【人】 4年 井田 嶺[しょうがないだろ。惚れたんだから。 惚れた事実は、面倒だとかそんな話で消えるものじゃないんだよ。 重荷とか、危険とか、苦労とか、 そんな、あるかわからないものを考えて諦めるわけがない。 そこで諦めるんだったら、最初から挑みなんかしない。 未知と驚きを恐れるんだったらシェリル・ストレイドはパシフィック・クレスト・トレイルを歩きとおさなかっただろう。それと同じ。 それに。] リスクとリターンって釣り合う物だろ。 天音に惚れるならそのくらいのリスク、払うのが当然だと思うけどな。 [背中に感じる視線に、歩き出そうとした足を止めた。] (14) 2020/11/13(Fri) 0:52:03 |
【人】 4年 井田 嶺[一歩、二歩、踏み込む音がする。 いつもの天音なら、そこから踏み込まない。 後輩の天音はそういう距離感のはずだ。 近すぎず、遠すぎない。その距離を崩さない。] いい加減寒いしな。 観たい映画も溜まってるんだよ。 [引っ張られた袖を見て。 肩を竦めてから歩き出した**] (15) 2020/11/13(Fri) 0:52:23 |
【秘】 4年 井田 嶺 → 外国語学部3年 天音 和花 そういうこというならな。 [袖を引っ張っていた手を、そっと。 解いて、自分の手で触れる。] 手ぐらい握ってから、言えよ。 そのくらいの距離は、許してくれるだろ? [いつもよりも、ちょっとだけ近い*] (-2) 2020/11/13(Fri) 0:53:13 |
【人】 4年 井田 嶺― 昨夜 ― [どこか緊張して、言葉に詰まってる天音に。 指一本分だけ距離を離そうかと考えて。 考えて、やめた。 この距離じゃないと、受け取れない。] どこかのお姫様が屋上まで来たからな。 思ったより探し回って、遅くなっちまった。 見つかって、良かったけどさ。 [夕闇を超えて、もう夜だ。 のんびり、映画でも見たい。] (40) 2020/11/13(Fri) 8:29:41 |
【秘】 4年 井田 嶺 → 外国語学部3年 天音 和花 俺の手も冷たいぞ。 天音が温めてくれ。 [いつものラフな接し方。 いつもより気を遣わない、雑な口調。 絡んだ指を、自分の指で、しっかり。 絡んだまま緩く握って。冷たい手だけど解くつもりはない。] (-9) 2020/11/13(Fri) 8:30:15 |
【人】 4年 井田 嶺 片付けなら一応やってはおいたけどな。 戻ってきて食ってる連中もいたから、残りは軽くやればいいさ。 [部室までの道すがら、天音の歩調に合わせて歩きながら。 本当ならこういうときは全員帰るまで見守るってのが先輩らしいんだろうけどな。 流石にいろいろありすぎて疲れた。 部室にどれだけの人が残っていただろうか。 できるだけ、明日来た人が苦労しない程度には片づけをして。 来た時よりもだいぶ軽い荷物を持って、いつものように部室を後にした。*] (41) 2020/11/13(Fri) 8:30:35 |
【秘】 4年 井田 嶺 → 外国語学部3年 天音 和花[いつもと違うとしたら、ひとつだけ。 ―――部室から少し離れたらもう一度、指を絡め直した、くらい。*] (-10) 2020/11/13(Fri) 8:31:19 |
【人】 4年 井田 嶺[ところで。 ラプンツェルの話は、ディズニーの映画だけじゃなくグリム童話のほうをゼミで調べていたことがある。 物語の改変ってのは意外と経済学に繋がるのだ。 だから。 呼び方にこだわりはないけれど。 そんな髪長姫の名前で呼ぶ相手は天音くらいしか想像ができなかった。 天音が塔にほかの男を招き入れてるところも、 *] 自分がほかの塔に招かれることも想像したくはないな。 (76) 2020/11/13(Fri) 19:24:16 |
【人】 4年 井田 嶺― 帰り道 ― ……どーすっかな。 映画観ようっていってたけど、もうだいぶ遅いしな。 [すっかり夜だ。これから映画鑑賞をしていたら、下手したら深夜になりかねない。 とはいえ。] 少しだけ俺の家寄っていくか? コーヒーくらい出すから、少し話そうぜ。 どっちにしろ、送ってはいくから。 [流石に無理をさせるべきじゃないよな。 頭をかきながら、少しだけ我儘な先輩でいようか。] (77) 2020/11/13(Fri) 19:24:55 |
【秘】 4年 井田 嶺 → 外国語学部3年 天音 和花……もう少し、一緒に居させてくれよ。 [今日の風は冷たいな。 頬が赤くなってる気がするけど、きっと寒さのせいだ。] (-35) 2020/11/13(Fri) 19:25:43 |
【人】 4年 井田 嶺― 朝 ― [ぼんやりした頭で起き上がる。 ぐるりと首を回して、欠伸を一つ。 睡眠時間が少ないのには慣れてるけど、今朝はとりわけ頭がはっきりしない。 気分だけは、とてもいいのだけど。] ……ゼミ、行くか。 まだ時間あるし商店街でも覗いていくかな…… [ぐっぱー、ぐっぱー。 自分の手を握って開いて、握って。 のそのそ出かける準備をしながら、思う。 ――部室であうとき、どんな顔してたらいいんだろうなあ。*] (88) 2020/11/13(Fri) 19:44:46 |
【人】 4年 井田 嶺― 昨夜 ― じゃ、いくか。 [手を引いて。 ほの明るい灯りの中、ゆっくり歩く。 いつもと少し笑い方の違う天音と二人で。 ま、そりゃ笑い方も変わるよな。 これだけいきなりいろいろあって、いつもどおりでいられるほうがおかしい。 俺だって、浮き上がっていいのかわからないくらい動転してるのに 。]あ、そうだ。 わかってるって知ったうえで意地の悪い先輩だから言うんだけどな。 変なこと、するつもりはないよ。今のところは。 [見上げる顔をちらりと眺めて。 くすりと小さく笑って。 そんなに遠くもない自宅まで、少し凸凹な関係のままで、歩いていこうか*] (105) 2020/11/13(Fri) 21:02:24 |
【秘】 4年 井田 嶺 → 外国語学部3年 天音 和花― 自宅 ― [ぱちり、灯りをつける。 ただいま、山道具とモニタとベッドくらいしかない麗しの我が家。] 狭いけど、適当に座ってな。 何探してもいいけど、山道具は刃物もあるから触るなら気を付けてな。 [さて、飲み物でも淹れるか。 湯を沸かそうかと思って、 手を離したくないなあ、なんて思ってしまって。 やかんくらいしか使われていない台所で、火をかけた。*] (-51) 2020/11/13(Fri) 21:03:07 |
4年 井田 嶺は、メモを貼った。 (a11) 2020/11/13(Fri) 21:03:46 |
【赤】 4年 井田 嶺― 最初の映画?>>*12 ― 最初、なあ。 [うーん。どれになるのかな。] たぶんそのまえにもいろいろ観たりはしてるんだろうけど、さ。 映画ってことを意識してみた最初は、多分『博士の異常な愛情』。 親が借りてきたやつだけどな。 [いうまでもない、巨匠キューブリックの遺した傑作ブラックコメディ。 イカレた行動をする車いすの博士。一体なんの博士なのかは観てのお楽しみ。 時代背景をもとにしたブラックジョークの数々に、ものをしらない子供のころはげらげら笑い。 多少は知識が付いたころに観直した時は笑いながら唖然とした。ここまでやっていいのかよ。 思えば、あのころから地味でニッチな映画に惹き込まれた気がするな。*] (*21) 2020/11/13(Fri) 21:17:35 |
【人】 4年 井田 嶺― 商店街 ― [角のパン屋で買ったコロッケサンドを齧りながら、ぶらぶら歩く。 正直、買い物をしに来たわけじゃない。 商店街で買い足すものはコーヒーくらいだし、それはもう済ませた。 山から降りてきた後は少しばかり浮世だった気分になる。落ち着かせるのに、この自然と人工のごった煮めいた商店街はちょうどいいのだ。 観慣れた映画を眺めて、この商店街を歩く。 だいたいこのルーチンで、街に暮らす普通の人間に戻る。そんな気がする。] なにかアートフェスでもやるのかね。 [普段なら不愛想なシャッターがふさぐだけの店に、桜や紅葉や、はたまた一目ではわからないような多彩な色が散っているのを見て、少し鼻を鳴らす。 にぎわうならいいことだ。お気に入りの場所がただ寂れるだけってのは、やっぱり寂しい*] (115) 2020/11/13(Fri) 21:32:06 |
【秘】 4年 井田 嶺 → 外国語学部3年 天音 和花 冷凍庫? そうだなあ。 優しい後輩が、わざわざリクエストを聞いて作ってくれた料理が入るくらいには隙間があるな。 [換気扇をつけてその下で煙草に火をつけながら。 煙が細く、そのファンに吸い込まれていく。 実際のところは冷蔵庫も冷凍庫も隙間だらけだ。 料理はしないし、入ってるものはペットボトルとコーヒー豆くらい。] あとは、可愛い彼女が何かをいれる隙間っていうなら、そりゃいつでも作るぞ。 どうせ山に行く前にはほとんど空っぽにするんだ。 [しゅんしゅんと声をたてるヤカンを下ろして、のんびりコーヒーを落とす。 煙と混じる匂いに、自分の部屋にいる気分がようやくしてきて。 慣れない話だ。ここにいるのに天音の声が聞こえるなんて。] 使うなら、いくらでも使っていいぞ。 ただし料理道具は山用しかないからな。 [マグカップを二つ。 自分の分と天音の分を持って、その目の前に。*] (-58) 2020/11/13(Fri) 21:41:29 |
【秘】 4年 井田 嶺 → 外国語学部3年 天音 和花 知ってるよ。部室で片付けしてるときに見たしな。 わざわざありがとな、天音。 [知っていても嬉しいものは嬉しいのだ。 けれど、それを悟られるのはちょっと気恥ずかしい。 いまさら恥ずかしがる必要があるのかって言われると微妙だけどな。 ふっと天音に向けた顔が、朱に染まっていて。 気恥ずかしいのは、そりゃ俺だけじゃないか。] なんでって、可愛い彼女だからだよ。 事実は認めるほうなんだ。 (-68) 2020/11/13(Fri) 22:37:43 |
【秘】 4年 井田 嶺 → 外国語学部3年 天音 和花[コーヒーを一口流し込んで、気分を落ち着ける。 山で飲むコーヒーほどじゃないけど、部屋で飲むのも落ち着くにはちょうどいい。] 炭水化物が嫌ってわけじゃないぞ。 先週一週間、インスタントの雑炊とフリーズドライの米とクスクスしか食ってなかったから他のものが食いたくなっただけ。 [食い物に頓着はない。 ないけど、山を下りて人間に戻ってきたら、そりゃ飽きるって感情も戻ってくるのだ。 山にいる間は、心はそちらに奪われてる。 ひとでいる余裕は、あんまりない。 天音の笑顔だけは、いつでも忘れなかったけれど。 ]薄くて重ねられるコッヘルとか、他のことにも使えるサバイバルナイフだな。 あとコンロは手のひらに収まるようなストーブだし、そもそも料理らしい料理しない。 だから、こっちいる間は天音のつくってくれた料理食わせてくれ。 [いくつか棚からとって、とても調理器具には見えないような道具を取り出す。 山の荷物は軽さが第一。 湯が沸かせて、手袋したままパッケージの封があけられりゃ充分調理道具だ。*] (-69) 2020/11/13(Fri) 22:38:33 |
【人】 4年 井田 嶺― 部室 ― [鍵を開けて入れば、それはいつもの部室だ。 昨日のドタバタ騒動なんて嘘みたいな、居心地が良くてのんびりした、わいわいと映画が見れる場所。 荷物をその辺に投げて、隅っこの棚から一枚のDVDを取り出す。 あまり触られることもないような場所にあるそれを、デッキに突っ込んで、ソファにごろりと横になる。 切り立った、崖みたいな岩肌と。 そこに打ち付けられたロープと。 そこにぶら下げられたテント。 そんなシーンから始まる、飽きるほど観たその映画を見ながら、一人考え事をしていた*] (128) 2020/11/13(Fri) 23:12:00 |
【秘】 4年 井田 嶺 → 外国語学部3年 天音 和花 ん? ああ、気にするなよ。言っただろ、俺は気にしないから。 俺も結構意地が悪いし、たいがい人の道から一歩踏み外してるしな。 [なにか口ごもった天音を見ながら、隣でコーヒーを喉に流す。 いいか。 本人が言いたくないなら、一緒にいるのに問題とならないなら、無理に聞き出すこともない。 面倒くさかろうが、何か抱えていようが、天音は天音だ。] (-82) 2020/11/13(Fri) 23:39:58 |
【秘】 4年 井田 嶺 → 外国語学部3年 天音 和花 飯盒炊飯のほうがよっぽど上等だな。 湧き水か川の水か雪を突っ込む。沸かす。 インスタントなりフリーズドライを突っ込む、どぼん。 おしまい、って寸法だから。 [料理なんて言ったら怒られそうだ。そんな上等なもんじゃない。 天音がたまにみんなに作ってくれた料理に比べたら雲泥どころじゃない。] (-83) 2020/11/13(Fri) 23:40:18 |
【秘】 4年 井田 嶺 → 外国語学部3年 天音 和花 ……――― 毎日でも行く。 天音の料理が食えて、天音の顔が見られるんだろ。 断る理由がないな。 [小さな小さな声に、ちょっとだけ、間を開けて。 答えは決まっていたけれど、どう言葉を返すのがいいのかわからなかった。 こんな贅沢なこと、あっていいのかね。*] (-84) 2020/11/13(Fri) 23:41:06 |
【秘】 4年 井田 嶺 → 外国語学部3年 天音 和花[たいていのことは気にしない。気にしたってしょうがないことなんていくらでもある。 だって世の中、ありえないくらいの障害なんていくらでも転がってる。 無力なんだよ、人間なんて。 たとえば、ほら。 目の前で、はらはらと、涙を流す天音がいるときとか。] …… 天音。 あたま、なでていいか。 [触れられるのが苦手なのはなんとなくわかるけど、さ。 無力すぎて、できることがそのくらいしか思いつかない。 もっとそばにいられれば、こんな時に涙を止められるようになるのかな*] (-90) 2020/11/14(Sat) 0:48:43 |
【秘】 4年 井田 嶺 → 外国語学部3年 天音 和花[そっと。 たっぷりの沈黙の後、告げられた一言を聞いてから。 手を伸ばして、幾分低いところにある、ふわふわ揺れる髪に、 その頭を小さく撫でる。] なんだ。俺はなにもできないし、 撫でるくらいしか思いつかないけどな。 天音を泣かせたままにしたくは、ないよ。 [触れた手を離して、少しだけ下。 雫が伝う、頬に、指先だけ。] (-94) 2020/11/14(Sat) 1:31:17 |
【秘】 4年 井田 嶺 → 外国語学部3年 天音 和花[それを指先だけで掬って、上目遣いに見上げる瞳を覗き込む。 ゆれて、きらきら。] 嬉し涙なら、いくらでも泣けばいいし、 辛い涙なら、言えることなら聞く。 隣にいていいならいくらでもいるし。 ―――だから、抱え込みすぎるなよ。 面倒くさいのは覚悟してるんだから。 [指先だけで触れたまま、小さく笑う。 面倒くさいのも、抱えてるのも。 全部含めて天音に惚れてんだから、好きなだけ無理を言えばいいのにな。**] (-95) 2020/11/14(Sat) 1:31:58 |
4年 井田 嶺は、メモを貼った。 (a17) 2020/11/14(Sat) 1:32:53 |
【秘】 4年 井田 嶺 → 外国語学部3年 天音 和花[小さく震える天音の身体。 少しだけ強張った表情。 まったく、どれだけ無理してるんだよ。] だいじょうぶだよ、天音。 [閉じて、震えて、開いて。 しゃくりあげる声と瞳に、もう一度名前を呼ぶ。 根拠なんかない。 抱えているものの大きさまではわからない。 だけど、大丈夫。俺にできることならするから。] (-114) 2020/11/14(Sat) 9:12:59 |
【秘】 4年 井田 嶺 → 外国語学部3年 天音 和花[ 俺はセイギノミカタにはなれない。 彼のように無鉄砲なヒーローじゃない。 ―――でも、助けるから。 ] (-115) 2020/11/14(Sat) 9:13:57 |
【秘】 4年 井田 嶺 → 外国語学部3年 天音 和花[小さく聞こえる嗚咽。 それから聞こえる言葉。] そうか、だったら思う存分泣きな。 いつまででも、天音の傍にいるから。 [何度も名前を呼んで。 雫がこぼれるたびに、押し込められた感情に返すように名前を呼んで。 ここにいるよ。 あなたはもう、ヒトリじゃないよ。] (-116) 2020/11/14(Sat) 9:15:14 |
【秘】 4年 井田 嶺 → 外国語学部3年 天音 和花 ……ん。 ほら。 [伸ばされた手に、鏡を合わせるように 鏡合わせのように、片手をあげて。 そっと、その手を。天音の手に合わせた。 ―――手のひらから、想いが通じたら、きっといい*] (-117) 2020/11/14(Sat) 9:15:43 |
【赤】 4年 井田 嶺― ニッチ映画って? ― ニッチな映画、なあ。 そうだな、マイナーってわけじゃないけど…… 『イントゥ・ザ・ワイルド』とかかな。 [映研には犬の字がいるので、俺にメジャーな映画を訪ねてくる部員は少ない。 そりゃそうだ誰だってそうする俺だってそうする。 だから、俺のところに聞きに来る奴はたいていマイナーかニッチなほうを聞いてくるのだが、その日は後者だった。] 劇的な展開があるわけでもないし、派手なアクションがあるわけでもないし。 はっきり言って画面は地味な映画だけど、うん。 一度観ても、損はしないよ。 [ジョン・クラカワーのべストセラーノンフィクションを元にしたロードムービーだ。 ハーバートのロースクールという超の付くエリート街道を歩む青年は、突然すべてを投げ捨ててオンボロ車で旅に出る。 北へ。アラスカへ。 そんな衝動的で無謀な旅と、その結末。 それを繊細に、訥々と綴る、そんな映画だ。 地味だとは思う。だからこそ、こういう映画は惹き込まれるのだ。*] (*33) 2020/11/14(Sat) 9:34:30 |
【秘】 4年 井田 嶺 → 外国語学部3年 天音 和花[じわりと熱を感じる。 合わせた手から流れ込んでくるのは、天音の熱で。 触れただけで、何かが伝えられればいいのに。 言葉なんて、不便なものなしに。] 天音の手は、小さいな。 [手を合わせたまま。 ことりとカップを置いて。 へにゃりと微笑む天音のほうに、もう片方の手を差し出して。 ちょちょい、と、招くように指先を曲げて見せた*] (-123) 2020/11/14(Sat) 10:11:11 |
【秘】 4年 井田 嶺 → 外国語学部3年 天音 和花 小さくてありがたいんだよな。 握ったときに、ちょうど包めるし。 [人間は不便だよな。 言葉が必要だし、感情のせいで頬は赤くなるし。] まったく。 少しは、気持ちは楽になったか? [喜色の混じった声につられて、小さく、小さく笑った。 差し出された手を、指で摘んで。 軽く、こちらに引っ張ってみる。はじけば、すぐに払えるように。] (-130) 2020/11/14(Sat) 10:35:48 |
【秘】 4年 井田 嶺 → 外国語学部3年 天音 和花[引き寄せて、ぽすりと収めて。 その身体にふわりと腕を被せて。 耳に響く天音の声は、柔らかく。 代わりに響く心音は、うるさいほど早く。] 天音が大きすぎなくてよかったよ。 腕の中に入れちまうのにちょうどいいや。 [少し低い位置にある顔を見て。見つめて。 意地の悪い笑みを浮かべた。*] (-134) 2020/11/14(Sat) 11:04:00 |
【秘】 4年 井田 嶺 → 外国語学部3年 天音 和花 ―――可愛い彼女抱っこしてて、 ドキドキしないやつなんて、いるのかね。 [心音がバレるのは、あきらめた。 どうやったっておさまるわけがないんだ。 隠れてしまった顔が惜しくて、その頭を撫でる。 ゆっくり、ゆっくり。] じゃあ、これからはいくらでも思えるんじゃないか。 何度も、こうするし。 [そのたびに、こうやって早鐘のような鼓動を響かせるのだろうけど。 腕の中の、熱を自覚すれば、きっとそれはもっと早い*] (-140) 2020/11/14(Sat) 12:19:14 |
【赤】 4年 井田 嶺― 古い映画 ― 古い映画のオススメとかいっぱいあるからなあ。 高藤さんに、って条件になっちまうけどな。 [ニッチやらマニアックやらな映画の見過ぎ、って話はある。 有名作品はみんながわいわいやってくれてれば大体わかるから、あんまり観てないせいもあるけど] そうだな、ウディ・アレンの『カメレオンマン』とかかな。 [周辺の環境に完璧に擬態してしまう男。 中国人の中にいれば中国人に、デブの中にいればデブに。 そんな大ボラをドキュメンタリー仕立てにしたうえ、徹底的に皮肉とおちょくりで装飾して完璧なコメディに仕立て上げる。 コメディとして笑えるだけでなく、いろいろと考えさせられるウディの作品の中でも怪作だと思ってる。] (*50) 2020/11/14(Sat) 15:20:13 |
【赤】 4年 井田 嶺― 感度を高める映画 ― [そのラインナップなら、といくつか棚を漁って。 だいたいみんな触れないあたりにあったりもする。] 『巴里ホテルの人々』。これなんかたぶんぴったりじゃないか。 [パリにあるありふれたホテル。 その場所にやってくる人々の出会いとすれ違いとパリを描いた、日常のようで日常ではない日々。 ジョセフの味わう希望と空虚と失意は、人の業にあふれている。 つい繰り返し見てしまうくらいに。] あとはジャームッシュ監督の映画もいいぞ。 『ストレンジャー・ザン・パラダイス』が有名だけどお勧めは『コーヒー&シガレッツ』な。 [登場人物がコーヒーを飲み、煙草をふかし、とりとめもなく話をする。するだけ。 そんな奇妙な11本のオムニバス。 本当にそれだけの映画なのに、奇妙な魅力にあふれている。*] (*51) 2020/11/14(Sat) 15:40:39 |
【赤】 4年 井田 嶺― 感度の上がる映画>>*54 ― シュヴァンクマイエルはシュールレアリズムに振り切れてるし、ストップモーション大好きだから瞑想には向かないよな。 うたたねさせようとしていきなり後頭部はっ倒してくるよ。 [『ファウスト』はいい作品だったけれど、ぼーっと見るのにはあれほど向かない映画も珍しいとも思う。] でもホドロフスキーは時期によるんじゃないか。 シュールさより神秘主義とか宗教観にかぶれてる時期のホドロフスキーは瞑想向けだと思うぞ。 『ホーリー・マウンテン』とか、それこそ『エル・トポ』とかな。 [『エンドレス・ポエトリー』と『エル・トポ』じゃ作った時代が違いすぎるからな。 その間のデューン事件もあって、最初に見たときは「本当に同じ監督か?」って疑ったし。*] (*56) 2020/11/14(Sat) 17:02:08 |
【人】 4年 井田 嶺― 夕方、ゼミ室で ― うっ、く。 [おんぼろ椅子を軋ませて伸びをする。 身体がぺきぺきと音を立てて鳴る。 資料作りは体がなまる気がするんだよな。 ああ、岩壁でも登りに行きたい。この際ジムでもいいや。 就職予定の同期たちは卒論が終わってしまえばゼミなんて適当なもんだ。うらやましい。 院進予定の身の上としちゃ、流石にそれができない。 しょうがないので真面目に学会目指して論文書いてるわけだけど。 飽きた。集中力切れ。 スマホを手に取ってぽちぽちと。] (209) 2020/11/14(Sat) 19:54:33 |
【人】 4年 井田 嶺[TO:天音 ―――――― ハラヘッタ。 なんのことはない、ただの悪戯。 根っこが生真面目な後輩の反応でも楽しみにしておこう。 なに言ってくるかね。] さーてもうひと働きするか。 登山客の前年度動静比率はどこだっけ。 [机に山積みしてある束を漁りながらもくもくと。*] (210) 2020/11/14(Sat) 19:54:49 |
【秘】 4年 井田 嶺 → 外国語学部3年 天音 和花[震えたりしてないことに、安堵していた。 天音の身体も、自分の腕も。 「何があっても気にしない」なんて。 気持ちとしては事実だけど、どう考えても一つだけ耐えられないことがある。 それがなくて、良かった。 俺は物語の主人公じゃない。 正義の味方じゃない。 ―――I'm not gonna get my hopes up, you know. I've stopped caring. The hell with it. I have stopped caring. マイルスの言葉が頭をよぎる。 ふるふると、小さく頭を振ってから一度だけぎゅっと抱きしめた。] (-183) 2020/11/14(Sat) 21:20:34 |
【秘】 4年 井田 嶺 → 外国語学部3年 天音 和花 安心しろよ。 可愛い彼女のそばにいて、俺の心臓はとっくに破裂しそうだ。 けど、送っていかないとまずい時間だな。 朝日のごとく さわやかに [Softly, as in a Morning Sunriseってわけにはいかないしな。 するっと身を離して、冷めたコーヒーを飲み干した。] 今日のところはおとなしく送っていくよ。 これ以上はそのうち、な。 [こきりと首を鳴らして、床に投げていた上着を取り上げた。 まさか舞踏会から逃げ出したシンデレラのように、 送ることすらできないなんてこと、ないとはおもうけど。*] (-184) 2020/11/14(Sat) 21:21:29 |
【人】 4年 井田 嶺[冷めたコーヒーを啜りながらキーボードをたたく。 同じ冷めた泥水みたいな液体なのに、スクリーンの前や山にいるときとは雲泥の違いだ。 まともな味覚が戻ってきたのが恨めしい。 机の上で無遠慮に鳴るスマホを、無意識に眺める。 ―――訂正。まともな味覚が戻ってきてて、よかった。] (225) 2020/11/14(Sat) 21:30:22 |
【人】 4年 井田 嶺[TO:天音 ―――――― 一時間後。 王子様じゃないので花束は持って行かない。 ―――――― さて、やることやって、とっとと行くか。 一時間後にはふてぶてしい顔をしてマンションの入り口でインターホン鳴らしてやらないとな。*] (226) 2020/11/14(Sat) 21:30:47 |
【人】 4年 井田 嶺[一時間後。 天音の住むマンションで、インターホンを鳴らす。 王子様じゃないので花束なんか持ってきてない。 代わりにケーキは持っていたけど、甘いものが食べたかっただけだ。] どんな顔してりゃいいんだろうなあ。 [いや、昨日と同じ顔しかできないけどさ。*] (231) 2020/11/14(Sat) 21:50:16 |
【人】 4年 井田 嶺― 天音の家 ― [なんで一時間後だったのか。 俺だって馬鹿じゃないから、そんな時間で料理なんかできないって知ってるよ。 理由は三つある。 今日コロッケパンひとつしか食ってなかったって気が付いたのが一つ。 料理する天音を見るのもいいかなって思ったのも一つ。 もうひとつは……ま、いいだろ。] よう。これ、土産。 悪いな、急に押しかけて。 [扉を開けて、見えた顔に、片手をあげてケーキの小箱を渡す。 招き入れられれば靴を脱いで、遠慮なく。] 了解。適当に本棚観てるよ。 [いまさら緊張してきたな。 玄関から見える景色だけで俺の部屋とは大違いだよ。] (242) 2020/11/14(Sat) 22:43:40 |
【人】 4年 井田 嶺 あ、悪い。 [いうなり、天音の頬に触れる。] ちょっと補充。手が寂しがってしょうがないんだよ。 [触れるだけで、おとなしく座ってるけどさ。*] (243) 2020/11/14(Sat) 22:44:08 |
4年 井田 嶺は、メモを貼った。 (a32) 2020/11/14(Sat) 22:52:12 |
【人】 4年 井田 嶺真面目で優しいセンパイ売りだからな。 面倒見のいい後輩に土産くらいは持ってくるさ。 [逃げそうになる身体に、まだ早かったかなって。 一瞬顔が曇るけれど、寄せられた頬に、深く息を吐く。 良かった。昨日はまだ続いてる。おそらく明日も。] (250) 2020/11/14(Sat) 23:10:09 |
【人】 4年 井田 嶺[下から覗き込まれて、傾げる顔に。 意地悪く笑って、片手だけで緩く抱き寄せた。] いや、全然。 おとなしく待ってるから、あとでたっぷり補充させてくれ。 [耳元に言葉を落とす。 心臓はとっくに早鐘を打っていた*] (251) 2020/11/14(Sat) 23:10:22 |
【人】 4年 井田 嶺 さんきゅ。 時間なかったのに、すごい豪勢だな? [期待していたのは確か。 天音の料理が食べたかったのも確か。 けど、ここまでしっかり出てくると思ってなかった。 箸を受け取りながら、少し気取られたというか、なんというか。 誰かにごちそうする予定でもあったんだろうか、なんて邪念を首を振って追い払う。] 麦茶でも水でも。贅沢言うほど恵まれた食生活してないよ。 今日も命があることに感謝を。いただきます。 [ちらりと顔を見て 一口、ニンジンを口に運ぶ―――美味いな。 笑顔を浮かべながら、そのひとをみながら、ゆっくり箸を運ぶ。] (258) 2020/11/14(Sat) 23:43:15 |
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