![人狼物語 三日月国](./img/mptitle_prov_v0.jpg)
68 【身内】空想模倣機体は駒鳥達の夢を見るか?【R18G】
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![](./img/stargazer/021.png) | >>2 がんばり団 「おまえ今失礼なこと考えてるだろ。 ……別に、なにも変わりない。 幽界に居た時と同じ、おまえの知るキファだ」 キファは、サダルの横に立っている。 ……全てを理解した。それはきっと、サダルも同じだろう。 「ヌンキの元に行くのか? すまんが、彼奴とは二人きりで話したい。 ……有るのだ! ご想像の通り、海よりも深い事情がな。 サダルよ。ヌンキと語らうなら、別途話しかけに行くが良い。 ……吾は、おまえとも話したいことが有るんだが?」 (4) 2021/04/29(Thu) 23:18:25 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>0 ヌンキ 「おるが!?」 あっ本人だ! バチーン!! ヌンキをビンタする。 「おまえ……ッおまえおまえおまえーーーーーーッッッ!! ……こほん。言いたいことは、色々有るが」 「久しぶりだな、ヌンキ」 「吾を探してくれて、ありがとう。 おまえが吾を探す姿を、吾はずっと見ていた」 星見杯亭を探し回る姿も。 レムノス中を探し回る姿も。 街を出て、森を探す姿も。 その言葉は。あの手紙に書かれた言葉が紛うことなく、 キファ本人のものであったことの証左だ。 「すまなかった」 「今、吾はちゃんと此処に居るぞ」 (7) 2021/04/29(Thu) 23:50:59 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>6 サダル 「何、そう堅苦しい話ではない。 唯のお喋りだ」 長い夜は明けた。 街並みの輪郭を陽光が彩る。 さわやかな朝の、透明な空気。 「死んでしまったら、全部終いだと思ってた」 サダルを見る。 「おまえと夜明けが見れた。……嬉しい」 予想だにしないことが幾つも起きた。 『吾は色んな者に、”ごめんなさい”しなければならん』。 そう、目を伏せる。 (32) 2021/04/30(Fri) 8:19:42 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>9 ヌンキ 「はあ!? 何故そうなるのだ!」 キファは、これまでの経緯を説明する。 自分は一度死んだこと。 唯一死者の見えるラサルハグに伝言を託したこと。 幽霊となって、自分を探すヌンキをずっと見ていたこと。 「”思い出さなかった”のか?」 まあ良い、と続ける。 「おまえが苦しんでいた時、吾は何もしてやれなかった。 声は届かない。差し伸べた手はすり抜ける。 だから、今するぞ」 小躯な自分より大きな背中に腕を回して。 キファはヌンキを抱き寄せる。 「ありがとう」 親愛の抱擁、だった。 キファはヌンキを好いている。 ……でも、それは恋情ではない。 (33) 2021/04/30(Fri) 8:47:13 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>30 ハマル あなたが談話室に降りてきた時、 きっと少女の姿が目に映るだろう。 ……キファだ。行方不明になった筈の、キファ。 そわそわした様子で、あたりを見回している。 その他にも、きっと久しぶりに会う顔触れが揃っている。 「……ハマル!」 キファはあなたの姿を認めると、駆け寄ってくる。 (35) 2021/04/30(Fri) 9:03:29 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>38 ハマル 「ヌグゥエ!!!」 ドス!!!!!!!! 大丈夫、倒れてない。 キファは慈しむように、あなたの背に背を回し。 ぎゅっと、抱きしめて見せた。 「ハマル。吾は幽霊となって、 おまえのことをずっと見ていた」 キファはそこに居る。 ちゃんと触れて、抱きしめることが出来る。 → (44) 2021/04/30(Fri) 10:54:26 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>38 ハマル 「頑張ったな」 ようやく、言えた。 (45) 2021/04/30(Fri) 10:54:50 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>40 ヌンキ ──ヌンキの呟きは、キファの耳にしかと届いたのだ。 「……言え」 キファは、ヌンキの想い人が誰であるかを知っている。 あなたが自分を探す姿を、ずっと見ていたのだから。 「言って見せろ」 「吾のことが好きなのだろう?」 「吾とサダルを自らの手でくっつけておいて おまえは独りで寂しく横恋慕、だと?」 → (47) 2021/04/30(Fri) 11:20:36 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>40 ヌンキ 「泣いて吾に縋って見せろ。 おまえの心に秘める懊悩を全て口にしろ」 「その上で、清々しくおまえをフッてみせよう」 それは、彼にとってきっと残酷な言葉。 だって、恋なんてもの、そも彼に定義されていない。 彼女だって、サダルとキファを結んだのに、 彼なりの事情があると分かっている。感謝すら、感じていた。 でも、キファはストイックで、さっぱりした質だ。 だからこそ、『恋情を胸に秘めたままの、哀しいお別れ』が 許せなかった。 → (49) 2021/04/30(Fri) 11:23:39 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>40 ヌンキ これは膿んだ傷口に塩を塗り付けるようなもの。 そして同時に、傷口から膿みを取り除く荒療治。 「おっと、遠慮はしてくれるなよ? 傷つけるだろう。困らせるだろう── 笑止。 吾の十分の一も生きておらぬものが、 吾の心を憂う必要はない」 つまるところ。 ──叱咤と、激励。 「吾を恨んでも良い。怒っても良い。 だが、後悔だけはしてくれるな」 (50) 2021/04/30(Fri) 11:24:29 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>52 >>53 ヌンキ 「──善かろう」 「その言葉、吾は覚えたぞ。 おまえが吾を好いていたことを、忘れはしない」 キファは表情を緩める。 『ビンタはさっきしたから、勘弁してやる』なんて、笑う。 キファは 忘れない 。 これは、唯のロールプレイかもしれない。 でも、"偽物"だとしても、"嘘"じゃない。 キファはそれを、誰よりも知っている。 だってあなたの手によって、《恋》が与えられたのだから。 → (54) 2021/04/30(Fri) 13:00:10 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>52 >>53 ヌンキ あなたの想いに応えが返ることは無いのだろう。 キファはサダルが好きだ。 けれど、想いは伝わった。 falseはtrueに、0は1に書き換えられた。 それを為したのは、皆の助力と。 何より、あなた自身の意志の力。 それから──? あなたが意志によって蝕まれるというのなら、 なんと残酷で冷たいウィルスなのだろう。 あなたの一言は、あなたにとって。 何より甘美な──毒。 → (55) 2021/04/30(Fri) 13:02:29 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>52 >>53 ヌンキ 「……行かぬ」 「おまえに訊ねなければならぬことが出来た」 あなたの発言に、先程から違和感を抱いていた。 まるで、自分のことをNPCだと認識しているかのような。 『この"orion"にNPCが存在する』と推測するのは容易だ。 現実のキファは、サイバー分野に聡い。 蘇生したキファに対する住民の反応だって、それの証左だ。 そしてNPCがテスト参加者に紛れていない 保証は、出来ない。 シュミレーションシステムをテストに 参加させるのは、理にかなっているだろう。 無論、これは『ヌンキが自分をそう把握している』と 考えたから口にする。 常なら、……これは残酷な言葉だ。 「おまえ、NPCだろう」 隠した手を引っ掴んで、引き出す。 ヌンキは、きっと更に何かを隠している。 (56) 2021/04/30(Fri) 13:17:36 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>60 サダル 「…………」 「許す」 へにゃり、と笑った。 サダルの真意が測れないのはいつものことだ。 そんなミステリアスな面も含めて。 サダルという人間を、キファは愛している。 きっと、どこまでもまっすぐな愛だった。 もう、不安定な頃のキファとは違う。 色々なことを乗り越えた。 どのような障害が有ろうとも、 キファはこの愛を貫き通すのだろう。 「おまえに愛されなくったっていい。 共にいられなくったって良い。 吾はそれで良い。誰にも強いぬ。 だが。覚えておけ。 吾はおまえが存在しているだけで、幸せになれるのだ」 キファとサダルの幸せの形は、平行線だ。 きっと、交わることは無いのだろう。 それで良い、と思っている。 『”だから……”、何だ?』 キファはあなたの言葉の続きを促す。 (63) 2021/04/30(Fri) 15:02:19 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>48 ハマル 無邪気に目を輝かせるあなたに、 キファは胸に熱いものが込み上げるのを感じた。 「無論、パーフェクトだ! 今日は沢山甘やかしてやろう〜」 ヨチヨチヨチヨチ……。 ナデナデナデ……モフモフモフ……。 『置いていって、すまなかった』 ……ふと。 舌に載せ掛けた言葉を胸にしまう。 今は、己の懺悔を聞かせる時では無い。 「吾がシトゥラに託したことも、 そのシトゥラが死んだことも。 キュー”達”が立ち塞がったことも。 おまえが苦しみ藻掻きながら、 最後まで折れなかったことも」 「おまえの──ううん、 おまえ達が。吾らが為したことは。 全部、全部今に繋がってる」 → (64) 2021/04/30(Fri) 15:20:57 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>64 ハマル 「ハマルよ。『これから』を作りに行こう。 ……海に行くぞ!」 今なら、『世界の端』に阻まれることも無い。 "orion"の世界は、最早233年の旅では回り切れぬほどに 広がっている。 約束を果たす時だ。 (65) 2021/04/30(Fri) 15:23:07 |
| キファは、サダルをビンタしようかと思ったが、やめた。 (a25) 2021/04/30(Fri) 16:01:27 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>68 サダル 「……ヌンキが」 ヌンキの様子がおかしい。NPC。 この時点でうすらと感じていたヌンキの”違和”。 この一幕はきっと、後にヌンキへ投げ掛ける 問いかけの一助となるのだろう。 「さて。……成程、な。 サダルの頑固っぷりは筋金入りだ。 むう。困ったな。実に困ったぞ」 「……吾が、ヌンキを幸せにしたら。 おまえは満足するか? 例えば、”吾と恋人になる”以外の形で。 彼奴に幸せを差し出せるのなら」 無論、ヌンキの経歴は理解していた。 その身に巣食うウィルスまでは、 この時点で把握してはいなかったが。 だが、キファはヌンキが苦しむ姿を見ていた。 彼女にとっても、掛け値なしに ヌンキを幸福にしたいと思っている。 → (71) 2021/04/30(Fri) 16:19:11 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>68 サダル バチーン!(エアビンタ) キファのモデルは故人だ。 故に、ものすご〜〜〜〜く大事なところなのだが それと同じくらい今ものすご〜〜〜〜く大事な話をしている。 幸いにも今のキファは物事に対して動じなかった。 だって、今までにもそういう話は沢山あった。 「吾が関与できぬ場所での話だ。 急を要するのなら今すぐログアウトしろ。 そうでないのであれば。 先程の話を続けろ。覚悟だけはしておく。 ……『キファ』も。きっともうすぐ、 この世界とはお別れだからな」 (72) 2021/04/30(Fri) 16:26:37 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>69 >>70 ヌンキ キファはちゃんと覚えている。 バーに訪れた帰り道、 エスコートに差し伸べてくれたその手を。 何もなかった。 透明になってしまった。 衝撃を噛み殺す。 今から何が出来る? → (73) 2021/04/30(Fri) 16:44:28 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>69 >>70 ヌンキ 「おまえの認識で相違ない。 ……吾は、おまえを助けたい。 幸せになってほしいと、思っている。 吾はおまえのことが。 それが、恋情でなくとも──好きなのだ」 友愛。親愛。この世界にだって、"恋"以外の 愛の形は有るだろう。 最も。恋愛は殊更情熱的なものであるということを、 キファは良く知っている。 さて。 NPCはどれだけ自律的に行動しても、 あくまで"orion"の管理下である。 その口から聞き出せることは限られるだろう。 「ヌンキよ。 どうしたら、おまえを治せる?」 (74) 2021/04/30(Fri) 16:45:26 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>75 >>77 サダル もの凄い複雑な表情をしているのは読み取れた。 「分かった」 「……吾は、ヌンキを助けたいと思う。 好ましい人が苦しんでいるのなら。助けに行くのは、道理だ」 そう宣言すると。『少し待っていろ』と、何事かを呟き始める。 あなたに事故現場の住所を訊ねたりもしただろう。 『外部との連絡は可能なのか……? 否、通常なら不可能な筈。 コマンドは? キファの使っていた『占』はその一種の筈。 チャットコマンド程度なら、”天啓者”の権限で使用できてもおかしくはない。 賭けだ。幾つかそれらしいのを打ち込んでみるか……。
…………。
……。
……!』 「……出来る限りを尽くしたぞ。 うまく行けば、XX社側から救急要請をしてくれるだろう。 更にうまく行けば、おまえは助かる。 現実の吾はこの言葉が嫌いだが──後は現実のおまえの意志、 そして『運否天賦』というやつだ」 → (93) 2021/04/30(Fri) 22:34:40 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>75 >>77 サダル 「さて、話を戻そう」 出来る限りは尽くした。 キファは割り切りが速い。 ……さあ、最後の夢を見よう。 楽しい時間は、いつだって別れ際が一番惜しい。 「吾は、帰らねばならない。 現実の吾──『秋葉義一』にも、 やるべきことは沢山ある」 「でも、忘れるな。キファは、"orion"の住民。 『秋葉義一』? そんなの、吾にとっては別人だ」 秋葉義一は、警視庁サイバー犯罪対策課のオフィサーである。 この騒動によって、 きっと暫く残業で家に帰れない日々が続くのだろう。 → (95) 2021/04/30(Fri) 22:51:08 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>75 >>77 サダル 「吾が”秋葉義一の死んだ妹”をモデルにした存在だって?」 「糞食らえだ」 キファは、キファだ。 「キファは、此処にしかいない。 この別れは、吾が吾である為のものだ」 「……だから、”サダル”と”キファ”として会えるのは、 きっとこれが最後」 くす、と笑う。 「寂しいか?」 (96) 2021/04/30(Fri) 22:51:59 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>78 >>79 ヌンキ キファは推理する。 ヌンキは、システムの枠組みに縛られる中で 精いっぱい自らに伝えようとしている。 キファは、ヌンキを助けたい。 彼は恐らく、”想定されていない挙動”を起こしている。 平たく言えば、バグだ。 想定されていない挙動とは、何か。愛か。 それは確信できないけれど── キファは考える。 ヌンキに残された時間は少ない。 今から脱出してXX社にプログラムの修正を要請したとして、 "proxy"による自浄作用の前に間に合うだろうか。 だからといって、"orion"内部から何かを起こせるか? キファでは無理。何か── その時、点と点が結ばれた。 ブラキウム。 → (106) 2021/04/30(Fri) 23:29:21 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>78 >>79 ヌンキ Ma'at社のセキュリティAIAmmut<Vリーズ 最新弾【Brachium】。 管理AIの暴走というこの状況下である。 Ammut。Brachium。この一致は、偶然では済ませられまい。 秋葉義一は、 警視庁サイバー犯罪対策課対策係のオフィサーである。 サイバーテロ対策に関連する情報の集約が業務内容に存在する。 ・・・・・・・・・・・・・ だからこそ、知っていてもおかしくはない。 だが、これは賭けだ。 【Brachium】の処理によって、 ヌンキがどのような結果を演算するかは、 キファは推測することができない。 「ヌンキ」 「ブラキウムの元へ行け」 「消えたくないと願うのなら」 「完全無欠のハッピーエンドに辿り着きたいと、 僅かでも思うのなら」 (107) 2021/04/30(Fri) 23:31:11 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>100 ハマル 「無論!」 にっかりと笑う。 それから、キファは小難しい話をした。 レムノスから海に出るには、 早い馬を使っても数日を要すること。 ハマルの故郷へ承諾を取らなければならないこと。 それらによって延びる、"orion"での滞在時間。 馬車選び。旅の途中の食料、日用品の調達。あと暇つぶしの道具選び。 ──でも、そんな頭の痛くなる話。 この美しい景色の前ではきっと、 吹き飛んでしまうだろう! (115) 2021/04/30(Fri) 23:58:10 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>100 ハマル 午前十時。 レムノスとは異なる、海辺の地域特有の湿った潮風の匂い。 抜けるように青い空。注ぐ光芒。 じゃり、と足元の砂が音を立てた。 クリーム色の砂浜は、絵具を撒いたかのように淀みない。 何より、この無尽に広がる海! 水平線の向こうに薄く島の稜線が見える。 この世界がどこまでも広がっていることの、何よりの証左だ。 ハマルとキファは今、海に居た。 → (118) 2021/05/01(Sat) 0:07:13 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>100 ハマル 全てが終わった後の話だ。 ふたりに何が起ころうとも、きっとここに辿り着く。 「いやぁ、無事着いたな! 途中でタロットカードを失くし掛けた時は どうしようと思ったが。 この景色を見れば、それも忘れてしまうと言うものだ」 近辺の街で美味そうな店を探し、 朝食の魚料理を二人で食べた。腹の具合も丁度いい。 キファは、ハマルに問いかける。 「どうだ。……怖いか?」 (120) 2021/05/01(Sat) 0:08:16 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>ルヘナ向け白レス
さて、これはハマルと旅に出るまでの暇のこと。 物語はエピローグとカーテンコールに差し掛かった。 人々は、各々と別れの挨拶をしていることだろう。 キファは談話室の机に着いて、息を吐いた。 目まぐるしく移り変わる状況。時には限りがある。 休息出来る間は、少ない。 (128) 2021/05/01(Sat) 0:33:13 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>116 >>117 ヌンキ 「善く言った!」 ヌンキの背中をバン!!!!!!!!!!!!!!! 「……行ってこい」 「どのような結果になろうとも。 吾はそれを許す。吾は心が広いので。 それくらいで、おまえを嫌いになったりはしない」 間。躊躇いがちに口を開く。 「なあ、ヌンキよ」 例えNPCでも、あなたは。 1=2というシュミレーションの絶対的演算を、覆した。 恋という、意志の力によって。 「おまえは人形じゃない。 こんなに葛藤する人形を吾は知らない。 こんなに泣きそうな顔で笑う人形を知らない。 エスコートしてくれたあの日。 あんなに暖かい手を持つ人形を、知らない」 → (130) 2021/05/01(Sat) 0:37:24 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>116 >>117 ヌンキ キファとサダルとはお別れになるかもしれない。 でも、”無かったこと”にはならない。 キファとサダルはちゃんと此処に居た。 あなたの祈りによって結ばれた愛は、 成就と言えるのだろう。 その愛はきっと、悪いことじゃない。 「吾にとって、おまえは。血の通った人間だ」 きっと、これが二人の別れになるのだろう。 ”恋を知ったヌンキ”も。『キファ』も。 いずれはいなくなる。 キファには帰らねばならぬ場所がある。 → (131) 2021/05/01(Sat) 0:42:58 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>116 >>117 ヌンキ でも。悪くなかった。 団結力の無い会議で、3人で必死に進行を担当したことも。 がんばり団、なんて妙なネーミングで活動したことも。 ヌンキと密やかに耳打ちをし合ったことも。 花を送ったことだって。 全部全部、忘れたりなんかしない。 記憶処理。 だから何だというのだ。 意地でも思い出してやる。 そんなもの覆せるって、あなたが教えてくれた。 ──さあ、さよならだ。 「ありがとう。 おまえと会えて良かった」 (132) 2021/05/01(Sat) 0:44:10 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>113 >>114 サダル 「阿呆。吾は吾だ。中の人に何と言われようが── 吾はおまえとえっちが出来る」 ……閑話休題。 号泣するサダルをよしよししながら、 近場から紙を手に取り、何かをメモする。 「しょうがないな。吾は秋葉ではない。 だが、サダルがあんまりにも甘えん坊だから、教えてやる」 差し出されたメモには、何かのIDが書かれている。 現実世界の記憶を取り戻したあなたなら、 それが某メッセージアプリのアカウントであることを 理解できるだろう。 「……仕事用ではなく、私用の連絡先です。 僕にしては珍しいんですよ。感謝してくださいね」 記憶については、 ブラキウムが”お手伝い”してくれるそうだ。 けれども、あなたは生死を彷徨う現状。 はたして連絡が出来るかどうかは、定かではない。 でも、"無いよりはマシ"だろう? 「存外、吾の面影が有るかもしれんな?」 (194) 2021/05/01(Sat) 15:05:45 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>138 ルヘナ ──びくり、と肩が跳ねる。 こんなことをしでかす人物など、 キファには一人しか思い浮かばない。 「ルヘナ。 おまえ、もう少し普通に登場することは 出来ないのか?」 口にしてから、苦笑した。 知っている。 ルヘナという男は、刺激を好む質である。 気の利く茶の差し入れに にぃ、と口の端を吊り上げると、 問いに答えた。 「今が最も忙しないかもしれんな。 墓の下は、存外退屈だったのだ。 何も出来なかったから」 早速カップの片割れを手にすれば、 熱い液体で舌を濡らす。 「さて。ここ数日で様々な騒乱が有ったのは おまえも知っての通りだ。 ……どうだった? おまえの退屈は、満たされたか?」 (235) 2021/05/01(Sat) 20:32:09 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>149 ハマル 「うむ、僥倖! 川のせせらぎも好ましいが、 海の雄大な大らかさもまた良いというものだ」 キファは、大きく頷く。手は握られていた。 不安な仕草を感じれば、包み込みようにぎゅっと握るのだ。 でも、ハマルは今わくわくしている。 期待で膨らむ胸から、持ち上がった口角から。 熱い掌から、それが分かる。 「ああ、行っておいで」 引っ張れば、そのままキファは着いてくるだろう。 (252) 2021/05/01(Sat) 22:06:15 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>210 サダル 「夢見路 沙羅。綺麗な名前ですね。 改めて。秋葉 義一(アキバ-ヨシカズ)です。 以後お見知りおきを──」 何を言ってるんだこいつ……みたいな目で見てきた。 秋葉はオタク心が分からない。 「はい、これで満足か? ……今は吾だけを見てくれ。な?」 キファは、サダルの腕に絡みついた。 甘えるように、名残惜しむように、 頬をあなたの腕に擦りつける。 「サダル。キスして」 唇に、もう一回。 「それでお別れだ」 (258) 2021/05/01(Sat) 23:06:01 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>263 ルヘナ 鋭い皮肉を一笑で蹴り飛ばす。 「……ふ。意外だな。 以前こうしてお喋りをした時は、 意味も、価値も、意義もそこに見出せないと、 嘆いていたのに」 引き摺り出されたか。 キファは胸中で独り言ちる。 この事件は、人の本性を、本当の願いを露にした。 色とりどりの演者達は、 あなたのまっさらなキャンバスすらもきっと、 彩ったのだろう。 だけれど、その殆どは、まだ空白で埋まっている。 だからこそ、彼は自ずから手を伸ばす。 この数日間で初めて齎された、彩りを。 → (289) 2021/05/02(Sun) 15:22:05 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>263 ルヘナ 「今。死した者はみな蘇り、一先ずの大団円と言えよう。 だからこそ、こう言える訳だが。 ……あぁ、満たされた」 カップに揺れる水面を見下ろす。 実のところ、キファの性質はルヘナと似ていたのだろう。 ただ、生に執着していただけ。 人の範疇から昇華しかけた心は、 情熱を無くしていた。 表情豊かに見えていたのなら、 きっとそれは、殆どが演技だ。 思い出させてくれた。人らしさを。 有象無象の、取るに足らない、ちっぽけな人間。 迷い、葛藤し、慟哭し、藻掻く。そんな人間らしさを。 俗物性に、汚されたのだ。 → (290) 2021/05/02(Sun) 15:22:50 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>263 ルヘナ 「キファの物語はもうすぐ終いだ。 ……十分だ。十分過ぎた。 これ以上、彩る必要も、汚す必要もないだろう」 美しい日々は。鍵を掛けて、胸の奥に仕舞っておこう。 ”彼”には、帰る場所がある。 思い出なんて言葉、少し寂しいけれど。 いつかまた迷ったときに、自らの道を指し示す標となる。 ”天啓”になんて頼らずとも。己の過去が、教えてくれる。 「互いに。求めるものを、 どこかで手に入れて来てしまったようだな? ……それで良い。 吾の色だけのキャンバスじゃ、きっと退屈だ」 カップの縁を撫でる。 「結局、腰を落ち着けて話せたのは、 全てが終わった後になってしまったが。 ──それも、好ましいだろう? 素敵な舞台の後に、感想を述べあうような。 茶飲み友達としての関係って。 何だかとっても、吾等らしいじゃないか」 (291) 2021/05/02(Sun) 15:30:54 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>272 サダル この瞬間、声なんて要らなかった。 そんなことしなくっても、言葉は届くから。 お喋りの為の唇は、塞がれてしまった。 本当は全部奪ってしまいたい。 あなたの躰も。心も。 あなたがいつか、別の何かに向けていた恋心も。 あなたにとっての幸せも。 全部。 でも許してあげる。 キスしてくれたから。 熱い体温。柔らかく濡れた唇。 たった一つのキスだけで、許せてしまうのだ。 → (302) 2021/05/02(Sun) 19:03:27 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>272 サダル もうこの温もりは、永遠に手に入らないのだろう。 後ろ髪を引く想いを噛み殺して、 唇を離す。 またねは無い。 キファは一度強く瞑目して、 涙を堪えた。 明るい別れがモットーだ。 「ここまで吾を狂わせたんだ。 ”吾”のこと、忘れてくれるな」 一歩下がって、振り返る。 キファは笑っていた。 「ではな」 (303) 2021/05/02(Sun) 19:04:36 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>297 >>298 ルヘナ 「悪くなかろう?」 今日は、茶菓子を持ってきてはいない。 だけれど。この会話が、何よりの興となろう。 「確かに口惜しいな。 ……だが。吾はきっと、一期一会に留めることを、 選べてしまうのだろう」 だからこそ。この時間が愛おしい。 ポットを差し出されれば、 こちらもカップを差し向けて答える。迷いはしない。 砂時計代わりの紅茶が注がれれば、さあ、茶会の続きだ。 → (321) 2021/05/02(Sun) 23:11:48 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>297 >>298 ルヘナ 「ああ、でも。 おまえ、ホワイトボードに『向こう側』での名を 書いていたな、吾も見かけた」 「もしかしたら。いつかどこかで、 ”向こう”の二人が出会うことも有るかもしれない」 例えば、"orion"の記録復元の手段を持つ Brachiumに、情報の提示を求めたなら、どうだ。 そこに、”あの”如月ルヘナの名が書かれていたら。 可能性はゼロじゃない。 「でも、それは『キファ』と『ルヘナ』に。 近いようで、きっと遠いのだ。 どんな事実が暴かれようとも。 吾にとっての現実は、此処なのだから」 → (323) 2021/05/02(Sun) 23:14:33 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>297 >>298 ルヘナ きっとこの二人の歓談は、 『舞台』の上にあるものじゃない。 劇を終えた役者が、楽屋で今までを振り返るような。 或いは、観客がエンドロールの後に シアターで語り合うような。 そういうものに、似ている。 時間の流れを噛み締めるのに、きっと必要なことだ。 二人にはまだ、会うべき人や、 行くべきところがあるのだろう。 けれど。今はただ、茶を楽しもう。 緩慢な時間の使い方も、きっと今の二人には丁度いい。 → (324) 2021/05/02(Sun) 23:15:22 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>297 >>298 ルヘナ 「うむ」 「吾が淹れるよりも、ずっと美味い」 これは。──そんな、いとまの話。 (325) 2021/05/02(Sun) 23:16:12 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>メレフ さて、此処はどこだろう。 談話室? 或いは、皆で何度も集まった会議室かもしれない。 どこだって構わない。 「わっ」 キファは、メレフの背に声を掛けた。 ルヘナリスペクトである。 「やあ、メレフ。数日振りだな」 エピローグの訪れによって、死した人々は蘇った。 キファも、その一人である。 (327) 2021/05/02(Sun) 23:28:17 |
| (a122) 2021/05/03(Mon) 10:24:23 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>329 ハマル ざぷり、ざぷり。 波を掻き分ける音。 浅瀬から少し遠くで潜ったあなたに、 白い手が差し伸ばされる。 それは這い上る亡霊の手でも、なんでもない。 キファの手だ。 潜るあなたを、掴み上げる手だ。 「ハマル」 水面から声が掛かる。 「覚えているとも。おまえの言葉。 ……ちゃんと、掴んだぞ?」 (356) 2021/05/03(Mon) 10:41:10 |
| (a123) 2021/05/03(Mon) 14:43:06 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>363 メレフ キファはむくれた。 ノリの悪いやつめ。 「人の弱みを弄ぶでない。 ……存外、平気なものだな。 いや、寧ろ。この世界の真実を知ったからこそ、 なんだかすっきりした心地だ」 意地の悪い問いに、意趣返しをしてやる。 「おまえこそ、お嬢はどうなったのだ。 全て、”設定”だったそうだぞ?」 (366) 2021/05/03(Mon) 15:31:23 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>367 ハマル 「何、おまえに海を見せたかっただけだ」 恰好を付けた。 半分ほんとうで、半分嘘。 最初は、ただの気紛れだった。 でも、この激動の数日間を過ごすうちに、 いつしか絶対に違えたくない約束になった。 年甲斐もなくびしょ濡れになった民族服を つまみあげながら、笑う。 「暫く遊んで行くか」 → (397) 2021/05/03(Mon) 20:42:03 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>367 ハマル ──それから二日ほど、海沿いの街に滞在した。 海岸の朝日は格別で、頑張って早起きして見に行った。 貝殻を集め、ハマルにネックレスを作って貰ったりもした。 それから来た時と同じように、 時間をかけてレムノスの街に戻る。 何もかもから解放された、きままな旅だった。 帰ってきたレムノスの街は変わらず賑やかだった。 けれど以前より、少しだけ寂しかった。 件のアナウンスから数日が経過していたから。 もう既に、帰ってしまった旅人も居たのかもしれない。 → (399) 2021/05/03(Mon) 20:57:52 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>367 ハマル 「頃合いだな」 星見杯亭の談話室で、 ハマルと旅の思い出話を語り合っているとき。 キファはふと、そう切り出した。 「吾はそろそろ、”行く”」 「吾はキファである。 キファにとっての現実は、此処だった。 吾は確かに、233年を生きていた。 ……だが。 『秋葉義一』には、帰らねばならぬ場所がある。 『キファ』という人生は、終わるのだろう」 キファは、覚悟をしている。 ……それはきっと、”死”程に冷たいものでは、ないのだろう。 例えるなら、生まれ変わりに近いのかもしれない。 「……最後におまえと、海を見れた。 約束を全部果たせたのだ。……良かった」 キファは、にっこりと笑った。 永い旅だった。 今度の旅の目的地は、ずっと遠い。 (412) 2021/05/03(Mon) 21:46:34 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>386 メレフ 「……無論。 くく。吾のカマかけも、空振りはしなかったようだな」 後に続く言葉で、メレフがテスター側であることを 確信する。 「吾もだ。前世の記憶を取り戻した、という感覚に近いか。 うむ。おまえがそう思ってくれていて、よかった。 233年生きた吾の立つ瀬にもなると云うものだ」 やっぱり似た者同士だったのだろう。 割り切り方も。”今”の在り方も。 → (429) 2021/05/03(Mon) 23:22:55 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>386 メレフ 「どうだ。 こんな神の御業を見せられたんだ。 ならば逆に、”それに至る手段”も存在するということだ。 人間が、神に等しき仙人になれるように。 死者蘇生だって。今では不可能ではあるまい?」 それは、今あなたの眼前に立つ少女が証明している。 キファは揶揄うように軽く首を傾げて、 少女みたいに愛らしく笑って見せた。 「何、これはただの意地悪だ。 本気だったのだぞ? 吾は。 敢え無くフラれてしまったが──あぁ、”共同研究”の話だ」 『別に独り占めになんてしないのに』、そう続ける。 どうやら少女は、あなたのことを同類として 結構気に入っていたらしい。 さて、本題は此処からだ。 「おまえはこれから、どうしたい?」 (430) 2021/05/03(Mon) 23:25:15 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>431 ハマル 「うん……、うん」 ハマルの抱擁を受け入れる。 背中に手を回す。 数日振りの抱擁は。 小さくて、思ったよりも大きくて。 ……温かかった。 キファはハマルに、 ”連絡先”を渡さなかった。 ハマルの前では、ずっと、『キファ』で居たかった。 → (441) 2021/05/04(Tue) 0:17:06 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>431 ハマル ああでも、どうだろう。 ホワイトボードに記されたハマルの連絡先を、 このプレイヤーは覚えている。 だから。"proxy"を脱出した後。 その記録を確認した『秋葉義一』が、 『日辻春』に連絡を取ることも、あるかもしれない。 未来の話だ。誰にも予測できない。 良い意味でも。 「吾もだ。 ──実に好い人生だった!」 これで悔いなく行ける。 ”天啓”を得る必要は、もう無い。 標はちゃんと、ここに在る。 「ありがとう、ハマルよ! おまえの旅路に、祝福が有らんことを!」 → (442) 2021/05/04(Tue) 0:18:43 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>431 ハマル それが、お別れの代わりだった。 「さよなら」は言わない。 また会う約束をひとつ、交わしたから。 ハマルの言う通り。 『キファ』が『ハマル』に会うのは、 これが最後になるのだろう。 ……綺麗な海だった。 233年の人生の中で、一番綺麗な海だった。 キファは、忘れないのだろう。 たとえ、生まれ変わっても。 (444) 2021/05/04(Tue) 0:19:32 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>386 メレフ 「……半分外れ、半分正解。 この街に残るか、脱出するかの話だ。 だが、今の答えで理解した」 指先で薄翠の髪を弄ぶ。 「いや、何。 同じくらい永きを生きたおまえに、聞きたかったのだ。 "orion"を出ることは、自らが消えるのと同義よ」 特に、キファは秋葉義一と完全に意識を切り離していた。 それでいいと思っている。覚悟だってしているつもりだった。 明るい別れがモットーだ。 だから。大好きなサダルにも、 ヌンキにも、ルヘナにも、話していない。 これは、境遇の近いあなたにだけ、話すこと。 「寂しいだろ? この世界が好きだっただろう? おまえにとって、この世界は簡単に諦めきれないほど 大切なものだっただろう?」 でも、どうやら。 存外、自分は未練たらしかったらしい。 だってまだ、ハマルと海にだって行ってない。 (448) 2021/05/04(Tue) 0:55:28 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>450 メレフ 「ノリの悪いやつめ」 キファはむくれた。 「死ぬことは、……もう、怖くない。 唯、そうだな。 慣れ親しんだこの世界との別れが、寂しいのだ」 キファは仰々しくため息を吐く。 「わからぬなあ。 それじゃあ、おまえの自我がどこにあるのか 分かりゃしない。 だが、そうか。 おまえにとっては、”この世界”も、”寂しい”も、 きっと範疇に無いのだろうな」 同じところを見ているようで、 きっと遠いどこかを見つめている。 互いに。 「全く、本当に。 近くて、分かりあえないやつ」 (453) 2021/05/04(Tue) 2:00:27 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>454 メレフ それはキファにとって、思ってもみない提案だった。 ……メレフという人間の、コア。 「行く」 そう答えたのは。 キファが、”そのもの”だったからだろうか。 『秋葉義一の死んだ妹』をモデルにしたアバター。 それが、キファだ。 見てみたかった。 人生のほとんど全てを妹に捧げた兄の、生きた証が。 残された時間は少ないわけではないが、 多いわけでもない。 ハマルと旅に出る予定があるのだ。 向かうとなれば、キファはすぐにでも出発できるだろう。 (477) 2021/05/04(Tue) 14:10:51 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>479 メレフ 「……いや、何。あの『等価交換』の祭壇を 拝めるというのだ。神秘主義者としては見逃せなかろ?」 冗談めかして、橋の下を潜り抜ける。 互いに深い理由があるのは、知っている。 だが、道中を神妙な空気にさせる理由もあるまい。 そんな風に適当に語り合いながら、 祭壇へと向かう。 「おお」 相変わらずの彼の隠蔽魔法の精度の高さに、 キファは感嘆した。 「入っても?」 (481) 2021/05/04(Tue) 14:43:38 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>483 メレフ 『邪魔するぞ』と、誰にともなく 投げ掛けた。 「蜥蜴が逆さまに吊られていたりは。しないんだな。 吾のギルドみたいに」 言われなければ、『等価交換』とは気づかないだろう。 そんな、洒落ているただの邸宅。 その筈なのに、奇妙な郷愁を感じさせるのは。 数十年、百数年の歴史があるからだろうか。 「否。吾は唯、本当に長生きしたいだけよ。 その為に選んだのが、神秘的領域だっただけのこと。 おまえと同じ道を選んだのだ、吾は。 異なるのは。”誰かの為”ではなく ”自分の為”という所だろうな」 『ほら、はよ見せよ』。そう促す。 どうやら、キファにも見学したい理由があるらしい。 (484) 2021/05/04(Tue) 15:27:58 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>487 メレフ 「良いんじゃないか」 例え、禁忌だろうと。キファは否定しない。 同じ言葉でも、全てが明らかになった今、 持つ意味合いは異なる。 それでも、否定しない。 「ちなみに蜥蜴は食うぞ。滋養に良いんだ」 表の瀟洒っぷりとは打って変わって、 中は静かだった。 キファが唯の少女であれば、 心細くなっていたかもしれない。 『そこ』に辿り着くまで、メレフに着いてゆくのだろう。 (489) 2021/05/04(Tue) 16:13:17 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>493 メレフ ぴり、と肌を焼く魔力。 キファは片目を眇めた。 見た目よりもうんと広い屋敷だったらしい。 かつん、かつん、と湿った石造りの階段が鳴る。 深層に、近づいていく。 「そうか。どうやら、吾もらしい」 「吾は兄であり、妹だった。……故人だ」 現実世界では男であること。 キファは彼の死んだ妹をモデルとした存在であること。 それを、さしてシリアスな調子でもなく、語って見せた。 ここに来たいと言った理由。 それは、皆まで言うまい。 「吾は、屍など見慣れている。 今更驚くこともないさ」 (495) 2021/05/04(Tue) 17:08:08 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>501 メレフ 「吾自身だ」 きっぱりと言い切った。 それで、キファのスタンスはある程度伝わるだろう。 ”プレイヤー”にどのような意図があろうが、 キファはキファである。それを言葉裏に語っている。 それだけは、伝えておきたかったようだ。 それから、少しだけ感傷に浸るように黙りこくった。 蛍のような光を視界に認めれば、こう話しかけて来る。 「随分もったいぶるんだな。 ……それ程厳重、ということか」 誰の目にも触れさせないように。 誰も、眠りを妨げることが無いように。 再び目覚める時まで。 ……キファは祭壇の正体に、 ある程度予想をつけていた。 (502) 2021/05/04(Tue) 18:23:28 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>505 メレフ 少女は小さく声を洩らす。 予想は、裏切られた。 想像よりも、『それ』は、ずっと美しかった。 「天国みたいだ」 この世のものと、すぐには信じられなかった。 ──否、確かに此処に在る。 眼前のこの男が、生涯を掛けて作り上げた 魔法仕掛けの楽園。 薄暗い地下の奥深くに存在する、 完全なる、小さな世界。 → (508) 2021/05/04(Tue) 18:52:50 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>505 メレフ 「愛されているな。 さぞかし良い夢を見ていることだろうよ」 少女は否定も肯定も、憐れみも口にはしない。 だけれど。東から西へと、渡り歩いてきた少女は。 昔々、鳥籠に居た少女は。 これから、広大な海を見に行く少女は。 「(少し物足りないな)」 唯、あなたは聡いから。 少女の考えていることを、見抜いてしまうかもしれない。 けれど同時に、それを問い詰めるあなたでもないだろう。 「どうするんだ、此処。 置き去りにするつもりか」 (509) 2021/05/04(Tue) 18:55:07 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>510 メレフ 「断る。人の棺の前で死ぬ趣味は無い。 それに、吾にはまだ行くべきところが有る」 即答。 それから、小さな花に触れた。 メレフの、妹の為に綴った大切な言葉たちが 流れ込んでくる。 ”成程”、と溢した。 彼の想いを知るには、それで十分過ぎる。 「もう十分なんじゃないか」 「これだけのことを為した。 人間の一生分では、ゆうに読み切れない 知識と言葉を寄越した。 おまえの妹だって、おまえを置いていったんだ。 許されるさ」 キファは割り切りが早かった。 これはこれ、それはそれ、と割り切ることができた。 感情に囚われることを好まない。 ……本当は、そうなのだ。 あなたの前で披露する機会は少なかったが。 → (511) 2021/05/04(Tue) 19:47:17 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>510 メレフ 「あとはおまえの心次第だ。 ……まあ、すぐに決断できることでは無いだろうな。 おまえは今も迷ってる」 そして、急かす権利も、道理も、 キファは持たない。 キファはポケットから鍵を取り出した。 『運否天賦』ギルド本部マスターキーの合鍵、と説明する。 書庫から、キファの私室まで。 全てを調査できる権利があなたに預けられた。 「好きに使え。 吾が東方を駆け回って手に入れた知識が、そこにある。 天国に行く方法も。動く死体を作る方法も」 『あぁでも、使ったものは元の場所に戻しておけよ』 そう言って、くつりと笑った。 → (514) 2021/05/04(Tue) 19:50:34 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>510 メレフ 「……見せてくれてありがとう。 『秋葉義一』が何故このような行為に及んだか。 少しは理解することが出来た」 誰ぞの願いを押し付けられた、と思っていた。 でも。……こんな風に愛されていたのなら。 まあ、悪くない。 (515) 2021/05/04(Tue) 19:51:07 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>532 メレフ 「──うむ、僥倖」 受け取った鍵を、自分のポケットにしまい込む。 どうやら、やっぱり”共同研究”は叶わないらしいが。 まあ、それも良いか。 ……メレフの言葉を聞いたキファは、 何故だか、どこか。すっきりとした心持だった。 それは”メレフ”の肯定であり、 ”名月 廉”の肯定である。 → (535) 2021/05/04(Tue) 21:55:27 |
![](./img/stargazer/021.png) | >>532 メレフ 「きっと、また会えるさ」 ──それは、誰に向けたものか。 キファしか知らぬことなのだろう。 少女は踵を返す。用事は終わりだ。 兄妹の邪魔をしたくない。それに── 自らにも、まだやるべきことが残っているのだから。 さあ、海を見に行こう。 〆 (536) 2021/05/04(Tue) 21:55:41 |
![](./img/stargazer/021.png) | ──『運否天賦』はその日、ギルドマスターを交代した。
然るべき手順の後、キファの一番弟子であるエルが継いだ。 彼女はだらけ者の先代よりも、しっかり者であった。
師匠について尋ねると、彼女はこう答える。 「『新たな地に旅立つ』と、書置きが残されてたんです。 律儀に、彼女本人の印が押された申請書まで置いて有って」 『まぁ、部屋は片付けて行って欲しかったですけど』 そう言って、エルは笑った。 元より、『運否天賦』は中堅のギルドである。 そのギルドマスターであるキファが持ち込んだ 『道教』という概念は、レムノスにて密やかに 認知度を高めつつある。
キファはこの世界からいなくなった。 でも、全部が無くなったわけじゃない。
彼女の痕跡は、この世界に遺り続ける。 きっとそうやって、未来は紡がれていくのだろう。 (537) 2021/05/04(Tue) 21:57:36 |
| (a174) 2021/05/04(Tue) 21:58:05 |
| (a175) 2021/05/04(Tue) 21:58:51 |
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