人狼物語 三日月国


112 【R18】アルステラのもとに婚姻を

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視点:


【人】 狐娘 レイ

 
 ……ん、ん〜〜ッ……!
 はふ、……朝、はやいねぇ。


[本当に早いかは知らない。
布団の中でぐううっと伸びをして、意識を覚醒させていく。
そこでようやく違和感に気づいて、ふと左手に視線を向けた。]


 ……ん……?


[左手を目の前に持ってきて、まじまじと指の根元に嵌っているそれを見つめる。
どこか見覚えのあるデザイン。
忘れるはずもない、水晶に白い花をあしらわれた、ずっと記憶の片隅にあった、それは――――、]
(8) 2021/12/16(Thu) 0:25:23

【人】 狐娘 レイ

[瞬時に頭が覚醒して、がばっと飛び起きた。]


 ……ゆ、ゆびわっ!
 シャオロン、これっ……、指輪っ……!

 どうして……っ、これ……!?


[指輪とシャオロンを交互に見比べて、
動揺に言葉もままならずに言葉を紡ぐ。
指輪を撫でてその存在を確かめるように。

シャオロンが泉で拾った?
その割にはサイズが今のレイにぴったりと嵌っている。

「ロン」に嫉妬していたシャオロンが、「ロン」からの指輪を付けているのを許しているとも思えなくて。
混乱が混乱を呼んで、戸惑ったようにシャオロンに救いを求めた。**]
(9) 2021/12/16(Thu) 0:25:34
ううん、嫌じゃなかった…から。
そうしてくれると、嬉しい。

[起き上がれないぷるぷると震えていた腕を支え、寝かせてくれて。
果物を食べさせてもらい、告げられた言葉にはこくりと頷いた。
今日は留守番かと思っていたが、彼も一緒にいてくれるようだ。
シャーレンとしても、彼と行きたかったからありがたい限りである]

ふふ、頼りになる旦那様ね。

[首に腕を回すと、抱き上げられて脱衣場へ。
改めて奥さんと言われると照れくさく、けれど幸せを感じる。
暫くはこんな風に彼と結婚したのだと実感することも多いだろう]

[声が響かないよう、嬌声が零れないようにと耐えて。
漏れ聴こえる嬌声は昨夜と違った熱っぽさがあったかも。
のぼせる前にと寝室に戻り、ゆっくりと過ごす。
流石にストップを掛けたからゆっくり出来たが、そうでなければどうなっていたかわからない。

2人で話し合い、両親が彼を気に入ったり彼の手伝いを始めたりと、今まで以上に充実した生活を送っていると言える]

[彼との間に愛し子が産まれ、家族が増えるにつれて賑やかな家庭になっていったし、大変さも増していっただろう。
けれど、幸せなことに変わりはなく。
子供という愛し子がいても、彼への想いも変わりはしない。

運命に抗っていたら、こんなに穏やかな日々は過ごせなかっただろう。
そう思うと、これは必然だったのかもしれないなと彼の隣で考える今日この頃*]



 ……もっと上等なのが欲しかったら、その分頑張って稼ぐから。
 そこに嵌めるのは俺が贈ったやつだけにしといてよ。


[話を聞いてレイは気づいたかもしれない。
小龍はいまだに幼い頃の自分に嫉妬している。

だが本人は思い出せないまま真剣に告白して、左手を守るように両手で包み込んだ。]

【人】 狐娘 レイ

[レイが驚いた理由に彼は気づいていなかった。

10年以上前に貰った、泉に落としたモノと同じデザインの指輪。
それがまさか、シャオロンの手から渡されるなんて。
これじゃあ、まるでシャオロンがロンみたいじゃないか。

なのに、シャオロンの口から語られる「ロン」はやはり他人事で。
でも、そこには確かにレイを思って作ってくれた軌跡があって。
それが大事なものだと教えてくれる。

出逢う前からレイのものだったと。
シャオロンの記憶の片隅に、ずっとレイが居たみたいに。]
(16) 2021/12/16(Thu) 9:24:12

【人】 狐娘 レイ

[彼の口から語られた過去は、胸が痛むものがあった。
その光景を、レイは確かに覚えている。
「ロン」を傷つけたのは、自身と血の繋がった兄たちだ。

記憶を失くすほどに傷つけてしまった彼が、
心の片隅で覚えてくれていた自身の名前を、今、彼が口にしている。

間違いなく「ロン」はシャオロンだ。
この指輪と彼の断片的な記憶がそれを確信させた。]
(17) 2021/12/16(Thu) 9:24:23
[指輪をした手を、温かな両手が包み込む。
手先からゆっくりと視線を移して、彼を見上げた。
彼の言葉に、緩く首を振って応える。

溢れそうになる涙を堪えて、唇を震わせて。]


 上等なものが欲しいわけじゃないの。

 ずっと、ずっと欲しかったものを、
 シャオロン、……あなたがくれたわ。

 「今度こそ」、
 絶対に失くさない――――、


[瞳に浮かんだ涙が滲んで視界をブレさせる。
彼の姿が二つに見えて、
「ロン」と「シャオロン」が一つに重なっていく。]

【人】 狐娘 レイ

―― いつかの未来 ――

[泉のほとりで、花を摘むのは毎日の日課だった。
赤と白、二つの色の花を手にとって束にしていく。]


 『このおはなは?』


[幼い女の子が自身で摘んだ花を、女に花を見せた。]

 
 ええ、それも綺麗ね。
 一緒に飾りましょう。
 お父さんもきっと喜ぶわ。


[そうして、花束に彼女が摘んだ花を混ぜた。

力仕事と生業としている彼は、
今日も仲間たちと共に村の外に出払っている。]
(19) 2021/12/16(Thu) 9:58:19

【人】 狐娘 レイ

[傍らで小さな男の子が駆け回っている。]


 遠くへ行くと危ないわよ。
 ここは、魔物が出るんだから。


 『おれはつよいからへいき!』


[昔に聞いたような台詞を男の子が口にする。
赤い髪の彼の腕には文様が刻まれ、その腕でぐっと自信がありそうに折り曲げる。
その様子にくすりと笑って、女は立ち上がった。]


 さあ、そろそろ帰りましょうか。
 お父さんが、戻ってくるまでにご飯を作らなくちゃ。


[その日の夕食は、魚料理。
彼が初めて生魚を口にした時に驚いた顔は今でも記憶に残っている。]
(20) 2021/12/16(Thu) 9:58:29

【人】 狐娘 レイ

[温かな夕食。
一人の息子と一人の娘。

大きな風呂を沸かす魔道具は今も健在だ。
湯船には子供の遊び道具がぷかぷかと浮いている。

どの家庭も夕闇に染まる食事時。
食事は一緒にと約束を交わした彼が家族の元に帰ってくる。>>1:109
(21) 2021/12/16(Thu) 9:58:38