人狼物語 三日月国


234 【身内】不平等倫理のグレイコード-0010-【R18G】

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視点:


【神】 給仕用 イーサン

#ハノイの塔

「それでいいさ。………君たち・・・はね」

踵を返すことなく、歩く、歩く。
改札口型のエネミーに対し、何てことないようにその中心を歩く。
右手で触れて、まるで“役割”に従うかのように。

「……勘違いはするな。例え強いられたのだとしても、
 グレイ達と生活してみる気分はそう悪くなかった。

 僕は大層上手く言葉が伝わらないみたいでね。
 これまでのことが全部嫌だったと思われたら敵わないから」

そのまま静止も何も無視して先に行く。
改札の向こう、駅のホーム、
ただそこに佇むだけの電車───その最前列へ。

マスクを取り外す。これから先には枷となるものだ。
(G27) 2023/12/07(Thu) 20:56:51

【神】 給仕用 イーサン


#ハノイの塔

「フーグル。また付き纏うつもりなら準備は入念にな。
 ……安心していろ。僕とてあまり誰かを巻き込む気はない」

「リュイ。君は……この八つ当たりもまた受け入れるのだろうか?
 軽蔑されるのはもしかしたら僕の方かもしれない」

ぽつり、ぽつりと言葉を零す。
居るだろう者たちに別れの挨拶を告げでもするべく。

「バンドッグ。君の言葉はいつも煩雑なものだったが、
 最期まで飲み込めないこちらにも非があるのだろう。

 ……人やグレイは何も幸せになりたいばかりじゃない。
 僕は、彼らはきっとただ、苦しみたくないだけだ」

凡そ分かっている。優しい安寧だけでは、
冷え切った心を溶かし、給仕用として相応しい働きを取り戻すなんてことは出来ないのを。

踏み出せば、模造品の脳も内臓も熱を持つような。
偽物だとしても、偽物だからこそ、希望に縋りたくなる。

「……ハハ。今になって気づくとはな」

それは多分、一般的にはバグと呼ばれるものだろうな。
(G28) 2023/12/07(Thu) 21:01:10

【神】 給仕用 イーサン

#ハノイの塔

「あとは、ロベルにアトリに言伝……は、することもないか。
 すまんな、食事において苦労をかけさせるかもしれない」

「ああ思い出した。シングソンには。
 喉が辛い時は僕の引き出しの上から二番目……
 そこにある飲み薬を。そう伝えておいてくれ」

叱責を聞き流し、適当な言伝をもう二言増やして、
ようやく先頭車両の扉前に辿り着く。

運転室には誰もいない。きっと車掌室にだって。
駅の中にいたNPCたちは、もう名乗っていた役割を捨て、
ずっと遠く、線路の向こうへと歩いて行った頃だろう。

「……」

その先では、きっと彼女の思う楽園が作られている。
自分も直ぐに向かって身を任せたなら楽になれる筈。
(G31) 2023/12/07(Thu) 21:50:03

【神】 給仕用 イーサン

#ハノイの塔

けれど、今はそんな短期的な快楽に浸るつもりはない。

「楽園には門番がいるらしいな」

「楽園に入れてもらえるのは最後とも聞いた。
 何のデータか……どこかの一作品の話だったかな」

とにかく時間を稼ごう。誰もが望まない役割を捨てられる、
そんな理念が本当に正しいというのなら、
自分は最後でいい。まだ人間らしくある夢に浸っていたい。

間違っているとしたら───その時はその時だ。
きっと誰かが教えてくれるはず。自分にも分かる形で。
(G32) 2023/12/07(Thu) 21:52:02

【神】 □□用 イーサン

#ハノイの塔

捨てられたホイッスルを手にする。
一度も持ったことがないはずなのに妙にしっくりくる。

「足元にご注意ください。それでは───」

監察官がようやっと呼び止める声を発した方を見る。
遠い先、不自然に出来上がった病院の方を眺める。

何が本物で何が偽物か、
少なくともなりたいものになれない自分には分かりかねた。

ただ一つ確かなことは。自分はもう、
人間どころか、給仕用とすら呼べたものではない。
(G33) 2023/12/07(Thu) 21:56:59

【神】 駅□用 イーサン

#ハノイの塔

「ご利用いただきありがとうございました」

新しい役割は、それなりに悪くない心地だった。
(G34) 2023/12/07(Thu) 21:57:40