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【人】 上原 隆司[デートはいつも楽しいし幸せで、だからこそ別れ際が寂しかった。 帰したくないと思っても、帰さないわけにいかなくて、次に会う日を楽しみにして過ごした。 ――このまま同じ家に帰って、次の日も、その次の日も隣にいてくれたら。 別れ際、そんな風に上原が切実に思うようになってから、何年経っただろう。 >>88いつもより少し長めのキスで、同じことを考えている気がして、上原は彼女を抱き締める腕に力を込めた] ……蛍、あのさ。 卒業したら、一緒に暮らさないか。 [卒業も間近。新しい生活を始めてもおかしくない時期。 それで、やっと。 ここ何年か言いそびれていたことが言えたのだった]** (91) 2021/03/08(Mon) 8:07:00 |
【人】 上原 隆司 期間を決めるか。 一緒に暮らしてみて、半年とか1年とか…… それで、この先もずっと一緒にいたいって 気持ちが変わらなかったら。 そのときは結婚しよう。 [気の長い話かもしれない。さらに歳を取ってしまうし。 それでも一緒に暮らす幸せを確かなものにするために、必要なステップだと上原は思っていた。>>94 それに。 「子供ができたから」という結婚の仕方が、上原は好きになれなかったのだ。 子供を言い訳にするようで。 無計画を曝け出すようで。 その分、相手への愛情が薄いようで。 ちゃんと視野に入れて準備してきたもの。結婚はそういうものであってほしかった]** (96) 2021/03/08(Mon) 9:17:02 |
【人】 上原 隆司 待つ期間が無いほうがいいか? 俺の都合ばかり押しつけるのも嫌だ。 たぶん大丈夫だろうとは、俺も思ってるし。 [大丈夫でないことがあったとしても、前向きに解決できるくらいの絆があるとも思えていた。 だから、彼女の意志を尊重したくて改めて尋ねた。 とはいえ、仮に書類が早々に出せても、挙式となるとまた話が変わるのだろうけれど]** (101) 2021/03/08(Mon) 9:42:48 |
【人】 上原 隆司 ……そうか。 [語られる切実な言葉を聞く。>>102 >>103 気持ちだけではどうにもならない、いや、気持ちがあるからこそどうにもならない、体の問題。 彼女の将来を閉ざさないためと耐え続けて、けれど、耐える理由もそろそろなくなる。 それこそなし崩しになって、上原が一番避けたかったことになるのかもしれない>>96] わかった。 [それならもう、我慢するのはやめにしよう……まだ「我慢してる」と思えているうちに。 上原はそう思って、背伸びされてのキスで彼女の唇に少し隙間を感じたとき。 言葉で答えようとするのを、やめた]* (104) 2021/03/08(Mon) 10:44:33 |
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