![]() | 【神】 白衣の アルレシャウサギを追いかけるアリスのように靴底が軽い音を立てる。 闖入者が地下へと降りてきているのだ。開けゴマと扉を開いて現れたのは女だった。 はっ、と中の光景を、眩くちらつくそれを見回して、顔は赤らみ、さっと青ざめた。 口元に手を当て唇を震わせながら、それでも勇気を出して膝を前に出し中へと入り込む。 「これは……あの日、あのテラスに居たあの子は、……ここに?」 (G15) 2021/07/05(Mon) 10:41:11 |
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![]() | 【神】 白衣の アルレシャ三人から遅れてメモを読む。白い頬はますます色を失った。 信じられない文面を泳ぐ目で読み取って、ステージの上の慰み物にされている彼を助け出す方法を理解した。 シアターの様に隠されていたそれを、さっと機材の合間を縫って、一つの薬を両手で握りしめた。 「バーナード、貴方の言ったらした噂というの。本当だったのね。 貴方がそうして警告してくれたのに、軽はずみな行動を起こしたことを、どうか許してちょうだい。ばかな女だと、笑ったっていいわ」 それから、ここに集うものの顔を見る。一度ならず言葉を交わした彼らは、きっとその噂を暴くためにここにいるのだ。 自分が、浮かれている間も。 (G20) 2021/07/05(Mon) 10:49:14 |
![]() | 【神】 白衣の アルレシャ「バーナード……いいえ、いいえ」 首を横に振る。追加のアナウンスが流れたのだ。その内容を聞いたのだ。 きっとこの享楽は、"客"を満足させるまでは終わらない。 噂の真相を知らずとも、たくさんパーティーに参加したアルレシャにはわかった。だってその前に終わったなら、催しに意味はないのだから。 「ねえバーナード、ダビー、テンガン。私も、戦わせてちょうだい」 両手に握った瓶に恋するように口づけて、勢いよく傾けた。 (1)1d10 (G23) 2021/07/05(Mon) 10:55:26 |
アルレシャは、1:そのまま 2:体の秘密 3:唇の秘密 (3)1d3 (a62) 2021/07/05(Mon) 10:58:34 |
アルレシャは、1:テンガン 2:ダビー 3:バーナード 4:キエ (1)1d4 (a64) 2021/07/05(Mon) 10:59:50 |
![]() | 【神】 白衣の アルレシャ「薬の効果は、ああ、命に関わるものでは無いのね、……」 カシャン、と手にしたガラスがシアターの床に落ちた。真っ青に唇が震える。氷の中に閉じ込められたようにからだを震わせ、ふらりと縒れた重心を立て直すように前に出た。 その方向にはテンガン、彼がいて。そのまま支えを持てなくなったように、ふらふらと体が倒れ込んだ。 息は上がり、舌が蛆になったように震えて口で息をする。 (G28) 2021/07/05(Mon) 11:04:23 |
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![]() | 【神】 白衣の アルレシャ「だめ、」 弾き返そうとした、彼の体に手をついて押し返そうとしたのだ。 けれどもああ、肌の馨が、人の匂いが。そばにあってしまったから、そうしきれずに両手はきゅうと装いを掴むばかり。 腫れぼったい舌が熱い息を吐いて、首筋に顔を埋めて。 生の、弾力のある皮膚に歯を突き立てた。 (G30) 2021/07/05(Mon) 11:11:51 |
![]() | 【独】 白衣の アルレシャ混乱に乗じた女は、アクアリウムに放り込まれたピラニアである。 たいそう素直な態度を見せる男達の真摯なことに、笑ってしまった。 薬が効いていないわけではない。無垢なものよりは効きづらいかもしれないが、それは問題にならない。 己もまた渦中に飛び込むことを、一切厭わなかったのだ。 なぜならそれがエンターテイナーとして必要なことだとよぅくわかっているのだから。 「(ああ、新鮮な血の匂い。でも去勢をしていない男の中はやはり脂肪も筋も堅いわね)」 それでも生きた人間の肉を貪るのはたいへんに満足感があって楽しいのだけど。 それは極上の料理人に腕を震わせた、女の内臓のはまた別の味わい。かたや美食が勝つならば、かたや享楽のために。 女は食人者である。 (-258) 2021/07/05(Mon) 11:18:39 |