人狼物語 三日月国


180 【R15RP村】月影のさやけさ、 秘めたる願い

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:

全て表示


【人】 未國 聖奈

 


 あたしの声はまだ怒っていて、
 まだ悲しんでいて、
 どうしたってすれ違うそれを、
 埋められないのだ、って気づいた。

 だってそれは
 あたしとかなちゃんのずるさの基準が
 多分圧倒的に違うから。

 やめてよかなちゃん
 あたしにかなちゃんを嫌いにならせないで


 
(350) 2022/10/23(Sun) 14:07:58

【人】 未國 聖奈

 


 こんなに話すつもりはなかった
 こんなに気持ちを届けるつもりはなかった

 旧校舎の幽霊は、きっとどこかで見てるんだよ
 かなちゃんの願い事は、叶ったんだよ。
 だからもう、この次はないのだ、って
 あたしは心のどこかで、分かってる。

 二度も叶えてもらおう、なんて都合が良すぎる。
 二度も叶えてもらったら、罰が当たるよね、きっと。

 
(351) 2022/10/23(Sun) 14:08:17

【人】 未國 聖奈

 


   でも、あたしの願いは叶っていないのかな
   かなちゃんの心の声は聞けていないのかな
   それとも、聞けたのかな。

   もう、……わからないや。


 
(352) 2022/10/23(Sun) 14:08:31

【人】 未國 聖奈

 


  ── そうだよ、かなちゃんが誘ってくれたから
     あたしは旧校舎に来たんだよ。 >>345

  願い事、たくさんあるけど、
  叶えて欲しい願い事なんてひとつもなかった

  ううん、今はもう全くないよ
  大切な人に気持ちも届かない、すれ違って、
  それでいて、もう、言葉にする気も失せた


    あたしの願い事は、
    大事な人にも届かない
    大事な人に、あたしの想いは
    願い事として認められることもない



 
(353) 2022/10/23(Sun) 14:09:08

【人】 未國 聖奈

 


 「 そうだね 」


 あたしはかなちゃんの
キレイな提案

 短く、答える。 >>347

 
(354) 2022/10/23(Sun) 14:09:29

【人】 未國 聖奈

 


 そして、ひときわ大きな声で言うのだ


 
「 この三日間のこと、何もかも忘れられたらいいのに 」



 ふたつ目の願い事を叶えてもらうのは、だめかな。
 ひとつ目の願い事が叶った保証もないから
 もしかしたら、なんて思うんだ。

 今度こそ、あたしはずるいね。
 昨日は絶対に願わない、と心に誓ったお願い事だ。
 あたしは今度こそ、あたしの心を守るためにお願いをする。


 清く澄んだ月影に、秘められることのない想いを告げて、
 あたしたちはその場を後にした。 **

 
(355) 2022/10/23(Sun) 14:10:40

【人】 未國 聖奈

 

── 夜 ──


 ふたつ目のお願い事が
 叶えられる保証はどこにもなかったけれど
 あたしは、それでも、
 何もかもリセットしたいって思ったんだ

 世良とのことも、かなちゃんとのことも、
 願い事、なんていう
があったからこそ、
 あたしたちの関係はきっとこじれた。
 こじれたなんて思っているのも、
 あたしだけかもしれない


 三日間に送ったメッセージは
 すべて、スマホから削除することにした
 グループを抜けなかったのは、
 それでもどこか繋がっていたかったから、
 そう思ってしまったからかもしれないね

 三日間、いろんな人といつもよりも話して
 いろんな人といつもよりも悩んで
 普段よりもずっとずっと大切な時間だった。

 ── それくらい、あたしにもわかるよ。
    わかるけど………… 辛いんだよ。


 
(356) 2022/10/23(Sun) 14:37:18

【人】 未國 聖奈

 


 ふと世良の言ったことを思い出す。

 
 人ならざるものに願う程の
  いくらの代償を支払っても叶えたい願い
  そんなもの、普通はないんだよ



 ああ、そっか。これが
 代償を支払っても叶えたい願いなのか、って
 家に帰ってから、思い出して、小さく笑うの。

 
(357) 2022/10/23(Sun) 14:37:39

【人】 未國 聖奈

 


 最初から、分かってたじゃないか。
 あたしの願い事は、最初からずっと変わっていなかった


  
『 あたしは、あたしで在りたい 』
>>1:-51


 欲だらけだけど願いのないあたし。
 かなちゃんのことを好きなあたし。
 友達と馬鹿やってばかりなあたし。
 あたしは、そんなあたしのことが好きだった。

 毎日、平和で、充実していて、幸せだった。
 そんな暮らしを、ただただ、守りたかったんだと思う。

 どこまでも、自分勝手なお願いごと。
 代償を支払っても叶えたい願い、あったじゃん。
 ……あたしにも。

 
(358) 2022/10/23(Sun) 14:38:03

【人】 未國 聖奈

 


   ……自分を優先しすぎて、
   罰が当たったのかもしれないな。


 
(359) 2022/10/23(Sun) 14:38:53

【人】 未國 聖奈

 


   深夜、あたしは高熱を出した

   普段風邪もひかないようなあたしが
   三日三晩魘され続けて生死の境を彷徨った

   それは、二度もお願いをした
   あたしへの代償だったのかもしれないし
   ただ単純に、運悪く
   流行り病にかかっただけなのかもしれない。


 
(360) 2022/10/23(Sun) 14:39:13

【人】 未國 聖奈

 


── 三日後・近くの市立病院 ──


 あたしが目を覚ましたのは三日後。
 あたしはぼんやりと、スマホを手に取る
 グループメッセージには相変わらず何か
 スタンプやらコメントやらが飛び交っていたかな

 最初にメッセージが送られているのは
 ちょうど、一週間前のことだ。


 窓の外を見る。
 秋晴れの空がきらきらと輝いていて

 あたしは、─── それを、写真に収める。 **


 
(361) 2022/10/23(Sun) 14:39:40

【人】 未國 聖奈

 


 幸い面会は許可されていた。
 どうやらあたしの熱は
 
他に伝染るような類のものではない
らしい

 もちろん他にも面会に来たい、
 っていうメッセ―ジが来てたら
 拒むことは一切なかったと思うんだ。

     思うところはいろいろあった
     とりあえずここではそれは置いといて…


 
(426) 2022/10/23(Sun) 18:54:30

【人】 未國 聖奈

 


 大木がやってきたなら
 あたしは笑顔でそれを出迎える。

 まるで何事も、無かったかのように。
 大木の目には、きっとあたしはそう映るだろう。


 
(427) 2022/10/23(Sun) 18:55:18

【人】 未國 聖奈

 


 
あの
三日間のこと、憶えてないんだ 」



 そういう言葉を大木が耳にするのは、
 病室に入って、暫く言葉を交わして、
 間もなくのことだったはず。 *

 
(428) 2022/10/23(Sun) 18:55:42

【人】 未國 聖奈

 

── 三日後・病室にて。大木と ──


 「 えーありがとー
   大木が!花!気が利く! 」


 ばかにしてるわけではない。
 決してばかにしているわけではない(二度言いました)。
 ちなみにあたしも花言葉なんて知るわけがない。

 そんなやり取りまで、以前までのあたしたちのまま

    あたしの指はスターチス変わらない心を撫でる。


 
(450) 2022/10/23(Sun) 20:15:41

【人】 未國 聖奈

 


 「 ……そ。憶えてないの。
   高熱が続いた後遺症だって、お医者さんは言うの
   短期間の記憶が飛んじゃうようなこと、
   高熱のあとは、ないわけではないんだって。 」


 あたしの表情はそこまで深刻には映らないだろう
 何せ文化祭のあとのたった三日間の記憶だけだ。
 ………少しぐらい、記憶がなくても、支障はない。

 ただ、そのあと少しだけあたしは顔を曇らせた。

 
(451) 2022/10/23(Sun) 20:15:57

【人】 未國 聖奈

 


 「 あたし、知ってるよ
   文化祭の後、旧校舎に行ったでしょ
   そこに、大木も居たんでしょ

   文化祭の前までは、記憶があるから
   誘われたこと、憶えてるし、
   あたしのスマホには、
   グループのメッセージがちゃんと残ってる 」

 
(452) 2022/10/23(Sun) 20:16:12

【人】 未國 聖奈

 


 「 何かを、願ったのかもしれない
   何も、願わなかったのかもしれない

   ……記憶がなくなったのは
   何かの代償なのかもしれない。

   でも、今となっては、
……… 、


  
……、


   わからなくても、いいのかな
   なんとなく、そんな気もするの。 」


 手元に握られたままのスターチスの花束に
 あたしは視線を落として言うんだ。

 言葉に滲むのは、諦観だろうか、悲しみだろうか
 それとも ──────────── 、


 
(453) 2022/10/23(Sun) 20:16:41

【人】 未國 聖奈

 


 「 何を願ったんだろうね。あたし 」


 すべてを振り払うように、努めて、明るく。 *

 
(454) 2022/10/23(Sun) 20:16:54

【人】 未國 聖奈

 

── 三日後病室・大木と ──


 「 ……そっか。
   願い事、しにいったんだね 」


 どんなに大木の言葉に耳を傾けても
 あたしが何を願ったのか聞くことはない
 大木が、言葉を選ぶのがわかるから
 あたしも、ひとつひとつ、言葉を選んでいく

 
        
………、



 丁寧に、あたしは適切な言葉を探す。
 あたしだって 記憶を失っていることに
 あまりこれ以上触れたくなかったから


 探して、探して、そうして「ああ」と
 言葉を見つけて、小さく呟いて。

 
(470) 2022/10/23(Sun) 21:03:14

【人】 未國 聖奈

 


 「 ……あたしは、何か大木の役に立てた? 」

  
 空白の三日間。
 あたしは、誰かの役に立てていたのだろうか。
 せめて見舞いに来てくれた大木くらいには
 何か役に立てていたらいいな、…なんて。
 
 
…………、


 ………あたしはね、思うよ。
*

 
(471) 2022/10/23(Sun) 21:03:43

【人】 未國 聖奈

 

── 三日後病室・大木と ──


 何処か緊張にもにた面持ちで、
 あたしは大木の言葉に耳を傾ける。>>486
 一言一句聞き逃すまいと、集中するけど
 集中する必要もなかったのかもしれない。
 だって大木の声は、いつだって大きいから。


 そうして返ってきた答えと笑顔に、
 あたしは硬くした表情をやわらげるだろう。


 「 ああ…よかった 」


 それはきっと心からの声だ。
 ──── きっと、あたしはその言葉を聞きたがっていた
 誰かの役に、立ちたかった。


 
(508) 2022/10/23(Sun) 21:47:10

【人】 未國 聖奈

 


 大木のすがすがしい笑顔に、
 あたしはもうひとつだけ、踏み込んでみようと思った。
 多分、聞いても許される。
 多分、聞いても あたしが傷つくことはない
 そんな気がしたんだ。



 「 ……大木は、願い事、できた? 」


 願わなかったんだ、って
 グループメッセ―ジとかに送られていたなら
 それはあたしが見落としているだけだ。

 大木の顛末をしらなかったあたしは、
 
勇気を出して、
踏み込んだ。 *

 
(509) 2022/10/23(Sun) 21:48:25

【人】 未國 聖奈

 

── 三日後病室・大木と ──


 「 そっか。 」


 穏やかな声に、ただ、頷いた>>514
 それはあたしのおかげだったらしいってこと、
 改めて、言葉にされて、少しだけ戸惑う。
 嫌な戸惑い方じゃない
 だけどそれを忘れている、という状態に、
 ほんのすこしだけ、心が痛んだ



 「 願い事なんて、
   急に言われても思いつかないよね。」


 あたしの返事は、あの日をなぞる>>0:570
 多分ね、あたしの顔はほんの少しだけ淋しそうに、
 大木に向けられていた。

             …………、

     その意味を、問われたとて
     あたしには、答えられないだろうけれど。 **


 
(517) 2022/10/23(Sun) 22:32:48

【人】 未國 聖奈

 

── 病室で・かなちゃんと ──


 ひとしきり大木と話した後だったかな


 「 ………あ、かなちゃん 」


 一瞬表情が固まって、それでもあたしはにこやかに笑う
 あの日、すれ違ってしまったことなんて
 微塵も思わせないような明るさで、
 あたしは、いつもの聖奈として、
 かなちゃんの目には映っているはずだ。
 花束はそっと、大木に手渡した。>>665


 
(667) 2022/10/24(Mon) 15:23:17

【人】 未國 聖奈

 


 意識が戻ってよかった、のあとに、
 すぐに記憶がないことを言おうと思ったけれど
 かなちゃんの言葉は間髪入れずに続いたね。>>642
 だからあたしは言う機会をその時は逃して、
 かなちゃんの言葉をきいて ──────


 「 え???そうなの??? 」


 と聞き返す。
 なんでだろう、と疑問が沸いた。
 キョトンとした顔で、あたしはかなちゃんを見ている

 
(668) 2022/10/24(Mon) 15:23:30

【人】 未國 聖奈

 


 あたしにはわからなかった。

 どうして高校をやめることが、
 誇れる自分になれるのか、ということ
 高校をやめたら、
 夢の向こう側に行ける、ということ

 それがどうつながるのか全く分からなくて
 
ましてやこの三日間は無かったことになっているから


 お礼を言われても、あたしは首を傾げただけ。

 
(669) 2022/10/24(Mon) 15:23:47

【人】 未國 聖奈

 


 「 そ、…っか。
   かなちゃんが選んだ選択肢で、
   かなちゃんが元気になるのなら。 」


 ビンゴカードは自分の手で開くもの。
 それはこの数日間を経ても経なくても変わらない。
 勇気を出して幽霊に頼むのか、そうでないのか
 どんな手段を選ぶかは別の話。


 
(670) 2022/10/24(Mon) 15:24:03

【人】 未國 聖奈

 


 「 えっ、待って 」


 去ろうとするかなちゃんをあたしは呼び止める。
 早くない?こっちの話何も聞かずに出てくの?
 近くに居た大木には曖昧に笑った。
 あまりに出てくのが早すぎるじゃんねえ、って。


 「 あのね
   あたし、旧校舎に行ったこと、憶えてないんだ。
   かなちゃんが誘ってくれてたでしょ。
   行けたら行く、なんて言って。 」


 あたしの中に確かに残る、文化祭よりも前の記憶。
 あの時、願い事なんて何もなかった。
 だけど大木の話によれば、あたしは何かを願ったらしい。

 
(671) 2022/10/24(Mon) 15:24:32