朝方の車送迎からほんの少しだけ経ち。
登校する人が増えてくる頃、
廊下でぼんやりしている青年に、誰かが話しかけている。
「 ?
……うん、楽しかった」
「うん、そう。 ……これ、何? 栄養ドリンク?」
無記名のラベルが貼られた小瓶を手渡され、不思議そうに首を傾げた。
中にあるのは無色透明の液体のようにも見える。
「応援? 嬉しい。友達に分けてもいい? ……ん、わかった」
嬉しそうに受け取りつつ、
練習行く、と相手に声をかけてどこかへと歩いていく。
誰かに分けるかもしれないし、そのまま持っているかもしれないが。
"それ"を飲んで部活に向かうまでそう時間はかからない。