人狼物語 三日月国


203 三月うさぎの不思議なテーブル

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:

全て表示


――赤いリボンの日――

[スマホのアラームで起きれば、ロック画面にスケジュールと赤いリボン。
 来た。来てしまった。
 起きただけで心臓がうるさい。落ち着け、と脳内で繰り返しながら、顔洗って髪を纏める。今日は軽く巻いて、後ろだけ低いところでひとつに結んだ。
 いつもの花のコサージュの代わり、ゴールドのチェーンがついたヘアクリップを留めて、チェーンを髪に絡ませる。

 そこまでやってから朝食づくりを始めるのは、髪まとまってるとキッチン立つの楽だよねとか、キッチン立つ前手洗って整髪料使って手洗うの面倒だよねとか、あと限界までのんびりご飯してたいからとか、諸々合理的な(ものぐさともいう)理由。
 流石に着替えるのは、食べ終わってからだけど。]

[牛乳を軽く沸かして、インスタントのスープを溶かす。
 それとは別に溶き卵に牛乳足して、塩コショウでオムレツに。
 厚切りのパンをトースターに突っ込んで、ケチャップを準備。
 パンが焼けたらオムレツトースト。
 そのつもりでテーブルにスープだけ運んで、天気予報のチェック。
 うん、雨は降らなさそうだ。

 ふと目に入る、テーブルの上の小箱。
 先日ベッドで転がりに転がった、今日のために用意した小さなプレゼント。
 気負うようなものにはしたくなくってシンプルなものにしたけれど、それより何より渡すときのことを考えるとまた頭を抱えそうになる。
 ――無錠にも鳴るトースターが、そんな暇はないと叱りつける。

 オムレツトースト、おいしいなぁ……
 思わず遠い目をしながら、齧りつく。]

[今日のために用意した服は、あのグリーンと合わせて、クラシカルグリーンのブラウス。
 軽く袖はふくらんでいるものの、基本的にはピンタックでスマートなシルエットの、メンズの王子ファッションだ。共布のリボンが、甘さを足している。
 レースアップの黒のロングベストで引き締めて、同じ黒のパンツ。
 軽く広がった裾から、シフォンのフリルが覗いてる。
 ほんの少しだけ見栄張った、いつもより底の厚いブーツも合わせれば、隣に立つ自信もその分盛れる。

 本当は、女子会ですと言い張って、同じクラシカルなお茶会服なんかにまとめることも考えた。
 けど、今となっては。男として隣に立ちたいと、メンズを選んでよかったと思う。
 軽くフレグランスを振ろうとして――思うところありて、やめる。]

さって、行くか。

[小箱をバッグに放り込んで、待ち合わせ先へ。

 出てから気づいたけど、今日ラーメン食べるって言ってなかった?
 ……ま、いっか*]

――待ち合わせ――

[その場所についた瞬間。
 目を引く姿を探そうとして、見当たらなくて、ほっと息を吐く。
 早めに出たつもりではあるけど、待たせずに済んでよかった。
 ショーウインドウに時々足を止めているからとは、知らない。

 どっちから来るだろう、と視線巡らせれば。]

……あ。

[目線が、吸い寄せられる。]

[ベンチに腰を下ろした。
花束を傍に置いて、周囲を見回す。

そしてバッグからぬいぐるみを取り出した]


 ……


[ぽってりと柔らかいお腹を支えて膝に座らせる。
見上げてくる眼差しをしばらく見て、その手をぎゅっと握り締めた]

 

[ フリーランスの彼と、シフト制飲食業界の自分。
  彼にも色々都合はあるだろうことは想像に難くないからと
  零れ落ちた謝罪へ返って来たのは優しい笑み。
  ああ、やっぱりこの人には敵わない。本当に。 ]


  ……夜綿さん、私を甘やかすの上手ですよね…


[ 独り占めさせてもらっているのは、寧ろこっちの方。
  調整して合わせてくれたお休みを貰うのだから。
  けれど、その言葉が本心なのだと感じ取れるだけに
  これ以上はまた謝罪になってしまう と飲み込んで。

  それに。 ]

 

 

  それは、……うん。
  分かります。
  夜綿さんの好みに合わせるの、楽しいから。

  ……そっか。同じですね、気持ちは。


[ うん、ちゃんと分かりましたよ、と頷いた。
  謝っても気にしても職業故のすれ違いは変わらないし
  受け取り方を"苦じゃないと思える"ようにしてくれた
  彼の言葉はなんだか魔法みたいだ。

  ちなみに魔法といえば、日曜朝に戦隊ものと別枠で
  放送されている某女児向けアニメもその類だが。
  ふわもこパジャマの話を振った時の彼が
  マスコットキャラに選ばれた主人公の反応みたいで。
  面白いような、「そんな縁遠いかな…?」と
  疑問符が頭上へひとつ、ぽこん、と浮かぶような。 ]

 

 

[ 過去に彼女がいたことは知っているけれど、
  その人たちはあのブランドユーザーでは無かったか。
  いや、お揃先に選ばなかっただけなのか。
  む、と考えながらも 露骨に目を泳がせる彼へ

  「だめですか……?」と言いたげな瞳を向けた。
  完全にこれはわざとである。先に言っておく。
  ちょっとしょんぼりしながらおねだりすれば
  多分いけるのでは、と大咲が覚えた必殺技(?)だ。
  決定打の理由はどうあれ、ちゃんと同意は取り付けた。 ]


  男性向けのショップ、入ったことないので。
  どんな感じかちょっと楽しみです。


[ 通販サイトにメンズ向けで出てくる服やブランドを
  何気なく流し見たくらいの記憶しか出てこない。
  今更ながら服を選ぶことへの緊張感が滲んできた。
  後でちょっと勉強しておくことを決意して。 ]

 

 

[ カップル、プレート。
  ……カップルプレート。大咲の脳内で二度放送された単語は
  三度目は口から声になって飛び出てくる。 ]


  ────カップルプレート、ですか?
  ……ぅ。なんかちょっと、照れちゃいますね

  はい。一緒に食べたい、です
  …………取材して美味しかった他のお店の味
  ちゃんと知っておきたいですし。


[ 美味しいものが好きという気持ちも、
  仕事を私情で邪魔する気も更々ないのだが。
  それはそれ、これはこれ、だ。

  理由は違えど"笑顔"を求めた彼の昔話を思えば
  とてもそんなことは思えないし、思わない。
  ただ対抗心を抱いてしまうのは許してほしい。 ]

 

 

[ いつまでも律儀に"待て"をしてくれる彼の理性を
  心底信用している大咲は、完全に無警戒で誘いに乗った。
 
というより、長く一緒にいたい気持ちが勝って
したごころ …のことまで考えなかった方が近いか。


  そうして手渡された、彼のマンションの合鍵は。
  大咲にとっては、ごく普通なんてことはなく
  特別で 大切で 片想いの頃は考えも出来なかったような
  軽いのに何よりも重い、そんな存在になる。 ]


  ──…じゃあ、今だけの特別ですね。
  ふふ。


[ 違う鍵になったら、最初から貰う数は二つ。
  その意味を理解しては、照れたようにわらって。 ]

 

 

[ 後はもう、中へ入ってしまえば二人の箱庭。
  やっぱり髪を触るの好きなんだなぁ、と
  "限定"対象は知らないまま微笑ましい気持ちになり。

  帰したくないなどではなく。
  行かせたくない、と、帰る場所をここだけにするような
  その言葉には腕の中で若干動揺を見せた。


  あの、もしかしてもしかしなくても、
  私が想像している以上に、私のこと、好き…です、か。
  それにお客様だった頃の印象と違って
  独占欲とか、結構強かったりするのでしょうか。
  今更過ぎる疑問は、正解ならとても嬉しいけれど。 ]

 

 

[ やがて話を切り出すために、そ、と意思を示せば
  くっついていた体温が離れていく。
  合鍵を握ったままの手を包まれ、促されるまま
  前より少しすっきりしたようにも映る彼の自室へと。 ]


  わ、クッション! やわらかいやつ!


[ 大きな白いビーズクッションが鎮座しているのを見て、
  ややはしゃいだ声を上げ、二人並んで腰を沈め。
  何か飲むかを尋ねてくれる彼の腕をくい、と引き
  ふるふると首を横へ動かした。 ]


  ううん、……隣、いてください


[ 渡された合鍵は、もう片方の手の中。 ]
 



[やがて待ち人を見つけたら]


 やあ
 今日も可愛いけど……格好良いね


[座ったまま、甘やかな少年めいた衣装へ眩しげに目を細めた]


 イメチェンだ。すごく素敵

 

  …………お母さんに、電話、してみたんです


[ 過日、勇気を出して打った数字たち。
  学校の書類に書かなければならない緊急連絡先の番号を
  大咲は未だ、覚えていた。 ]


  正直、縁を切られたのか、切ったのかも分かんないし
  まだあの家に住んでるのかも知らないし。
  知ろうとしなかったから 当然なんですけど。

  でも、夜綿さんが私を幸せにしたいって言ってくれて
  ──…実際、ほんとうに、幸せばっかり教えてくれて。
  同時に ふとした時、昔のことも頭を過るんです
  ……それって不誠実だし、自分でも、嫌で。

  だから、私もその気持ちへ、ちゃんと誠実でいるために
  逃げてきたことへのケジメつけなきゃなって。


[ 繋がるかも分からない電話番号への発信は。
  確かに、大咲の母へ届いた。 ]

 

 

  なんかね、元気そうでした。
  あんな声聞いたの初めてだなぁって思うくらい。

  恋人が出来て、一緒に住むつもりなんだって言ったら
  何て言ったと思います?
  「お祝いは幾らがいい?」ですって。

  ……あの人の中では、お金を渡すことが
  愛を渡すのとイコールだったんだって気付きました。
  ケーキも料理も、それなら受け取りませんよね。


[ 寂しいひとだな、と思ったし。
  ──けれどそれが免罪符になるわけでもないと感じて。
  だから大咲は、ひとつ、踏ん切りがついたのだ。 ]

 

メモを貼った。

 

  だからね、私も受け取らないことにしました。
  お金はもう要らないから、私は私なりに前向いて、
  好きな人と幸せになるねって言って。

  ──…だから、あの日曖昧に答えちゃいましたけど。
  今改めて、教えていいですか。


  大咲真白。23歳、実家はもう縁を切りました。
  いつまでも過去のこと考えるより
  夜綿さんと未来を見て、生きていきたい、…です!


[ その覚悟も準備も、ちゃんと固めた後で良かった。
  大咲はそう言って いつものように心から微笑んだ。* ]

 

メモを貼った。

[花も似合うなぁ、とぼんやり思ってから、花、とはたと気づく。
 あ、どうしようそこまで気合い入れたプレゼントにしてない。
 用意してないものは仕方ないけど、距離が縮まるまでの間を、ちょっとした申し訳なさを花束の代わりに抱えてたら。]

……シャミさんは、すっごい可愛い。
可愛い。絶対似合うって思ってた。

[自分を褒められたことより、好きな人がボクの選んだ服を着て、それが似合ってることが何より嬉しい。
 可愛い、が口から溢れてくる。]

[自分に触れるのは、その後だ。]

イメチェン。っていっても、甘めだけどね。
たまにはいい、でしょ?

[今日のスタイルは、どこにもピンク色はない。
 ワンピースと合わせたグリーンと、黒がベース。
 見せるようにくるり回れば、ロングベストの裾がひらり。]

格好良くなれてたら、嬉しいな。
……隣、立つのに。似合うボクになりたかったから。

[どうでしょう。
 頭のてっぺんからつま先まで、隣にシャミさんが立つことを考えたコーデ。]

[あ。足先といえば。]

あの、あのさ。
ちょっと、渡したいもの?あって。

そのままちょっと、立っててくれる?

[バッグの中から、小さな箱を出し。]

……絶対上向かないから、安心して!


[そう宣言してから、シャミさんの足元、膝をつくようにしゃがむ。]

[真剣に作業に打ち込む彼の傍ら
自分も同じ作業で工程を進める。
あんな風に微笑まれたら
飛び切り良いものを作らないと、
なんて気合も入ろうもの。

そうして出来上がった槌目のリング。
やすりをかけて光に反射するそれは
何だか少し鱗みたいだな、って思った。

ようやく一頻り作業が終わり、
刻印をお願いするべく先生に預けて
やっと一息ついた。

ふと彼の方を見れば目が合って、笑った。]


あ〜〜〜、こんなに集中したの久々かも。
うん、楽しみ〜!いい感じだと良いな〜!

[片付けしながらのんびり待っていると
程なくして刻印が終わったらしい。
頑張って作っただけに思い入れもひとしおで。
出来上がった指輪を目を輝かせて見つめる。]

わー………

[彼が手を取って、それを嵌めてくれる。
過不足なくぴったりと指輪が収まった薬指ごと
左手を思わず光に翳して見つめた。]



………綺麗。


[大胆で力強く、それでいて繊細に
きらきらと模様が刻まれたそれ。
彼が想いを込めて作ったもの。
思わず見入って感想が零れる。

一頻りそうして眺めた後
そっと彼の左手を取って、
薬指に自分が作った指輪を嵌めようか。]

 ― 白うさぎとラム肉の日 ―



[ 美澄指名でのカクテルのご注文が耳に届いても
  そわそわ見守らずに済むようになった。
  郷に入っては郷に従えを強制するつもりはないので
  人体の差に合わせる作り方さえ覚えてくれるなら
  元の能力には特に、不安も心配もないものだし。

  可愛い子ライオンは一瞬で壁を登り終えた。
  代わりに大咲が尻尾を振って懐いている先輩から
  "揚げ物ヘルプコール"が飛んでくる。 ]


  はーい、シャミせんぱーい!
  今私を呼びました?

  ふふん、任せちゃってくださいよ〜っ


[ 下準備やらなにやらは全部遠藤が熟したようだが。
  過日の共同作業のように、揚げ代行は大咲をご指名らしい。
  頼ってもらえたみたいで嬉しくて、
  大咲は「おねがい」へ張り切った声を上げた。 ]

 

[箱に入っていたのは、黒をベースにした様々な布地をひとつに縫いまとめた、バラのコサージュがふたつ。
 異素材を合わせた花は、ところどころ青みがかっていたり、金糸が混じったり。
 クリップピンで止めるタイプのそれを、ピンクベージュのサンダルに左右それぞれ挟んで、つける。]

……うん、やっぱり可愛い。
それ、あげる。

[グリーンの落ち着いたワンピースから、足先がヌーディなイメージになるのを、引き締めてくれる。
 挿し色でバランスが取れて、むしろこの組み合わせなら華やかだ。
 このサンダルにするなら、挿し色で繋ごうと思ってよかった。
 どうでしょう、と立ち上がってから、目線をあわせる*]

 

[ 厚切り大根は、やや大きめの一口サイズ。
  染み込んだスープもあって更に崩れやすい素材である。
  しっかり水気を拭き取ろうと、
  舌でも潰れるくらい柔くなった大根は固くはならない。 ]


  シャミ先輩、結構難題言いますねぇ……?


[ 良い感じに揚げて! と最後全投げされた時も思ったが
  いけるかいけないかの瀬戸際を攻める、その難易度。
  まあ大咲も? 三年は先輩の背を見て育ったので?

  余裕
(と思われて褒められたい)
なんですねこれは〜! ]

 

 

[ 衣の片栗粉に、味を引き立てるための塩胡椒。
  カツのように徐々に少しずつではなく、一気に衣をまぶし
  時間との真剣勝負、素早さ競争。対戦者は大根。

  ────先輩せんぱい!
  大咲ちゃんと勝ちましたよ!
  まで思って我に返る。一体何と戦っていたのか?
  ……強いて言うなら自分自身か。なんだこれぇ。

  とかなんとかなっている大咲はともかくとして。
  オーダーが続くなら大咲は再戦も受けて立ちますし
  ラムは羊ですよ、同士よ。認めてないけど。 ]

 

 

[ 猥談再来(ではない)は露知らず。
  ついでに惚気(これは確かにそう)の横流しも知らず。
  大咲は良いラム肉の仕入れでややご機嫌な店長を
  ふ、と思い返し、そういえば──と。 ]


  ( まあ、スタッフ全員かわいいんだけど
    店長はどちらかというと綺麗の方が近いような )


[ 大人のお姉さんと聞けばまず真っ先に
  店長を大咲は思い浮かべてしまうので。* ]

 

[模様は恐らく気持ち彼のものよりも
細かな模様が沢山ついている感じになったろうか。
裏には R to Eと刻印が入っている、筈。

指の付け根までそれを通し、彼の顔を見て。
自分の手を彼の手に並べる。]

………ふふふ。
なんか、ちょっと感動しちゃうね。

[頬を染め、嬉しそうにはにかんだ。**]