ん−
ソーセージですかね。
ちゃんとお肉屋さんに特注してるソーセージですよ。


[マスターの拘りらしくて、生ハムもそうだけど肉類には力が入ってるらしい。
聞くところによると知り合いらしくて、融通してもらってるとか。]


ローストビーフとかも美味しいですよ。


[本当に、料理関係には全く関わってないのだけど。]

[羽衣恵がいるだけど、背骨に一本筋が入ったみたいにピンとなる。
いや、普段からピンとしてるのだけど。いい所を見せたい、じゃないけど、やっぱりビシっと仕事してるところを見てほしい。]


もう一杯いきます？


[ずっと居てくれればいいのにと思うけど、他のお客さんもいるので羽衣恵だけを相手にしては居られないのは玉に瑕。でも他の人への接客とかも見てほしい。

────ちゃんとバーテンダーしてるでしょ？
　　　　　どうです？惚れ直してくれました？]*

[きっと、同じことを考えていた。
自分が料理、彼がお酒。

バルで働く自分を想像する時に
そんな光景が浮かばなかったと言ったら嘘になる。

浮かれた夢物語かもしれないけれど、
そんな未来がもしあったなら、それは………]

お、いーねー。
さっきの生ハムも美味しかった。


[確かに良いお肉でした。
勧められるままソーセージを頼み
運ばれてくるのを待つ。

彼も流石に自分にかかりきりと言うわけにも行かず
きびきびとカウンター内を行ったり来たり。

ビシっとキマった彼を可愛らしいお嬢さんが
憧れの眼差しで見ているのを傍目に
密かに得意げな気持ちに浸ってみたりした。
かっこいいでしょ、あたしの彼氏なんですよ。ふふん。

普段との差異は知ることは出来ないが
いい所を見せたい内心を知れば
とてもとてもにこにこしてしまったに違いない。
いくらでも惚れ直しますよ、ええ。]

うん、もう一杯おねがいー。


[時計をチラ見すればそれなりに時間もいい頃合い。
名残惜しいけどいつまでも邪魔するわけにもいかないし
そろそろ帰らなきゃかなあ、なんて
後ろ髪を引かれる心地になりながら。**]

z[羽衣恵がそろそろ帰ろうとする気配。
寂しがってくれてるからな、────俺は少し寂しい。
でも、仕事中だからそれは仕方ない事。]


……なら……

　
はい、Ｘ・Ｙ・Ｚエックス・ワイ・ジーです。


[標準のレシピではなくて、グレナデンシロップを入れているので少し甘め。コアントローとレモンが爽やかなテイストになっている。

でも、このカクテルの本当の名前は��ビューティフル��
羽衣恵さんに贈る一杯。]*