情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [メモ 匿名メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
![]() | 【人】 燎原の獅子 ヴィルヘルムでは誰が対価を支払う。天が恵み給うとでも? 貴様の血肉と首に代えねば、 我々に残るのは家名だけだ。 ────貴様らが身勝手に踏み躙り、貶めた家名がな。 [ 受け継いだ記憶がそうさせるのか、 微かに声色に怒りが混じる。 在り方で言えばとうの昔に人間ではなく、 其れは四年に及ぶ戦で表面化していた。 ] (75) 2020/12/03(Thu) 13:00:14 |
![]() | 【人】 燎原の獅子 ヴィルヘルム死者は蘇らない。これは生者への報酬だ。 再びの栄光を示し、その忠誠が報われたと証明する為の。 ・・・ [ 誰もがお前の死を望むと言わんばかりに 鋭い言葉を用いて言い切る。 国の為、一族の為、家名の為。 ] [ 此処まで殺めて来た。これ程迄に死なせた。 墓標が生者にとっての罪や喪失になるからこそ、 “後戻りなど出来はしない”。 ] (77) 2020/12/03(Thu) 13:01:18 |
![]() | 【人】 燎原の獅子 ヴィルヘルム奥方の命は保証してやる。 精々西の大陸で慎ましく暮らすが良い。 全てを失った時、命に価値など無いと分かる。 [ 見え透いた問いには答えない。が、 僅かに覗かせたのは生き様への価値観。 まるで自分が“そう”在るかの様に。 ] (79) 2020/12/03(Thu) 13:02:16 |
![]() | 【人】 燎原の獅子 ヴィルヘルム[ ────だが、最期の仇を前にして火は揺らがない。 降り頻る雨に掻き消されることもない。 ] [ むしろ落ち着き払った様子で言葉を受け止め、 やがて静かに唇を開いた。 配下達が掲げる篝火の明かりが近付く。 ] ……“我 Wilhelm von Arenberg、 テリウスの指導者にしてブラバントの王。 家名の誇りに懸け、獅子の御旗の許に” “汝、Judas von Bestlaに死刑を言い渡す”。 ( 吐き出せば、重荷は自然と消えた。 而してArrynに然うした様に、首を落とすだけ。 ) (81) 2020/12/03(Thu) 13:03:54 |
![]() | 【人】 征伐者 ヴィルヘルム[ 使い鳥に終戦の報せと行き先を託し、 たった一羽、籠から高く送り出す。 もう暗号を用いる必要も、 撃墜される心配をする必要もない。 筆は軽く、迷うことなく進み──── “待っている” そんな一言で締め括られた。 ] (83) 2020/12/03(Thu) 13:07:39 |
![]() | 【人】 征伐者 ヴィルヘルム[ 誰かが訊いた。 契約の果たされる時は来たか、と。 ] ( ────否、未だだ。 報せを国に持ち帰る迄。 得た物の処遇と治め方を決める迄。 全て『王』の役割よ。 ) [ 声は脳裏で囁いた。 城に戻れば必ず命を貰う、と。 ] (84) 2020/12/03(Thu) 13:07:56 |
![]() | 【人】 征伐者 ヴィルヘルム[ 悪夢は完全に消え去り、 一人の脳が抱えるには重すぎる二百年の記憶は 眠る度に少しずつ薄れて往くのだった。 三週間に及ぶ帰郷の中で誰かの名が消える。 今では古き当主の名が思い出せない。 ] [ 幼い頃から夢の中で継承し、植え付けられて来た記憶が 抜け落ちれば、何も知らない子供に戻って行くかの様。 充たされず、飢えと渇きに支配された獣の如く 思考を占めていた 憎 ( 其の憎しみが誰の物であったのか、 影も形もなければ確かめる術もない。 ……そんなものだ。 ) (85) 2020/12/03(Thu) 13:08:17 |
![]() | 【人】 征伐者 ヴィルヘルム[ ────祝賀に飲み交わす兵達の宴から抜け出して、 砦の暖かな寝室に戻る。 従者に火を焚かせ、灯りを付け、机に向かう。 ] [ “もう下がって良い”と告げれば、 目的のものを執筆する為に羽根ペンへと手を伸ばす。 相続に関しての取り決め、領主の割り当て、 功績を立てた者への褒賞、戦死者の弔い、 やるべき事は山ほどある。そして…… 真実を知らぬ息子に宛て、最期の言葉をしたためようと。 ] ( 何も浮かばないのは 疲労の仕業であって欲しい。 ) (86) 2020/12/03(Thu) 13:08:50 |
![]() | 【人】 征伐者 ヴィルヘルム[ 考える内に時間は徒らに過ぎ、 窓の外を見遣れば宴の気配も殆ど消えていた。 秋の終わりの長い雨は月の見えぬ晩を一層冷たく、 憂鬱なものに変える。 ] [ 黄金のゴブレットに葡萄酒を注ぐ。 遺書の為にも多少は“馬鹿”になった方が良いだろうと。 薬は既に不要であるから、 代わりにシナモンを加えて温める。 甘く芳醇な味わいが喉を満たした。 ] [ 再び筆を手にしては溜息を吐いた。 背凭れに頭を預け、時折寝室の天井を仰ぐ。 揺れる髪には古びた紙紐。誰かが遺した依代。 彼女の生存を知らせた最も古い手紙の代わり。 ]* (87) 2020/12/03(Thu) 13:09:11 |
![]() | 【人】 征伐者 ヴィルヘルム( 冷たい戦乱が心さえ凍らせていたかのように、 凝り固まった情緒は言葉として表すことが出来ない。 揺れる暖炉の炎にもう一つ薪を加えて、 再び机に向かおうとした時だった。 ) [ ────使い鳥の嘴とするには大きい、 硬質的な音色が部屋に反響した。>>99 天候が雹に変わった様子でもない。 敵襲など有り得ない立地と高さだ。 加えて周囲は砦に収容し切れない人員が 軍幕を張っているものだから。 思い当たる前にナイトガウンの裾を翻し、 窓辺へ駆け寄った。 見れば薄闇の中に濡羽色の魚鱗めいたものが光っている。 思わず框に手をかけて、一息に頂点まで押し上げた。 ] (105) 2020/12/03(Thu) 22:07:18 |
![]() | 【人】 征伐者 ヴィルヘルム[ すると破れた布切れと不規則な黒鱗に覆われた脚が、 それに続いてヒトの輪郭を保った顔が視界に現れる。 血溜まりの如く濁った 瞳 であっても、一度目の当たりにした其の姿を忘れる筈もなく。 吹き込む風に混じる死の匂いは、 彼女が長い長い闘争に身を置いていた事を悟らせた。 ] リヴァイ、お前…… 今晩はまだ三日月の筈──── [ 言い切る前に其れは窓の下枠に脚を掛け、 濡れそぼつ身のまま飛び込んで来た。 寛いだ衣装では一人分の質量以外に抗うものはなく、 衝突した威力に押されるままに後ろ向きに倒れ込んだ。 古びた絨毯から鈍い音が鳴る。 ] (106) 2020/12/03(Thu) 22:08:08 |
![]() | 【人】 征伐者 ヴィルヘルム[ 振動と共に全身へ打ち広がる様な鈍痛。 痛みには慣れてきたが、頭の中が揺れたまま治まらない。 深い瞬きを繰り返して定まらない視界を確かめるが、 一向に効果は出ない。 言うべき事も、迎える言葉も、募る話も、 沢山あった筈なのに。 瞼の裏に文字通り星が散る有り様では、 “ああ”と短く肯定を返すのが精一杯だった。 ] [ その実、狭義的な“無事”とは言い難く。 命を酷使したお陰で身体は重い上に、 受けた矢傷は今も包帯の内側で疼いている。 取引の『刻限』が迫る身体は、 不可逆で緩やかな衰弱の途中に在る。 ] [ 分厚い生地に冷たい雫が染み渡る。 背へ控えめに回る腕があれば体温は尚更混ざり合い、 腕を広げて迎え入れようとした中途半端な格好のまま 疲労困憊への追い打ちとなった眩暈と戦っていた。 ]* (108) 2020/12/03(Thu) 22:09:53 |
[1] [2] [3] [4] [メモ 匿名メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新