人狼物語 三日月国


260 【身内】Secret

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【赤】 従業員 ルミ

 

  ……あ、お兄さん、吐きそう?
  気分悪いかな。大丈夫……じゃないよね。

  大丈夫、殺したりしないから。
  …………そんなことしないよ。


[ 流石の自分にも、殺人には躊躇いがある。
  夜の街では当たり前のように殺傷沙汰が起きているが、
  刃を他人に向けるほど壊れてはいないつもりだ。
  ──薬を飲ませるのはどうなんだと言われてしまえば、
  言い返す余地もないけれども。

  時計の針は逆向きに回らない。
  砂時計の落ちた砂は元には戻らない。

  犯した罪も愚行も、消えやしないのに。 ]

 
(*23) 2024/05/08(Wed) 0:00:24

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 一般的な話に興味はない。
  そんな物差しで関係性の普遍を決められたくないから。

  世間がなんだというのだろう。
  だから仕方ないことだとでも解かれるのだろうか。
  くだらない、くだらない、くだらない。

  歳を重ねたから? 話も遊び方も合わなくなったから?
  それじゃあ××はどうすれば良かったの。
  片方の都合で、もう片方をないがしろにするのが、
  ────それが一般的な世界なのか。


  まるで女の両親さながらではないか。 ]

 
(*24) 2024/05/08(Wed) 0:01:00

【赤】 従業員 ルミ

 

[ これは確かに、紛うことのない、恋だ。

  楽しくて声を上げて笑ったのも。
  美味しいものを分け合う幸せを知ったのも。
  彼と同じ名前の生き物を覚えたのも。
  明日が来るのが、初めて待ち遠しいと感じたのも。

  あの日々が恋じゃなかったというのなら、
  わたしは二度と本当の恋なんて知らなくていい。 ]

 
(*25) 2024/05/08(Wed) 0:01:12

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 言葉を交わす暇さえあったなら、
  今何かが違ってくれていたのだろうか。

  早々に話を切り上げてバイバイなんて、もう御免だ。
  それならなにもかも封じてしまって
  ────加害者と被害者になるしかないのに。 ]


  もう! ひどい!
  ストーカー……むぅ、言われてみればそうかもね。

  だって、お兄さんのこと、なんでも知りたいから
  ────大好きだから。


[ とはいえこれが犯罪だとは自分でも分かっている。
  これは線引きだ。

  わたしは加害者。
  貴方はストーカーに好かれた可哀想な被害者で、
  ────……。 ]

 
(*26) 2024/05/08(Wed) 0:02:39

【赤】 従業員 ルミ

 



   ……こうする以外に、
   どうすればお兄さんの世界に戻れたっていうの……


 
(*27) 2024/05/08(Wed) 0:02:48

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 呟いて、目を閉じたお兄さんの顔を見つめる。
  無理に開けさせることなんてしなかった。

  それでいいと言ったのは自分なのに、
  どうしようもなく胸が痛くて、唇を噛む。
  でもここまで来れば戻れない。

  優しい、牙のない肉食獣が、哀れな檻の中。 ]


  ────……嫌だよね。
  だってこういうことは、好きな人とするんでしょう?
  お兄さんは、わたしのこと、嫌いだもんね?


[ 呟いて、彼の芯へ布越しに触れる。
  果たしてこんな状況下で反応するかも怪しいけれど
  丁寧に、痛みなど与えないように、
  やわく握って手で擦った。 ]

 
(*28) 2024/05/08(Wed) 0:02:55

【赤】 従業員 ルミ

 

  お兄さん、相変わらず優しいね。
  無防備で。
  悪い人の存在を人に説くのに、自分は無警戒で。

  ────昔からずっと、優しいもんね、お兄さんは。


  ごめんね。逆手に取るようなことしちゃって。
  ……いくら謝っても無駄か。
  うん、……頭のおかしいストーカーだと思っててよ。


[ 昔を懐かしむたびに、愛しさで手先が鈍るから。
  わたしは布越しにカリ、と先端を甘く引っ掻いた。
  そのままするりと下着を下げる。

  悠長にしている時間もあまりない。
  人体を害さないように、微量しか使えていないのだ。
  じきに口の縺れが収まることから始まって、
  四肢も動くようになってしまうはず。

  そうなる前に、この執愛の蜘蛛の糸で彼を搦めて
  ──目的を成さねばならないから。** ]

 
(*29) 2024/05/08(Wed) 0:03:04

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 恋にもっと理由は必要なのだろうか。
  ただあの時わたしに優しくしてくれたから、
  だから彼を好きになったでは足りないのか。

  インプリンティングと言われればその通りで、
  けれど女は確かに己の意思で恋をしている。
  毒林檎からキスで目を覚ましてくれたから?
  或いはガラスの靴を届けてくれたから?

  お姫様たちの恋だって、
  始まりは皆思ったよりも大仰では無いのに  ]


 
(*36) 2024/05/08(Wed) 8:54:55

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 相手を傷付けないのが愛ならば
  自分にはやっぱり人を愛する資格が無いのだ。

  彼は今度は許してと甘えなかった。
  過去すら容易く掘り起こすあの惨さはなく、
  代わりに別の痛みが横たわっている。 ]


  
(*37) 2024/05/08(Wed) 8:55:11

【赤】 従業員 ルミ

 

  ………綺麗な思い出として忘れられるくらいなら
  私みたいに、痛いってこと、覚えててよ


  ふふ、名前ばっかり呼んでどうしたの?
  ルミだよ。

  …………嬉しいな
  久しぶりに名前、いっぱい呼んでくれた。


[ 働き始めてからは源氏名でしか呼ばれず、
  ルミという名前で呼ぶ存在もいなかった。
  ひつじが良かった、と憧れた少女はそこにおらず
  いるのはボタンを掛け違えた亡霊だけ。

  ──ああ、こんなことなら
  正しく愛する方法を知っておけばよかった。
  傷付け方なら、いくらだって分かるのに。 ]

  
(*38) 2024/05/08(Wed) 8:55:26

【赤】 従業員 ルミ

 

  …………………雷恩お兄さん


[ ライ、は他の人も呼んでいるから嫌だった。
  けれど雷恩と呼ばれるのを厭われてしまえば
  我儘だけで通せる呼び名でも無かった。

  別れた理由なんてどんなものでも知っている
  ──そうなるように仕向けたんだから。

  呼び方なんて小さいことに拘るのが不満だと
  そう言っていたのは何番目の女だったか。
  わたしはただ、呼び出した場所で
  ブランドバッグを差し出してお願いしただけ。 ]

  
(*39) 2024/05/08(Wed) 8:55:39

【赤】 従業員 ルミ

 


  私の、お兄さん、  



[ ────彼と別れてください、って。 ]


  
(*40) 2024/05/08(Wed) 8:55:51

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 噛み締めるように名前を呟いた。
  会話で意識を向けさせるためでも何でもない。
  ただ、自分が呼びたいから、そう呼んだ。

  再会した時は、幼い頃と違って
  名前呼び自体を面と向かっては厭われず
  表面上は許されたようにも聞こえたけれど
  ──自分ですらそれが本当に許されるなら

  今までの、彼に近しい人たちは、? ]


  
(*41) 2024/05/08(Wed) 8:56:06

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 私にとっての“らいおん”の響きは彼だけ。
  そこに肉食獣の影なんてひとつもない。

  彼だけ見つめて、彼だけを望んで、
  なにもかも煮詰めた砂糖色の声。

  まるでわたしはおとぎ話の魔女みたいだ。
  甘く美味しく作り上げたバッドエンドへの道。
  無警戒な存在に毒林檎を齧らせて、
  最後には裁かれてしまう悪いひと。 ]

  
(*42) 2024/05/08(Wed) 8:56:20

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 望まれない命は不幸だ。
  今ですら正しく彼を愛せない自分ひとりで何が出来る。

  命で縛り付ける気なんてない。
  わたしのはわたしだけのもの。
  ──アフターピル、って便利でしょう?
  ベッド横のデスクに幾つか予備を置いてある。

  わたしは少しづつ兆し始めた熱に触れて、
  嬉しさを隠しもせず顔を綻ばせた。 ]


  好き、──大好きだよ、お兄さん


[ 愛を囁かれても萎えちゃうだけかもね。
  どうせ今夜限りの魔法の夜なら
  喉すら焼けるような蜜も許してよ。

  りんご飴、わたしとなら食べ切れるでしょう? ]

  
(*43) 2024/05/08(Wed) 8:56:34

【赤】 従業員 ルミ

 

  これでもう、わたしを忘れないよね
  これでもう、綺麗な思い出として消えないよね

  ────なにかある度に痛む傷になって
  忘れたくても忘れられないくらい、
  痛くて熱い存在になれるよね?


[ 本当にわたしが羊だったら、
  本当に貴方が獅子だったら。

  食べて貰って貴方の血肉になって
  そしたら、好きな人の一部として生きていけて
  ──なんてろくでもないたられば話。 ]

  
(*44) 2024/05/08(Wed) 8:56:47

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 彼の熱芯をやさしく、柔く包み込む。
  これは愛を交わす行為ではなくて、
  わたしの一方通行で、彼を苦しめるだけ。

  過度な愛撫も快楽も必要無い。
  あくまで生理的反応で仕方なかった、って
  彼が言い切れるように────なんて

  加害者がせめてと与えるものなんか、
  害を与えた時点で無意味か。 ]


  ……お兄さん、目、閉じててね


[ 挿れる、だけなら不都合ないようになるまで
  熱を甘く柔く触れて、擦って、刺激を与えれば
  わたしは彼の反応も見ずに己の下着をそっとズラした ]

  
(*45) 2024/05/08(Wed) 8:57:02

【赤】 従業員 ルミ

 

  ────ッ、


[ ろくに慣らしてもいない中へ熱を入れれば
  さすがに痛みが訪い、すこし眉を顰めた。

  それでも人体とは不思議なもので
  防衛本能で分泌される愛液が刺激を緩和し、
  膣肉も広がって、熱を難なく飲み込んでいく。

  ───これがわたしの、望んだ形。
  欲しくて欲しくて仕方なかった熱も
  やっと手に入れた彼の傷も。 ]

  
(*46) 2024/05/08(Wed) 8:57:28

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 叶っていくのに。叶っているのに。
  どうしてこんなに虚しいばかりなのだろう。
  ────どうして。

  わたしは、 ]


  ………………っふ、あは、は

  お兄さん、……だいすき
  ……あいしてるんだよ、本当に……


[ 目から流れたものはただの汗で、
  きっと目を閉じていれば彼は気付かない。

  誤魔化すように笑って、身体を動かした。
  中に彼の熱を吐き出させるためだけに、
  それだけを目的にした虚しい動きで。** ]

  
(*47) 2024/05/08(Wed) 8:57:47

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 恋は万有引力なのだと誰かが言っていた。
  ツバキの花が落ちるように音もなく、
  りんごの実で堕ちたように先もない。

  原初の罪というものがある。
  禁断の果実を齧って神に背いた二人の話。
  彼らには口にせず共に在り続ける未来があったのに
  罪を犯してでも手にしたい何かがあった。


  それならば、この恋は。
  わたしと貴方、原初の罪出会ったこと
  ──その対価は。 ]

 
(*55) 2024/05/08(Wed) 20:01:58

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 初めて食べたアイスの甘さも。
  焼き芋の舌を焦がすような熱も。
  名前を呼ばれることの嬉しさも。
  誰かに花をあげることの情動も。
  貴方と同じ名前の生き物がいることも。
  痛みも苦しみも愛しさもなにもかも。

  貴方が与えて、貴方は消えた。
  ────忘れようとするたびに、あなたを思い出す。 ]


  …………なぁに?
  これでもまだ名前で呼んでくれるんだ。

  そうすれば逃げられるとでも思ってる?


[ 力も抜けて上手く喋れない状況なら、
  いっそわたしに絆された振りをして
  隙を突いて逃げる方が現実的かもしれないものね? ]

 
(*56) 2024/05/08(Wed) 20:02:33

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 今更男と女として知り合うなんて出来やしない。
  もう一度最初からの幻想は夢のまま。

  出会い方が選べないなら、
  手離し方は選べるのが人間だよね?
  ────今度はわたしがそうする番。

  一緒に同じ傷を負って。
  何を見ても、なにに触れても、どんな日常でも
  わたしを思い出して、──死ぬまで傷の中で会おうよ。
  制止の言葉は聞いてあげない。

  かさぶたを剥がして傷口を抉って貴方を手にする。
  夢すら果てる程に焦がれたこの結末が、

  ──きっと何よりも喜べるはず、だった のに、 ]

 
(*57) 2024/05/08(Wed) 20:02:38

【赤】 従業員 ルミ

 


  …………?

  ……あぁ
  お兄さん、薬切れ始めちゃった……?


[ 先程よりも明確な音になった言葉を耳に入れ、
  わたしは問いに答えず小さく呟いた。
  視界の端で彼の手がすこしずつ動いている。

  身体でも押すか、力に任せて暴れるか。
  薬剤の追加投与なんて危うい真似は出来っこない。

  ならばと抑えつけるために、彼の肩へ
  そっと手を伸ばそうとして── ]

 
(*58) 2024/05/08(Wed) 20:03:08

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 真意が読めなくて、わたしは目を細めて動きを止めた。
  滲んだ視界を晴らすように眦を拭ってから、
  途切れ途切れに紡がれる言葉へ耳を傾ける。 ]


  嘘つき。
  そうやって、またわたしから逃げるくせに。

  ストーカーにそんなこと言ってまで逃げたいの?
  ──殺さないって最初から言ってるじゃない。
  ああもう、どいつもこいつも、そうやって……!!


[ 唇を噛み締めて、自分の腕に爪を立てた。
  傷付いてくれと願った以上大差はないだろうけれど、
  物理的に傷を負わせたいなんて思ってはいない。

  行き場のない激情を彷徨わせながら、
  わたしはもう一度、彼の顔を じ、と見下ろして。 ]

 
(*59) 2024/05/08(Wed) 20:03:42

【赤】 従業員 ルミ

 


  ………………………。
  …………逃げたら死んでやるから。


[ 目論見通りにはいかないと続けることは出来ただろう。
  けれど同時に、彼の幻影を、貴方へ見ていた。

  撫でられたかったわけじゃない。
  そんな夢はもう小人たちの家に置いてきた。
  ただ、もしかすれば、と微かな蜘蛛の糸を手繰ったの。

  わたしから逃げないお兄さん。
  わたしを、忘れないでいてくれる、お兄さん。 ]


 
(*60) 2024/05/08(Wed) 20:03:52

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 熱を引き抜き、けれど警戒するように跨ったままで
  わたしは動向を見守った。

  撫でられたかったわけじゃない。
  だって、この恋が実らないのと同じで
  撫でて貰えるわけがないって理解してるから。


 
撫でて欲しいなんて望めない。
それだけのことをしてるって、分かってるから。
* ]


 
(*61) 2024/05/08(Wed) 20:07:27

【赤】 従業員 ルミ

 

[ あの時間を忘れて、過去の貴方を記憶に埋めて。
  きっとそうするのが一番良い道だったかもしれない。
  わたしは貴方を傷付けないし、
  貴方も忘れた過去を思い出すこともない。

 
諦めるのは生きていくだけならとても楽で、
けれど選べたのは無様でも縋りつくいばらの道。

思い出すたびに惨めで痛くて腕を切った。
血を流すたびに生きている実感があって
でも、そこにはいつも、貴方はいない。
 ]

 
(*68) 2024/05/08(Wed) 22:48:31

【赤】 従業員 ルミ

 



  [ もう名前を呼んでくれる声さえ遠いのに。 ]



 
(*69) 2024/05/08(Wed) 22:48:37

【赤】 従業員 ルミ

 

[ 彼の声は震えながらも、言葉の輪郭を形作る。
  持ち上げられた手を見やり、動向を注視しながら
  うそではないと紡ぐ声へ目を細めた。 ]


  そう思わせて逃げる算段かもしれないじゃない。


[ 理性では彼の言うことが正しいと分かっている。
  感情が、一度消えた相手のことを信用できないだけだ。

  ちがう。
  信用できないという言葉すらも正しくはない。

  これ以上、期待して傷付きたくないと
  自己防衛に徹しているだけ。 ]

 
(*70) 2024/05/08(Wed) 22:48:41

【赤】 従業員 ルミ

 

  ……諦めさせたのはお兄さんなのに、
  なんでそんなこと言うの?

  わたしから離れて、勝手に消えて、逃げて
  新しく女まで作って幸せそうで──
  忘れてしまえるような昔の子どもひとりが、

  …………ッお兄さんには他にたくさんの人がいても
  わたしには、わたしにはずっと、
  昔のお兄さんしかいないのに!!


[ どうして勝手に大人になったの。
  どうしてわたしの知らない顔を他の女に見せてるの。

  今からの貴方を諦めなかったとして、
  貴方はわたしのモノになってくれるの? ]
 
 
(*71) 2024/05/08(Wed) 22:48:47