人狼物語 三日月国


188 【身内P村】箱庭世界とリバースデイ【R18RP村】

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視点:


到着:XIX『太陽』 ヒナギク

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク


  
 
  証持ち――――、


           それが私の業であり、生き方。


 
(141) 2022/12/11(Sun) 17:27:49

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

 
 
 『みんな〜〜!! こーんにちはー!!
  証持ちって、どういうものか知ってる?

  むかーしむかしに、神様に作られ、
  贈り物を与えられた人の子どもたちが居てね?

  箱庭で暮らしていたんだけど、
  ちょっと悲しいことが起きちゃって、
  バラバラになっちゃったんだ。

                ……でもね。』


 
(142) 2022/12/11(Sun) 17:28:31

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク



 『神様が子供たちを気に入っちゃったみたいで、
  箱庭で暮らしていた子どもたちは、
  贈り物の証を持って生まれ変わることがあるの。

  私のこの腰元にある痣みたいな、これね!

  「証持ち」は宗教上、咎人と言われているけれど、
  法律の上では殺すことは禁じられています!

  近くで証持ちを見つけても、
  決していじめたりしないで、
  そういう時はすぐに政府相談窓口へ知らせてね!』


 
(143) 2022/12/11(Sun) 17:29:03

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク


 
 『証持ち専用ダイヤルは、
 


   ▼✕○-■※※☆-◎▲◎▲

         ゴヨウハ アカシ アカシ へ!


 
         ヒナギクと守ろうね!世界の平和!』



 
(144) 2022/12/11(Sun) 17:29:34

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

 
[TVをつければ、政府が作成したそんなCMが流れる。
 街頭の広告などにも、CMと同じ少女が笑顔で
 専用ダイヤルを案内している。

 証持ちの保護のCM以外にも、
 政府に関わる広告となっている少女は同じだ。

 政府の広告塔、―――それが、私のお仕事。アイドル
 
(145) 2022/12/11(Sun) 17:30:18

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク


[証持ちの保護を謳いながら、私も普段は、
 政府が用意してくれた洋館で暮らしてる。

 政府から頼まれてお仕事という名の
 地域巡業はあるけれど、お仕事以外の時は
 中央に行く以外は滅多に許されない。

 他の証持ちの子どもたちよりは、
 お出かけすることは多いかもしれないね!

 お出かけすることも、
 この洋館で暮らすことも、

      ――――私は結構気に入ってるんだ。]
 
(146) 2022/12/11(Sun) 17:31:06

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

[扉を開く音に階下を覗く。
 玄関ホールに響く声は聞き慣れたものだった。>>44

 ちょうど玄関口に居たアリアが出迎えている。>>111
 階下を望めるホールへ続く二階から、
 手すりに身を乗り出して、よく通る声を響かせる。]


  アリアさ〜ん!!

  
――チェレスタ!!

  おかえりなさい!!


[二人に手を振れば、
 慌てるように階段を駆け下りていき、
 出迎えの一人に加わっていくだろう。]
(147) 2022/12/11(Sun) 17:31:31

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

[階段を駆け下りる途中で、
 シトラの姿も目に入る。>>137

 だが、駆け出した足は止まることなく、
 まっすぐに玄関へと向かっていた。]


  シトラも居たっ!

  あはっ、こんなに人手がいるなら、
  お手伝い要らないね?


                    **
(148) 2022/12/11(Sun) 17:31:59
XIX『太陽』 ヒナギクは、メモを貼った。
(a24) 2022/12/11(Sun) 17:39:30

【独】 XIX『太陽』 ヒナギク

/*
遅ればせながら一席いただきますよ。
ゆるゆるやらせていただきます。

ヒナギクチップ自分で選びそうにないチップだから自分の顔が新鮮〜〜。
(-28) 2022/12/11(Sun) 19:29:14

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク





 
 [    笑わない子供 だった   ]





 
(184) 2022/12/11(Sun) 22:07:42

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク


[証持ちが虐待を受けるという話は事実だ。
 それは身を持って知っている。

 生まれた時に両親に泣かれ、嘆かれ、
 この世に生まれてきたことを罪であるかのように
 蔑まされる。……血の繋がった実の両親に。

 小さな身体で両親の拳を足を、受け止めることは難しく。  
 食べた口から吐き出した。
 やがて、食べ物すら与えられずに水だけで過ごし、
 水を与えることすら惜しいと、
棄てられた。

 
(185) 2022/12/11(Sun) 22:08:32

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク


[愛される子ではなかったのだ、私は。

 痛みに堪え切れず涙を流せば、
 煩いと怒鳴られて口を塞がれる。



 『ヒナギクがなくからおこるの?』



 そうして、両親の前では嫌われないようにと
 笑顔を絶やさずにいれば、、
 両親にとっては逆にそれが気味が悪かったようだ。
 殴られても、蹴られても笑う子供。
 
 そうして、結局、手放された。

 笑うことも泣くことも許されることはなかった。

 そう知れば笑うことも、泣くことすらしなくなった。]

 
(186) 2022/12/11(Sun) 22:09:44

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク


[やがて、不憫に思った親切な老夫婦に
 預けられることになったが、
 子は老夫婦が話しかけてもろくに笑わず。
 観光業が有名な地を気晴らし紛れに連れて行っても、
 八つの子供は感情が既に死んでいた。

 老夫婦の家には災いが居る。
 まことしやかに噂も流れ出す。
 

 『証持ちが居るらしいぞ』


 ――――証持ち。それの何がいけないの?

 八つの子供に大人の言うことは分からない。
 ううん、同じ頃の歳の子ですら、
 証持ちは咎人だといい、当然のように蔑んでいく。]

 
(187) 2022/12/11(Sun) 22:10:53

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク







          
[ ただ、生まれてきただけなのに。 ]
(188) 2022/12/11(Sun) 22:11:37

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク


[老夫婦は噂が流れても、
 子供が傷だらけで帰ってきても。
 子供が一切笑わず、泣かなくとも。
 十三の歳になるまで面倒を見てくれた。

 そうして、子供が十三の祝を迎えた日。
 老夫婦の家に、一人の男が訪れた。

 少女を、他の証持ちの子どもたちが居る場所に
 連れて行ってくれるという。]

 
(189) 2022/12/11(Sun) 22:12:23

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク


[自分以外の証持ちに出逢ったことは、なかった。
 だから、訪ねてきた男に少女は問うた。]




 『証持ちの人って、ほんとうにいるの?』




[どんな人達だろう。

 同じ証持ちの人たちであるなら、
 殴ったり、蹴られたりしないで仲良くなれるだろうか。]

 
(190) 2022/12/11(Sun) 22:13:44

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク



  
[少女が訪ねた言葉に、
 迎えに来たという男はどう応えただろう。

 

           少女は、その言葉をきっかけに。
           男の手を取ったのだ。*]

 
(191) 2022/12/11(Sun) 22:14:46
XIX『太陽』 ヒナギクは、メモを貼った。
(a33) 2022/12/11(Sun) 22:19:46

【独】 XIX『太陽』 ヒナギク

/*
やばい。
プロの間は24h2500ptと、あるけどポイント表示されてないから計算できない……。
まあ、さすがに24hで2500ptは使い切らんだろ……。
(-40) 2022/12/11(Sun) 22:44:48

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

―― 玄関口 ――


[チェレスタが手を振り返してくれるのを見れば>>215
 より一層笑みが深まり、ピョコンとその場で跳ねた。

 玄関ホールへと続く階段は螺旋状になっている。
 手すりに片手を滑らせて、
 足と踏み鳴らす様はまるでステップを踏むように。

 一気に駆け下りたならそのままスピードを
 緩めることなく三人の元へ。]


  ……っとと。

[急ブレーキに勢い余った分は、
 両手をぐるぐると回してバランスを取った。

 集まってきた面々は気遣いの出来る人たちだから。
 手伝いが必要なさそうというのは、
 アリアやシトラを見ていればわかる。]
(372) 2022/12/12(Mon) 21:54:56

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

[だから、シトラの問いかけには
 言葉にしない代わりに笑顔で応えた。>>177

 きっと私が名乗りを上げなくても、
 既にアリアが、次いでシトラが手を差し伸べるから。
 それでもまだ足りないならもちろん私も。

 でも旅慣れたチェレスタにとっては、
 平気なのかもしれないけれど。

 そう考えていれば、チェレスタが笑う。>>216
 ほら、大丈夫だって。

 
人に頼ることをしない彼女はいつもそう言うのだ。
(373) 2022/12/12(Mon) 21:55:25

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

[代替え案として出されたお茶の席は、
 旅から帰ってきた彼女にはちょうどいい羽根休めになる。
 と、同時に二人の申し出を断らない
 上手い理由だな、と小さく感嘆をついた。]


  あ、いいなぁ。プチお茶会?
  私も混ざって良い?


[二人の返事をチェレスタと一緒に待ちながら、
 続いて聞こえた練習という言葉に>>218
 もう一度、あっ、と思わず横から口を挟んだ。]


  歌の練習ってアリスのお誕生日に向けて?

  アリアも歌うの?
  …………
シトラも!?



[アリアはともかく、シトラが人前で歌うというのは、
 さすがに予想がつかずに、二度見してしまった。]
(375) 2022/12/12(Mon) 21:56:01

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク



  うわ〜〜〜!!シトラが……!
  そっか、そっか〜〜〜〜。

  うんうん、楽しそうだね!
  箱庭合唱団が作れちゃうねっ!

  エーリクやプロセラも歌ってくれるかなぁ?
  もしかしてユグやゼロも?
  歌えるなら全員で歌いたいなぁ、私は!


[アリスを前に21人が並んで歌う姿は壮観だ。
 何より、21人がちゃんと揃うことなんて、
 今の今まで殆どと言っていいほどなかった。

 最年少の愛されている末っ子が
 目を輝かせる様を見たいと思うのは、
 きっと誰もが思っているはず。]
(377) 2022/12/12(Mon) 21:57:16

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク



 
  
楽しみだね、お誕生日会っ!



 
 
(378) 2022/12/12(Mon) 21:58:24

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

[一週間後の未来を見据えて、くふふと笑う。
 そうして、もう一度チェレスタを見つめた。

 迎えに来てくれるだけでも嬉しいというその言葉に>>219
 表情が緩まないはずはない。
 喜んでくれるなら毎日チェレスタを出迎えるのになぁ。]

 
  さて、アリアたちがお茶を入れるなら、
  荷物を運ぶのは私の役目ねっ。

  一人より二人のほうが早いよ!
  お茶が冷めるまでにちゃちゃっと運んじゃおう!

  それから、今回の演目の話、
  たくさん聞かせてね、チェレスタっ。


[旅先の話のおねだりはいつもの如く。
 バラされているドラムセットのいくつかを両手に抱え持つ。
 駆け下りてきた階段を、今度は登らないとね!*]
(379) 2022/12/12(Mon) 21:59:01

【独】 XIX『太陽』 ヒナギク

/*

>>378 フラグを建てておきました。

 
(-86) 2022/12/12(Mon) 22:00:44

【独】 XIX『太陽』 ヒナギク

/*
情報量が濁流のように流れてきて無理です!!!!
(-137) 2022/12/13(Tue) 20:57:41

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

―― 玄関口で ――


  そうなんだ、シャルレーヌも!
  なら、きっと綺麗なハーモニーになるねっ。

  カルクドラの伴奏もついてるなら、
  アリスもいっぱい喜んでくれるだろうなぁ!


[名前を挙げた人たちはまだ参加意思が見えないらしい。>>418
 それでも、他の名前が挙がればはしゃいでしまう。

 シャルレーヌの細い清らかな声は、
 きっと音楽に乗ればより澄み渡るだろう。

 カルクドラは音楽室で何度か姿を見かけたことがある。
 楽器を奏でられない私からすれば、
 チェレスタもカルクドラも雲の上の人だ。
 
 一緒に演奏できない代わりに、
 私は彼らの隣で足でステップを踏み、手を叩く。
 まるで自身の身体が、楽器であるかのように。]
(622) 2022/12/13(Tue) 21:52:46

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

[誕生会、というものをすると知ったのは、
 この洋館に来てからだった。

 私を棄てた実の両親は
 私が生まれたことを祝うはずもなく。
 
 代わりに養ってくれた老夫婦の家での暮らしは、
 裕福と言える暮らしではなかった。

 それ以前に誕生日というものを私は知らなかったから。


 老夫婦にそのことを聞かれた時は、
 何も知らずに首だけを傾げたものだ。

 
だから誕生日がない私は、誕生日を祝ったことはない。


 代わりに老夫婦は神様の誕生日である日を、
 ささやかなお祝いにしてくれた。

 その時も、笑えない私は。
 うまく、喜ぶことすら出来なかったのだけれど。
(624) 2022/12/13(Tue) 21:53:54

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

 
[洋館に訪れてから、自身の誕生日がないことを
 誰かに話したことはあるかもしれない。

 そうして、私は祝われる誰かを見て。



 
『……いいなぁ』



 と、心の底から羨む声を、出したかもしれない。]  

 
(625) 2022/12/13(Tue) 21:55:47

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

[二度見までしてしまった私の反応で、
 アリアの後ろに隠れてしまったシトラに>>588
 あはは、と笑いながら謝罪を向ける。]


  ごめん、ごめんっ。
  ちょっと意外だったから。


[アリアの後ろに隠れてしまう辺り、
 やっぱりシトラには引っ込み思案の印象があるけれど。
 そんな彼女が人前で歌を歌うこと。
 練習をすると、がんばると、
 呟く様を見れば目を細めてしまう。]


  ……うん、素敵だね。
  アリスもきっと喜ぶよ!


[素敵の裏には称賛の意味を込めた。
 そんな彼女も全員で歌うことに賛同してくれる。>>590
 本当に、全員で歌えたら、きっと"素敵"だろうな。]
(626) 2022/12/13(Tue) 21:56:10

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク



[そんな仄かな期待が潰えることは>>533
 今はまだ知らないまま、くふくふと笑う。

 きっと、ゼロの顔を見たら、
 
『どうしてぇ〜〜〜〜!!??』
と、
 地団駄を踏んで、諦めない心意気で彼を揺さぶるだろう。]
 
  
(627) 2022/12/13(Tue) 21:56:56

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

[隠れてしまったシトラの代わりに、
 食堂を指定するアリアに二つ返事で頷いて。>>427

 チェレスタだけではなく、
 私にも歌の指導をというアリアに『まる』っと
 親指と人差指をくっつけて合意の意をを表す。]


  おっけー、任せて!!
  じゃあ、後でね〜〜!


[……と、言っても。
 私も歌を教えてもらったのはチェレスタにだから、
 彼女と同じことを沿うだけになるかもしれないけれど。

 広告塔アイドルという職業柄、
 人前で歌うことには慣れているから、
 技法はともかく、緊張しない方法や、
 うっかり歌詞を忘れちゃった時にどうするか、
 なんていう抜け道みたいなことは教えられるかも。

 実際にどうするのかって?

 ぺろって舌を出して笑っちゃえば、
 大抵のことは許してもらえるよ!!
(628) 2022/12/13(Tue) 21:57:59

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

[二人と分かれて、両手に抱えたドラムセット。
 腕力はと尋ねられたら、100点満点中38点ってところ。

 チェレスタが大丈夫って言ってもね。
 
私が手伝いたいからね!!


 思っていたよりずしっと手にくるけれど、
 心配するチェレスタの声には、]


  んっと……!
  チェレスタも一人で持ってきたんでしょ?
  だったら私でも行けるはずぅ……、

  って、あっ!
  そうやってまた重い方持とうとする!!

  だめだよ!チェレスタはおつかれなんだからっ、
  人の好意には甘えるのっ!


[慌てているチェレスタの顔は可愛いけれど、
 それはお天道様が許しません!と、
 いやいやをするように荷物は渡さなかった。]
(629) 2022/12/13(Tue) 21:58:30

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク


[荷物はやっぱりちょっぴり、重かったから、
 階段を登っていく足が少しよろめいたりもしたけれど。
 心配するチェレスタをよそに、ふんっ!と、
 力を振り絞ってゆっくりと登っていく。

 こうして荷物を持つ度に、彼女の『大丈夫』も、
 少しずつ減っていけばいいのにな。
 
 それは、単なるお節介かもしれないけれど。
 私が叶えたいことの一つでもある。

 彼女の口から聞く世界の話は好きだ。>>472
 だから私も世界をどんどん好きになっていく。

 広告塔の仕事をするようになったことも、
 思えば、まだその時は洋館に住んでいなかった彼女が、
 洋館に遊びに来る度に、外での話をしてくれたから。]


  ……うんっ!


[だから、いつも私は彼女の声に耳を傾ける。
 彼女の声が、音が、私と世界を結びつけるのだ。*]
(630) 2022/12/13(Tue) 22:05:39

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク


―― 邂逅 ――

[観光客で賑わう南東の地域の外れ町に、
 政府の人間が現れたことで、辺りは少し騒がしかった。

 老夫婦と引き取られた証持ちが、
 町の外れで暮らしているということは、
 その頃には町では有名な話になっていて。
 
 政府が現れたと聞けば、証持ちの一件のことだろうと、
 すぐに巷でまことしやかに囁かれていた。

 数人の政府の使いである洋館の人間を連れて、
 『塔』が老夫婦の家に訪れたのは、
 南東らしい穏やかな気候で晴れ渡る空が、
 太陽によって鮮やかな赤に染まり、
 海に半身を沈めていく頃だった。]

 
(670) 2022/12/13(Tue) 23:48:56

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

 
[老夫婦の家に客人が複数人で訪れることは殆どなく、
 政府の使いとその大人を引き連れた青年が訪れたとき。

 少女は沈みゆく太陽を窓辺で黙って眺めていた。
 燃えるような赤い陽が海に溶けていく。

 まるで、世界の終わりを告げるように。

 不意に耳に届いた物音。足音。
 振り返って見れば、
 太陽にも負けない
皇帝の赤
が其処に在った。>>469

 目が合ったのは一瞬か、数秒か。

 たったそれだけでも分かる。
 この人が『特別』であるということ。

 そうして、ぐい、と腕を引かれた。]

 
(671) 2022/12/13(Tue) 23:49:37

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

 
[老夫婦と政府の人間の間を、
 ぐいぐいと腕を引かれるまま引っ張られていく。]


  ……? ……、……?


[どこへ連れて行かれるのだろう。
 この人は何なのだろう。
 出逢ったことはないはず。
 でも、どこか知っているかのような、不思議な感覚。

 傍らでは青年と共に訪れた人が、老夫婦と話していた。]


  『証持ちを見つけた場合は政府が保護を……』

  『中央の近くに洋館があり、そこでは……』

  『あなた方も我々に協力を……』


[何か私について話していることは伝わるけれど
 内容までは入ってこない。
 証持ちが他に居るということだけは、耳端に伝わった。
 だから、青年に問いかけた。>>190
 
(672) 2022/12/13(Tue) 23:50:40

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

 
[いきなり止まった彼の動きに勢い余って、
 どん、と彼の腕に身体がぶつかる。

 見下ろす瞳とまた視線がぶつかる。
 答えが返ってくるのを期待して、じっと待った。

 待って、待って。
 やっぱり、ないのだろうか。
 と、おもった時にようやく彼の唇が開いた。

 水分を長らく取っていなかったかのような掠れた声。
 だけど、確かに耳に響く。
 燃えるような色の瞳とは裏腹の静かな音。
 
 彼から返ってきたものは、
 どちらともつかぬものだった。>>470
 どっちがいいって、選べるものでもないだろうに。

 返事を求めた私よりも、青年と一緒に訪れた
 政府の人間たちのほうがそれは大層驚いていた。]

 
(673) 2022/12/13(Tue) 23:51:36

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

 
[少し逡巡して、視線を落とした。

 老夫婦のところで暮らす生活は、
 時折、町の人間に石を投げつけられることはあっても、
 両親と一緒に居た頃よりは格段にいい生活だったから。

 見知らぬ場所に行くのは少し怖かった。
 また、あの頃と同じような暮らしをすることになれば、
 夕焼けを見ることすら叶わなくなる。

 でも、このまま私が此処に居れば、
 今は良くしてくれる老夫婦もいつか。
 両親と同じようになってしまうのではないか?

 そんな不安も少し、あった。

 それは、私を庇護することで疲れ果ててしまう姿を、
 彼らと暮らす間、ずっと目にしてきたから――。]

 
(674) 2022/12/13(Tue) 23:51:59

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

  
[実際に、彼に引きずられていく私を
 彼らは引き止めることはなかった。


 ――だから。


 一度、離された彼の手を
 今度は私からきゅ、と握った。]




  
『いっしょにいく』




[赤の瞳を見上げて、彼の共に居ることを望んだ。]

 
(675) 2022/12/13(Tue) 23:53:23

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

―― 現在・中庭 ――


[彼はよく中庭に居る姿を目撃される。
 だから、彼を探す時は大体中庭から探すのが恒例だ。

 チェレスタたちとお茶会をした後、
 お茶会で用意されたメルロンを大事に残しておいて、
 中庭に向かえば、いつものように
 ぼんやりと空を見上げている塔の姿があった。>>309


  プロセラー!
  やっぱりここに居たんだね。

  私も一緒していい?


[駆け寄り、彼の返事が返ってくるよりも先に、
 隣の席をキープしてちょこんと座る。]
(676) 2022/12/13(Tue) 23:53:39

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

 

  さっきね、チェレスタが帰ってきたんだよ。
  旅行の話いっぱい話してくれてね。

  それでね、アリアとシトラとお茶会をして……、
  フォルスのところで売ってるメルロンを
  買ってきてくれててー……、


[と、プロセラが相槌を打つ隙間も与えず、
 つらつらと話しかけていく。

 彼が物静かであることは出逢った頃より変わらない。
 もしかしたら騒がしいのも苦手なのかもしれない。

 でも、私は一方的に彼に話しかけている。
 たまに相槌を返してくれることもあるから。
 彼は話を聞いていないわけじゃないのだ。]
(677) 2022/12/13(Tue) 23:53:53

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

[初めて彼の名前を問うたときも、
 初めて彼に問いかけた時のように、
 返事を待つまでそれはそれは時間がかかった。


 
『プロセラ』



 あまり馴染みのない言葉の意味は知らない。
 でも、彼にとっても似合っていると思う。]
(678) 2022/12/13(Tue) 23:54:25

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

 
[私が彼に洋館に連れてこられた後も、
 手を引かれた影響で、彼の傍にいることが多かった。

 自発的に話すことはない彼。

 洋館に来たばかりの私も、
 笑いも泣きもしない子供だったから。

 中庭にずっと佇むだけの彼と、
 その傍らで同じように言葉を発さないで
 共にいる少女は不思議な光景だっただろう。

 それでも私は彼と過ごすそんな時間が嫌いじゃなかった。]

 
(679) 2022/12/13(Tue) 23:55:05

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク


[そんな私たちの姿を見かけた世話役のひとりが、
 私に教えてくれたことがある。

 『太陽』の子を迎えに行こうと何度も、
 洋館を出ていっていたこと。
 彼が自主的に行動することで少し騒ぎが起きたこと。
 
 繰り返し繰り返し行われた行為が、
 彼を少しだけ知った今なら想像ができる。]

 
(681) 2022/12/13(Tue) 23:55:26

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

 
[どうして彼が私をそこまでして
 迎えに来ようとしてくれたのかは分からない。

 もしかしたら、教典に書かれていたように
 『塔』として『太陽』のことが気になったのかもしれない。

 でも、それはあくまで教典での話だし、
 私と彼とではまた違うだろう。

 それでも。

 出逢ったこともない人間に、
 そこまで気にかけてもらえたことが、
         
          
――私の心を少しだけ温かくした。

 
(685) 2022/12/13(Tue) 23:56:09

【人】 XIX『太陽』 ヒナギク

 
 
  はい、これプロセラの分のメルロン。


[だから、洋館に訪れてからずっと。
 彼とのこの中庭での時間を大事にしている。

 彼の手を取って、その掌にふわふわの雲を乗せて。]


  ねえ、アリスの誕生日には歌を歌うんだよ。
  プロセラも歌ってくれる?


[たとえ返事が返ってこなくとも、
 話しかけることは尽きなかった。**]
(687) 2022/12/13(Tue) 23:56:43

【独】 XIX『太陽』 ヒナギク

/*
プロに間に合った……!
諸々はこれから読みます(ログに溺れながら)

プロセラとの出会い好きだなぁ〜……。
チェレスタも仲良くしてくれるし、縁故に感謝!
(-149) 2022/12/13(Tue) 23:59:29