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【秘】 幕の中で イレネオ → 黒眼鏡取調べの声が再び貴方にかかったのは、収容所を使った配置変更より後。男が貴方に予告めいた声を落としたその日のことだった。 逮捕者も多くなり閑散とした署内では、法に疑念を持つ声をあげることも難しくなっている。強硬派に反対する人間もいるにはいるだろうが、魔女狩りに合うことを考えれば見かけ上は大人しくしているのが賢い。負傷した囚人に対し、難儀そうに顔を顰めつつも声はかけないようなものも多かった。 貴方を扱う警察諸氏の態度はどうだったろう。 やはり特例に困惑していたか、腫れ物を触るようにした者もいたかもしれない。 どうあれきっと、彼らは貴方を無理に引き立てることはしなかったはずだ。 たかだか数日前にも目にした扉を、貴方は再びくぐることになる。 取調べ室。 先の記録機器は、再びそこで作動するのだろうか。 中央に設置された机の向こう側に、いくらか顔色を悪くした男が座っていた。 (-295) 2023/09/25(Mon) 4:45:18 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ「大真面目だがあ? 既に壊れてるモンを壊して何が楽しい」 自分の憂さ晴らしも兼ねていいんだろう、これ以上やるせなくさせるつもりか? ある程度の人を踏み潰す行為での快感でも想定されているぐらい重々承知だったが、不得意な物は不得意だ。 その上でいて、ただでやられる甘ったれだと思われるのも心外で。 自身の快楽を優先する思考に切り替えた、ある程度ソコに問題があろうと体が出来上がってるのならそれでいい。 これでも十分気遣いの無い行為ではあるのだが。 もっと酷くされたくなったら俺よりよっぽどマシなお相手がいくらでも出てくるだろうから。 それはそうと、この男がと想像すると何かこみ上げてくるものはあり。 喉の奥でまだ残る異物感に噎せそうになるのを堪えつつ、鼻でわらってみせてやる。 唇を拭うついでに自分の指に唾液を絡ませれば次は何処までお利巧になってくれるのだろうかと思案した。 「――今は良くされた方がイヤだろ」 男は口でそう言いつつも、行為は性急に行われた。 無遠慮に二本の指が後孔をこじ開けるように挿れられていく。 最低限で構わないが薬も潤滑油もない、内壁を解し無理なく三本目を入れるころには、再度唾液を絡ませた指と体液で水音を立てさせていた。 そうして暫く、ベルトを外し簡易的に準備を整え、自身を宛がう男の表情は何やら目が据わっている風を思わせる。 漸く真上から貴方の顔を伺うように覗き込んで、確認するまでもないがゆるりと首を傾けた。 黙っていれば、と本人が言ったようにこれ以上語ることもないのだろう。 (-296) 2023/09/25(Mon) 5:01:48 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 路地の花 フィオレもしかして上司は女という生き物を”そう”見ているかもしれなかった。 「仇をとりたいかあ……」 その感情を分かってやれないのだと、ぼんやりと男はひとりごち。 自分の両親の死でさえも冷めた目で見てしまっていた。 誰かを本気で、それこそ敵討ちをしたいと思うほど大事に好くことが出来るだろうか。 目の前の彼女ですら、自分の身の危険よりも感情と彼らの心を気にしているのだ。 そんな強い気持ちが、本当に存在するのだろうか。 「泣かずになんていられないと思うね。 それならどうして立ち上がれたんだ? 泣き疲れて動けなくなるもんじゃないのか」 「この際怪我だとかは不問にしてやるが。 自分が傷ついてでも敵討ちしたいのはどうしてだ。 自分の力に自信があるからか?」 どうしてそこまでそいつらのことを想えるんだ、と。 貴方を手招いて自分の元へ来るように促した。 「……お前が頑張っても、あの人が死んでも、誰も救われないじゃないか」 (-297) 2023/09/25(Mon) 5:14:31 |
【秘】 オネエ ヴィットーレ → 幕の中で イレネオまず感じたのは、額に濡れた感触。 何度も感じたことのあるそれは、なにをされたかなんて 一瞬で察することが出来た。 ぞわっ、と嫌悪感が身体中から沸き起こる。 憎い相手に愛情表現をされるほどおぞましい事など、 この世には存在しないのではないだろうか。 「いっ………………!」 それから、やわく少し盛りあがった唇の肉が、 プツリと音を立てて薄く切れ、まだ新鮮な赤い血が滴る。 神経の一層集まったそこの痛みは、麻痺しかけた体にも 鮮明に痛みを伝えてきた。 獣が、僅かばかりの理性で止まり。 少しの間。男は反撃をしない…………できない。 痛みによる恐怖が、腕を振り回すよりも脇を固めて 外部からの暴力に耐え忍ぶよう形をとる。 腕を開けばその分無防備になってしまう。 …………それが、怖い。 さてそうして、施される行為に。 (-298) 2023/09/25(Mon) 6:17:01 |
【秘】 オネエ ヴィットーレ → 幕の中で イレネオ「ッあァァ!!ぐぅ…………!!」 手のひらにざっくり刺さる破片。 肉を、血管を、神経を引き裂き骨まで到達するガラス。 ぶしゃ、と鮮血が迸りまた床を汚す。 痛みに腕が痙攣して、あなたに握られたまま ビクビクと魚のように跳ねる。 まともな治療を受けなければ、この手はもう 使い物にならないかもしれない。 何を握ることも、撫でることも、抱きしめることも。 きっともう出来なくなるだろう。 撫でて抱きしめたい愛する家族達を守った、その代償として。 (-299) 2023/09/25(Mon) 6:21:50 |
【秘】 オネエ ヴィットーレ → 路地の花 フィオレ「ふふ、前よりずっと素敵なお店にしてみせるわ♡」 未来に希望を持って今を耐え忍ぶ。 きっと今の状況で、何より大切な事だった。 貴方がそれをくれたから、ヴィットーレはまだ、折れずに済む。 先の見えない未来に向けて、歩くことが出来る。 「……貴方はいつだって、素敵な女の子よ。 えぇ、またね、キャシー。体には気をつけて。」 あなたに合わせてこちらも距離をとる。 今の己にできるのは、あなたの無事を祈ること、ただそれだけ。 「……待ってるわ。アタシの可愛い家族のこと。」 じゃあね、ゆるりと鎖のついた手を振るのであった。 (-300) 2023/09/25(Mon) 6:27:10 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 新芽 テオドロ「テオドロ、元気だったかあ」 ふらりと貴方の牢の前に立ち寄った頬を腫らした男は何処か自由に出歩いているように見える。 今まで見せていた姿よりも随分疲れきった動きは緩慢で、途中頭を押さえているのが見受けられた。 遠目には女性警官がいるが、 サボって いるようだ。「ちょっと言いたいことと、顔を見に来てなあ。 お前フィオレと仲よかったんだなあ……」 言いたいことはそれだけのようで、貴方や自分への罪状や諸々は気にしていないのか他は気楽な物であった。 (-301) 2023/09/25(Mon) 6:32:33 |
【秘】 Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ → 口に金貨を ルチアーノ再度の舌打ちが返る。その間にも、堪えた息が唇を暖めた。 どれだけ嫌がって声を押し込めようとしても、次第にそれにも限界が来る。 恐らくは普通の女、普通の男を相手するよりもむしろ快感を喚起するのは早かった。 キャリアもいくらか詰めばそうした生活をする余裕が出来るのか、或いは。 「ぐ、」 なかなか言うことを利かなかった性器が、根本の筋肉に力が入って跳ねる。 さして濡らしていないにも関わらず貴方の指は存外にすんなりと受け入れられた。 反応が返ってくるのも早く、押し込まれるたびに耐え難いように指を締め付ける。 その上で肛門の周りには、治りはすれど古い裂傷がいくらか見られた。 見れば小さなケロイド状の火傷痕さえある。普通に生活していて出来る傷ではない。 腕で顔を隠して身を捩る。快楽に溺れていることを隠すのも難しかった。 息をする度に胸板を上下させ、背中を逸らしてソファを軋ませる。 粘膜の上に指より高い熱が添えられれば、やっとか、と大きく息を吐いた。 濡れた瞳が貴方を見上げる。行為が始まってからはじめて相手の顔を見た。 返答としては、それで十分だろう。 (-302) 2023/09/25(Mon) 6:58:22 |
【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 口に金貨を ルチアーノ「……。」 「今はあ…?」 怪訝に問う。正直者はいいことだけども。 口がへの字になるのも許されたい。 「…あははー。ご心配、頂いてますう?」 ひらひら、手を顔の前で振る。 「大丈夫ですよお。…あー。」 「でもそれだとお、お兄さんいなくなっちゃいますかあ?」 「…だったら、大丈夫じゃないで、いいですう。」 どうせ、こんな場所で顔を合わせてはならない人間しか浮かばない。 それもあったが、また別に。甘えるように女はいった。 女は元来そんなに素直じゃない。 そういう言い方をするときは本心だ。 そんなことあなたは、知らないのだろうけども。 (-303) 2023/09/25(Mon) 6:59:07 |
【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 幕の中で イレネオ「だとするなら、俺が認めるのは付き合っていた事一点のみだ。 他に関与した情報は何もない筈だろ。」 確かに貴方の頬を殴り飛ばしたのに やはり、威力は足りないのか。 掴まれると手を退こうとする。 「ダフネに関する事についてはそれ以外には何もねえ。 っひ…!やめろって、言って…!」 手のひらを走る指の感覚に ぞわぞわとして、嫌がるように身を捩るだろう。 (-304) 2023/09/25(Mon) 7:01:34 |
【秘】 corposant ロメオ → 口に金貨を ルチアーノちゅ、ちゅ、と軽いリップ音。柔らかい舌の感触。 貴方から唇を重ねに来た時はくすりと笑っていた。 絡んだ舌先が離れた拍子に、銀糸が伸びてぷつりと切れる。 自分が吐いた息もまた熱かった。 浮かれているし、浮かされている。 「は、……ハハ、こんなのあんまり人にはやりませんよ」 「いつかは刺されるかもしれないけど〜……ん、っ」 やるとしても普段はもう少し事務的ではなかったか。 気心の知れた人に求められると、自分はこうなるんだな。 そんなことを考えながら、片方の手は貴方の耳を塞いで覆うように。深い口付けを交わしつつ、もう片方の手は貴方の下半身へ伸びた。 緩い円を描くように下腹部を優しく撫でてから、 ベルトの留具に指を掛ける。 離した顔を今度は首筋に埋めながらそこへもキスをした。 甘く噛んで、微かに付いた歯型を舐め。 「っは、…………いいでしょ、もう」 擦り寄るみたいな、甘えた声でねだった。 「あー、かわい……」 (-305) 2023/09/25(Mon) 7:12:45 |
【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → また、歌う カンターミネ当然、返事の期待はしていなかった。 世の中はそう甘くないのだから、そんなことが起きるのならそれこそ月並みに奇跡とでも呼ばなければならないだろう。 そんなことを思っていたから、壁が鳴った時は自分の耳を疑った。 …声が聞こえた時は、もっと。 それが現実だと受け入れるより前に、ぐ、と目頭が熱くなるのを覚える。 「…言い出したのは、ミネだよお。」 それも堪えて、 本当は堪えきれなかった分を一筋溢れさせ、 女の声音はいつも通り。「あははー。署内に激震走る、だよお。」 「…証拠握られちゃってえ、仕方なくう。」 それでも逃走という手段だってあったものをそれには触れず。 ついでいうなら、その 証拠 が何であったかにも、女は触れはしなかった。「これから尋問らしくてえ。」 「…やったことお?言えばいいらしいんだけどお」 「……。」 「………… ごめんねえ。ミネ。 」そのままの調子で言葉を続けていた女だったが。 あなたの声音に責められずとも。 どうしても、そう零れてしまった。 (-306) 2023/09/25(Mon) 7:28:55 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 口に金貨を ルチアーノ「可愛がられてた……………」 なるほど、そういう事か。 一種のマインドコントロールだ、これは。 警察としてそういう事件は幾度も見てきたから、それだと推察した。 ちょっと殺意が湧いた、その男に。 僕の幼馴染になんてことをしてくれたのだと。 多分”可愛がられていた”などという単語では済まされないことも、されていたに違いない。 これでは、男が望む状態には、決してならない。 昔みたいに、自分を出すということを、最早知らないんだから。 ……それでも、全く覚えてないわけじゃないと思う。 あの日あなたは、素を見せてくれていたから。 なんとかそこから、立ち直るきっかけを作ってあげれたら…………。 「…………」 「ルチアは……そいつと僕、どっちが大事?」 これは今の状況を確認するための問。どっちと答えてくれても構わない。 やることは多分、変わらないだろうから。 (-307) 2023/09/25(Mon) 7:46:53 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 傷入りのネイル ダニエラ「お嬢さんと友人の顔が無事なのを見れたらもう、寝るだけだ」 自分が思い残したものなどそれだけだった。 だから今日一日は歩けるように金を使った。 ファミリーの為を前提に、連日警察ばかりに気を使ってきた。本当に。 何故だろうと考える度に心労が溜まっていく。動きたくなくなってくる。 「心配していたに決まっているだろ、こうなる為だけにどれ程。 ……ど、どれほど……ほお〜?」 そう素直に甘えられるとこの男は弱い。 女性に弱いのではなく、これでも大分様々な仕草に口説くのを我慢してきた。 「何が大丈夫じゃないんだろうか…… ちゃんと会いに行けなかったことを落ち込んでいるのなら、 次の約束は指切りでもしようか? 知っているか、東洋のおまじないだ」 本来すごく重い約束をするもので、約束を破ると指を切るんだとか。 多分そんなだった気がする、と雑な説明をする。 (-308) 2023/09/25(Mon) 7:55:50 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 幕の中で イレネオ「そこから出してはあげられないけど……ちょっとまって」 柔らかい笑みを見て、少しだけ安堵を。 何人か牢屋に入ってる人を見たけれど、傷がある人が多かった。 あなたは大丈夫だろうかと気にしながら、牢屋の鍵を出す。 「僕がそっち行くから。 あぁ、大丈夫、危険な人の牢屋には入ってないから安心して良いよ」 かちゃりと扉を開けて中に入る。 鍵を管理していた上司は牢の中。 男はその直属でもあったから、これくらいの特権はあっても許されるだろう、多分。 いや、みつかたら絶対に始末書ものだが。 「……ん? あぁ、これ」 「これはキミが見えるところまで沢山痕をつけるから……、これじゃないと、 か、隠れなくて ……」10cm上の視界から、まじまじと間の抜けた視線を受ければ、気恥ずかしそうにタートルネックの襟を更に上げる。 あなたがそれを見たいと思うのであれば、襟を下ろしてみても男は抵抗をしないだろう。 (-309) 2023/09/25(Mon) 8:10:22 |
【墓】 新芽 テオドロ>>10 フィオレ 「笑わせてくれる。 本当に静かに咲く花ならどれだけ話しかけようと、 そっちから茎をのばしてくることはないだろうに」 ここから先はどこまで行っても言い合いだ。 なんなら、最初の時点でもう己が言っていたはずだ。よっぽどろくでもない相性≠ネのだ、と。 いよいよもってもう認めざるを得ないのだろう。 「……そうだな」 だからその都合の良い言葉も、ほんの一部分だけ。 ほんの端っこのところだけ認めてやらないでもない。 これは毒気にあてられたのではなく、 皿まで食らってやるほうに舵を切っただけの話。 元より枯れてくれるなと思っていたのはこちら側なのだから。 「あんたを特別に危険視しているのには違いない」 そうしてまた線を引き直す。 危険だから、何をしでかすか分からないから、 それはただ遠ざける以外にも道はあるのだと思って。 「見ていろ。何かしでかしたら迷わず捕まえてやる。 法の導きがなくても、その力は俺にはあるのだからな」 (+55) 2023/09/25(Mon) 8:11:28 |
【秘】 新芽 テオドロ → 口に金貨を ルチアーノ「何、……元気ですよ元気。 あんたフィオレさんと知り合いだったんですか?」 赤く紅く腫らしたり血の跡を残した手を、 億劫そうに動かしながら、牢の前に視線を向ける。 本当に今更、何が起こっても気にやしない。 何ならマフィアとアタリを付けていたもの同士、 全く持って不思議とは思わないし。 「彼女といい、あんたといい、 その……俺を気に入る物好きさは、 まさに類は友を呼んでいるようですね」 ただ、幾ら勘に優れていたとしても、 知り合い以上の関係があるとは夢にも思ってないのだが。 (-310) 2023/09/25(Mon) 8:17:01 |
【墓】 Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ>>+1 もうじき収容された被疑者の自由時間も終わりの頃、 人も疎になりつつある頃、ふらついた足取りが隅を目指す。 腫れ物のように誰も声をかけない男は、何かの延長線のように出し抜けに声をかけた。 「……お前葉巻持ち込んでやしてねえか」 #収容所 (+56) 2023/09/25(Mon) 8:44:53 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 口に金貨を ルチアーノ「悲しかったし、苦しかった。だけど。 それ以上に、許せないって思った。ずっと近くで子供たちを見ていたはずなのにどうしてって」 「その気持ちを、肯定してもらったから……っていうのも、大きいんでしょうけど」 「違うわ」 「力がなくても、そうしたいって思うの。 敵討ちと同じくらい、今ここにいる子供たちが同じ目に遭わないようにするために」 力なんてあるわけない。 ファミリーの役に立てるほどの力はないと思っている。 「今まで騙されて死んでいった子たちと、今ここで生きている子たちのためになるわ」 「私だって、それで救われる」 そうでしょ?とでも、言いたげに。 そうであってほしい、と思っているのだ。 (-311) 2023/09/25(Mon) 9:25:53 |
【人】 路地の花 フィオレ>>+55 テオ 「花にも蔦があるばっかりに、見誤ったわね?」 可憐な花も、絡めとる蔦も、侵さんとする毒も。迂闊にふれれば傷付ける棘も持っている。 そんな花を相手にした時にはもう手遅れだったのかも。 あなたが突き放そうとするたびに、強固になるものだから。 やはり、どうしたってろくでもない。 「危険な花こそ美しく見えるというものね」 食べさしのサンドを揺らしながら。 満足気に笑ってみせている。内容がどうあれ、特別視されるのは嬉しいものなのだ。 枯葉剤をまかれたって枯れてなんかやらないつもりだ。 「逮捕されてるのによくそんなこと言えるわねえ」 「でも、そうね。 テオに捕まえられるのなら、それはそれで」 良いかもしれないわね。なんて。 嫌な気がしないどころか、楽しげに笑ってみせるのだ。 (31) 2023/09/25(Mon) 9:38:00 |
【人】 門を潜り ダヴィード「うお〜、こんな人少ないことあるんだ。 ラッキー?」 こうなればヤケだの思いで有言実行、男は温泉にいた。 白くもくもくと湯煙が立ち込める中、いつもは観光客でごった返すここにも遠くに人がまばらに見えるのみ。 そこらで売っていた水着に着替え浅い湯に足を浸ける。 丸腰になることが躊躇われたのか、背後に感じる視線は遠い。 「でもまあ、低温調理されるわけにもいかないし」 数時間はのんびりとしていてもおかしくないだろう。 これはただの休日、平穏な日常だった。 #温泉 (32) 2023/09/25(Mon) 10:02:57 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → corposant ロメオあんまり、そうだろうなあ。 もうわかってしまったし、二度目を起こさないように自制できるかわからなくなってきたところだ。 やり返してやろうかと思っても、貴方にとっては得になるのだからたちが悪い。 「……やめ、てくれよ……? お前死ぬぞ……本気で」 お前を刺すほど好きな奴が出来てしまったら、 お前はそいつの殺意に応えてまうのではないかと。 「嫌だから、な。そんな理由で死んだら、……許さないからな」 伝えられるようになってしまった願望は、今後素面でも言えてしまいそうだ。 色々なことを堪えきれなくて、今貴方の前で決壊してしまったものだから。 ふ、とこの後の予定を思い出して、伸ばしていた手の動きを止めかけた。 この日、空が暮れた頃、会いに行くのは高確率で自分を捕まえる警官の元だ。 言えやしない、きっとそこで自分は警察に連れていかれるということを。 さっき何か言われたような気がするのだが、違えても大丈夫だろうか。 「……っ、ふ、……」 もう既に熱が昂っているのを感じる、甘やかに喘いでしまえば、噛まれた場所に痕は付けるなといえる暇もなかった。 その手が近づいてくるにつれ過敏に反応してしまい、 羞恥で頬を赤く染めながら、吐息交じりに貴方へとこたえた。 「ん、……いい、からぁ……早くくれぇ……」 (-312) 2023/09/25(Mon) 10:10:02 |
【墓】 favorire アリーチェ>>+52 黒眼鏡 「……と言う訳で、はい。頼れるお方は……」 ウインクを返されてしまった。少しの気恥ずかしさに俯きつつ、素直に貴方です。と伝えている。 趣味と実益と聞けば納得したらしく、それでも少し変わっているなとは思ったが突っ込まずにはいる。 「あら、お誘い光栄です。なのですが、 お店の珈琲って慣れてなくて高級でも味がわからなくて恥をかかないかと緊張しますね……」 紅茶派なのを差し引いても小学生のようなことを言っている。 絡まれることについての配慮は、そんな。申し訳ないと最初こそ断ろうとして、しかし今自分の立場を考えれば素直に見極めのタイミングは言葉に甘えたほうが良いだろうとなった。 「あっそうですよ!何がって札束もですが金塊はもっと困ります。換金するにしてもあの量だと怖がられたり怪しまれたりで…… 飾り付けにするわけにも行かないからお返しに行くか悩んでいた所、逮捕の知らせを聞いて…今はこっそりしまってあります」 #収容所 (+57) 2023/09/25(Mon) 10:16:08 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 新芽 テオドロ「まあ、そこそこ近い場所にいる知り合いだなあ。 ……可愛い子猫ちゃんだよフィオレは」 そうだなあとギリギリわかりにくい範囲にしただろうか。 一体どこまで彼女は正体を明かしているのか、それもわからないままであるので言えることは少ない。 「直近にも見舞いに来たってな。 あいつ、嫌なことがあった所をいつも通りを振舞っていてな? 随分落ち込んでいたから、またきても気にせず構ってやってくれ」 「あんまり似た者同士にはなってほしくはないがな。 可愛がってるから好みが似てしまったんだろ、お前が魅力的なのが悪いさ」 (-313) 2023/09/25(Mon) 10:20:05 |
【秘】 暗雲の陰に ニーノ → リヴィオ見たことが、ある。 その表情を、見たことがある。 言えないことを裏に隠している人の。 それでも転び出てしまった本当を示す顔。 覆われてしまうだろうか。 そうしたら分からなくなってしまうかもしれない。 一呼吸の時間を祈るように待っていた。 そうはなってほしくなくて。 どうか、どうか、と。 そうして──言葉は届いた。 [1/2] (-314) 2023/09/25(Mon) 10:34:05 |
【秘】 暗雲の陰に ニーノ → リヴィオ「……よかったぁ」 落とした声は心底安堵した響きを抱いていた。 眦を下げ笑んだ顔は未だ、貴方への信頼を示していた。 男は一歩開いた距離を見つめる。 詰める術は存在しない、けれど。 「せんぱい、あのさ」 左手を動かした。 自然右手も動くから走る痛みに一度声が詰まった。 だとして伸ばした。 鉄格子の先に、一歩には満たなくとも。 「うそがあってもいいよ」 「言えないことがあっても」 男だってそうだった。 でも貴方もそうだとするなら。 憧れは変わらない、抱く色が少し変わるだけで。 「……それでも、だいすきだ」 貴方があの日手渡してくれた信頼と勇気は、 輝きを無くさなかったんだ。 「来てくれてありがとう、リヴィオせんぱい」 [2/2] (-315) 2023/09/25(Mon) 10:36:22 |
【秘】 路地の花 フィオレ → Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ/* お疲れ様でございます、熱中症のエビです。 エピローグにて、養育院やスラムの子どもたちを食い物にしていた件で復讐、敵討ちに行かせていただく予定です。 しかし交流の方積み立ての余裕がなかったため、同様の方がいらっしゃればそちらを優先していただければと思います! 当日の混乱を避けるための事前連絡でした。 よろしくお願いします! (-316) 2023/09/25(Mon) 10:59:11 |
【秘】 暗雲の陰に ニーノ → favorire アリーチェ「そっか。……アリーせんぱいは優しいなあ。 誰かを責めるのって、怖いことですよね。 オレもうまくはできないから、気持ちわかるな」 伏し目がちな視線に気が付けば、すり、すり、と。 そう零すのは悪くないことなのだとその手を撫でた。 そういえばこんな状況だからか、怖くはないな。 「……オレはさ、騙したり、騙されたり。 悲しいこともあるけれど、必要なときもあるんだろうなって思ってて。 なんというか……優しさで、誰かを騙すこともあると思ってるんです。 相手が大切だからこそ、良い夢を見せたり。 どうしても譲れない何かがあって、自分を酷く見せたり」 「オレは多分ダニエラさんに騙されて、嵌められた。 でもそうだとしてもきっと、そこにあったのは悪意だけではなかったんだろうなって」 言葉はどれほどの意味があるだろうか。わからないが。 自分を責める貴方の心が、少しでも落ち着きを取り戻し今を見つめられればいいと思っていた。 すぐじゃなくてもいいから。少しずつ。 「…………そっか、拷問に」 「……うん。 そういうの聞いてたらオレも猶更、早く撤回されないかなって気持ちになってきました。 自分だけしか見えてなかったけれど、こうしてアリーせんぱいだったり、せんぱいの大切な人が苦しい状況にあるのはいやだから……」 「穴は……その内塞がると思うから、大丈夫!」 ぐっと拳を握ろうとして、だめだった。痛かった。呻いた。 (-317) 2023/09/25(Mon) 11:06:27 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 幕の中で イレネオ「此処の何が楽しいんだか……。 変わった宗教でもしてるのかあ……?」 思い当たったのは牢屋が好きか、この環境が好きであるかだ。 概ね後者だろうと思いつつもその執着と熱意は何処からか。 人、過去、etc。ある程度考えてみても、思いつきはしない。 ただどれかが当てはまる事実だけはありそうなことが何処となくわかった。 マフィアに所属する自分もそれの複合でボスに絶対の忠誠を誓っている。 この感情を説明しろと言われても簡単には言えないし、何も合理的ではないだろう。 「……一つ、俺の罪を教えてくれないか。 罰する必要がある罪ってやつが何なのかも知りたい」 自分はまあ、分かる通りマフィアなんだが。 それ以上でもそれ以下でもない、と貴方に告げて緩やかに首を傾げた。 貴方の考える法は普通の秩序とはズレた物なのだろう。 だからここまで警戒された男の信条が気になったし、聞けるものなら聴きたかった。 まあ無視されてしまえばそれまでだ、ここまで話してくれたのも運良く機嫌が良くなってくれたからだと思っているから。 (-318) 2023/09/25(Mon) 11:13:25 |
【秘】 新芽 テオドロ → 口に金貨を ルチアーノ「あんたのお手付き……でも不思議じゃないか」 そもそもあの女だって身持ちが堅いわけじゃないし。 わかりにくい言い方だったもので勿論すぐに気づくことはない。 「……ルチアーノの頼み、って体なら、まあ。 らしくなく色々と調子を崩していたのは知っています。 その理由も何をすればマシになるかも、流石にな」 だからとはいって喜んで頷くわけにはいかないもので。 プライドとか、培った棘などが邪魔をしているまでだが。 「可愛がってる、ねえ。 別に可愛がられたいわけじゃないが…… 何もかもが嫌になったら、マフィアに行ってみるってのも……悪くないのかもしれないな。 一回考えたことはあって。けれど向いてなさそうだから真面目に考えないようにしていたんだ」 (-319) 2023/09/25(Mon) 11:14:57 |