164 夏の想いのひとかけら【R18】
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| …気配り屋さんなのですね、透さんは [ふわりと笑う。 本当に優しい人なのだと思う。 ううん、それは昨日から思っていたことだけど 改めて、思うんだ。 たぶん、これからも。 たくさんの場面で私は… こうやって 透さんの事を好きになっていく─── ] (115) 2022/08/09(Tue) 19:13:43 |
| [皆の分もと多めに買った線香花火。 風情があるということで、他の種類の花火は買わなかった。 透さんが私に煙を吸わせたくないと 心配してくれていたことは話されなければ 気付かないことだけど、でも。 そうやって楽しそうにしてくれるだけで >>105私はなんだか満たされた気持ちになって 微笑んでいたんだ。] (116) 2022/08/09(Tue) 19:14:33 |
| [買い物を終えて、渡された買い物袋は 一番軽いもの。 >>106彼が早乙女さんと話したことは知らなかったけれど 大事にされていることを感じつつ、 私はそれを受け取った。] …そうなんですね [透さんの家の掟に笑いながら、帰りの路を歩く。 神社の祭囃子が風に流れて聞こえてきたりも しただろうか。] (117) 2022/08/09(Tue) 19:14:43 |
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…神社のお祭り、風鈴のお店もあるんですよ 店に飾るような大きなものから、こう、掌サイズ の小さくて可愛いなものまで
ご飯の後、見に行きませんか?
[透さんも風鈴が好きだと言っていたから、 お揃いのものを持つのもいいかもしれない。 花火は持って行って、神社の裏にある池でするのも いいように思う。お祭りの間は、人はみんな境内の ほうに集まるので静かだという。 また、綺麗な池だから、蛍も居るらしい。]**
(118) 2022/08/09(Tue) 19:14:56 |
| [透さんが茄子を炒める様子を眺める。 >>121私の作る茄子料理は煮浸しや味噌炒め、 麻婆が殆どで、カレーに合わせたことはなかった から、どのようにするのか興味津々だった。] …私、トマトもカレーには使ったことが なかったから どんな味のカレーになるのか今から楽しみです [彼の隣、私は薄く削ったきゅうりと大根にハムを 加えて、塩を少々。マヨネーズと粗びき胡椒で 合えたサラダを作る。 スープカレーも好きなので、彼の作るカレーが サラサラでも問題を感じることはなく、尋ねられれば そう応えた。] (125) 2022/08/09(Tue) 23:46:29 |
| [ご飯を待つ間、透さんの提案で買ってきた花火と お菓子を袋に詰める。 >>122] …どうせなら、同じものより違う種類のお菓子が 入っているほうが1度に2度・3度美味しいですから [みんなの喜ぶ顔を想像しているのかな。 楽しそうにする透さんに私は目を細める。 私にはそういった記憶はない。 あったのかもしれないけれど思い出せなかった。 過去を辿ろうとすると、思い出すのは辛い事ばかり。 楽しいことがなかったわけではなく、断片的に それらの欠片が顔を出すこともあるけれど それには必ず痛みが伴ってしまっていた。] (126) 2022/08/09(Tue) 23:46:30 |
| ───…ううん [透さんが私の瞳の奥の揺れに気付いたなら 何でもないと首を振っただろう。 努めて明るい声を出して、プレゼントに添える みんなへのメッセージを書くためにペンを取った。] …いいえ、初めて聞きました でも、透さんのお祖母さんが言うのなら きっと、そうなのだと思います [お祖母さんのことを話す時の透さんの顔を 見ているだけで、彼が彼女をどれほど慕っていたか 伝わってくる。 >>122私は彼に微笑んで、心からの言葉を告げた。] (127) 2022/08/09(Tue) 23:46:33 |
| [ご飯が炊ければ、冷蔵庫に仕舞っておいた サラダを取り出しテーブルへ。 コロッケはどうしたかな。 カレーは透さんによそってもらい、私は席について 彼が作った初めてのカレーを味わった。]** (128) 2022/08/09(Tue) 23:46:35 |
| …トマトの酸味が隠し味になるのかな カレーに大根、意外と合うのですよね [透さんのお母さんと同じように、私も時々 大根をカレーに入れるから、騙されたという 彼にはそんな感想を添える。 >>131何気なく自然に出る家族の話。 確かな絆のある温かい空気が見えるよう。] (135) 2022/08/10(Wed) 9:34:19 |
| [こうして貴方と居て、楽しい気持ちも 思い出して、悲しくなる気持ちも両方ともが 私の本当で。 きっとこの先も。聞かれたら、ううん、って 答えてしまうのだと思う。 >>132でもね、私がこんな風になるのは 貴方の前でだけなの。 貴方だけが知る、心の奥底。 海に寄り添う月のような貴方の優しい気持ちに 甘えて、そっと身体を寄せるようになるのは もう少し後のこと───] (136) 2022/08/10(Wed) 9:36:07 |
| このサラダ、カレーの時は いつも作ってるんです うん… 私もスイカ、好きです カブトムシレベルの透さんよりももっと── あの、カブトムシレベルの上は何レベルに なるのですか…? [穏やかに笑いながら、 私は透さんに首を傾げて見せる。 >>133] スイカ山盛りの豆腐花…これかな わ、美味しそう…! [教えて貰ったデザートショップをスマホで検索。 当該商品の写真を見れば、目を輝かせた。 バイトが終わった後の約束。 その頃には、私達の関係はどんな風に なっているのかな。] (137) 2022/08/10(Wed) 9:44:11 |
| …美味しかった こんなに食べたの、久しぶりです [食事の後の片付けも2人ですれば早く。 私はエプロンを外すと、呼びかける透さんの声に 目を丸くした。 >>134] こんなに近くに居るのに どうしてそんな、離れたところに居る人に 言ってるのですか…? [肩を震わせて笑うと、そっと彼の手に触れる。] (138) 2022/08/10(Wed) 9:45:44 |
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────行こ
[私は透さんを見つめて、花が咲くように 顔を綻ばせた。]**
(139) 2022/08/10(Wed) 9:46:42 |
| ― 神社 ―
[飾り付けられた提灯が参道に連なって、 行き交う人々を照らしていた。 親子連れ、男女のカップル、友人同士で遊びに 来たのであろう児童たち。 誰もがみんな、幸せそうに楽しげな、お祭り特融の 空気が辺りを包んでいる。]
…大丈夫?
[慣れない浴衣でバランスを崩した少女を受け止め れば、居住いを正して、足元に気をつけるよう告げて 見送った。] (140) 2022/08/10(Wed) 15:19:39 |
| ────浴衣は足さばきが制限されるから バランス崩しやすいのですよね
[楽しいお祭りの日になりますように。
そう祈りながら少女を見遣り、その背中が人混み に見えなくなれば、再び風鈴のお店を探して 歩き始めた。] (141) 2022/08/10(Wed) 15:19:43 |
| ― 風鈴のお店で ―
透さん、見て これ、風鈴のイヤリング 小さくて可愛い───
[露店の前、所狭しと並べられた風鈴達。 私は、初めて見る風鈴のイヤリングを手に取って 声を弾ませて透さんに見せる。 浴衣に合うように作られたそれは、目的だった ミニ風鈴よりも更に小さいものだった。]
……迷うけど、これにしようかな
[そうして、真剣に厳選した結果、私が選んだのは 桜模様のクリスタル風鈴。 透明なガラスに描かれた桜の下、揺れる爽やかな 水色の短冊には白い小桜が細かく施されている それに私は手を伸ばした。] (142) 2022/08/10(Wed) 15:23:22 |
| [透さんが選んだ風鈴はどんなものだったかな。 私と同じ模様のものを彼が気に入ればお揃いに。 例え、違うものを選んでも。 同じ日に一緒に選んで買った風鈴は、お互いにとって 特別なものになると感じていた。]** (143) 2022/08/10(Wed) 15:25:21 |
| (a5) 2022/08/10(Wed) 15:30:25 |
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