人狼物語 三日月国


188 【身内P村】箱庭世界とリバースデイ【R18RP村】

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視点:




[ はこにわのなかでわたしはうまれました。
  しあわせで、やすらかなはこにわのゆりかご。

  わたしがかみさまにもらったものは、
  『 死 』という名前と
  傷を再生できるちからでした。

  かみさまはわたしに、『死』がなにかを
  おしえてくれることはありませんでした。 ]




 わたしはどうすれば
 あなたたちをしあわせにできるとおもいますか?

[ わたしはだれかのとなりにすわります。
  わかりません。
  わたしは『 死 』です。
  いきものがたどりつく おわりの名です。

  みなのように だれかをしあわせに
  できるひは あるのでしょうか。

  ふあんげにみあげました。
  となりにすわったのは『 吊るされた男 』です。

  どうしてあなたのとなりにすわったのか
  なんとなく、といえばそうです。
  けれどあなたのこえを ききたい、
  わたしはそうおもいました。

  あなたはいつも なにかを かんがえて
  すごくすごくかんがえているように
  みえていたから。

  こたえをくれることはあったでしょうか、
  それとも。  ]*


 

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

[弱々しい懇願を聞きつけてくれたカルクドラが、
 駆け寄ってきてくれれば>>275
 助かった!とばかりに泣きついた。]


  それが……、寝ちゃってるみたいで。
  その内目を覚ますと思うんだけど……。


[おろおろと事情をカルクドラに伝えれば、
 医務室に運んでくれるという。

 プロセラを背負い込むカルクドラに、
 大丈夫?重くない?と、道中尋ねながら、
 後ろに倒れ込まないように背を支え。

 休憩をするなら代わりを申し出ることもした。
 私が運ぶことになれば、完全に背負うことは出来ず、
 プロセラの足を少々引き摺ることになったのは許して欲しい。]
(354) 2022/12/17(Sat) 21:44:37

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

[医務室に辿り着いて、
 気を失ったように眠ったままのプロセラを
 白いシーツの包み込むと、安堵の息をついた。

 カルクドラも一緒にその場に居てくれるという。]


  ……本当にありがとう、カルクドラ!
  私一人だとここまで運べなかったから、
  すごく助ったよ!


[ベッドの傍に丸椅子を運んで腰を落ち着け、
 カルクドラに向けて、両手をパンっと付き合わせた。

 食事をすることにも、眠ることにも、
 プロセラは執着をしない。

 洋館に一緒に過ごしている時間があれば、
 見たことがある光景なのかもしれない。

 
彼自身に興味が向けば、の話ではあるけれど。
(355) 2022/12/17(Sat) 21:45:14

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

[小さく上下する胸元が彼が生きていることを伝える。
 そのことを、確かめてから。
 もう一度、カルクドラへと視線を移して、見上げた。

 場所が変わったからか、
 プロセラのことで全てが吹っ飛んでしまったか、
 先程までの焦っていた気持ちは、
 少しだけ、ゆとりが生まれていた。]


  なんだか、大変なことになっちゃったね……。


[それは、カルクドラの柔和な表情にも
 引きずられて出たものかもしれない。

 いつもより少し乾いた笑みを浮かべながら、
 そんな、会話の水を向けた。*]
(356) 2022/12/17(Sat) 21:45:44
 
[ ――――

 箱庭の『魔術師』は、その名の通り、
 "魔法"を使うものだった。

 杖から火を生まれさせ
 杯から水を溢れさせ
 剣で風を起こし
 硬貨は土へと姿を行き来させた

 箱庭の『魔術師』は生み出すものだった
 自らの考えを元に、その魔法で、
 新たなものを創り出す子だった ]
 

 
[ だからこそ『魔術師』は――『恋人』が気に入らなかった。
 二人でひとりの完璧な存在、完成された世界
 それが世界の全てなのだと言わんばかり。

 ――そんなものは、有り得ない。

 世界は未完成であることが正しく現実だ。
 だからこそ、より良くする価値がある。
 新しいものによって変えることが出来る。

 『魔術師』はそう思っていた。
 だから『恋人』の存在そのものが、嫌いで、
 有り得ない
のだと、思っていた。]
 

 
[ 『悪魔』が『愚者』を殺した折、
 『魔術師』は『吊るされた男』の側についた。

 『魔術師』は変化を望んでいたけれど、
 こんな変化は望んでいなかったからだ。]
 

 
[ だけど箱庭は、以降も悪い方へ悪い方へばかり
 向かっていった。
 壊れていく箱庭に、『魔術師』は『箱庭の神』を頼った。

 けれど神は、何もしてはくれなかった。
 身勝手な気持ちで、皆を止めてはくれなかった。]
 

 
[ 『隠者』が制裁され、『女教皇』がぎこちなくなり

 それから箱庭もぼろぼろで、
 もう修復も出来なくなってしまった。

 そうして『魔術師』は――思考を、止めてしまった。
 生み出すものである『魔術師』は、
 この崩壊を止めることを、諦めてしまった。]
 

 

[ だから、『魔術師』は―――― ]

 

 
[ それと同じくらいの時だろう。
 『恋人』がこちらに敵意を向けたのも

 どちらが先であったか、
 それは些細な問題かもしれない。
 どちらかが手を出さずとも、
 もう片方が何れ引き起こしていたことだ。]
 

 

僕にお前を殺させろ、『恋人』


 

 
[ 『魔術師』にとって、この殺意を向けるのに、
 『恋人』は非常に適した相手だった。
 その完璧な世界を壊して終わらせてやる、と思っていた。

 そうして『魔術師』と『恋人』は、
 殺し合いを始めるのだった――* ]
 

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

――  邂逅/『塔』 ――

[『見て、決めると良い』>>91

 彼は、そう言った。
 私は、小さく頷いた。

 たったそれだけで、隣に在ることを
 手を繋ぐことを、許してもらえた気がした。

 私に手を上げる両親とも違う、
 私のことを気遣う老夫婦とも違う、
 他の誰とも違う、不思議な空気を持った、ひと。

 『とくべつ』ってこういうことをいうのかな。
 『証持ち』ってこのひとみたいなのかな。

 あまり湧くことのなかった人への興味が、
 息を吹き返すみたいに芽吹いていく。

 彼と手を繋いで家を出て行く前に、
 なんとなく後ろを振り返った。

 『元気でね』と、
 手を振りながら見送ってくれた老夫婦の背中は、
 最初に見たときよりも、小さく、丸くなっていた。]
(406) 2022/12/17(Sat) 23:42:17

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

 
[家を出て一歩、踏み出そうとした。
 騒ぎを聞きつけた町の人々が
 家を囲むようにして集まっていた。

 何かを手にした男が、振り被るような仕草をして。
 その姿に敏感に危機を察知した私は、
 繋いでいない方の手で、咄嗟に顔を覆った。]


  『……――っ、!!』


[ゴツ、と重い音が響いて。>>92
 痛みが来るかと思ったのに、痛くなかった。

 投げつけた男が怒号をぶつける。
 その音を煩わしいと思いながらも、やっぱり少し怖くて。

 腕をそうっと下ろして、見れば。
 その男が少したじろいだように此方を見ていた。

 男に乗っかったように周囲の人たちも、
 口々に「出て行け」だの「痣ありが」だの、
 言っていたけれど、男と同じように言葉を失っていく。]
 
(408) 2022/12/17(Sat) 23:43:53

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

 



  『…………?』


[その様子が気になって、視線の方向を追えば。
 手を繋いだ彼の目尻を濡らすように、
 深い赤い色が滴り落ちていた。]

 
(409) 2022/12/17(Sat) 23:44:49

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

 
[溢れ出る血は目尻から頬を濡らして、
 無表情な彼の顔に彩りを添える。

 痛いはず、なのに。声を上げることもなかった。
 罵られているのに、苛立ちすら浮かんでいなかった。]


  
『……、 ぁ ……』



[私を庇ったのだろうか。とも思った。
 ならば、告げるべき言葉は謝罪の言葉で。
 
 でも、表情一つすら変えない彼の様子に、
 小さな私も少し、驚いて。言葉が出なくて。

 ただ、握りあったままの手は、
 離してはいけない気がして、無意識に。
 ぎゅう、と握る力を強くしていた。] 
 
(410) 2022/12/17(Sat) 23:45:39

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

 
[周囲を見渡していた視線が、戻ってくる。

 私のもとに落ちれば、
 滴る血の赤と、凪のような瞳が重なり合って、
 ぽたりと、繋いだ手の甲を濡らした。

 そうして、静かに響いた言葉に。>>94


 ああ、やはり。彼も。
 『証持ち』なのだと、幼心に合点がいった。


 なんでもないかのように再び歩き出す『塔』に、
 付き人たちが慌てて周囲を宥め、警戒線を引く。

 『塔!傷を見せてください!』と、
 私を連れて行く『塔』を引き止めるのに、
 またひと悶着あったのは、別の話。

 それが、私が初めて自分以外の、『証持ち』を見た印象。*]
 
(411) 2022/12/17(Sat) 23:47:16

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

―― 回想/中庭 ――

[洋館で暮らすようになってから、
 プロセラと過ごす時間は、
 一日のどこかで必ず作るようにしていた。

 最初は人見知りのようなもので、
 少しでも知っている人の傍に居たいという理由で。

 他の証持ちとも話すようになってからは、
 彼の元がなんとなく落ち着くからという理由で。

 チェレスタに、マドカせんせいに、みんなに、
 知識を、言葉を与えられた私は、
 水を与えられた花のように吸収し、
 それをプロセラに報告することが日課になっていた。

 彼はいつも黙って聞いてくれているだけだけど、
 じっと見ていれば、
 僅かに表情に変化があることにも気づける。>>95

 初めてそのことに気づいた時は、びっくりして、
 
『大ニュース!プロセラが笑った!』
と、
 洋館中を跳ね回って証持ちのみんなに伝えた。]
(412) 2022/12/17(Sat) 23:48:09

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

[教典の『太陽』が死んだのは、
 『塔』がきっかけだと知ったのは、その後のこと。

 教えられても、ぴんとこなかった。

 『塔』が殺したわけじゃない。
 ううん、例え『塔』が『太陽』を殺したとしても。

 それは、私とプロセラの話ではない。

 でも、彼が教典のことをどう思っているのかは、
 直接聞いたことはなかった。

 話す時は、いつも私が一方的に話していたし、
 彼もそれを(多分)厭うこと無く聞いてくれていた。

 それならば、今の関係を壊す必要なんてない。
 私は彼の傍にいることが楽しいし、
 
きっと、それを彼も許してくれている。
(413) 2022/12/17(Sat) 23:48:41

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

 
[ あの日、彼が私を見つけてくれて。

  洋館にたどり着いた後、
  彼の背にある痣を見た。>>94

  背中に大きく広がる枝葉のような痣。
  
  それと、同時に目についたのは、
  彼の肌に幾度も幾度も与えられた疵。>>0:313

  子供の考えでは何が為されてきたのか
  分からないながらも、それでも。

  人為的に与えられたその痕は
  酷く痛ましいものに思えて。

  ただ、痛ましい疵を指でなぞり、
  その背にぴとりと身を寄せた。

  枯れたと思っていたはずの涙が、
  その時ばかりは、彼の背中を濡らした。 ]

 
(414) 2022/12/17(Sat) 23:49:29

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

 
[彼は自らのことを語ることはない。
 だから、彼の過去に何があったかを私は知らない。

 ただ、私が笑えるようになったように。
 彼にも、いつか変化が訪れれば良いと思う。

 無理矢理にではなく。
 いつかプロセラが自ら変化を求めるように。]

 
(416) 2022/12/17(Sat) 23:50:24

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

[メルロンを手に取ったプロセラが、
 ひとくちぶんだけ千切って
 半分以上残ったものを、私に向ける。>>102

 私も差し出されたそれを笑顔で受け取る。]


  ありがとう、プロセラ!
  半分こだね!


[まるで食べることをしないプロセラに、
 『いっしょにたべよ』と差し出したのも、
 このふわふわの綿菓子のようなメルロンだった。

 プロセラが何が好きか分からないから、
 メイドさんに聞いてみたり、
 ときにはチェレスタに聞いてみたり、
 フォルスのお店を覗いたこともあった。>>0:38

 結局、どれを渡しても今のところ、
 同じような反応しか見たことはないけれど。

 今のところ嫌いなものは見つけたことがない。]
(417) 2022/12/17(Sat) 23:50:40

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク


[温かな陽光を浴びながら、
 食べている間にも、今日あったことを伝える。
 中には昔話も織り交ぜて。

 口の中でとろけていくふわふわの綿菓子に、
 あまい!とはしゃぎながら。
 少し間を置けば、プロセラが口を開いた。>>103

 彼が尋ねてくれる言葉は、いつも同じ。

 だから、返す言葉もいつも、同じ。]



  ……うん、楽しかったよ!
  毎日がきらきらしてるの!!



[世界は明るい。世界は眩しい。
 みんなが居るから。みんなが在るから。

 尋ねたものとは違う言葉が返ってきても、
 気にせずにそう目を輝かせて彼に応える。

 そんな日が、ずっと。
 これからも、続くんだと思っていた――――。**]

  
(418) 2022/12/17(Sat) 23:51:23