志麻の転職用の勉強も切り上げなので。

奪ったグラスを返して、二人で飲み干す。
元々の度数が高い蜂蜜リキュールが、腹の底で熱を帯びた。]
(33) 2023/08/30(Wed) 19:56:16

【人】 大守 威優

――数か月後――

[新婚旅行も兼ねて、2週間程海外に行くことになった。
大守一族を交えての披露宴との兼ね合いをどうするかは
当主や母親と話し合いを重ね、挙式を先にするという我儘を通した。

披露宴にはメディアも入る。
そうなれば志麻の顔も広く世間に知られることとなり、
動くのに煩わしさを感じることになるだろう。

その前に、二人だけの式を挙げたくて。]
(34) 2023/08/30(Wed) 21:18:39

【人】 大守 威優

[オーダードレスに関しては
ごく一部の信頼できるスタッフにしか依頼主が明かされないように配慮して貰った。

ドレスの型紙は往々にして女体が着ることを想定して
作られている。
従って、既存のものを直すよりは最初からパターンを引いて
貰い、身体に合うものを作って貰おうということになった。

志麻の体格を考えれば、パニエを入れてふんわりさせる形は
あまり似合わないだろう。
しかしウェディングドレスの形は崩したくないので
トレーンは絶対長くしてほしい。

カウンセリングシートにはそう記入して貰う。]
(35) 2023/08/30(Wed) 21:19:25

【人】 大守 威優



 志麻は?
 デザインとかこだわりがあれば言って。
 一生に一度のものだから、後悔ないものを作って貰おう。


[二人で採寸に訪れた日、アトリエに飾られた
色とりどりのウェディングドレスに囲まれながら
志麻の想いを聞いた。

勿論、決めきれなければお色直しをしても良い。
メディアの入る披露宴では、タキシードを着ることになるし、
ドレスは少数のスタッフと己が見るだけだ。*]
(36) 2023/08/30(Wed) 21:19:40

【人】 大守 威優


 プレタポルテだと身体に完全にフィットしないだろ。
 折角なら合わせてコルセットとかガーターもオーダーしよう。


[ドレスの提案をしたのは志麻の気持ちを慮ったというよりは
志麻が着ている姿が見たいという100%私欲だと
よくわかるはしゃぎよう。

靴はヒールにするか、それともトレーンで見えないから
履きやすさ重視でヒールのない白靴にするか、
胸元は膨らませるか、自然に任せるか、など、
前のめりでデザイナーの説明を聞いていた。]
(41) 2023/08/30(Wed) 22:39:52

【人】 大守 威優



 やっぱり白が良いな。
 生地は一番良いものを。

 ヴェールも長くして貰おうか。
 ドレスがシンプルなら、ヴェールは柄入りで……
 色は白なんだけど、光できらって光るチュールがいい。


[恥ずかしがる志麻の頬骨にそっと触れる。
赤らんだ顔は特に可愛いから、ヴェールで隠すのは賛成だ。]
(42) 2023/08/30(Wed) 22:40:05

【人】 大守 威優

[そんなこんなでドレスの打ち合わせをして、
並行して式場を決める。
規模は大きくなくても良い。
ただ、「チャペル」として、ヴァージンロードが存在する方が良い。]


 ここ良いんじゃないか、海がよく見える。
 ナイトウェディングなら観光客の目に晒されることもないし。


[志麻が少しでも周りを気にせずに済むように。
チャペルの資料を見ながら提案する。

ガラス張りの教会は自然の中にいる気分にもなれそうだ。*]
(43) 2023/08/30(Wed) 22:40:16

【人】 大守 威優

[見える部分だけではなく、その下も。
見える部分だけしか気にしない性質ならば、
毎日機能性よりデザインを重視した下着を身に着けては
いないだろう。

ドレスはシンプルでもコルセットにはラメを入れて煌びやかに。
ガーターは下着と調和が取れるように裾だけレースを入れて。

小さく「エロい」と言ったのは聞こえていたが、
目の前に他人がいるので「脱がせたいから」と
本音を言うのは止めておいた。

全く、オオカミに豹変できない場所で
あまり可愛いことを言わないでほしい。]
(49) 2023/08/31(Thu) 0:14:39

【人】 大守 威優


 ああそのシューズは良いな。
 歩いていてチラッと見える時にレースが覗くのは、
 ドレスの裾がシンプルな分よく映えるだろうし。

 そう、これはパール糸が編み込んであるチュールらしい。
 ラメよりはパールの少し控え目な反射が好きだな。


[ヴェールの長さはセンチメートルではピンとこなかったので
後でまたメジャーを身体に当ててイメージしてみよう。

軽い触れ合いだけでも志麻が恥じらう様子を見せる。
こんなの、電波に乗ってお茶の間に届いてしまったら、
一体どれだけの人間が目を奪われることか。

いっそ今決めたヴェールを被って披露宴に出て貰おうか。
タキシードにはマッチしなさそうなのが残念だ。]
(50) 2023/08/31(Thu) 0:15:02

【人】 大守 威優


 お揃い、お揃いか……。


[タキシードの生地とドレスの生地は全然違う。
モチーフを入れるか?とも思ったが、
ウェディングドレスのシンプルな美しさに
モチーフは浮いてしまう気がする。]


 例えば、こう……
 ドレスの肩にリボンをつけてもらって、
 それが俺のタイと同じシルクサテンとか、

 俺のポケットチーフを志麻のヴェールと同じ
 チュールで飾るとかは?


[胸元を盛らないとなると、上半身の視線を誘導する場所がなく少し地味に見えるかもしれない。
番の証を隠したくはないから首元は空けて貰う予定で、
何かアクセサリーをするかとも思っていたが、
それだと首裏がチェーンで邪魔されてしまうのが
悩みの種だった。

肩口をシンプルなノースリーブではなく
リボンをあしらえば「可愛さ」を諦めないデザインにでも
できるのではないか。

志麻の反応はどうだろう。]
(51) 2023/08/31(Thu) 0:16:04

【人】 大守 威優

[普段のスーツや靴で己は慣れているが
志麻は家庭事情もあってここまで細かいオーダーで
仕立てるのは初めての経験らしい。

迷う人向けのセミオーダーというのもあるが
どうせなら時間がかかってもたくさん悩んでも
ふたりの胸の内から出てくるものを形にしてもらいたい。

ドレスが終われば次はブーケも選ぶ必要がある。
リングもオーダーが良いと駄々をこねて
シルバーのシンプルな細い指輪に
二人の誕生石であるダイアモンド――
瞳の色に近いブルーイッシュグリーンの
カラーダイアモンドを埋め込んでもらった。

それも「お揃い」のひとつだ。]
(52) 2023/08/31(Thu) 0:16:23

【人】 大守 威優

[式場の候補は条件を入れたら自ずと絞れてきた。

男同士の挙式が出来ること、
日本人観光客が周囲にあまり来ないこと、

そしてナイトウェディング。]


 海が近いところの強みだな。
 ここだと砂浜から南十字星も見えそう。


[日本では見えない星も探せそうでわくわくしてくる。
夜間の写真に強い写真家のスケジュールも
押さえておかなければ。**]
(53) 2023/08/31(Thu) 0:16:35

【人】 大守 威優

[スタッフは男性である志麻用のドレスの注文にも
怪訝な顔をせず、女性の花嫁に対するのと変わらない態度で
接している。
それでもドレス着用に前向きなことを外に知られることに
気が引けるのか、志麻の口からはデザインや色味に関して
「可愛い」という言葉は控えられていた。

スタッフに出して貰った見本、ウェディング用のコルセットは
白の下に着用することを踏まえて色味は抑えてあるが、
形状はリボンで編み上げるタイプからホックで止めるもの、
ファスナーを使ったものなど様々あった。

勿論コルセットもガーターも、見本は女性用ではあるが、
男性――志麻の身体に合わせて作るのだから、
「試着で入るものを」なんて制限はない。

志麻の好みに合わせてそれを用意するだけだ。]
(58) 2023/08/31(Thu) 19:59:48

【人】 大守 威優

[お揃いがほしい、なんて可愛いお願いに提案したら、
それは彼の気に入るところとなったようで。
思った以上の反応が引き出せて満足の笑みを浮かべた。

やっと心から「可愛い」に対する好意を出してくれた。]


 じゃあどっちもお揃いにしよう。

 リボンは縫い付けるんじゃなくて外せるようにして、
 日本に帰ってから披露宴でアスコットタイとして
 使えるようにして貰えば
 披露宴でも「お揃い」ができるよ。


[リボンとして肩を彩る際は子どもっぽくならないように
幅を狭く折って、アスコットタイにする時には広げれば良い。

折角のお揃いだ、見せびらかしたい。]
(59) 2023/08/31(Thu) 20:00:33

【人】 大守 威優

[お揃いが決定した頃から、志麻の緊張もだいぶ解れ、
希望が口に出やすくなった気がする。

ブーケはピンク主体、己の好みで薔薇を入れて貰う。
一口にピンクと言っても色んな薔薇があって目移りしそうだ。
脇に添えるブルーの花は薔薇を邪魔しないように小ぶりの
ブルースターを。

様々なことが決まる度に結婚式が楽しみになる。]


 うん、周りに商業施設の光源もないし、
 きっと綺麗に見えると思うよ。


[朝になったら海で泳ごう、とは言えなかった。
男性物の水着で隠れるところだけに
己の独占欲が収まるとは到底思えなかったので。*]
(60) 2023/08/31(Thu) 20:00:48

【人】 大守 威優

[志麻の緊張が解れてからはスタッフの方も
より熱心に志麻の方に提案をするようになった。
それまでは二人に対して提案し、
己が出しゃばるという形だったので、
志麻の方に近づけにくかったのかもしれない。

こういう場ではスタッフは「ご新婦様」と呼ぶのが
普通だろうが、「婦」という漢字を気にしてか、
「志麻さま」と名前で呼んだ。
スタッフの配慮が伺える。]


 見る度に挙式のことを思い出せるから
 披露宴で思い出し笑いをしないように
 気を付けないとな。


[まだ式を挙げてもないのに、もう思い出し笑いをするような
出来事があると確信している。
その態度も披露宴で思い出して緊張をほぐす一助となれれば良い。]
(64) 2023/08/31(Thu) 22:45:34

【人】 大守 威優

[帰りは夜になった。
商業施設や住居の灯りが邪魔で、
ここでは南半球でしか見られない南十字星はおろか、
他の星座も目を凝らさないと見えない程だけど]


 へぇ、Ω星は?


[なんて言いながら、繋いだ手に力を込めた。
星のない夜でもどこにいるかわかる、
彼にとってのたった一つの一番星になりたい。]
(65) 2023/08/31(Thu) 22:45:50

【人】 大守 威優

――挙式当日――

[前日から泊って時差ボケを直した後、
万全の体調で式に臨む。

花嫁である志麻は己よりも準備にかける時間が長いから、
己は自分の着替えを終えた後、そわそわしながら待つ時間が長い。

ドアがノックされた。]


 ――はい。

 ありがとうございます、お義父さん。


[二人だけの挙式をしよう、と言っていたが。

たった一回の挙式、バージンロードを一人で歩くのは
やはり寂しいと思い、志麻の家族を呼んでいた。

両親は志麻が幼い頃女の子の服を着ていたことを
知っている。
知られたくない訳ではないと思うが、
一応サプライズ登場はチャペルの前ではなく
準備中にしてほしいと頼んだのだった。]
(66) 2023/08/31(Thu) 22:46:17

【人】 大守 威優

[程なく志麻の支度部屋の扉がノックされる。
まずは、父親だけが。

許されるなら母と弟も。

内緒で呼んでいるので、志麻の心の整理がつかなければ
予定通り二人だけになる。*]
(67) 2023/08/31(Thu) 22:46:31

【人】 大守 威優

[現地は快晴だった。
式の当日とはいえ、招待客がいる訳でもなし
(この時点ではサプライズのことはおくびにも出していない)
エステやマッサージを受けてのんびりしていた。

そして準備の為にそれぞれ別の部屋に入る。
窓の外、夜の帳が降りていく。

日が完全に落ちれば、結婚準備の帰り道に志麻から聞いた
「α星」や「オメガ星雲」も観測できるようになるだろう。

式の後、ゆっくり星空を見る余裕が出来るのは
何日か後かもしれないが。]
(73) 2023/09/01(Fri) 20:51:41

【人】 大守 威優

[義父と一緒に志麻の部屋へと向かった。
義母と義弟には部屋で待機をしてもらっている。

道中、緊張しているのか無言だった義父は、
志麻の姿を見るなり「綺麗だね」と呟いた。

志麻がドレスを着ることは、義家族には伝えていなかった。
それでも開口一番その言葉が出るということは、
息子の晴れ姿に対する含みはないということだ。]


 似合ってる。
 俺の奥さんが世界で一番綺麗だ。


[どうやら義父の言葉は己の口から聞きたかったようで。
順番は譲ったが、特大で特別な賛辞を贈った。]
(74) 2023/09/01(Fri) 20:52:04

【人】 大守 威優

[困惑の強い志麻に、呼んだ理由を説明する。]


 式をするにあたって、調べたんだ。
 バージンロード――英語ではウェディングアイルって言うんだけど、
 花嫁のこれまでの人生を表すんだそうだ。
 教会の扉が開いて、俺が待つ祭壇まで。
 小さい頃から今までの人生を振り返りながら歩いてくる時に、
 志麻の隣にはお義父さんがいてほしいと思ったんだよ。

 愛されて育ってきた。
 愛をきちんと受け止めて歩んできた人生で、
 俺と出逢ってくれたんだ。


[義父は、突然のことで驚かせてしまったことへの謝罪と、
どうか参列させてほしいという懇願を口にする。

加えて、もし志麻が望まなければ、
このまま部屋に戻って式が終わるまで見ない、と。
部屋でずっと幸せを願っている、と。]
(75) 2023/09/01(Fri) 20:52:33

【人】 大守 威優


 どうかな、志麻。


[外はゆっくり暗くなっていく。
チャペルの外のガーデンに灯りが灯り、
国花であるミモザが明るく浮かび上がった。*]
(76) 2023/09/01(Fri) 20:53:02

【人】 大守 威優

[ありがとう、と聞くまでは
義父も己もどこか胸に不安を抱えていたと思う。

先に打診したらどうかと義父には言われたが、
その場合受けるも断るも、志麻の心に影響が出そうで
己の我儘で隠し通させてもらったのだ。

「自分がΩだから苦労をかけた」と思っている志麻は、
家族の為にと度々実家で家事を担っていた。
家族が来ると知ったら「自分だけの為」ではなく、
家族がどう思うかを思考の基本に置いてしまうのではないか、
それを懸念していた。

逆に二人だけだからと断れば、
見たいと願った家族の想いを無碍にしたと
罪悪感を抱いてしまうだろう。

その点、この土壇場で断るなら
己が黙っていたことの所為にできる。


――と。]
(81) 2023/09/01(Fri) 22:21:29

【人】 大守 威優

[涙を堪えるように天を仰いだ礼の後、
沈黙が漂った。

その間、花嫁の支度を担ってくれたスタッフも
空気を呼んで部屋の隅でじっと大人しくしていた。

退室はしないだろう。
どんなに堪えても、堪えた分だけお直しの必要がある。

己が話すバージンロードの意味を聞く間、
噛み締めていた唇に引かれた「可愛い」リップや、
父親に向けた瞳の端でよれた発色の良いファンデなど、
整えて貰ってから手を取りたいし、手を取ってほしいだろうから。]
(82) 2023/09/01(Fri) 22:21:47

【人】 大守 威優



 うちの母には良かったら写真を送らせて。
 忙しくしてないと死ぬ病なんだあの人。


[志麻が了承してくれるなら、
世界一美しい花嫁を自慢したい。
この姿を見たらきっと母は今度は孫が見たくなる。

そうして生きてほしいのだ。
どんなに野心に溢れ親族との間に溝があった男だったとしても
愛していた、たった一人の番がいないこの世界で。]
(83) 2023/09/01(Fri) 22:22:58

【人】 大守 威優



 じゃあ、祭壇で待ってる。
 メイクを直して貰ってからおいで。

 一度ベールを上げてもらうから、
 下ろすのはお義母さんに。

 ベールダウンは「子育てを終える」って意味で
 母親にしてもらう習わしがあるそうだよ。


[そう言えば、またメイクを直す場所が増えるだろうか。

義弟にはフラワーボーイを頼んである。
花嫁が悪魔に攫われないように道を「護る」役を、
もう「護られる」だけの存在ではないのだと
兄に安心してもらえる姿を見せられるように。]
(84) 2023/09/01(Fri) 22:23:16

【人】 大守 威優



  [パイプオルガンが荘厳な音を奏でる。
   ゆっくりと扉が開いた。      *]
 
 
(85) 2023/09/01(Fri) 22:23:56

【人】 大守 威優

[現在、婚姻関係を証明するのは戸籍であり、
挙式の有無は公的に何も関係しない。

では何故挙式をするのか?

始まりは番の可愛いドレス姿を見たいと思ったところから。
準備をする内に、結婚の実感が湧くという利点を「実感」した。

結婚式について調べる内に、
志麻をここまで育ててくれた家族には
やはり「関わってほしい」という想いが強くなった。
大切な家族を送り出す役割を得ることで
心の整理がつくものではないかと考えたのだ。

花嫁の支度部屋には今、田臥家の4人がいる。
正確にはもうパスポートには"Oogami"と書かれているが、
これが最後の「家族水入らず」だ。]
(90) 2023/09/02(Sat) 0:08:56

【人】 大守 威優

[花嫁の一歩は一年に相当すると言う。

一歩、二歩、三歩、
四歩、五歩、六歩、 ――女の子だと思って生きていた時間。

七歩、八歩、九歩、 
十歩、十一歩、十二歩、 ――男の子の制服に戸惑っただろう。

十三歩、十四歩、十五歩、――体つきが男になって、

十六歩、十七歩、十八歩、――Ωとしての人生になった。

困難を抱えながら受験をして、就職して、]
(91) 2023/09/02(Sat) 0:09:30

【人】 大守 威優

[丁度二十四歩で辿り着いた訳ではない。
だから、二十五歩を数える前に立ち位置を変えた、、、、、、、、
この位なら誤差だと開き直る。

引き継いだ志麻の手を受け止めて、祭壇へと。]


 "Will you love
him
, comfort, hornor and keep him
so long as you both shall live?"
(92) 2023/09/02(Sat) 0:10:48

【人】 大守 威優

[相手が「彼」なので、一言一句同じ言葉が繰り返される。
そして志麻の口からも、己と同じ言葉が。

万感の想いで、鼻の奥がツンと痛んだ。
ああこれは、どうやら己は泣きそうになっているようだ。
最後に泣いたのがいつだったか思い出せないが、
きっとそうだ。
人は悲しくなくても泣くのだ。

涙こそ出なかったが、喉が熱い感覚がずっと続いている。

神父に促され、ベールを持ち上げて]


 愛してるよ、志麻。


[躊躇なく唇にキスをした。
閉じた瞼裏に、出逢った時のことを思い浮かべながら。]

[讃美歌と共に式が終わる。
扉が開かれ、ガーデンに出るよう促された。]
(95) 2023/09/02(Sat) 19:53:26

【人】 大守 威優



 写真、撮ってもらうか?


[ガーデンには、ミモザのアーチが設置されていて、
そこで写真を撮ることが想定されているようだ。

二人で撮って貰うのは予定にあったが、
折角なので3人とも撮ったらどうかと提案した。

ドレス姿の結婚写真は、
親族には見せることはないかもしれないが、
家族が時折開いて思い出に浸る為には
手元に残しておきたいだろうから。*]
(96) 2023/09/02(Sat) 19:53:41

【人】 大守 威優

[「愛してる」と言えるようになるまで。
志麻には少し時間が必要だった。

その間、彼の気持ちが違うと思っていたことはない。
言葉には出さなくても、態度で、身体の反応で、
己を愛しているとずっと示してくれていた。

言葉に出来なかった理由は、志麻が話したければ聞くし、
無理に聞きだす心算はない。

大切な場面で、周囲の目が合っても、
淀みなくまっすぐ伝えてくれた。

その事実で充分だ。]
(102) 2023/09/02(Sat) 21:43:49

【人】 大守 威優

[唇を介して心の声が聞こえた気がした。]
(103) 2023/09/02(Sat) 21:44:36

【人】 大守 威優

[ガーデンでは、荘厳な空気から解放されたからか、
義弟がいつも以上にはしゃいでいた。

4人家族の写真をスマホで撮れば、
撮影係はお役御免で花嫁の元に促され。

カメラマンを差し置いて色々とポーズの注文をつけるのに、
ケラケラと笑いながら応える。

頬へのキス、二人でハートマークを作る、
お姫様抱っこ、そしてリングを嵌めた手を並べて。

大きな満月が海にゆっくり溶ける時間、
義弟が満足するまで撮影会は続いたのだった。]
(104) 2023/09/02(Sat) 21:44:50