【秘】 8435 黒塚 彰人 → 4432 貴戸 高志見下ろす先、眉間に寄った皺が視界に入り。 けれど、何も言われないのであれば、わざわざ言及することはなかった。 よい感情を持たれはしなかったのだろうと察しはついたが、 今更それを不快に思うこともなかった。 面倒ではないよ、と返しながら、散らばる長い髪をひと掬い。 さらりと指の隙間に零し、形ばかりの問いかけを落とす。 「俺こそ、謝るべきか?」 吐息は笑んでいた。揶揄いといえば聞こえがいいだろうか。 「お前、好いた奴がいるんだろう」 (-168) 2021/09/25(Sat) 23:06:14 |
【秘】 8435 黒塚 彰人 → 3839 南波 靖史 それは、男にとって予想外の抵抗だった。 ぴたりと動きを止め、小生意気な瞳を見下ろし押し黙る。 男の口内、少年に含ませたのと同じ薬が、舌の上でじわじわと溶けはじめている。 「――……」 口を噤んだまま、指を動かす。 押し込む動きとは真逆、錠剤を取り残したまま一度引き抜いて。 上顎を擦り、舌を摘まみ。形の良い口の中を犯すように、甘やかに掻きまわす。 ――『飲めるよな?』 繰り返しの問いかけを視線に乗せる。 瞳には、苛立ちと愉悦が僅かずつ、かすかに滲んでいるのだろう。 (-169) 2021/09/25(Sat) 23:57:32 |
黒塚 彰人は、欠伸をした。 (a29) 2021/09/26(Sun) 0:11:12 |
【人】 8435 黒塚 彰人 (13) 2021/09/26(Sun) 1:00:41 |
【秘】 8435 黒塚 彰人 → 4432 貴戸 高志「そうか」 返す言葉は素っ気ないものだった。元より謝るつもりなど一ミリも無かったのだろう。そう覗える――誘いに乗ったのはお前だものな、と。語調、眼差し。纏う気配で告げるふてぶてしさ。 瞬く。暗い色が隠れて、ふたたび露わになり。揺れる睫毛が爪の先を掠める。 「“勉強”。……生真面目は変わらないな、高志」 後ろ手に脱いだ上着を、ベッドの下へ落とす。 これ以上の言葉はいらないだろう。そう思いつつも、独りごちた音を拾いあげてしまった。 目元を撫ぜるその手を取り、指先に口づけ。そうして独り言を落とす。 「俺と、似ているとでも?」 (-211) 2021/09/26(Sun) 18:48:20 |
【秘】 8435 黒塚 彰人 → 4432 貴戸 高志 答えは待たなかった。 ネクタイを解き、ボタンを外す。腰のベルトを緩め、露わにした少年の肌へ手を這わせる。男の体温は低かった。 作り物の欲と、用意された巣。情と見紛う丁寧さでもってその身体を拓く。 最中、彼の身体にとっては初めての事ではないと気づくのかもしれないが。 それを指摘することはないだろう。面倒を避けたのか、 ……生真面目なこの少年がつまらない嘘を吐くとは思い難かったからか。 (-212) 2021/09/26(Sun) 18:50:09 |
黒塚 彰人は、組み敷く彼の背に、ぽたり。汗が落ちる。 (a40) 2021/09/26(Sun) 18:58:28 |
黒塚 彰人は、――――………… (a41) 2021/09/26(Sun) 18:58:35 |
黒塚 彰人は、ずるり。薄膜を被せた自身を後孔から引き抜く。目を瞑って幾度か擦り、吐精した。 (a42) 2021/09/26(Sun) 18:58:44 |
黒塚 彰人は、ビデオカメラの前、一人の少年を抱いた。 (a43) 2021/09/26(Sun) 18:58:52 |
【秘】 8435 黒塚 彰人 → 4432 貴戸 高志 身なりを軽く整え、濡れタオルを持ってベッドへ戻る。 滲む汗で湿るシャツが不快で、上着は床に落とされたまま。 「……動けるか」 ベッドに腰掛け、身を横たえる彼に、握るタオルを差し出す。 そのための力が戻っておらず、また、拒まれないのであれば、代わりに身体を拭ってやっただろう。 睦み合う恋人同士のそれと、 明確に異なるであろう点を挙げるならば、二つほど。 まず、黒塚は催淫剤の類を服用し、事に及んだ。 舌の上で錠剤を一つ溶かし、飲み込んだ。 問われれば支給されたものだとあっさり明かしたし、 組み敷かれる少年も必要とするのであれば、分け与えたことだろう。 さほど強くもない、気休めのような薬だった。 そして、もう一つ。 口づけが唇へと落とされることは一度たりとも、無かった。 (-215) 2021/09/26(Sun) 19:00:50 |
【神】 8435 黒塚 彰人「……投票の話でしょうか」 談話室へふらりと立ち寄り、会話に加わる。 己の名が出された場面にはギリギリ遭遇しなかったようだ。 「靖史。お前に入れればいいのか?」 (G10) 2021/09/26(Sun) 19:55:24 |
【人】 8435 黒塚 彰人>>16 普川 立ち止まり、一拍置いて相手の名を口にする。 今回は過たず、『年上』である彼を呼び捨てることはなかった。 「尚久さん。……はい、何でしょうか」 黒い頭を見下ろし、言葉を待つ。 一度合ってすぐに外された視線を惜しいとも、幸いだとも思った。 (17) 2021/09/26(Sun) 20:00:03 |
黒塚 彰人は、普川の腹部を強く、拳で殴った。 (a47) 2021/09/26(Sun) 20:34:44 |
【人】 8435 黒塚 彰人 (20) 2021/09/26(Sun) 22:02:31 |
黒塚 彰人は、欠伸をした。 (a51) 2021/09/26(Sun) 22:07:21 |
【人】 8435 黒塚 彰人>>暴行現場 「ああ、……そうだな、部屋にいようか」 ここにいるのはそもそも、普川に呼び止められたからだ。 その彼がこれ以上、用が無いのなら留まる理由もないだろう。 「……すみませんが、力加減を誤りました。 何か食うのなら、手当てしてからにしてください」 己が殴った彼の方を向いて、そんな言葉を寄越して。 集まった少年らへと背を向け、立ち去った。その足取りは早くもなく、かといって遅くもなかった。 割り当てられている、数日前までは小さな少年と過ごしていた部屋へと戻るのだろう。 (22) 2021/09/26(Sun) 23:11:37 |
【神】 8435 黒塚 彰人 そこでどうして俺になる? そんな気持ちを込めて、じろりと南波の方を見やった。睨むほどではない。たぶん。 「……俺ですか。期待に沿えるとは思いませんが」 特段、止めるほどの意志も権利もないので……といった感じ。お好きにしてくれ。 (G14) 2021/09/26(Sun) 23:42:41 |
【秘】 8435 黒塚 彰人 → 4432 貴戸 高志 高めていた熱が遠のき、しかし未だ余韻を残している。 腿へ置いた肘も組んだ指もぬるく、平素と違う温度は不快感を呼び覚ます。 スプリングを軋ませる腰のあたりが、最も。 自分のものではない温度に――――少年の身体と、近い。 じんわりと伝わる他人のそれが、どうしようもなく気持ち悪かった。 幾度も引っかかれていた、きっと赤くなっている首元へちらりと視線を遣った。 手当てが必要なほど傷ついているのなら、消毒液を探さなければならないし、この後そうするのだろう。 「望むものは決まっている。 ……与えられるかは、どうだろうな」 体の前、膝の間で重ねる指を組みなおして静かに答える。それ以上、自ら多くを語りはしなかった。 それから、少年の顔へ視線を上げ、問いかけを向ける。 「お前はどうなんだ、高志。欲しいものはあるのか」 口にしてから、数日前の似たような会話を思い出した。 思い出したからといって、どうという訳でもなかったけども。 (-249) 2021/09/27(Mon) 1:11:30 |
【秘】 8435 黒塚 彰人 → 3839 南波 靖史 形を崩した錠剤を飲み込んで、舌を打つ。指に力が籠る。 自然、舌をぐ、と下顎に押し付け……不意に脱力し、引き抜く。銀糸が指先と唇を繋ぎ、ぷつんと切れた。 かくんと手首を曲げ、胸の高さ、中途半端な位置に置く。唾液を纏い、てらてらと光る指が緩く伸ばされている。そうして、溜息。 「……飲みたくないのなら、始めからそう言え」 呆れたような素振りで嗜める。 そうではないことを薄々分かっていながら、見当外れを口にした。 (-283) 2021/09/27(Mon) 4:21:11 |
【秘】 8435 黒塚 彰人 → 4432 貴戸 高志――よかった、 何気なく口にしたのであろう、柔く紡がれたそれ。正面を向き、彼から目を逸らした。 膝を揺する。生まれた振動がベッドのスプリングへと伝播する。 「……認められないようなものなのか」 心中のざわめきを誤魔化すためだけに重ねた問いだった。恐らくは。 (-292) 2021/09/27(Mon) 12:53:24 |
【赤】 8435 黒塚 彰人 (*2) 2021/09/27(Mon) 13:25:54 |
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