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【人】 悪食 キエ「あァあ……終わった、終わった。もう重力とか気にしないで良いよねェ…」 キエはふわりと浮いた。視線を感じていた頃は極力人らしく在る様にしていたが、視線の無い今はもう気にする事もない。 「………僕もこういうの作ろうかなァ」 其処で主人として只待つだけの在り方は効率が良い様に思えた。客集めは自分に付き纏ってくる彼ら達にさせれば良い。彼らは何故だかキエを慕い従うから。 宙に浮きながら足を組み、夜を見上げた。 (2) 2021/10/24(Sun) 13:31:55 |
【人】 悪食 キエ>>@1 トラヴィス 「そりゃそうさ、僕だもの」 やって来た貴方の頭上にするりと移動する。眼下から贈られた労いの言葉には特に返事をせず、確認の方にだけ返事をした。 「君が契約の内容を守るならね。言ったろう? ───壊れる事なく、狂う事なく、悪夢を見続けるのなら。 僕ァ君の傍にいてあげる。 米とか麦みたいな主食が在っても困らないしねェ」 何て事のない抑揚でキエは告げる。寝返りを打つと、喋る人形を見下ろした。 「僕は気紛れだし気分屋だし飽き性だし嘘吐きだけれど、契約を破る事はしないよ。 そんな事をしたら僕では無くなってしまうからねェ」 (3) 2021/10/24(Sun) 14:08:40 |
【人】 悪食 キエ>>@2 トラヴィス 慈しむ様に頬を撫でられてもキエに何かしらの言葉は生まれなかった。 キエにとっては数多持つ契約の内のひとつでしか無い。内容もキエにとって特段珍しいものでも無かった。 貴方以外にも居て、貴方の代わりは何処にでも居る。 「はいはい、感謝したまえよ」 キエは『こちらこそ』とは一言も言わなかったし思わなかった。人形が壊れればキエは其れを何の躊躇いも無く捨てる。壊れた物を修復しようなどとは思わないし、其れは人間のやる事だとキエは考える。 人間にとって永遠とも呼べる刻の長さは、キエにとって刹那である。 人間の『此れから』はキエにとって『後少し』程度の尺度だった。 話は終わったと言わんばかりに、すいと撫でる手から離れた。 (6) 2021/10/24(Sun) 15:14:29 |
【人】 悪食 キエ>>@9 舞台袖 契約の阻害をされればキエは口を出しただろう。しかし此れは一方的な提供である為、キエは契約では無いと考えている。 其れ故に黙したまま、三人より少し高い位置で漂っていた。普段ならばとっくに何処かへ立ち去っている筈だ。 留まっているのは単純に此れが食事の機会かもしれないから、というだけである。 「…………」 会話の内容をずっと聞き流していた。人が他者の定義が揺らぐ事を厭う事は知っている。 誰かがトラヴィスに同じ様な事を言うだろうと気付きながら、何も言わず“良い”と言ったのだ。 記憶が人格を形作ると知りながら、記憶ごと夢を喰らったのだ。 しかし全てがキエにとってどうでも良い事であるから、キエは会話に口を挟まない。 (14) 2021/10/24(Sun) 20:05:58 |
【人】 悪食 キエ>>@13 きっと心ある人ならば何か思うであろうやり取りを、キエは無感動に見ていた。 頬を撫でる手に対して何の感想も抱かない。 貴方が前を向こうが向くまいが、キエにとってやはりどうでも良い事だからだ。 「ふゥん、そう」 返って来たのは素っ気ない言葉であった。キエにとっては其の程度の事である。 貴方が対価を支払えなくなった時は、キエも契約を守らない。只其れだけだ。 キエは悪魔でないから、契約を破棄する事に対して何ら罰を設けない。自分に損益さえ無ければ其れでいい。 「僕としてもしつこくて困ってたからねェ、其の方が助かるよ」 すい、と再び高度を上げていく。途中で二人を見下ろした。 刹那程の時間だった故に、見られた事にさえ気付けないかもしれない。 ……そうしてキエは、館の視察という名目で遊覧へ赴いた。 (20) 2021/10/24(Sun) 22:06:13 |
【人】 悪食 キエ>>23 ミズガネ 「おや、ミズガネ君じゃないか。良かったよ、君が帰って来なかったらどうしようかと思っていたんだ。依頼は達成したんだから対価は貰わないといけないからねェ」 そうして探偵から告げられたのは酷く簡素な真相。貴方が既に辿り着いた事以上の情報は得られないだろう。 しかしキエと貴方は其の様な契約を交わした。其の事実に変わりは無いとキエは考える。 「……詰まるところ、君の自業自得だ。今後は言葉に気をつけたまえよ」 キエにはプライドが無い。故に只一つを除いて吐かれた言葉の全てを受け流す。しかし、 ??? はそうでない。其れだけの話であった。「其れで報酬なんだけどもね。 今胃もたれしてるから また今度貰いに行くよ。まァ君が夢を見る以上何処に居たって会いに行くから、安心しなさい」 (44) 2021/10/25(Mon) 10:15:49 |
悪食 キエは、メモを貼った。 (a1) 2021/10/25(Mon) 12:21:10 |
【人】 悪食 キエ>>50 ミズガネ 「当たり前だろ?君が頼んだのは“此の謎を明かす事”だけなんだから。其れ以上の事を身体張って調べる必要が何処にあるんだい? 其れに誤解だなんて言い掛かりだなァ。君達が知ろうとしなかった、の間違いだろう。 僕ァ君の親や教師じゃあない。口を開けて待っていれば餌が貰えると思っているなんて……まるで鳥の雛だねェ。 知識は与えられるものではなく、求めるものさ」 ねちねちとした言葉にきっちりと返せば、腹を摩り呆れた様に貴方を一瞥する。 よく見ればキエの身体付きが丸く、今は女であると判るだろう。 ??? と会話してから性別は其の儘であった。「…… 子供も産んだ事が無い癖に 産後なんだから 君、そんな調子だと子供が独り立ちしてから捨てられてしまうよ?」 色々と誤解を生む表現だが、キエとしてはそう認識している。 (52) 2021/10/25(Mon) 17:37:52 |
【人】 悪食 キエ>>63 ミズガネ 叱りつける様な貴方を嘆息混じりに見下ろした。 ちなみに第一子の名前はゲイザーである。 「 うるさっ ……人間ではないのだから休む必要なんかあるかい?僕ァあんな軟弱では無いけど 初産は流石に堪えた ってだけだよ」性別が可変である事を伝える必要も無いと思った為に、キエは何も言わなかった。館に滞在するならいつか耳にする話だろう。 「君ァ暫く居るんだろう? 食欲が戻ったら貰いに行くから、其の時は損な役回りをした僕へとびきりの労いを頼むよ」 そう言うとすい、と時計塔を見やる。次の行き先は其方であるらしい。 貴方が何を言っても聞き流して立ち去りそうな気配であるし、実際に其の通りだろう。 (73) 2021/10/26(Tue) 21:18:32 |
【人】 悪食 キエ>>94 チャンドラ 彼処は 果て だろう。喧騒から離れた夜空に揺蕩いながら、月を見上げていた時だった。 「……今晩は、チャンドラ君」 思っていたよりも間近で声がしたものだから、キエは一度瞬きをした。 しかし夜の一族というくらいなのだから、此方が本来の貴方なのだろう。そんな軽い認識をして向き直った。 「課題の方は順調かね。短い間ではあったが……きっと今まででは考えられない程、様々なものを見聞きできた筈だ。 予想くらいはできた頃合いかな?」 声をかけられた理由で想定されるものは、課題の答えか、別れの挨拶か、若しくは両方か。 キエはどれでも良かった。どうでも良い、ではなくどれでも良い。 (95) 2021/10/27(Wed) 21:18:02 |
【人】 悪食 キエ>>96 チャンドラ 「勿論だとも。 ……其れに答えは決して変わらぬもの、という訳でもない。 時と場所、そして立場によって変わるだろう。 たったひとつの冴えたやりかたなど存在しないからねェ」 正義とは幾つも存在し、また真相は幾つも隠れ潜んでいるとキエは考える。 どんな答えであろうと、キエは頷きをひとつ返し満足するだろう。 「どんな答えでも──……自身で考え、思い、見つけ、選ぶ。 此れ自体が、僕が人に望む事だからね」 停滞は何も産まない。希望どころか絶望さえも産み出さない。 だから。 キエは、進む事を促す。 何方へ向かおうと、其の歩みが誰かの心を良くも悪くも動かすのだ。 (97) 2021/10/27(Wed) 22:02:54 |
【人】 悪食 キエ>>98 チャンドラ 「……そうか。 共に立つ事で見える景色もあるだろう。 隣にいなければ聞こえない音もあるだろう」 キエは満足そうに頷いた。遮蔽物の無い月明かりが瞳へ刺さっても、キエの視線はしかと貴方を捉えている。 「自分の本当の気持ちさえ、人は案外気付かないものだ。 其れに気付き言葉にできた君は、今確かに成長したのさ。 どうか今抱く想いを忘れずに。 選ぶ事のできる君は、誰かの標に成れる」 キエは其れが地獄への道である事を望んでいるけれど。 現を変える事ができるのは、生きて夢を見る貴方達だけであるから。 どんな歴史が編まれようと、夢の浮橋からは何の手出しもできない。 「いつか答えが変わる日が来るかもしれない。 もし上手く言葉にできず悩んだら、眠る前に僕を思い出すといい。 ……きっと会いに行くよ」 (101) 2021/10/27(Wed) 23:26:51 |
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